当記事では、VPNサービスのひとつである『ExpressVPN』について、その利用開始と設定方法などにフォーカスを当ててご紹介したいと思います。
現在ドイツに在住する筆者が実際にExpressVPNを利用し、現在(2020年10月)ヨーロッパ圏からはアクセスする事ができなくなっているYahoo!ジャパンのコンテンツを閲覧する事ができるか……といったテストも行っています。
Index
『ExpressVPN』の料金プラン解説と導入方法

トップページからは、『VPNについて』『料金』『サポート』といった情報にアクセスできる
今回ご紹介するExpressVPNは、Express Technologies Ltd.が運営するVPNサービスで、2009年にサービスがリリースされて依頼、高い評価を得てきています。 なお、同社は利用者のプライバシーの観点から、イギリスとは別の法的管轄権で運用できるイギリス領ヴァージン諸島にて法人を設立しているそうです。
Webサイトも日本語化しており、導入がしやすい=使いやすいVPNサービスのひとつと言えるでしょう。
利用料金
ExpressVPNのトップページからは『VPNについて』『料金』『サポート』といった情報にアクセスできますが、利用の申し込みを行う場合のおおまかな流れとしては……
- 利用申し込み
- 支払い方法の設定
- 専用アプリケーションのインストール
- 設定
- 利用開始
となります。
料金体系は毎月/毎年といった利用期間中は継続して支払いが発生するサブスクリプションタイプのサービスです。各種料金については、トップページ右上の『はじめる』というボタンをクリックすると確認する事ができます。
契約方法=料金プランは3種類。いずれも30日間の返金保証があるので、想定する利用方法にあったプランを選びましょう、
各プランの概要は下記の通り
- 1ヶ月: 月額$12.95の毎月請求
- 6ヶ月: 6か月分一括支払い 月額$9.99相当×6で$59.94 自動更新
- 12ヶ月:12か月分一括支払い 月額$8.32相当×12で$99.84 自動更新+さらに初年度のみ3か月間の追加期間がプラスされ=15か月利用可能
長く利用するなら12か月+初年度3か月の追加がある12か月プランを申し込むと、月額$6.656相当で利用できる事になります。
なおExpressVPNはひとつの契約で、最大5台の端末で同時使用が可能です。 PC、携帯電話、タブレット、Firestickといった端末で利用できるので、個人で使う分にはよほどのことが無い限り1つの契約で事足りるでしょう。
他VPNサービスとの比較
念のためいくつか筆者が使った事のあるVPNとの比較表も掲載しておきます。
サービス名 | ExpressVPN | iTop VPN | StrongVPN |
---|---|---|---|
料金 | $8.32/月~ | ¥411円/月~ | $3.66/月~ |
アクセスポイント | 94カ国 | 35カ国 | 45カ国 |
接続台数 | 5台以上 | 5台 | 3台? |
簡単な比較ではありますが、やや高額ながらもアクセスポイントの豊富さでは、ExpressVPNに優位性がありますね。
申込手順
希望の料金プランを選択すると決済画面に推移します。申し込みに最低限必要なのはメールアドレスと支払い方法。メールアドレスはプロダクトキーなど重要な情報が送られてくるので、常時確実に確認できるものを入力しておいた方がよいでしょう。
決済方法は、クレジットカード決済かPayPal、ビットコインなども利用可能。もし、Bitcoinで一財産を築いている方がいらっしゃれば、それを利用するのも良いでしょう。(筆者はPaypalを選択しました)
決済に必要な各種情報を入力し、エラーなく完結すると、利用パスワードの設定画面に進みます。 パスワードはExpressVPNのシステム側で自動生成されますが、自身でオリジナルのパスワードを設定したい場合は、下記図の赤★で示した白いボタンをクリックする事で設定できるようになります。

(以後しばらく画面表記が筆者に環境=ドイツ語になる)
つづいて、サービスの利用に必要なアクティベーションコードが発行されます。このコードは専用のアプリケーションを端末にインストールしVPNを設定する際に必要となります。これも重要なので必ずどこかに記録するなりしておきましょう。
さらに、画面上に表示された『ダウンロード』ボタンをクリックして専用の接続アプリケーションをダウンロードします。
アプリケーションは自身のシステムに合わせて最適なものが自動で選ばれます。筆者の環境ではWindows11でしたので、そのまま利用しましたが左側にある記号をクリックすることで、特定のブラウザ向けなど最適なものを自分で選ぶこともできます。
なお、スマートフォン用アプリは下記からダウンロードできます。
PC版ソフトウェアのインストールと設定
以下はWindows11での解説となりますが、プログラムファイルをダウンロードした後は、さっそくインストールしましょう。 ダウンロードしたファイルを実行すると、インストーラーが起動します。
インストールが実行されると、ほどなくサインイン画面が表示されます。
すでに契約済みのユーザーは『サインイン』をクリックします。 ここで数秒~数分間、待ち時間が発生します。
しばらく待つと、アクティベーションコードの入力画面が立ち上がります。ここに、先の利用申し込み時に入手したアクティベーションコード(アルファベット大文字23文字)を入力します。
以上でインストールと初期設定は終了。無事、VPNアプリが起動しました。
VPN接続を設定する
つづいて、VPNの設定を行います。 今回はドイツに居る筆者が、東京のアクセスポイントを利用してインターネットに接続する手順で解説します。
これが上手くいけば、通常ドイツからは見る事ができない日本のコンテンツ……例えばYahoo!ジャパンのトップページ(https://www.yahoo.co.jp/)をWebブラウザで表示する事ができるようになるはずです。
VPNのロケーション選択ウインドの検索欄に『日本』と入力すると、4つのアクセスポイントが表示されました。
今回は『日本ー東京』を選択し、左側画面の電源ボタン風のアイコンをクリックすると接続が開始されます。
以上で設定は完了。 簡単ですね。
無事、接続完了したようです。
VPN経由でインターネットを閲覧してみる
では、実際にVPNをつなげたまま、ネットサーフィンしてみましょう。 ドイツからは通常見られないYahoo!ジャパン(https://www.yahoo.co.jp)。

Yahoo!ジャパンへアクセスすると表示される画面
その1サービス、Yahooニュース(https://news.yahoo.co.jp)に接続してみたところ……。
無事表示されました! VPNの特徴の一つである『アクセスポイントを経由しての接続』によってインターネット上の国境をまたぐ事ができました。
VPNを無効にするには
なお、VPN経由での接続をオフにしたい時は、先ほどの電源ボタン風のアイコンを再度クリックすればOK。
VPNアプリを呼び出し、電源アイコンをクリックします。
以上で、簡単にVPNの接続を無効にすることができます。
回線速度の影響をチェック
接続スピードも比較してみましょう。 速度のチェックにはspeedtest.netを用いました。
クリック1つでネット速度のチェックができるので便利でよく使っていま
す。iPhone向けAndroid向けのアプリも揃っているので、モバイルでのネット速度チェックもラクラクです。ぜひ利用してみてください。
まずは筆者が契約している通常のインターネット接続でのテスト。
- アクセスポイントは、ドイツのフランクフルト
- Download 58.78Mbps
- Upload 11.68Mbps
という解析結果となりました。
続いてVPN接続時。
- アクセスポイントは、東京と表示される
- Download 40.26Mbps
- Upload 10.20Mbps
という結果に。
1/3弱ほどの速度低下となりましたが、それでも下りで40Mbps。 Youtubeでの動画視聴なども試しましたが、体感ではストレスは感じません。情報量の多いホームページを閲覧したり、複数のタブやブラウザを同時利用していると、もしかしたら若干のもたつきは感じるかもしれませんが、よほど大きなデータ通信を行わない限り大丈夫そうです。
前述したように、ExpressVPNは専用のアプリケーションでVPNのオンオフを簡単に切り替える事ができるのもとても便利ですね。セキュリティを意識したいシーンとそうでないシーン、海外サイトを観たい時と速度を優先させたいとき……といったこまめな使い分けも可能になります。
無料(トライアル)期間中に利用を止めたい場合
ExpressVPNは、『VPNお試しトライアル』として、申込から30日の間、理由を問わず手数料無しで返金対応する旨を提示しています。 そして1ヶ月プラン・6ヶ月プラン。12ヶ月プランのどれでも、返金に応じています。

問い合わせが可能
この30日間に機能が制限されるようなことはなく、ExpressVPNの全機能(各OS向けアプリ・各モバイルアプリ・各ブラウザ向け拡張機能・各ルーター向け設定)がフルで利用可能です。
ただし、トライアル中の利用停止方法については、下記の点にご注意を
- 『返金申請ボタン』などの機能はないので、サポートへチャットかメールフォームから申請する必要がある
- 日本語には非対応。英語で申請する必要あり
- ExpressVPNはドル建てでのサブスクリプションのため、為替の変動状況によっては満額返金とはならないことも。(ただしこれは逆もしかりで、円高の際は返金額が入金額を上回ることもあり得る)
ExpressVPNの解約方法
契約から30日の返金保証の期間を過ぎている場合、サブスクリプションの区切りなどで解約する場合も、Webサイト経由でチャット、またはメールフォームから行います。
マイページにログインし、『会話をはじめる』ボタンからチャットのリクエストを行います。
基本的には24時間対応となっていますが、時間によってはなかなか接続ができない場合もあるようです。担当スタッフと会話が始められる目安時間も表示されるので、参考の上、チャットを始めましょう。
チャット画面が開いたら、解約の旨を伝える事で、手続きが行われるようになります。 チャットは日本語でのメッセージを送ると自動翻訳システムで翻訳されるようですが、英語での各種申請メッセージ例を記載しましたので、参考までにご覧ください。
- キャンセルリクエストの文面例: I would like to cancel my subscription program.
- プラン詳細の例:My Program is the followings: 12 months plan.
- 返金リクエストの例:Please refund the money to my credit card account.
まとめ
VPNを利用してインターネットにアクセスする事で受けられる恩恵は、大きくわけてふたつ挙げられます。
ひとつは、本来の接続だけではアクセスできない海外のコンテンツを見る/利用する事ができるようになるというもの。 ヨーロッパから日本のYahoo!ジャパンコンテンツを見る場合や、海外のNetflix限定コンテンツを視聴したいといった時にも活躍します。
そしてもうひとつは、セキュリティを向上させるという目的です。 VPN経由の接続の場合は、VPNアクセスポイントを経由してインターネットを利用する事になるので、通常の接続よりも匿名性が向上します。
イメージとしては下記のような……
- 通常接続:自身の端末→契約プロバイダ→Webページ
- VPN接続:自身端末→契約プロバイダ→VPNアクセスポイント→Webページ
違いとなります。また、これが出先で利用する公共Wifiなどでも同様ですので、よりセキュリティ面での恩恵を感じる事ができるでしょう。
本記事では、VPN提供業者の中でも日本語対応や機能、速度の面で評価が高いExpressVPNについてご紹介しましたが、より詳しい情報を得たいという方は公式サイトからご確認ください。 Webサイトは日本語に対応しています。