『サクラチェッカー』はAmazonに出品されている製品のレビューや出品状況を元に商品評価の信用度を判定するサービスです。
ネット通販では他の購入者/利用者のレビューは、製品の品質を判断するのにとても有用です。購入を迷っている製品の最終判断に、ユーザーレビューを見て判断する……という人も少なくないでしょう。
反面、そういった事は出品者(販売者)も認識しているので、自社の関係者にレビューをさせたり……マーケティングの一環と称して『高評価レビュー投稿を売り買い』するような企業やサービスすら存在しています。
こういった『サクラ行為のレビュー』が行われているかどうかを判断するのに便利なのが、当記事で紹介するWebサービス『サクラチェッカー』です。具体的な使用手順を画像を交えて紹介いたしましょう。
Index
そのAmazonレビューは本物?
Webサービス 『サクラチェッカー』の概要
製品やサービスのユーザーレビューは、既に多くのWebサービス・ECサイトに導入されていますが、『レビューでは高評価だったのに、実際買ってみたらイマイチだった……』という経験をした事がある人も多いのではないでしょうか。

スクリーンショット
どんなに優秀な企業・メーカーの製品でも、一定確率で製品の不良品に当たってしまう事は避けられませんが、それにしてもあきらかに過剰評価じゃない? なんて製品も稀に存在します。
発売したばかりなのに数100件~1000件以上のレビューがあったり、聞いた事もないブランドですごく安いのに高評価レビューが多かったり……なんて、素人目にも不自然な製品もときどき見かけます。
そんなサクラレビュー(※)の可能性を機械的に判断してくれるサービスが『サクラチェッカー』です。
※サクラ……という言葉は、『雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面や公演全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を作り出したりする者』を指す言葉。現代では偽物のレビューなどを称して『サクラレビュー』と呼んだりします。俗称ですが。詳しくはWikipediaの解説などをご覧ください。
このサービスでは、Amazonの製品ページURL(アドレス)を入力するだけで、そのレビューや商品状況などから総合的に判断して、信頼できるか/できないかといった点を判定してくれます。
サクラチェッカーの公式サイトによると……
- 価格、製品:異常な値引率、商品名など
- ショップ:発送地域、電話番号不掲載など
- ショップレビュー:急激なショップレビューの悪化 → オープニングで不正レビューを自作自演でやっている業者など
- レビュー分布/履歴:自然ではないレビュー分布、レビュー件数の履歴
- レビュー日付:バイト募集期間による極端な日付の偏り
- レビュー・レビュアー→ レビュー本文の怪しさ、レビュアー自身の怪しさなど
といった6項目を基本に判定しているようです。(サクラチェッカーの仕組みより)
ちなみに……他社からのサゲレビューと思わしきものも検出しますので、そういった事に熱心な企業担当者さんが居るとしたら……今後は業務方針を変更したほうが良いかもしれませんね。
※サゲレビューとは……同業種の優良製品を蹴落とし、Amazon検索画面で評価順で並び替えた時などに自社製品が上にくるよう他社優良製品に★1の悪質な評価をいれること
サクラチェッカー解説ページより引用
本サービスは、パソコンのWebブラウザからはもちろん、スマートフォンでも簡単に利用することができます。対象商品の信用度だけでなく、同カテゴリで信用度の高い商品を検索できるなど、ネットショッピングを安全快適に利用するのに便利なサービスです。
サクラチェッカーの使い方
サクラチェッカーを実際にどうやって使うかについて、以下に解説していきます。
※画面はパソコンのWebブラウザで紹介していますが、スマートフォンでもほぼ同様の操作で利用できます。
手順1:評価対象商品の情報を入手
Amazonの商品ページのURL(アドレス)をコピーします。(『商品名』や『型番』でも検索は可能ですが、URLが確実です)
手順2:サクラチェッカーで対象商品を検索
つづいて、サクラチェッカーのトップページにWebブラウザ(ChromeやSafari)でアクセスし……
文字列を張り付けたら『Go』をクリックします。
※『Go』のクリック後、スマートフォンの場合は結果が表示されるまで少し時間がかかる場合があります。あまりに長い時はWebブラウザでリロード(再読み込み)をしてみましょう。
評価結果ページの見方
評価結果は長めのページとして表示されます。以下にて上から順に説明しますが、全て合わせて1ページです。画面をスクロールしながら見ていきましょう。
なお、結果をすべて確認すると長くなりますので、基本的な事項のみ確認したい方は手順1のみ確認すればOKです。
評価結果ページの見方1:評価概要
まず、画面上部……正直ここが、サクラチェッカーの一番凄いところであり、この結果だけを見ていても十分参考になります。
画像で赤く囲った(1)の箇所……にサクラチェッカー独自の評価点と、Amazonでのレビュー数値が表示されます。
※その下部…画像で赤く囲った(2)の箇所ではAmazon、楽天、Yahooショッピングにおける現在の販売価格が表示されます。
サクラチェッカーの評価点と、Amazonのレビュー点の差が少なければ、サクラレビューの可能性が低いとみなされ『合格』と表示されます。
点数の差が多い場合は『警告』『危険』と表示されます。



さらに下部……赤く囲った(3)の箇所に『サクラや注意評価などから算出した注意度数』が表示されます。
0%に近い方が、より健全な商品レビューとなります。
そして(4)の箇所ではサクラ度の評価の基準となった各項目別に安全度が表示されます。
サクラ度の総合評価はこの欄の……
- 価格&製品=異常な値引率、不審な商品名など
- ショップ情報&地域=出品者発送地域の傾向、電話番号不掲載など
- ショップ評価=急激なショップレビューの変化(オープニングで不正レビューを自作自演でやっている業者など)
- 評価分布&履歴=自然ではないレビュー分布、レビュー件数の履歴
- 評価/口コミ日付=バイト募集期間による極端な日付の偏り
- 評価本文&評価者= レビュー本文の怪しさ、レビュアー自身の怪しさなど
といった6項目を総合的に判断した結果となっているようです。
評価結果ページの見方2:同カテゴリ製品の例示
続く(5)の箇所では同カテゴリ製品のランキングが表示されます。
(6)ではサクラチェッカーにて合格評価とされる同カテゴリを扱う製品のメーカーも一覧で表示されます。
メーカー名をクリックすることで、メーカーから同カテゴリ製品を検索することもできます。
さらにその下、(7)では『ランキング』順、『料金』順、『評価』順で同カテゴリの製品を検索することができます。
また、(8)の箇所では同カテゴリから評価の高い製品と低い製品の例示を確認することができます。
評価結果ページの見方3:価格、評価データの推移
(9)のエリアではAmazon、楽天、Yahooショッピングでの価格推移を確認することができます。
急激な価格の高騰や下落から悪質な商品を見極めるにも役立ちますが、良い製品についてもシーズンに応じて買い時を見極めることにも役立ちます。
そして(10)のエリアでは評価の推移を表示します。
ここでの評価は点数ではなくレビューの件数になります。
多少の誤差はあれど、基本的にレビューの件数は緩やかに増えていくはずなので、件数が急激に増える、減るといった動きには『サクラ』が関わっている可能性があります。
評価結果ページの見方4:キャンペーン情報、参考口コミ
(11)では評価とはあまり関係ありませんがAmazonのキャンペーン情報が表示されますので、ショッピングに役立ててください。
次に(12)では信頼性が高いと評価される口コミや逆に『サクラ』だと判断されるような口コミの代表を参照することができます。
リンクをクリックすることで対象の口コミが載っているAmazonのレビューページにジャンプします。
なお、グレーアウトしていた場合は対象となる口コミが検出されていないため、参照することができません。
評価結果ページの見方5:各評価項目の詳細
まとめ
以上、Amazonのお買い物体験がより健全に楽しめるWebサービス『サクラチェッカー』の利用方法、評価結果の見方について解説しました。
昨今、私たちはインターネットショッピングで安く簡単に商品を手に入れられる反面、粗悪品や偽物を買わされてしまうリスクにもさらされています。そして、実物を見ることができない以上、商品のレビューや評価が商品購入の大きな判断材料になるのですが……そのレビューに対して不正な操作をされると、判断を誤ってしまう可能性が高くなってしまいますよね。
当然、Amazonや楽天市場といた運営側もある程度は対策を行っているようなのですが、当記事執筆時点では健全な状態になっているとは言い難い状況です。
サクラチェッカーも、Amazon以外の第三者によるサービスですので、100%確実……とは言えないかもしれませんが、実際に使ってみるとその精度はかなり高いように思えました。
もちろん、サクラレビューが多くても良い製品……というのが存在する可能性もありますが『ユーザーレビュー』という制度自体が健全化していくためにも、こういったサービスが広く普及し利用されていく事は重要な意味があるのではないでしょうか。
なお、関連する記事としてAmazon内での商品の価格推移をチェックできる『Keepa』というWebブラウザ拡張についても解説しています。ビッグセール前に一旦値上げしておいて、セール中にあたかも大幅値引きをしているかのようにふるまう商品や、商品がいつごろ登録されたのか……なんてこともグラフで可視化できるツール。
Amazonで賢い買い物をするために、あわせてお読みいただく事をおすすめします。
機能 | ★★★★☆(4.5) 文句なし、判定結果も信頼できそう |
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使いやすさ | ★★★★(4) URLを入力するだけ、簡単。 無理に難癖つけるとすれば、 型番・テキスト検索結果でややアフィリエイトリンクを意図せず踏みやすい…… 気がする程度。 |
価格 | ★★★★★(5) 無料。こんなに便利で無料なんて……文句なし |
信頼性 | ★★★☆(3.5) 有力な競合サービスが無いので判断は難しいが、概ね正しいような気がする |
総合評価 | ★★★★(4.5) 便利、有能。有料化してもやむなしと思えるレベル。 もっと周知されれば、メーカー、企業がサクラレビューに、広告費をかけるのを抑制できる……かもしれません。 |
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