前編……
にて、ゾンビの定義を挙げたたところで、後編ではおすすめの『ゾンビコンテンツ』についてご紹介したいと思います。古式ゆかしい王道ゾンビから、変わったゾンビが出てくるものまで、筆者の独断ではありますが、ご一読いただき、まだ未体験の作品があれば是非体験していただきたい所です。
昨今は本格的なスプラッタ―&ホラーより、パニック要素やエンターテイメント性の高いものが多いというのもゾンビ作品の傾向かもしれません。そんな訳で、比較的最近の作品を中心に紹介していきます。
Index
おすすめゾンビ 実写作品
REC/レック
主人公のアンヘラはドキュメンタリー番組を担当しているローカル局のレポーター。消防士の死後に密着する撮影に臨んだところ、近隣住民から異常を知らせる通報が入る…
ゾンビ好きは見るべき、と多くの人達から太鼓判を押されている本作品。ゾンビから逃げ回る様がハンディカメラの撮影にる一人称視点(P.O.V.=主観撮影)という手法で臨場感を感じます。世界観なども中々リアルに描かれています。また、続編も多数制作されています。
ウォーキング・デッド
原作はアメリカン・コミックのベストセラー”The Walking Dead”、監督は「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン。ゾンビがはびこる黙示録的なアメリカを舞台に、昏睡から目覚めた後、家族を探す警察官リック・グリムスに率いられた生存者たちが、安住の地を求めてサバイバルしていく姿を描く。
本国ではシーズン8(当記事執筆時点)まで制作されているアメリカのケーブルTV史上最高視聴率を記録した大人気ドラマシリーズ。
恐ろしいゾンビ達はもちろんの事、そこで生きていく人間たちの人間模様が綿密に描かれてます。シーズン4~5位までは一気に見てしまう位の熱量。
その後は……視聴率が悪くなるまで無理にでも続くというアメリカTVドラマシリーズの悪しき習慣故か……やや着地点を見失っている感はあるものの、それまでの余熱で楽しめなくはないかもしれない(個人差があります)。
数日家にこもって一気に見たい作品。
おすすめゾンビ漫画
アイアムアヒーロー
まずはまだアニメ化されていない(実写映画化はされていますが)作品から。
謎の感染症により人々が続々とゾンビ化。増えていくゾンビ達と崩壊していく人間社会の中、売れない漫画家だった主人公がサバイバルをしてく姿を描いた作品です。漫画は全22巻 完結済みで、実写映画化もした人気作品。
作中ではゾンビは「ZQN」と呼ばれる感染者であり、咬まれた時はもちろんの事、ZQN(※)を倒したときの返り血が目や口に入るだけでも感染してしまいます。恐ろしい感染症なら実際そんな感じなんでしょうが、シビアです。
※ZQN=ゾキュン、ズキュン。非常識な人間などを差す2ちゃんねる発祥のネットスラングDQN(ドキュン)を元に作られた本作の作中独自の呼び名
結末は賛否両論ありますが、過酷な環境下での人間の立ち振る舞いや、日本国内でゾンビパニックが起きたときの描写にはとても現実味があって面白いですよ。
HIGHSCHOOL OF THE DEAD
アニメ化もした人気作品。高校生がゾンビ化した日本で生き抜いていくという内容。学園物+ゾンビ物に、ややエッチな表現が組み合わさった漫画作品です。主人公達が高校生的な青春感と過酷な状況でのサバイバルに葛藤しつつ成長していく内容はとても読み応えがあります。
昔から、ホラー(特にスプラッタ)作品と、お色気はなぜか相性が良いものとされている事もあり、本作のコンセプトはある意味王道と言えるかもしれません。
本作品は中々新作が出ない状態が続いていましたが、原作者である佐藤大輔氏が2017年に亡くなり絶筆に。惜しまれます。
屍鬼
原作は小説家の小野不由美の小説。それを封神演義のコミカライズなどで知られる藤崎竜が漫画を担当した作品。
隔離された人口1300人の村で起こる怪奇サスペンス。死亡後に蘇生し超常的な力を得た人間『屍鬼』をめぐるストーリーは、本記事で触れた「いわゆるゾンビ」とは異なる内容ですが、原作共々非常に読み応えのある内容。コミックス累計110万部販売。
おすすめゾンビアニメ
国産のゾンビアニメも豊富です。ゾンビ漫画やノベル原作のもの中心となりますが、特に設定の奇抜な作品をピックアップしてご紹介。
さんかれあ
漫画原作のアニメ『さんかれあ』。
『ゾンビっ娘大好き』な主人公が、好きが高じてゾンビ化の技術(?)まで実行し、成功させてしまい、ついにはゾンビっ娘との同棲生活にまで……というかなり特異な設定。ゾンビでも可愛ければオッケー!的な感覚を極限までとんがらせた様な作品です。
癖が強いかもしれませんが、それ故ハマる人も多い模様。
これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド
こちらはライトノベル原作の作品。略称は『これゾン』
高校生の相川歩は、ある日連続一家殺人事件の犯人に殺されてしまうが、その直前に出会ったネクロマンサーの少女・ユーの力によりゾンビとして蘇ったうえ、魔法の世界から来たというハルナからは魔装少女に任命される。さらにそこへ現れた吸血忍者のセラフィムも加わり、彼女たち3人と同居することになった。
主人公(♂)がゾンビ化し、魔法(装)少女になって、女の子達と同居する……と、文章にしても全く理解できない設定の作品。
内容もかなりぶっ飛んでいるので、真っ当な感覚で理解して観ようと思うと余計混乱するかも。難しい事は考えずに見続ける事で『可愛ければOK! 』、『同棲生活最高!』、『変な女の子もウェルカム!』……と、思えるようになってきてしまう。そんな熱量を持った作品でもあります。
がっこうぐらし!
こちらも漫画原作作品。突如、ゾンビ的な存在が出現し、社会崩壊。生き残った女子高生の主人公達は、学校に立てこもって暮らしていくという、比較的正統派のストーリー。
主人公達が、かわいい女子高生である点……以外は、結構スタンダードな設定の作品。
……と、思いつつ見ていると、じつは大きな叙述トリックが。とはいえ、その伏線はしっかりと描かれています。特におすすめしたい作品なので、まだ原作未読、アニメも未視聴という方は前情報なしに観て楽しんでいただきたいところです。
おすすめゾンビゲーム
BIOHAZARD
初代プレイステーションで販売された、傑作ゾンビゲーム。続編も多数発売され、リメイクも好評。キング オブ ゾンビゲームです。
初代では密閉された洋館、研究所、ウィルス、といった舞台で物語が紡がれていきます。ゾンビは沢山いるし、襲ってくるし、腐ってるし、アーアー言ってるし、頭が弱点。まさに王道。
『かゆい うま』
DEAD RISING
こちらも人気ゾンビゲーム。ゾンビはショッピングモールに沢山いるし、遅いし、腐ってるし、襲ってきます。続編も多数販売されて、リメイクも好評。
舞台はショッピングモール。主人公は超が付く程のタフガイでフザけた要素も盛りだくさん。一番怖いのは狂った人間の方だという気がしてくる、ハリウッド映画のような演出も人気の要因です。
Left4Dead
筆者のイチ押しゾンビゲームがこのLeft 4 Dead(レフトフォーデッド)通称L4D。
本作では感染者と呼ばれるゾンビ達は全力で走ってきます。しかも超沢山。
1~2時間程で終えられる、短いステージをプレイしていくスタイルのゲームで、4人で協力してプレイしないとクリアーできないというシステムが非常に秀逸。
ゲームの方針はひたすらサバイバル!安全な領域まで協力しながら、ゾンビ達を打ちまくって、逃げまくって、駆け抜ける スピード感がたまりません。
筆者はこのゲームに出会っ後暫くは、毎晩奇声を上げながらゾンビをマシンガンで倒したり、外国人プレイヤーと罵り合ったり。そんな素敵な日々を過ごしておりました。
現在2作品でています。更なる続編が望まれる作品。出たら寝ずにやりたい。仕事せずに遊び続けたい。
海外産ゲームですが、日本国内だけキャラクターなどがローカライズされたゲームセンター用ゲーム『レフト4デッド 生存者たち』というゲームもありました。
まとめ
以上、ある程度共通の定義は出来るものの、それぞれの作品ごとに設定をみると実は千差万別ですね、ゾンビ。
ファンタジーであるが故に、明確な決まりが無いのもゾンビコンテンツが自由に広がる理由のひとつと言えるかもしれません。ゾンビ作品自体も、生き残った人間の生き様や、あり方にフォーカスした作品や、完全にジョークだらけのコメディ映画など、その表現方法はさまざまです。
当記事が、そんな多種多様な形で広がりづ付ける『ゾンビ』コンテンツについて興味を持っていただいたり、楽しんでいただく為の参考になれば幸いです。