コミック『BLAME!』『シドニアの騎士』『人形の国』など、多数の人気作品を描く漫画家弐瓶勉(にへい つとむ)作品に登場する架空の企業東亜重工(とうあじゅうこう)。そのロゴタイプや関連グッズや、作中のアートワークに用いられる文字をベース制作されたパソコン用フォント『東亜重工』が発売されます。
同フォントは、弐瓶勉氏自ら原案/監修を担当し、フォント制作メーカーイワタと共同で開発。TrueTypeフォント(Win/Mac対応)で20,000円(税別)。
また、既に予約販売を終了している特別仕様フィギュア『1/12 合成人間 初号試験型イ』と、汚し(グランジ)加工のフォント『東亜重工 GRUNGE』がセットになった限定版(※)も数量限定で35,000円(税別)で同日に販売開始しました。
※限定版はぐに売り切れとなったようです
Index
フォント『東亜重工』発売
本製品は、漫画家の弐瓶勉氏(代表作:『人形の国』『シドニアの騎士』『BLAME!』など)の原案・監修のもと、『東亜重工有限責任事業組合』と、フォントメーカー『株式会社イワタ』が共同で東亜重工製フォント『東亜重工』として製品化しました。
フォントの基本設計
フォントは弐瓶勉氏のラフスケッチを元にしつつ、フォントのコンセプトを確立した上で制作されています、
上記画像例では『愛』『永』といった漢字や、『ア』『さ』『す』[た』『ち』などが、ラフスケッチからフォント化にあたって統一されたデザインコンセプトとして反映されている事がうかがえます。
必要最低限の無機質な曲線をベースの、閉じた領域の線や要素を極力消去し、正方形になるように意識。複雑な形状は大胆に簡略化……など、作中の『東亜重工コーポレートロゴ』をベースに基本コンセプトが確立されているようです。

東亜重工フォント 特設ページより
一般的な和文(日本語用)フォントは、文字それぞれの『仮想ボディ』を定義したうえで、漢字のつくりを正しく再現しつつ、大きさに見えるようにデザインします。この過程で、仮想ボディをはみ出したり、やや小さめにしたりといった調整が行われますが、東亜重工フォントでは字面(文字全体の見た目)と、デザインコンセプトを優先させつつ『正方形に見える』よう調整されているようです。

東亜重工フォント 特設ページより
同様に英数字やひらがな・カタカナも、東亜重工のコンセプトを最大限に生かしつつ、フォントとしての整合性を保ちつつ視覚的な面を重視してデザインされています。
東亜重工フォント 特設ページより
書体名など |
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フォントタイプ | TrueTypeフォント |
収容文字数 | 約7,700文字(英数字、仮名、第1、第2水準漢字、記号類) |
価格 | 1ライセンス:20,000円+税(ダウンロード、またはCD-ROM) ※1ライセンスで1台のコンピュータへのインストール |
対応OS |
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商利用 許諾例 |
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別途許諾が 必要な例 |
※その他詳細は東亜重工フォント特設ページで確認してください。 |
フォントはCD-ROM版がイワタの東亜重工フォント特設ページ(下記)より購入可能。
また、ダウンロードライセンス下記の各種サイトから購入可能です。
- Font Garage(フォントガレージ)
- designpocket(デザインポケット)
- Font Factory(フォントファクトリー)
- imagenavi(イメージナビ)
- Aflo Mall(アフロ モール)
- Vector PC Shop(ベクターPCショップ)
『東亜重工GRUNGE(グランジ)』+『1/12 合成人間 初号試験型イ』限定セット
発売を記念し、汚し(グランジ)加工を施したフォント『東亜重工GRUNGE(グランジ)』と、過去に発売し数度の再販を経て、すでに売り切れとなっている『1/12 合成人間 初号試験型イ』フィギュアをセットにした限定版が、追加20点の数量限定で販売されました。
※公式サイトで販売開始するも、すぐに売り切れとなったようです

下、『東亜重工GRUNGE(グランジ)』の比較

フォント『東亜重工GRUNGE(グランジ)』は、2020年12月10日現在、この限定版でしか販売されていないため、入手が不可能。今後『東亜重工GRUNGE(グランジ)』の単体販売がされるかどうかは、問い合わせ中です。
- 東亜重工製フォント『東重工』限定版・・・35,000円(税別) 限定20点予約販売終了
- フォント『東亜重工』
- フォント『東亜重工GRUNGE』
- 特別仕様フィギュア『1/12 合成人間 初号試験型イ』(1000toys 制作)
2020年12月16日追記『東亜重工GRUNGE(グランジ)』の単体販売について
限定セットのみ収録のフォント『東亜重工GRUNGE(グランジ)』の単体販売について、uzureaスタッフがイワタに問い合わせたところ、下記の回答がありました。
『東亜重工GRUNGE』は限定版でのみ販売をしましたが、お客様より単体でのリリースの問い合わせをいただいております。今後の販売を検討いたします。
やはり、フォント単体で『東亜重工GRUNGE(グランジ)』の販売を望む声が多いのでしょうか。今後の情報についても注目したいところです。
東亜重工 有限責任事業組合について
漫画家である弐瓶勉氏と、デジタルアニメーションスタジオ『ポリゴン・ピクチュアズ』の主要株主である株式会社ポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングスが、2017年に共同で設立。オリジナル作品やプロダクトの企画・デザイン・制作、既発作品の監修・ライセンス管理などをおこなっています。
過去には有志による同人フォントの企画も……
『東亜重工』はファンの間でも人気が高く、2014年ごろ有志による自作フォントの頒布企画『東亜重工電子書体化計画』というWebサイトが公開されていました。
しかし、『東亜重工』という名称が弐瓶勉氏によって商標登録されていたことや、フォントデザインが盗用に当たるかもしれないという判断により自主的に同人フォントの配布は中止され、webサイトも閉鎖となりました。
- 「シドニアの騎士」に出てくるフォントを再現する「東亜重工電子書体化計画」が公開中止に Gigazine
- 「シドニアの騎士」などの書体をフォント化するファンプロジェクト「東亜重工電子書体化計画」が中止 ねとらぼ
- 公開されていたWebサイト名とURL
東亜重工電子書体化計画 – Toa Heavy Industries Font Project
http://toa-heavy.industries/

Web Archiveより
2014年から6年たった現在、公式プロダクトのひとつとしてフォント制作され発売されたことを想うと、弐瓶勉作品の奥深さと、ユニークさ、そして人気の高さを実感します。