noteから本業ライターに、そして書籍『山小屋ガールの癒されない日々』出版 吉玉サキさんインタビュー
noteから本業ライターに、そして書籍『山小屋ガールの癒されない日々』出版 吉玉サキさんインタビュー

吉玉サキさんインタビュー noteから本業ライター、そして書籍『山小屋ガールの癒されない日々』出版

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『note』という、ブログとも、SNSとも言い表すことができる、勢いのあるプラットフォームで記事を毎日更新し、ライターとしてデビューするきっかけを掴んだ吉玉サキ(よしだま さき)さん。

吉玉さんはnoteの姉妹サービス『cakes』が主催する『第二回cakesクリエイターコンテスト』(2018年4月開催)に入選し、同サービスで『小屋ガール通信』を連載開始。そして連載内容に加筆・修正を加えた書籍 『山小屋ガールの癒されない日々』を2019年6月21日に平凡社から出版する事となりました。

そんな、ライター、エッセイストとして活躍する吉玉サキさんに、同書籍と、noteに関しての思いなどをお聞きしました。

吉玉サキさん(ライター、エッセイスト) インタビュー

吉玉サキさん
吉玉サキさん

――早速ですが、吉玉さんの著書『山小屋ガールの癒されない日々』について、著者さんから読みどころを教えてください。

吉玉サキ さん(以下 吉玉):
この本は、基本的には登山や山小屋に興味のある人をメインターゲットとしています。そういったことに興味がある人にとっては、ヘリでの荷揚げの裏側や水事情、スタッフの住環境や業務内容など、『山小屋の裏側を覗き見ることができる』ところが読みどころかな、と思います。

ただ、カテゴリー的には実用書ではなく、あくまでも私個人の体験を綴った(つづった)エッセイなんですよね。だからこそ、「山には興味ないけど面白く読んだ!」といった声もいただけたので、うれしいですね。

――私自身も山に特別な想いが有った訳ではありませんが、とても楽しく読ませていただきました。

吉玉:
ありがとうございます。私は山小屋で働く前は、同じ会社での仕事を続けることができなかったんです。「私に勤まる職場なんてどこにもない」と思い込んでいたのですが、意外なことに、山小屋では、仕事を続けることができました。そういった側面からのエピソードも書いたので、私と同じような境遇だった人に多く読まれている印象です。

ただ、「こうすれば悩みが解決するよ!」という明確な答えは書いてないです。なので、そこは期待しすぎないでほしい……といったところですね。

――人生に悩みを抱えている方に響くところがあるのかもしれませんね。本が出版されてからの、読者からの反応についてはどう感じましたか。

吉玉:
ほとんどの反応はうれしかったです! 読んでもらえた時点でものすごくありがたいことなので、どんな反応でもうれしいんですよね。

もちろん否定的な意見もあって、それに対しては落ち込みますが、どんなに批判されたとしても、買って読んでくださった方に対して腹立たしさはないですね。私も、買って読んだ本をつまらなく感じることはありますし、どんな感想を持つのも読者の自由ですから。

でも、そもそもどんな反応があるかということ自体をあまり意識していなかったんです。
出版後、cakesの担当編集の方に「どのくらい本が売れると思っていましたか?」と聞かれて、「そういえば何も考えたことがなかったな」と気が付きました(笑)。
とにかく書くことに必死で、考える余裕がなかったんですよね。

――書くことに集中されていたのですね。
そういえば、noteやcakesでの連載のイラストはイラストレーターである旦那様によるものだそうですが、書籍のイラストは別のイラストレーターさんによる描き下ろしだそうですね。

このイラストも内容にぴったりの素敵なイラストですが、イラストレーターさんとはどういったやり取りがあったのでしょうか。

吉玉:
書籍のイラストを担当してくださった高橋由季さんとは、直接打ち合わせしていないんです。でも、編集の方を通じてイラストのラフが送られてきたとき、すごくステキで……めちゃくちゃテンションが上がりました。

ただ、そのときはまだ本のタイトルが決まってなかったので、表紙の女の子が笑顔だったんですね。
その後、タイトルが『癒されない日々』に決定したあとに、編集さんと「笑顔じゃないほうがタイトルと合いますね」という話になり、困り顔に修正してもらいました。 私自身、だいたいいつも周りに翻弄されて困っているので、ピッタリだと思っています(笑)。

――カバーイラストの表情は吉玉さんの内面を表現して、完成したと(笑)。
そのあと……出版後は取材を受けることやイベントに出演されることも増えたと思いますが、印象深い出来事などありましたか?

吉玉:
イベントでサインを求められたときに、はじめて知人以外の読者さんとお話する機会がありました。その際に、何人かの方から「少し前につらい体験をしたんですけど、そのときに吉玉さんのnoteに支えられました。ありがとうございます」と、お礼を言われたんです。

それは本自体への感想ではなかったのですが、私の文章(noteの記事)が誰かの支えになっているとは思ってなかったので、すごくビックリしました。むしろ、自分は周囲に支えられてばかりだと思っていたので、「自分も誰かを支えてるんだ」と。

『誰かを支えること』を自分の存在意義にしたくはないですが……やっぱりうれしいですね。

――なるほど。そういった感想を頂けるのはうれしいですね。 吉玉さんはnoteを毎日更新されていましたが、それがライターとしての道、また、この本を出版することに繋がったのだと思います。そういった事も含めて、吉玉さんにとってのnoteというプラットフォームに対するお気持ちを教えてください。

吉玉:
作品を発表する場でもあり、SNSでもあるというのがnoteというプラットフォームの面白さ、魅力ですよね。有料記事にすることでマネタイズが可能だったり、運営が新人クリエイターの発掘に意欲的であったり。従来のブログサービスとは一線を画しています。

また、読者側としても、推しクリエイターにサポートという形で課金ができたり、クリエイターを探している出版社やwebメディアの編集部にとっては人材の宝庫だったり。私の場合は、noteを毎日書いていたら、DRESSというwebメディアの編集の方から声がかかり、エッセイを執筆することになりました。

※DRESS [ドレス] 吉玉サキさん エッセイ (https://p-dress.jp/users/4612)

初めての打ち合わせでDRESSの編集さんにお会いしたとき、「吉玉さんのいいところは更新頻度の高さ。毎日あれだけ書けるという馬力です」と言われたんですよね。

「あ、内容や文章力じゃないんだ!」とは思いましたが(笑)、それはそれで納得ですし、ありがたかったです。 そのあとは、noteと姉妹サイトのcakesが主催する『第二回cakesクリエイターコンテスト』に入選し、cakesで本の元になった『小屋ガール通信』という連載を持つことができました。

※cakes(ケイクス) 小屋ガール通信 https://cakes.mu/series/4149

吉玉:
このことがきっかけでほかの媒体からも声がかかったり、自分からも営業したりして、本格的にフリーライターになった、という流れです。 ですので、きっかけを作ってくれたnoteにはとても感謝しています。

――吉玉さんのように、noteをきっかけとして夢を叶えたいという目標を持った方も多いと思います。そういった方に対して、なにかアドバイスはありますか?

吉玉:
私は、誰かに見出されるためにnoteを書いてたわけではないんです。毎日の更新をはじめた当初は、書きたいという欲求の発散場所として、『noteを書くこと』そのものが目的でした。

もちろん、見出されることを目的として書くのが悪いことだとは思いません。有名になりたいからとか、執筆依頼がほしいからとか、そういった動機で書く人もいるでしょう。書く動機は人それぞれで、そこに優劣はないですよね。

けれど、誰かに評価されることを目的とすると、それが叶わないときに苦しくなってしまうと思います。いいとか悪いとかではなく、自分にとって苦しいことって、単純にイヤじゃないですか。だから、他者からの評価を目的としないほうが楽でいられると思っています。少なくとも私はそういったスタイルでやってきました。

――貴重なお話を誠にありがとうございました。最後に、この記事を読んだ皆さんに一言お願いします。

吉玉:
『山小屋ガールの癒されない日々』は、登山に興味のある方はもちろん、そうじゃない方にも読んでいただいています。 『お仕事モノ』が好きな方、山小屋の日常を垣間見たい方はぜひ読んでください!

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