高円寺 渡り鳥文庫
高円寺 渡り鳥文庫

高円寺『渡り鳥文庫』 ガード下にある本の無人リサイクルスポット

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いろいろな人や、カルチャーが交差する東京都杉並区『高円寺』。駅周辺の居酒屋は昼から開店しているし、もちろん飲んでいる人も沢山いる。バー、ライブハウス、古着屋、バンドマン、文化人、サブカルチャー……そんなモノや人などが集まる、日本のインド(by みうらじゅん氏)と称されるのも頷ける、独特の雰囲気がある町です。

当記事では、そんなJR高円寺駅に近い某所にある、実に高円寺らしい不思議なスポット『渡り鳥文庫』についてご紹介します。

本の無人リサイクルスポット? 『渡り鳥文庫』

渡り鳥文庫』はJR高円寺駅周辺の某所にある(おそらく)本の無料交換所です。

渡り鳥文庫 2019年4月14日撮影
渡り鳥文庫 2019年4月14日撮影

『渡り鳥文庫』の文字と鳥と本を模したイラストが描かれた看板(?)と、数冊の本が置かれています。看板はガード下のこのスペース専用に作られたと思われる形状の、しっかりとした物です。

誰が何のために始めたのかは定かではありませんが、筆者がこのスポットに気づき、そっと観測を始めたのは2019年の4月。その後、高円寺に用事がある度に数回、その様子をそっと撮影していました。

渡り鳥文庫 2019年4月21日撮影
渡り鳥文庫 2019年4月21日撮影

ちょっとトボけた感じの顔、翼が本になった『わたり鳥』のイラストと文字。両方とも手書きと思われます。

文庫だけではなく、漫画や何かのリーフレットのようなものが置かれている事もありました。

だれかが持ってきた本は、誰かが持ち帰り、そしてまた誰かがここに本を置いて……と、不特定多数の手を本が行き交うような場所として、様々な人達に愛されていたのではないでしょうか。

インターネットで検索すると、少なくとも2017年の1月にはこの『渡り鳥文庫』は観測されていた様です。

※Instagramより引用 2017年1月1日の投稿

渡り鳥文庫が無くなり『スパイラル文庫』に……

2019年日7月28日、いつものように渡り鳥文庫を観測しに立ち寄ると、木でできた『渡り鳥文庫』の看板は無くなり、替わりに発泡素材のパネルでつくられた『スパイラル文庫』と描かれた看板にかわっていました。

スパイラル文庫 7月28日撮影
スパイラル文庫 7月28日撮影

よく見ると『スパイラル文庫』看板の向かって左に『渡り鳥文庫』看板の一部と思われる金折のついた板が……。

その後も何度か観測しにいきましたが、やはり(2019年8月11日現在)スパイラル文庫のままのようです。

失われてしまった渡り鳥文庫を惜しむ人が、『スパイラル文庫』を代わりに作って置いたのでしょうか。

意志を受け継いで(?)、建立された『スパイラル文庫』にも相変わらず本が入れ替わり、交換は活発に行われている様です。とはいえ、以前の独特の愛嬌のある『渡り鳥文庫』のイラストと比べると、やや寂しい気もします。

ネット上でもやはり、さまざまな方に観測されているようです。

渡り鳥文庫は何処へいったのか

渡り鳥文庫
渡り鳥文庫(初代)
※手元の写真から切り抜き加工

渡り鳥文庫(の看板)は何処へ行ってしまったのでしょうか。

心無い人によって、持ち去られたのか。はたまた行政や、施設の権利を持つ人によって撤去されてしまったのか。実際の所を知るすべは今の所ありません。

その後もスパイラル文庫として続くそのコンセプトが(……というと、ちょっと大げさかもしれませんが)、今後も大らかな雰囲気で続いてくれると良いな、と思う次第です。

○月○○日までは『渡り鳥文庫だったよ』といった情報や、その他何かの情報があれば、コメントなどで情報提供をいただけると嬉しいです。

渡り鳥文庫 復活(2019年9月22日追記)

その後……2019年9月20日の夜、知人から「渡り鳥文庫、復活しているよ」と、写真を添えて連絡が。

渡り鳥文庫!!!!(2019年9月20日撮影)
渡り鳥文庫!! 2019年9月20日撮影

おお・・・!!

渡り鳥文庫!!!!(2019年9月20日撮影)
渡り鳥文庫!!!!

おお~!!!

確かに復活しています。このとぼけた顔羽(本)題字……、間違いなく、あの頃の渡り鳥さん……。

両の翼を本に変え羽ばたくその様は、まさにあの頃のイラストそのもの! 都会の雑踏の中にあっても凛とした輝きを放つ真っ白な体躯! 知識という無限の大空へと羽ばたかんとする強い意志を感じるつぶらな瞳!! 国から国へと海を渡る渡り鳥は、自身も旅立ち、そして再び私達の元へ戻って来たのです!!!

……言い過ぎか。神々しくは、無い。

かわいいけど……。

SNSで検索してみると9月13日には、復活していた報告が見つかりました。

今回も、木製でしっかりつくられていて以前のように、しっかりと存在しています。(下の方がちょっと湾曲していますが。) 元の作者さんが作り直したのか、有志が再生させたのかは分かりませんが、イラストや文字は以前の雰囲気そのままです。

どこかに動かされた、または紛失してしまった看板が戻って来たのかな? とも思いましたが、手元のデータと照らし合わせてみると……そうでもなさそうです。

初代、2代目の渡り鳥文庫を比較・検証
初代、2代目の渡り鳥文庫を比較・検証

大きさや位置、形や表情なども違う事が分かります。以前のイラストを踏襲しつつも、新たに手書きで描かれたように思えます。

紙製の渡り鳥文庫 (2019年10月7日追記)

知人からの連絡から数日後、筆者も直接現地に行って確認してみたところ、段ボール製の『渡り鳥文庫』も発見しました。

左が木製の渡り鳥文庫(2代目)、右が段ボールで制作された渡り鳥文庫(1.5代目?)
左が木製の渡り鳥文庫(2代目)、右が段ボールで制作された渡り鳥文庫

初代がなくなった後、2代目とはまた別の方が制作したのでしょうか。 クチバシに花を咥えていますね。

『渡り鳥文庫』の文字は、初代にかなり似せて書かれている感じがします。 すべて同じ方が描いたのか、それとも不特定多数の有志によるものなのかは、わかりません。

2021年末にも一度リニューアルしている(2022年8月追記)

その後、2021年の12月ごろに一度木製の看板がなくなり仮看板に→数日後に木製看板復活。という事があったようです。木製の看板を定期的に修理・メンテナンスしている方がいるようですね。

あとがき

渡り鳥文庫の所在地についての詳細はあえて記しません。(おそらく)正式に許可を受けて設置されているものではなさそうですので、ご了承ください。

中には、こういった事象を良く思わない方も居るかもしれませんが、地域の不特定多数の人たちによって何となく共有されている現象って、昨今においてはとても貴重で面白い事のように思えるのです。

一度はその姿を消すも、結果として20日前後で復活しているというのも、多くの人達によって好意的に受け入れられている結果ではないかと感じました。

高円寺駅周辺を散策する時の、ひとつの楽しみとして、お読みいただけたなら幸いです。

高円寺 渡り鳥文庫

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コメント

  1. kasahara yumiko より:

    2023年1月30日、ガード下から渡り鳥文庫の看板が消えていることを発見しました。可愛いから誰か誘惑に駆られてお持ち帰りしたのかな。いずれにせよ、ここで主に本が物々交換されているのは、知る人ぞ知ることなので、書籍の類は相変わらず置いてあります。古書店には売ることが禁止されている図書館の本が多いですが。この間、ファッション雑誌だと思って持ち帰った雑誌は、なんとホストクラブの立派な宣伝雑誌でした(笑い)。私は絵を描くのが趣味の一つなので、彼らをモデルに絵を描きました。
    一度出した本が戻されている場合もあります。ガード下の図書室みたいですね。
    密かに尊敬している御仁が、私の出した黒岩重吾の「聖徳太子」を読んでいらっしゃるのを目撃して、「お眼鏡に適いましたか」とうれしくなりました。かと言って不躾に話しかけたりはしなかったのですが。
    高円寺に行くたびに必ずと言っていいほど、確認する場所です。
    「春は名のみの風の寒さや」。まだまだ寒さは続くようです。ご自愛くださいませ。

  2. yumiko kasahara より:

    2022年8月現在「渡り鳥文庫」は存続しております。私もその恩恵を受けているひとりです。無料でできる情報発信基地として貴重な場所であることは確かです。ときには飲み残しの器が放置されていたりするのですが、ゴミ捨て場ではないので、空き缶などは発見次第撤去いたします。文庫本、新書、雑誌、コミックス、CD、DVD、ビデオ、映画のパンフレット、洋書(英語やドイツ語)、その他もろもろ、あらゆる分野を受け入れております。もちろん、こんな立派なハードカバーの本を無料で持ち帰ってよいのだろうか、とありがたくも後ろめたく感じたりもするので(笑)、自宅で本の整理に着手し、次の日にはすみやかに代わりのものを提供することにしています。今後とも見守ってくださいませ。

    • UZUREA編集部 より:

      渡り鳥文庫についての最新の情報ありがとうございます。
      当記事を執筆した担当者も高円寺には今なお足しげく通っているようで、ときどきその情勢を伝えてくれています。

      そして、このインターネットの片隅にある記事が、同所を愛する人達や、興味をもった方達にっとってささやでも有益なものになっているのであれば幸いです。

      • yumiko kasahara より:

        丁寧なお返事をありがとうございます。高円寺も数年前に比べて治安はよくなったと思っていたのですが、近頃はコロナストレスのせいか、下町からいわゆる「半グレ」といわれる類の、趣味の良くない犯罪的ジョークを飛ばす輩が来ているようです。板橋区の住民が「絡まれないで落ち着いて飲めるところで飲みたい」と、阿佐ヶ谷のバーに来たりします。高円寺は杉並区で一番の危険区域かもしれません。阿佐ヶ谷では許されないことが高円寺では許される。高円寺は古着屋とリサイクルショップの町で、ライブハウスと飲食店がひしめいています。値段設定の高い阿佐ヶ谷は高円寺より安全ですが、飲み代が安くて跳ね返り勝ちな若者が集まる高円寺は、楽しく表現の自由を満喫できる分、危険もあるのです。でも、コロナのせいで海外では暴動が起きているところもありますから、せいぜい高円寺でガス抜きをしてもらったほうがよいかもしれません。それではまた。お気遣いいただきありがとうございました。

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