ライターのしんいちです。
今や夏冬年二回の風物詩となった感もある、オタクの祭典とも呼ばれる、コミックマーケット=コミケ、コミケット(以下コミケット)。2017年にコミケット93の評論ジャンルを紹介する記事を執筆しましたが……
今回は2019年夏のコミッケット96で見かけた評論本を紹介したいと思います。
評論ジャンルは年々注目度を増しており、メディアで取り上げられる事も増えていて、商業出版を行うようになった本もあるようです。
※コミックマーケット(コミケット/コミケ)とは
年に2回、アマチュアやプロが自由な表現の場として集い、自主制作の同人誌、通称『薄い本』を中心にゲーム、音楽、アクセサリーなどさまざまな表現を発表する場、それがコミックマーケットです。
※『評論 同人誌』 とは、およそ商業誌ではフォローしないようなニッチで濃い内容についてフォーカスし、まとめた同人誌ジャンルです。
Index
評論ジャンル 紹介
あきばよめ 『家族で楽しむ秋葉原の子鉄スポット』
サークル『あきばよめ』による、鉄道が好きなお子様(=子鉄)と楽しむための同人誌『家族で楽しむ秋葉原の子鉄スポット』。
天気に合わせたオススメ徒歩コースや、休憩スポット、秋葉原エリアで見ることが出来る電車などを解説しています。休日は子守り、でも秋葉原が好き。というお父様にオススメの一冊。
『オタクと子育て』というテーマは、今後も需要が増えて来るんじゃないでしょうか。

聖剣伝説3のコスプレは、リース・光月樹里さん@juri_kouduki
アンジェラ・友瀬翔さん@syou100です!!
- 『親子で楽しむ秋葉原の子鉄スポット』
- サークル:あきばよめ
- 著者:友瀬 翔、ひばり
- ツイッター: @syou100
ツインテ 『MATERIAL 東北大学金属材料研究所』
サークル活動10周年を迎えた『ツインテ』では、様々な施設の「よくわからないけどカッコイイ」大型機器の写真集を頒布しています。過去3作品は『核融合実験施設』をテーマに、そして新刊のテーマは『金属』ということで、東北大学金属材料研究所の写真集です。
研究施設内でしか見ることが出来ない機器の数々は、確かに何に使うのかサッパリわかりませんが、その圧倒的な迫力は伝わってきます。なにより写真のクオリティが高い!
今回の写真集は、『いろんな法のクリア』が大変だったそうです。
外為法(がいためほう)=外国為替及び外国貿易法……とは(汗。
また、このサークルでは恒例の『スク水割(すくみずわり)』という、スクール水着を着用して来ると50%OFFになるサービスをおこなっています。
『スク水割』の条件は、主催である林氏(上記 写真左)のように最低限上半身のスク水露出だそうです。
なお、 『ツインテ』 の同人誌は出来るようです。
- 『MATERIAL 東北大学金属材料研究所』
- 既刊も含めてメロンブックスにて購入可能
- サークル名:ツインテ
- 著者:林佑樹
- ツイッター: @necamax
テクノコスプレ研究会 『女装と思想 vol.9』
『テクノコスプレ研究会』は筑波大学のミスコンで優勝した女装男子、あしやまひろこ氏が主催するサークルです。ボク自身も女装趣味者なので、毎回購入しています。
今回の新刊は『女装と思想 vol.9』、特集はVRをテーマとした『バーチャルと装い その2』。今話題のVtuberに焦点を当てた特集です。
最近では『VRChat (https://www.vrchat.net/)』などで男性が女体化することが、いわゆる新しい形での『女装』として注目を浴びています。ボイスチェンジェーなどを使い、アバター上では女性として活動する人も多く、非常に興味深い世界。
また、フレグランスや、フレグランスレビューなども頒布されていました。
- 『女装と思想vol.9 特集:バーチャルと装い、その2』
- noteの有料記事として購入可能
- サークル名:テクノコスプレ研究会
- 著者:あしやまひろこ(編集長)
- ツイッター: @hiroko_TB
ぽあそんるーじゅ 『成人指定 さば読本』
続いてご紹介するサークル『ぽあそんるーじゅ』からは、料理のレシピや魚のさばき方、調味料の使い方などを、細かく丁寧に解説している同人誌『さば読本』。
そのタイトルの通り、鯖(さば)の生態や基礎知識、サバ料理などの解説をしている本。……なのですが、見開きの反対側のページには美少女のセクシーなイラストが描かれています。
斬新。斬新すぎる。
同誌は成人指定ですので、18歳未満の方はご購入・閲覧できません。
- 『成人指定 さば読本』(18禁)
- 既刊も含め、メロンブックスから購入可能
- サークル名:ぽあそんるーじゅ
- 著者:てつ
- ツイッター: @t_e_2
暗黒通信団 理系同人誌の計り売り
サークル『暗黒通信団』は、ざっくり説明するならば理系の評論サークル。
様々な著者が、執筆する同人誌を頒布しています。 『科学の黒歴史』、『ブラックホールの理論と観測入門』、『日常で使うアルゴリズム』、『クズ度で見る古典バレエ』など多数の同人誌を頒布しています。その内容はとても硬派。
新刊のセット販売もしていて、円周率から似非科学まで色々な内容の6冊。それぞれしっかりと読み応えのあるもので、お得で大満足です。
また今回は同人誌の計り売りをしていました。
文字通り同人誌をその場で計量して販売するシステムで、1gが4円になるそうです。 1000円で頒布されている新刊セットを試しに量ると350g=1400円に(笑)。その他にもちょっと意味の分からない本が頒布されていました。
サークルを訪れる機会があれば「一緒に円周率の暗唱をしましょう!」と申し出ると、大変な事が起きるでしょう……。
- サークル名:暗黒通信団
- 公式Webサイト
- ツイッター: @ankokudan
秋葉に住む 『秋葉に住む VOL.30 記念特大号』
前回の記事でも紹介した、居住という観点から秋葉原を論ずるサークル『秋葉に住む』と、同人誌『秋葉に住む VOL.30』。サークル15周年記念特大号です。
VOL.30の表紙や見開きでは、ヘリコプターをチャーターして秋葉原を空撮した写真を掲載しています。
同誌では過去にも空撮をおこなってきたそうですが、今回は2019年に新たに撮影をしたものを収録。過去との空撮比較なども掲載されています。街の発展や景観の移り変わりなどが分かり、とても興味深い内容でした。
主宰のしげの氏は、コンセプトカフェ(メイド喫茶など)にも詳しく、ブースの売り子としてメイドさんも居ました!
- 秋葉に住む VOL.30
- 既刊も含め、BOOTHにて購入可能
- サークル名:秋葉に住む
- 公式webサイト http://sotokanda.org/
- 著者:しげの
- ツイッター: @t_shigeno
まとめ
2017年の夏コミでの評論ジャンル紹介に引き続き、今回もボクが気になったマニアックなサークルをご紹介いたしました。次回以降も独自の視点を持った評論同人誌をご紹介させていただきたいと思っています。
余談ですが、帰りに乗った「ゆりかもめ」から、建設中の東京オリンピックのBMX競技コースが見えました。コミケットも含めて様々なイベントに影響はありますが、なんとなくお祭り感を感じるお台場でした。