1971年3月号から1975年2月号まで、SF専門誌『S-Fマガジン』に掲載された、巨匠手塚治虫の『鳥人大系』。
スミ(黒)と毎号変化する特色インクによる2色印刷で、毎回タイトル込7ページという当時の掲載構成を再生・再現した完全版として2019年12月に刊行される事が決定しました。
手塚治虫『鳥人大系』について
『鳥人大系』は当時の漫画雑誌ではなく、SF専門誌である『S-Fマガジン』で、足掛け5年(※)にわたって連載された作品で、進化した鳥たちが社会を築き、人間が奴隷となっている未来を舞台にした、風刺と思考実験に満ちた連作短編SFです。
※1971年3月号から1975年2月号まで、途中休載を挟んでの全45回、19章。
動物ものという一見メルヘンチックな素材に、肉を食べる種族と虫や穀物を食べる種族の対立と共存などの深遠な相互理解もストーリーに織り込んだ作品。
鳥人大系 雑誌初出カラー完全版 の特徴
『鳥人大系』は漫画誌では無く、SF専門誌に掲載されていたため、通常の漫画誌とは異なった連載形態をとっていました。
- 小説ページとは異なるコート紙
- スミと毎号変化する特色インクによる2色印刷
- 毎回のページ数はタイトル込みで7ページ
- 全話が奇数(左)ページで始まり、奇数ページで終わる
この変則的な構成により、過去に発売された単行本では、その形式を再現したものがありませんでした。 すべてがスミ1色で、空きとなっている8ページ目に次の話が詰めて収録されているため、見開きなど雑誌掲載時とはまったく異なって収録されていました。
復刊ドットコムから発売する『完全版』では、これらの相違点をすべて解消します。
- 漫画ページは初出時のカラーで再生
- 構成も7ページごとに区切って掲載
- 8ページ目には詳細な注釈や当時の『S-Fマガジン』編集長 森優(=南山宏)氏のインタビューを収録予定
※森優氏は『S-Fマガジン』の二代目編集長。 ハヤカワSF文庫を創刊し、筆名である『南山宏』の名でも、超常現象に関する著作や翻訳を多数刊行。 日本における超常現象研究の第一人者として知られている人物。
※画像は制作中のものです。
また、旧版(大都社版)単行本に収録された星新一氏による解説や、手塚治虫全集での著者あとがきをも再録。 連載時の手塚治虫と、日本SFの状況を理解するための増補、超豪華版。 なお、初版完全限定生産につき、再版の予定はありません。
- S-Fマガジン誌連載時にしか読めなかったページネーション(7ページ構成)も含めて、版型(A5判)、刷色(2色構成)を忠実に再現したオリジナル仕様!
- S-Fマガジンの二代目編集長の森優(=南山宏)氏へのインタビューも収録
- 旧版(大都社版)にも収録された星新一氏による解説、全集での著者あとがきも再録
- 復刊ドットコムでの購入限定オリジナル特典も有り!(2019年10月12日現在内容未定)
- 著者:著 手塚治虫/協力 手塚プロダクション
- 予価 10,890円(税込)本体価格 9,900 円 + 消費税10%
- 送料:無料
- 配送時期:2019/12/下旬
- 出版社: 復刊ドットコム
- 判型:A5・上製
- 頁数:380 頁
手塚治虫(てづか おさむ) プロフィール
1928年11月3日生まれ。
1951年、大阪大学付属医学専門部を卒業(1952年医師免許取得、1961年医学博士号取得)。1946年、『マアチャンの日記帳』(少國民新聞)で漫画家デビュー。
以後、『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』『火の鳥』『アドルフに告ぐ』など、幼年向きから大人向きまで、あらゆるジャンルの漫画を描き続け、「漫画の神様」とも称される。生涯に描いた作品数は700以上、約15万枚と言われている。
1989年2月9日、逝去。
兵庫県宝塚市に「宝塚市立手塚治虫記念館」がある。
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