Adobeが2022年9月15日(日本時間16日)、ブラウザベースの共同デザインツール『Figma(フィグマ)』の買収を発表しました。 FigmaはWebブラウザ上で複数人がデザインの共同編集をすることができるツール。
Adobeは今回の買収で、デザイナー向けサービスの一層の拡充を目指しているそうです。
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Adobe共同デザインツール『Figma』の買収を発表
Adobeは2022年9月15日(日本時間16日)、ブラウザベースの共同デザインツール『Figma』を提供する米Figmaとの買収合意を発表しました。

Adobe Blogより
買収額は200億ドル(約2兆8700億円)となり、同社がこれまで行ってきた買収の中でも最高額になるとのこと。 現在必要な手続きを経て、2023年の買収完了を見込んでいます。
『Figma』は、ウェブサイトやアプリのデザインをチームで設計するためのツール。Webブラウザ上で稼働するため、専用アプリをインストールする必要が無い点が特徴です。
Figmaは2016年9月27日に最初のバージョンを公開して以来、オンラインベースのデザイン・コミュニケーションツールとして急成長。多くのユーザーに使われ、MicrosoftやGoogleなどのデザイン部門でも採用されています。
両社の公式発表は以下より。
- Adobe – Adobe to Acquire Figma Adobeによる公式発表 (English)
- アドビはFigmaを買収する意向を表明しました。共同クリエイティビティは新時代へ Adobe 日本語版blog
- A New Collaboration with Adobe Figmaによる公式発表(English)
FigmaはAdobe XDよりも優位性があるとして精力的にプロモーションを行っていた
これまでにFigmaはAdobe製品の、特に『Adobe XDに対抗しうるツール』としてプロモーションをおこなってきました。

Figma vs Adobe XD
スクリーンショット
Figma公式Webサイト内の、Figma vs Adobe XDというコンテンツでは、『共同作業でデザインすることに関しては、Figmaは数年先を行っています。』といったコメントや、Adobe XDと比べてFigmaの優位性を強くアピールしています。
事実Figmaは多くのユーザーの評価され、Adobeにとって……特にXDにとっては、シェアを奪うアプリケーションとして強い危機感を感じていたのではないかと考えられます。
今後のFigmaとAdobe製品は……
買収後、『Figma』は現在と同じ内容・料金で独立した運営が続くとし、さらに『Photoshop』や『Illustrator』で使われている画像や写真などAdobeの技術を組み込み、デザイナー向けのサービス拡充を目指すと発表しています。
Adobeで提供中のAdobe Creative Cloudでは、『Figma』の競合とも言えるアプリケーション『Adobe XD』を抱えていますが、今回の買収で『Figma』に統合されていくのでしょうか? 今後の動向にも注目です。
SNSの反応
今回のAdobeによる『Figma』買収発表は、多くの人に衝撃を与えました。
長年デザイン関連ツールのトップとして君臨してきたAdobeに対抗できるアプリケーションとして、近年『Figma』が広く注目されていたから……という一面もあるでしょう。
以下に、SNSの反応を一部掲載させていただきます。
まとめ
今回の買収報道はデザイナーや関連する人達、企業を中心に大きな衝撃があったようです。
今やクリエイティブシーンで必須ともいえるAdobe各種アプリケーションですが、利用するためにはCreative Cloudのサブスクリプション契約をする必要があり、これをもって一部SNSなどでは『Adobe税』と、皮肉を込めて呼ぶこともあるようです。
また過去にAdobeの競合であったMacromediaを買収後、そのソフトウェア(Flash、Fireworksなど)が開発終了となってきた実情をみるに、今後Figmaの開発がどうなるか……と危ぶむ声も多いようです。
FigmaがCreative Cloudの一部として、利用できるようになるのか……といった点も含めて、今後の動向にも注目したいところです。
- Adobe 日本公式Webサイト
- Adobe 日本公式Twitterアカウント@adobejapan
- Adobe 日本公式Facebookページ
- Adobe 公式YouTubeチャンネル AdobeCreativeStation