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VJソフト『Resolume7』 アップデートの内容と新ライセンス形態について

VJソフト『Resolume 7』レビュー。 アップデート内容とライセンスについて

執筆: UZUREA編集部 アイコン UZUREA編集部

VJソフト『Resolume(レゾリューム) Avenue/Arena』のバージョン7が2019年7月2日に正式公開されました。

随分と早いメジャーバージョン・アップデートな気がしますが、Resolume6のベータ版公開記事を当サイトに掲載したのが2017年9月ですので2年ぶり位のバージョンアップという事になるでしょうか。

今回はResolume7の公開から少し時間が経っていますが、バグフィックス版7.0.1も7月15日に公開されていますので、あらためてそのアップデート内容、新機能と、新しくなったライセンス形態についてチェックしていきたいと思います。

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Resolume 7の概要と新機能

今回Resolume6→7のバージョンアップペースが早い事について、公式ブログの記事では『大きな変更とさらに大きな計画(big changes and even bigger plans)がある』と語っていますので、それぞれ確認していきましょう。

アンドゥ(取り消し UNDO)、リドゥ(やり直し REDO)の実装

小さくて大きな機能追加、アンドゥ/リドゥが実装されました。

Resolume7 アンドゥ(取り消し UNDO)、リドゥ(やり直し REDO)の実装
アンドゥ(取り消し UNDO)、リドゥ(やり直し REDO)の実装

バージョン7にもなって今頃? と思うかもしれませんが、内部的にはかなり大きな手間のかかる実装(後述)だったようです。

クリップの移動やクリアといっただけでは無く、エフェクトのON/OFFやパラメーターや、クリップのサイズや透明度といったパラメーターなどなど……。 Resolumeで実行する殆どの操作がこのアンドゥ/リドゥで制御できます。 もちろんLayerやColumnの削除や追加といった操作も対象です。

Groupや操作パネルの切り替えといった、出力に直接影響しないオペレーションはちゃんと対象外になっているので、実によくできています。

キーボードショートカットはデフォルトで……

  • Ctrl + Z  アンドゥ
  • Ctrl + Shift + Z  リドゥ

となっているので、一般的なデスクトップアプリケーションと同じ感覚で操作が可能です。 誤操作の巻き戻しはもちろん、現場で色々とセットを変更したり、 エフェクトをいじったりするタイプのVJであれば、この機能はかなり有用でしょう。

なんでこんな事が出来なかったんだよ! という気持ちも分かりますが、Resolume公式ブログで開発メンバーのJoris de Jongは以下の様に書いています。(超意訳)

Resolumeにアンドゥがない理由を聞かれた時、
Resolumeはライブをする為の楽器です、ピアノは演奏をやり直す事はできますか!?
もしくは 「Resolumeは進み続ける。 過去には戻らない」、などと言ってやり過ごしていました。

でも、もうこれらの冗談でごまかす必要はありません。 Resolumeは過去も振り返り、そして前に進むのです。

最初から『アンドゥ』の実装を想定していていないアプリケーションに、それを追加する場合、(プログラム制作者は)何十万行ものプログラムコードを修正する必要があります。 それは、ものすごく手間がかかり、退屈な作業です。 これが、アンドゥの実装に時間がかかった実際の理由です。

私たちは今まで、楽しさや興奮できる機能だけに集中して開発をしてきましたが、バージョンアップの度にプログラムコードは大きくなり、この (アンドゥが無い) 問題はますます大きくなりました。そしてこの件について、早急に対応しなければならない事に気づきました。 時間が経てば経つほどこの問題は大きくなるのです。

そこで私たちは意を決して、椅子に座り、ヘッドフォンを装着し、クランチモードで(必死になって)、これをやり遂げました

(中略) もし、あなたが新しいアプリケーションをリリースする予定が有る場合、最初からUNDOを実装するように。 約束だよ!

Resolume Official Blog Resolume Avenue and Arena 7 Available Now!!! より

……という事で、かなり悲痛な感じで語っている通り(意訳ですが)、この機能の実装が、Resolume開発チームにとって、つらく苦しく、でも避けては通れない重要な機能追加であった事が伺えます。 ありがとうResolume。 ありがとう開発チーム。 ありがとうUNDO/REDO。

新しいライセンス形態

Resolumeは全く新しいライセンス形態になりました。

これまでは、バージョンアップの度に、過去バージョン利用ユーザーはパッケージ価格と比べて安い『差分料金』を支払いライセンスを購入していました。 これがResolume7からは……

  • Resokume Arena 初期購入(12か月ライセンス込) 799ユーロ (96,500円前後 ※2019年7月末為替 以下同じ)
  • Resokume Arena 12か月更新ライセンス 219ユーロ (26,500円前後)
  • Resokume Avene 初期購入(12か月ライセンス込) 299ユーロ (36,000円前後)
  • Resokume Avene 12か月更新ライセンス 79ユーロ (9,600円前後)

と、12か月単位でのライセンス購入/更新へと変更になりました。

既存のResolume6ユーザーは、12か月更新ライセンスと同価格の支払いで、Resolume7の利用ができます。 なお、Resolume7発売前30日の間にResolume6のライセンスを購入したユーザーは無料アップグレードの対象となるようです。 (無料アップグレード対象者は mail@resolume.com へ英語でメールしましょう)

一見、とうとうサブスクリプションか……と思いますが、この点は少しだけ異なります。

一度更新ライセンスを購入したユーザーは、12か月間、アップデートや各種サポートを受けられますが、12か月を過ぎた後にすぐライセンス更新しなくてもアプリケーションはそのまま利用できます。 13カ月目も、14カ月目も、100年後もそのまま利用できます。 試用版のように出力に『resolume』とロゴが入ったり『ゥレゾィィリューム……』 みたいな音が定期的に流れたりしません。

もし12か月ライセンスが切れた後に、バージョンアップが提供され、それを適用したい場合にのみ、再度12か月更新ライセンスを購入すればアップデートやサポートを再び受けられる。 という事のようです。

USBドングルでのライセンス管理

これまでResolumeはオンラインでのライセンス認証にのみ対応し、一定期間オンライン認証がないと、あらためてネットワーク環境で認証を入力する必要がありましたが、専用のUSBドングルでライセンスを管理する事で、Resolumeがオフライン環境でもUSBを接続した端末で利用する事ができるようになりました。

Resolume USB Dongle(ドングル)
Resolume USB Dongle(ドングル)

USBドングルはType-A及びType-Cに対応し、Windows/MacOS両方のプラットフォームで利用できます。 価格は79ユーロ (9,600円前後)で海外でも送料無料との事。

もちろんUSBドングルなんて要らない! という方は、今までどおりのオンラインライセンスで引き続き利用できます。

Resolume公式ページ USBドングルについての詳細

Color Eye Dropper(カラースポイト)機能

EffetsやText Blockなどで色設定をするときにはColor Pickerはありましたが、更に便利なカラースポイト機能が追加されました。

Color Eye Dropper は画面上のいたるところから採色可能!
Color Eye Dropper は画面上のいたるところから採色可能!

PhotoshopやAffterEffectsなどでおなじみのスポイト機能ですが、Resolume7では画面上のどこからでも色を抽出する事ができます。 上の画像のようにプレビューウインドウで再生中の画面からはもちろん、Layerに配置されている各Clipのサムネイルや、ResolumeのUI各所。 別ウインドで開いているWebページやデスクトップの壁紙やアイコンからも色を抽出できます。

使い方はカラー指定のあるエフェクトやClipに追加されたスポイト(Eye Dropper)アイコンを操作するだけ。 とても簡単で便利なツールが追加されました。

カラーパレットにアニメーション機能追加

カラーパレット関連でもう一つ機能追加され、アニメーション機能が追加されました。

color-palette-animation
color-palette-animation (公式ブログより

公式ブログには、上の画像と「Pink Green Pink Green Pink Green Pink Green」としか書いてないのですが……(汗)。 一体どういう事か少々分かり難かったのですが、どうやら

  1. カラーパレットを表示させた後
  2. ラベルの文字『Palette』の辺りにマウスオーバーすると、設定アイコンが表示
  3. 設定アイコンをクリックするTimeLineや、BPMSyncといったClip同様のアニメーションを設定できます
1)カラーパレットを表示させ、2)『Palette』の辺りにマウスオーバー、3)設定を変更
1)カラーパレットを表示させ、2)『Palette』の辺りにマウスオーバー、3)設定を変更

パレットは 『P』と書かれたボタンをクリックして変更や作成ができるので、BPMとシンクさせて、カラーエフェクトを変えたりといった事が簡単にできるようになりました。

複数のMIDI機器に対応

これまでも、複数のMIDI機器を接続する事は可能でしたが、それぞれのMIDI信号は混在し、使いこなすには設定が必用な場合がありました。 Resolume7では、接続したMIDIデバイスの信号を区別し、簡単に利用する事ができるようになりました。

同じ機種……たとえばAPC40を2台同時に接続して利用する事も可能です。

ランダム再生機能の向上

Clipの再生モードRandamモードがより強化されました。

Improved Random Playback (Randam再生)

Resolume6では、Clipの再生、一時停止、逆再生ボタンの箇所にランダムボタンがありましたが、この切り替わりは制御できませんでした。 Resolume7では、LoopやBounceといった再生設定ボタンのあった箇所がプルダウンに変更になり、そこへRandamモードが追加されています。

パラメーターとしてSpeed(速度)やInterval(間隔)、Distance(タイムライン上での移動距離)などを設定可能です。

Clip毎のAutopilot設定が可能に

これまでのAutopilot(オートパイロット=自動再生)機能ではLayer毎に設定できるだけでしたが、今回のアップデートでClip毎にAutopilotに関するコントロールが追加され、これを制御できるようになりました。

ClipにAutpilotのコントロールとLoop回数数値入力欄が追加されいる

Actionでは、設定したClipの再生後の挙動を指定できます。 地味なアップデートにみえて、様々な設定ができるので、複数Clipの設定を細かく指定する事で、より自由な自動再生パターンを構築する事ができそうです。

  • Layer Daterminned(レイヤー固定): デフォルト。これまでのAutpilo同様の挙動となります
  • Do Nothing:この設定をしたClipを再生すると、LayerでAutoPilotを設定していても自動再生されなくなり、同じClipを再生し続けます
  • Play Next Clip/Previous Clip/Randam Clip/First Clip/Last Clip :このClipを再生した後、 Layer内の再生Clipを相対位置で指定できます
  • Play Specific Clip(特定のクリップを再生):このClipの次に再生するクリップをClip名で指定できます。 対象は同一Layerのみ。
  • Loops:この値を増やすと、AutoPilot時に設定に設定回数再生してから次のクリップへ移ります。 (例:3に設定すれば、Clipを3回再生してから次のClipに移動する)

過去バージョンでもClipの並び順を調整したり、同じClipを配置したりする事で対応できましたが、より柔軟な設定ができるようになりましたね。

3つのSoucesが追加 『Metaball』『Sine Wave』『Spiral』

パラメーターを指定して、様々な効果を生む事ができるClip『Soures』に新しい3つが追加されました。

Resolume7からSoucesに 『Metaball』『Sine Wave』『Spiral』 が追加
Resolume7からSoucesに 『Metaball』『Sine Wave』『Spiral』 が追加
  • Metaballs:画面にランダムに移動する複数の円形を描画。 Size、Distance、Radius(半径)、Fuzzyness(ぼかし)、Speed、PositionX/Y、Colorなどを設定できる。
  • Sine Wave:画面にうにょうにょしたラインを描画する。 LineWidth(幅)、縦横設定、本数やスピードなど設定できる。
  • Spiral:螺旋を描画。巻き数、幅など色々設定できる

軽く触ってみた印象では、いずれもそのままでは利用し難そうなSouresでした。 とはいえ、プリセットも多めに用意されていますし、Soucesの良い所はエフェクトを重ねたり、マスクにしたりと、応用次第でカスタマイズできる点なので、新しい可能性ができた、という点では嬉しいですね。

その外のResolime 7 アップデート

  • Media Manager(メディアマネージャー)が改良。より早く、安定化。
  • FFGLプラグインが2.0準拠にアップデート。オーディオFFT入力からビジュアライザなどを作成したりも可能に。 ただしFFGL2.0はOpenGL4.1に依存する為、Resolume6で稼働していたプラグインはResolume7では動作しない場合があります。 (動作させるためにはコンテンツを作成した制作者が更新する必要があります)
  • Resolume上で『Apple ProRes』形式の動画を再生可能に(Win/Mac共に)
  • Alley 2.1.0でProResをDXVへ変換する事にできるようにもなりました。

Resolume 7.0.1でのアップデート

2019年7月15日にバグフィックス版のResolume7.0.1もリリースされています。 以下に主な改善内容を記載します。

  • Resolime6のコンポジションを7にインポートする際の処理修正(いくつかのパラメータが間違っているなど)
  • RadeonGPU搭載のAMDビデオカードで、起動しないバグを修正
  • Cue Pointを設定するとクラッシュするのを修正
  • コンポジション内に多数のClipが有る時に、Clipを削除すると数秒フリーズするのを修正
  • 再生していないクリップにキューポイントを設定してもキューポイントUIが更新されないのを修正

などなど。

RadeonのVGAで動作しない問題は、該当者にとっては致命的なので、迅速にアップデートした方がよいでしょう。 また、早めにResolume7にした方は、あらためて7.0.1にしてからResolume6のコンポジションをインポートし直したほうが良さそうです。

詳細は公式ブログの記事『Resolume7.0.1 No Time to Shave or Shower』を参照

まとめ

新しいライセンスについては公式ブログにて「これはサブスクリプションでは無い(This is not a subscription)」と明言していますが、前のバージョンアップ(5→6)から期間が短いのにも関わらず、新しく費用を支払う事に苦言を伝えるコメントなども公式ブログに寄せられています。

また、次期Resolumeのメジャーバージョン8が出た時や、将来的にこの価格が上がる可能性もあるでしょう。 とはいえ、私たちユーザーも、収入や状況にあわせて柔軟に利用でき、開発チームにとっても負担とならない料金体系を考えた結果という事であれば、十分に評価できるものだと思えます。

VJ用アプリケーションとしての安定性や柔軟性という面で、現状で最高峰の完成度を誇るResolimeが今後存続する道を考えると、 それほど悪い変では無いように思えます。

誤字、誤記、解釈間違い、情報提供などは大歓迎です。 コメント欄からお気軽におねがいいたします。

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