当記事では、AUTO-VOXより提供いただいたルームミラー型ドライブレコーダー 『AUTO-VOXドライブレコーダーX6』をレビューします。 同社の同型ドラレコ『AUTO-BOX V5』も昨年のこの時期に紹介してますが、その後継となる本製品。
既にメイン販売窓口であるAmazonでは、X5のASIN(Amazonから割り振られ製品識別ID)ページが、X6の製品情報に書き換わっていますので、以後X5の販売はされずV6に完全に切り替わるという状況のようです。
記事の索引
AUTO-VOX ドライブレコーダーX6 レビュー
まずは、2020年に発売された前モデルV5(※)と2021年6月発売の本製品X6の違いを確認していきましょう。
※AUTO-VOX V5の製品情報とレビューは当サイトの別記事(『AUTO-VOX V5』ルームミラー型 ドライブレコーダー レビュー)にて掲載しています。
AUTO-VOX 『V5』と『X6』の比較
製品名 | AUTO-VOX V5 | AUTO-VOX V6 |
---|---|---|
本体 表示面仕様 | 9.35インチ IPSタッチパネル | 9.35インチ IPSタッチパネル |
解像度/fps |
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|
撮影角 | 145°広角(対角線) | 145°広角(対角線) |
カメラタイプ 設置方法 |
カメラ、ミラー&液晶一体型 ルームミラーへの取り付け |
カメラ、液晶分離型 ミラー&液晶はルームミラーに取り付け フロントカメラはフロントガラスに貼り付け |
内部記憶領域 | 無し | 無し |
追加ストレージ | microSDカード(別売) Class10以上、16GB/32GB/64GB の3種容量に対応 |
microSDカード(別売) 16GB/32GB/64GB/128GBに対応 ※Samsung、またはSanDiskの64GB、Class10以上のSD カードを推奨 |
前モデルであるV5と比較すると、スペック面では大きく変化していませんが、一番の違いはルームミラー型のレコーダー本体とカメラが一体型だったV5と比べ、X6は分離している事でしょう。
microSDカードは別売りですが、128GBまで対応するようになっています。 メーカーとしてはSamsungかSanDiskの64GB Clacc10以上を推奨との事。 この表記はやや誤解しそうですが、128GB Class10も推奨対象だと思われます。
安全・安心・セキュリティの為のドライブレコーダー。64GB/128GBいずれでも2000円以下で購入できる時代ですので、数百円を出し渋って聞きなれないメーカーのメモリーカードを買ってリスクを背負う事もないでしょう。
なお、本記事執筆にあたってAUTO-VOXへ『V5とX6では、スペック表や外観では確認できない違いが有るか?』と質問をしたところ、下記のような回答がありました。
- システムの安定性向上
- 自動ブレーキシステム搭載車に対応。 ブレーキシステムやガラスシートなど障害物の映り込みを気にせず広範囲を記録できます。
- フロントカメラがミラーから独立しているのでミラーの角度変更をおこなってもカメラに影響しません。
- カメラは左右サンバイザーを遮らず、サンバイザーの正常な使用に影響を与えません
……3と4はいずれもカメラが分離したことによる恩恵ですので、要約するとシステムのアップデートと、カメラと本体の分離が大きい変更といった所でしょうか。
付属品一覧
パッケージの付属品一覧は下記のとおり。
- ドライブレコーダー本体(ゴムバンド2つ取り付け済み)
- フロントカメラ
- リアカメラ
- 取り扱い説明書/延長保証カード
- ゴムバンド1セット予備(2つ)
- 各機器接続用ケーブル
- 各種接続用部品(ビス、リアカメラナンバープレート取付用ブラケット、リアカメラ室内取付用ブラケット)
- シガーチャージャー(シガーソケット用電源アダプタ) 3.5m
- リアカメラ接続用ケーブル 6m
本体とカメラが分離したという点の他、シガーソケットから電源をとるためのシガーチャージャー(電源アダプター)のデザインがV5同梱の物と比べ改良されています(後述)。
また、カメラとレコーダーが分離したことで、V5では別途存在したGPSモジュールが無くなっています。 おそらくGPSはフロントカメラに内蔵されているのでしょう。
フロントガラスに取り付けるタイプのカメラは、大抵この製品と同様の3Mの赤いフィルムがついた両面テープが使用されています。 非常に強力で、長期間高熱にさらされても粘着力が低下しないテープなので落下などの心配は不要でしょう。
※ただし、一度はがしてしまうとその機能は低下してしまいますので、取り外しや付け替えに備えて、同じ3Mのテープを手元に持っておくと安心です。
なお、フロントカメラのレンズ部分は仰角(上下方向)に30度稼働するので、車のフロントガラス傾斜角に合わせて調整することが可能です。 この角度調整は手動ではなく、取り付けを完了して各種配線を行った後にドライブレコーダーのモニター上から操作する事ができます。
ドライブレコーダー本体は、V5と比べ入出力端子が簡略化されています。
microSDカード端子以外無くなり簡略化されている
向かって下面は、電源ボタンの他に感光センサーが追加されている程度で、目立った変更はありません。
地味に嬉しいのが、付属のシガーソケット用電源アダプター(シガーチャージャー)にUSBコネクタが付いている点。
このUSBコネクタのおかげでスマートフォン用充電ケーブルなど、ほかのサプライ品を利用できるようになります。 このUSBコネクタは5V/3Aとの事なので、USB Type-C規格のスマートフォン充電出力に対応しているという事になります。
駐車監視機能を使うには……
なお、発売前情報では別売りの専用降圧ケーブルを使用すると、駐車時にも監視機能を使えるようになるとの事でしたが、専用の降圧ケーブルは日本国内での発売が中止となってようです。 これに対しAUTO-VOXより下記補足情報がありましたので、引用しておきます。
社内事情により、X6専用の降圧ケーブルは発売されません。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
AUTO-VOXからのメール回答より引用
駐車監視機能を実現したい場合は、X6に適用される電圧監視機能付きシガーソケット電源と車種類及び電流によって適切なヒューズホルダーの別途購入が必要です。
ASIN: B089B3Z98Y/B07RZX84ND
(停止電圧は11.6V/23.6V、オフタイマーは1時間に設定することををお勧めします)。
※メール回答に記載されているASINの製品は下記にリンクを貼っておきます。
取付・接続方法
配線の接続方法はかなり簡単。 コネクタの色が黄色と黄色、赤と赤、白と白……といったように、同じ色のコネクタをそれぞれ接続するだけ。 マニュアルをしっかり読みつつ作業をするのが基本ですが、視覚的にわかりやすくデザインされている点は好感が持てます。
本体をルームミラーに取り付ける
ドライブレコーダー本体は、V5同様車のルームミラーにゴムバンド2箇所で固定するだけ。
特に難しい事はありませんが、走行中にうっかりミラーから落ちないように、しっかりと取り付けましょう。
フロントカメラの取り付け
カメラは両面テープでフロントガラスに貼る仕様となっています。
カメラと分離式になっているので一体型であったV5よりも取り付けをする手間は若干増えています。とはいえ『すごく大変』というほどでは無い。 これはAUTO-VOXからの案内の通り……
- ミラーと分離式なので、ミラーを動かしてもカメラの撮影状況に影響が出ない
- 自動ブレーキ対応車でも、干渉物を避けてカメラを設置できる
- ドライブレコーダーがスリムになることで、サンバイザーに干渉しない
といった多数のメリットの方が上回るでしょう。
リアカメラの取り付け
室内に取り付けるのであればフロントカメラとほぼ同様の手順でリアカメラを取り付ける事がでいます。 付属のケーブルも6mあるので、よほど大きい車でなければ問題ないでしょう。
車外=車後部のナンバープレートに取り付けたいという場合は、ケーブルを這わして外へ取り付ける作業が必要となります。 相応の知識・準備がある、という方以外は業者などにお願いするのも良いでしょう。
モニターでフロントカメラの仰角を調整
布団とカメラのレンズ部分は仰角を30度調整できますが、これは本体(ミラー型ドライブレコーダー)から操作して調整できます。
補足:モニター下部、左から二つめのアイコンをタップし、フロント⇔リアの映像を切り替え、フロントカメラの映像を表示させている様態で操作が可能。 なお、危険なので走行中の操作は絶対にやめましょう。
フロントカメラは車種によっては手が届きにくい箇所に設置するケースもあるため、中々便利な機能です。
録画画質のチェック
さて、続いて実際に走行しデータを確認してみましょう。
データを比べてみてまず気づいたのは、フロントカメラ録画データの品質。
V5はカメラが本体と一体だったため、フロントガラスとカメラの間の距離がやや離れていました。そのため、角度によってはダッシュボードなど車内の映り込みや、布団とガラスに反射した光が映り込む事がありました。
一方、X6は車内が映り込む事がほとんどありません。 外部からの反射も少なくなったように感じますし、何よりミラーの角度の影響を受けないので真正面をとらえて録画できるようになっています。 これらはカメラ自体の性能が向上したというより分離型になった事による恩恵でしょう。
映り込みは左下に少しみられるが、少なく感じる。
なにより真正面をとらえて録画できるようになった。
録画データの品質については、V5の頃同様、日中/夜間問わず鮮明に記録されています。
6月上旬の17時ごろと、19時ごろに録画した動画データも掲載しておきますので、参考までにご覧ください。(YouTubeの画質設定を1080pにすると録画データに近いプレビューとなりますが、ナンバープレートや人の顔などはYouTube機能にてぼかし処理が適用されています)
走行記録をPC/MAC環境で閲覧するソフトウェアについて
録画したデータをGPSデータと共に閲覧するためのソフトウェアの入手方法について補足します。
WinrodsPCの場合、録画したデータの入ったmicroSDカードをPCと接続しデータの中にある『autoPlayerlite.exe』を起動する事でインストーラーが起動し、ソフトウェアを利用できるようになります。
データが見つからない場合はV5レビューの際にAUTO-VOXから提供案内されたOneDriveのリンクがあるので、こちらを試してみてください。
またMacの場合はAppStoreにて『AUTO-VOX GPS Player』で検索する事で、専用アプリがダウンロードできます。
まとめ、総合評価
AUTO-BOX X6は、前モデルV5の機能をほぼ踏襲しつつも、細かい箇所が進化している印象です。
当記事では省略しましたが、リアカメラでの駐車ガイドライン表示機能や、アクセサリモードでの速度表示などもV5同様搭載されています。また、取り付けステーなどが複数付属する点などもV5同様なので、さまざまな車種に対応可能です。
録画画質に関しても、V5と同等かそれ以上の品質です。 夜間でも前後を走る車のナンバープレートはハッキリと確認できました。
難点を挙げるのであれば、駐車監視モードを利用するためには、別途部品を購入する必要があり、取り付けについても車内配線をいじる必要があるという所でしょうか。
V5同様マニュアルの日本語も翻訳が怪しい所はありますが、理解できないほどではありませんが、いまだに日本に公式Webサイトなどが存在しない点はやや不安があります。
『機械が苦手……』という人にはお勧めできませんが、普段ご自身である程度情報を調べたり、マニュアルやAmazon製品ページの解説を良く読み、試行錯誤する事にも楽しみを感じられる人であれば、取り付け・使用に当たってもそれほど苦労しないはずです。
付属の保証延長カードの手続きを行えば、購入後1年半(18か月)のサポート対象となるので、初期不良や利用中しばらくの故障については心配する必要がないでしょう。
実売価格は¥19,900と、V5発売当時と変わりありませんので、上記に該当し、新規にリーズナブルなドライブレコーダー購入を検討している人であれば、十分におすすめできる製品でしょう。
画質 | ★★★★☆(4.5) 夜間でもはっきりと録画されている。 センサーとカメラ部品の向上によりV5より鮮明な印象 |
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コストパフォーマンス | ★★★★(4) 2万円前後で利用できるドライブレコーダーとしては優秀 |
設置しやすさ | ★★★☆(3.5) 駐車監視機能が不要であれば、工具不要で30分ほどで設置できる |
使いやすさ | ★★☆(2.5) 機能を理解すれば中々便利。 マニュアルの日本語翻訳はやや不安。 日本語Webサイトも無い。 |
総合評価 | ★★★☆(3.5) サポートや使いやすさといった面では大手メーカー製品に引けを取るが、 低価格帯のミラー取り付け型ドライブレコーダーを探しているなら、 十分おすすめ |
(最大星5つ/0.5刻み/10段階評価)
AUTO-VOX V5 ドライブレコーダー 製品仕様
型番 | X6 |
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本体液晶サイズ | W26×H7.6×D1.3cm 9.35インチ IPSタッチパネル |
フロントカメラ 録画データ仕様 |
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フロントカメラ 撮影角 | 145°広角 |
取付方法 |
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ストレージ | 内部ストレージ:無し 外部ストレージ:MicroSDカード(別売) Class10以上、16GB/32GB/64GB/128GBに対応 ※Samsung、またはSanDiskの64GB、Class10以上のSD カードを推奨 |
シガーソケット用 電源アダプター |
入力電源:不明(提供情報なし) 出力:不明(提供情報なし) USBコネクタ仕様:5V/3A |
ビデオ形式 | H.264エンコーディング、MOV形式 |
画像形式 | JPEG |
センサー | 前後Sony IMX307, AHD |
動作温度範囲 | -20℃~65 ℃ (-4℉~149℉) |
保存温度範囲 | -30℃~85℃ (-22℉~185℉) |
音声 | 内蔵マイク/スピーカー |
リアカメラ 録画データ仕様 |
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リアカメラ録画解像度 | AHD(1080P) 25fps ※アナログケーブル接続 |
リアカメラ 撮影角 | 150°広角 |
リアカメラ防水性能 | IP68 |
インターフェース言語 | 日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語 |
製造 | Made in China |
Webサイト | http://auto-vox.com(英語) |