『SUMMER SONIC 2023』情報まとめ 最強夏フェス サマソニを全力で楽しむ! ※随時更新

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国内最大規模の洋楽フェスこと『SUMMER SONIC(通称 サマソニ)』、その2023年度の開催が正式発表されたのが昨年末。そこから続報をソワソワしながら待つ洋楽ファンも多かったことと推察するが、連日のアナウンスでもって、次第にその全貌が明らかになりつつある。

そこで今記事では、現時点での情報を網羅することはもちろん、何らかの発表があれば随時更新する形で追記する所存である。サマソニ開催までの間期待値をグングン高める契機として、この記事を活用してほしい。

最強夏フェス『SUMMER SONIC 2023』
サマソニを楽しむための諸情報まとめ

3月24日掲載:第三弾アーティスト&日割り発表!

前回発表から1ヶ月弱。早くも3月24日に、サマソニの第3弾出演アーティストが発表されたので取り急ぎご紹介しよう!

K-POPから台湾勢まで、一挙解禁の1日目!

第三弾で発表されたのはロック・ポップ中心の世界各国で活躍するアーティストたち。まず初日である東京公演の19日(大阪は20日)には張惠妹 aMEI(チャン・ホェイメイ)BE:FIRSTエンハイプン(ENHYPEN)SKY-HIニュージーンス(NewJeans)らポップ勢が続々解禁である。

中でも意外性のあるブッキングとなったのは張惠妹 aMEI。彼女は台湾出身のアーティストながら世界的に活躍するシンガーで、アルバムセールスは全世界で5,500万枚を突破。今ではLGBTコミュニティ的な面で考えても、見逃せないアーティストのひとりだ。ここ日本でもミュージカル公演を成功させたり、夏川りみの“島唄”を歌唱したりしているので、ハッとする人も多いはず。

張惠妹 A-Mei – 聽海 官方MV (Official Music Video)
張惠妹 A-Mei – 聽海 官方MV (Official Music Video)

また、邦楽勢としてはBE:FIRSTSKY-HIの起用はファンにとっては感動モノだろう。『SKY-HIが立案したボーイズオーディションで誕生した』というバックグラウンドこそ当初はピックアップされがちだったが、今では紅白出場も含め完全に市民権を得た存在となったBE:FIRST。同じく、元AAAどうこうという以上に、自身のパフォーマンスの力で成り上がったSKY-HI。この2組を同日に観ることが出来るというのは、非常に価値がある。……もしかすると、当日は2組のコラボレーションも観られるかも?

BE:FIRST / Boom Boom Back -Music Video-
BE:FIRST / Boom Boom Back -Music Video-

更にはENHYPENNewJeansの、K-POP最強の新人2組のライブもアツい。おそらく当日は入場規制相当の客入りが予想され、特にデビュー1年目にしてサマソニ出演となるニュジへの期待は凄まじいものがあるかと。大きなステージかつ真っ昼間の時間帯に、グッと盛り上げてくれそうだ。その他、落日飛車 SUNSET ROLLERCOASTER、宇宙人 Cosmos Peopleら台湾出身のロックバンド勢も嬉しい。

NewJeans (뉴진스) 'Hype Boy' Official MV (Performance ver.1)
NewJeans (뉴진스) ‘Hype Boy’ Official MV (Performance ver.1)

大量解禁となった大阪には邦楽アクトとして『ずっと真夜中でいいのに。』やWANIMA岡崎体育ケツメイシらも。特筆すべきは、ゲームをテーマに据えた全国ツアーを終えたばかりの『ずとまよ』。現在でもリリース楽曲のビュー数が異常な高まりを見せているずとまよだが、ライブシーンでの強みをここ数年はアピールを続けている。今年はニューアルバムを引っ提げたライブになることも含めて、どんなライブになるのか楽しみだ。

ずっと真夜中でいいのに。『綺羅キラー (feat. Mori Calliope)』MV (ZUTOMAYO – Kira Killer)
ずっと真夜中でいいのに。『綺羅キラー (feat. Mori Calliope)』MV (ZUTOMAYO – Kira Killer)

ポップ&ロックアーティストが追加された2日目

続く東京20日(大阪は19日)はメイジー・ピーターズ(Maisie Peters)MY FIRST STORY、大阪にはmiletが追加に!

つい先日に来日公演を終えたメイジー・ピーターズは、この春発売のセカンドアルバム『THE GOOD WITCH』を引っ提げての初の日本フェス出演となる。生楽器と透明的なボーカルのベストマッチを、ぜひとも体験したいところ。

Maisie Peters – Not Another Rockstar [Official Video]
Maisie Peters – Not Another Rockstar [Official Video]

邦楽勢のマイファスは、4年ぶりのサマソニ出演。昨今はフロントマンのHiro(Vo)が多くのバラエティ番組に出演し、大衆にもその知名度が向いている感もある。ただ彼が本領発揮するのは間違いなくライブなので、ロックバンド然とした存在感をこの日は見せてくれるはず。対してmiletはデビュー以後、サマソニ出演が毎年恒例となっている立役者。最大の武器である歌声で、ゆったりと体を動かしたい。

MY FIRST STORY – 不可逆リプレイス – Official Music Video
MY FIRST STORY – 不可逆リプレイス – Official Music Video

サプライズ枠! 19日に星野源と仲間たちが登場

そして翌23日に発表されたサプライズとして、なんと19日東京のBEACH STAGEに星野源の出演が大決定! しかも今回は『“so sad so happy” Curated by Gen Hoshino at SUMMER SONIC BEACH STAGE』と題され、どうやら星野源の友人である海外アーティストを中心にライブを行うものだそう。

パッとイメージするのは共にダブルヘッドライナーライブを行ったマーク・ロンソン、ラジオで共演を果たしたスーパーオーガニズムの野口オロノ、“喜劇”でトラックを作ったDJ Jazzy JeffKaidi Tathamあたりだろうか……。いずれにせよ、激レアなライブになるはずなので、期待しておこう。

星野源 – 喜劇 (feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham) [Official Audio]
星野源 – 喜劇 (feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham) [Official Audio]

2月28日掲載:第二弾アーティスト&日割り発表!

サマソニの第一弾発表から約1ヶ月。そろそろ続報を聞きたくなってきた最高の状況下で、待望の第2弾アーティストが発表された! ブラーとケンドリック・ラマーを据えた驚きのヘッドライナーは元より、超大型アーティストを大勢ブッキングした第一弾も素晴らしかったが、今回もその発表に引けを取らない盤石のラインナップが見所だ。なお以下のラインナップは東京を基準にしているため、大阪公演では出演しないアーティストもいるのでご注意を。

東京8月19日(大阪8月20日)の追加発表

さて、早速気になる追加発表アーティストについて見ていこう。まず初日の東京8月19日(大阪8月20日)にはロック枠として、トゥー・ドア・シネマ・クラブ(Two Door Cinema Club)ウェット・レッグ(Wet Leg)が大決定!

サマソニとしては常連組にあたるTDCC、彼らの魅力と言えば無意識に踊りたくなるそのサウンドで、おそらく今回も伝説的ファーストアルバム『Tourist History』を含め、多くのヒット曲を披露してくれるはず。最近のTDCCはポジティブに振り切った新作アルバム『Keep On Smiling』をリリースしていて、この楽曲群がどう組み込まれるのかも期待だ。またここ数年のTDCCはVJを駆使した映像面での演出も話題を呼んでいて、そちらも同様に楽しみにしたいところ。

TWO DOOR CINEMA CLUB | UNDERCOVER MARTYN
TWO DOOR CINEMA CLUB | UNDERCOVER MARTYN

そして大興奮の初来日公演も記憶に新しいウェット・レッグは、日本における初めてのフェス。先日の来日公演では「フジロック来るー!?」とのファンの問いに「Maybe(多分)」と答えていたウェット・レッグ、そのためてっきりフジ側だと思っていたのだが、あれは彼女たちなりの優しさだったのだろうか……。新進気鋭のインディーバンドとして名を上げた彼女たちは“Chaise Longue”の一大ヒットによって、一気にその名を知られる存在に躍進。グラミー賞を2部門受賞する快挙を成し遂げるなど、その勢いは止まらない。サマソニでは処女作としては異例の売上を記録した『Wet Leg』の楽曲を軸にセットリストを構成してくれるはず!ぜひとも《Excuse me?》→《What!》の絶叫で盛り上がろう。

Wet Leg – Chaise Longue (Glastonbury 2022)
Wet Leg – Chaise Longue (Glastonbury 2022)

またエレクトロデュオのホンネ(HONNE)と、メッセージ性抜群のフレーズで畳み掛けるラッパー・スロータイ(Slowthai)らが抜擢されたのもアツい。ホンネは実は日本語の『本音』から名前を付けていて、メンバーのアンディに関しては交際相手が日本に住んでいたということで、かなりの日本好き。チルやBPM早めのポップなど、様々なジャンルの楽曲を展開する彼ららしく、当日は集まった音楽好きを踊らせてくれることだろう。対してスロータイはブレイク間近と言われる若手注目株。DJを配置し、自身は上半身裸で散弾銃のようなラップの応酬を繰り広げるスタイルだ。またその歌詞は政治や人生観、はたまた直近の怒りなど『今自分が本当に言いたいこと』を詰め込んだ代物なので、その隠された意味も含めて楽しんでもらえればと思う。

HONNE – Day 1 ◑
HONNE – Day 1 ◑
slowthai – Feel Good (Official Video)
slowthai – Feel Good (Official Video)

待望の邦楽枠は、もはやホールツアーでなければ収まらないライブ人気も話題の[Alexandros](アレキサンドロス)! 動員的にはメインのオーシャンステージへの出演の可能性が高いと見られ、彼らの前後にどのアーティストが住み分けされるのかにも期待が高まる存在だ。昨今では“閃光”の思わぬバズの他、アルバム『But wait. Cats?』のセールスも好調。これ以上ない状況下でのライブとなるのだから、彼らを見ない手はないというもの。

[Alexandros] – 閃光 (MV)
[Alexandros] – 閃光 (MV)

東京8月20日(大阪8月19日)の追加発表

続いて東京8月20日(大阪8月19日)。まずこの日の中心人物として数えられるのは、19歳の音楽プロデューサー、ザ・キッド・ラロイ(The Kid Laroi)。“STAY”の大爆発からのし上がった彼にとっては『WIRED MUSIC FESTIVAL』以降2度目の来日! 彼のライブはゼッドやマシュメロのようなDJスタイルではなく、自身はハンドマイクで歌い続けるというフロントマン然としたパフォーマンスも魅力のひとつ。成長過程にある19歳の若者の現在地を観測する上でも、重要な1日になるのは間違いない。

The Kid LAROI, Justin Bieber – STAY (Official Video)
The Kid LAROI, Justin Bieber – STAY (Official Video)

また邦楽勢としてはAIAwichマカロニえんぴつNight Tempoらジャンルを問わずシーンを席巻するアーティストたちが一挙解禁された。ソウルフルな歌声で絶大な印象を伝えるAIは野外の会場にピッタリだし、思いの丈を吐き出すAwichも、聴く者の鼓膜にグサリと刺さりそう。そしてマカロニえんぴつはここ数年の追い風を受けて満を持しての出演となる。

中でも個人的にオススメしたいのはNight Tempo。彼は正確には韓国出身だが、中森明菜や八神純子、斉藤由貴といった昭和アーティストの曲を連発する通称『昭和グルーヴ』を武器に、日本の古き良き音楽カルチャーをリミックスで展開するスタイル。今回は矢川葵と市川美織を加えたファンシーラボ編成で、視覚的にも楽しい一夜をもたらしてくれるはず。

Wink – 淋しい熱帯魚 (Night Tempo Showa Groove Mix)from Night Tempo’s “Ladies In The City” live set
Wink – 淋しい熱帯魚 (Night Tempo Showa Groove Mix)from Night Tempo’s “Ladies In The City” live set

ニューカマー枠としては、なんと韓国の10人組アーティストグループのトレジャー(TREASURE)と、人気俳優ウィル・スミスの娘さんでもあるパンクの新星ウィロー(WILLOW)、ファンクの化身たるシマファンク(Cimafunk)が出演決定!

まずトレジャーについてはSEVENTEENやTXTといったK-POPとの親和性の高さを証明してくれていたのがこれまでのサマソニだった中で、この起用は思わぬサプライズ。超満員のファンに囲まれながらどんなライブをするのか期待したい。またウィローは新作アルバム『<COPINGMECHANISM>』が大注目中という状況下での来日となり、これまでの活動を網羅するステージングになることは確実と言えよう。シマファンクもアルバム『El Alimento』の余韻を携えた代物になること請け合いで、管楽器隊も含めた大所帯でのライブは今から楽しみだ。

TREASURE – '직진 (JIKJIN)' M/V
TREASURE – ‘직진 (JIKJIN)’ M/V
WILLOW – t r a n s p a r e n t s o u l ft. Travis Barker (Official Music Video)
TREASURE – ‘직진 (JIKJIN)’ M/V

今回明らかになった日割りについて

そして今回、参加者にとっては非常に重要となる日割りについても解禁となった。これまでのサマソニでは親和性の高いジャンルを混合させること(例えばEDM系がヘッドライナーの日はヒップホップ多めなど)が通例としてあったのだが、今年はケンドリック・ラマーの日にリアム・ギャラガーが出たり、ナイル・ホーランとブラーとスロータイが同日……とジャンル分けが限りなくゼロに。「K-POPの後にパンクロックを観て、次はヒップホップ!」といった、これまでにない回り方が出来るのは印象深い点だろう。

また第一弾発表の際に言われていた『リアム・ギャラガーとブラーが同じ日に出るのか問題(注:2人は犬猿の仲として知られている)』は完全別日で解決。またブラーとナイル・ホーラン、ケンドリック・ラマーとリアム・ギャラガーといった別ジャンルの大物はオーシャンステージとマウンテンステージのトリ同士でぶつけて来るのだろうな……など、今回の発表でいろいろと想像が出来るようになったのも面白い。続く第三弾発表ではおそらくここに邦楽アーティストが多数加わることで、より一層雰囲気を感じられるようになるのだろう。

第二弾発表の添えて

第一弾発表では「スゲー!」との興奮の声が大部分を占めていた中、今回の発表では日割りも出たことで更に具体的に当日のイメージを感じられるようになったと思う。現在発売中のチケットも売り切れ次第終了なので、この辺りで購入に走る人も多いことだろうと推察する。続く第三弾アーティスト発表ではいよいよステージ割も含めたアナウンスもされそうな予感……。開催までにはまだ5ヶ月近くあるけれど、そろそろ動き出す時期は来ているのかもしれない。参戦予定の方はなるべく早い行動をオススメします!


1月29日掲載:第一弾発表 今年(2023年)のサマソニはどうなる?

思えばここ数年のサマソニは、コロナ禍で様々な試行錯誤を繰り返してきた。2020年にはパンデミックの影響でサマソニの代替イベントである『SUPERSONIC(スパソニ)』の開催が延期に追い込まれ、翌2021年には実質的なEDMフェスとして開催、ただ感染拡大中の日本に海外勢が来日する洋楽フェスは、その成功の裏で様々な声が飛ぶ結果にもなった。そして遂に100%の大成功を収めたのが、今でも記憶に新しい2022年のサマソニ。大躍進を遂げたThe 1975とポップの帝王ポスト・マローンをヘッドライナーに配置し、改めてサマソニにしかない多幸感を味わわせてくれた。

では今年のサマソニ2023がどうなるのかと言えば、目指すはもちろん『コロナ禍前のサマソニへの完全復活』。みんなで歌って踊って、ただただ楽しい!の感情のみに向かって突き進む未来だ。これに関しては5月8日の絶妙なタイミングでコロナウイルスが感染法上5類に引き下げられることが確定することもあって、おそらくは合唱OK、収容人数制限なし。場合によってはマスク着用すら任意とするレベルのルール緩和を図っていくはず。今や海外のフェスでは複雑なレギュレーションを撤廃しているのはご存知の通りだけれど、やはり日本発の洋楽フェスとして、その先駆けを飾るのはサマソニ、ないしフジロックの役割なのだろうなと強く思う。

ヘッドライナーは『ブラー(Blur)』と『ケンドリックラマー(Kendrick Lamar)』!

さて、フェスに参加する者としてアナウンス的に外せないのはヘッドライナーだろう。それは豪華さという点も当然大切だが、特にサマソニはヘッドライナーからその日のブッキング傾向を固めていくフェス(例えばザ・チェインスモーカーズならEDM多め、The 1975ならメインステージの女性アーティストの比率を増やすなど)なので、フェス全体のイメージを掴む上でもひとつの情報源になり得るから。

そんな期待値が高まりまくったヘッドライナー、まず最初に発表されたのはブラーだった(東京19日・大阪20日)!

デーモン・アルバーン(Vo.G)のゴリラズとしての活動が本格化し、長らくの活動休止状態に入っていたブラー。その間イベントに出演したことも一応はあるがそれも数えるほどで、このまま英ロックのトップとしてほぼ神格化されたまま時が過ぎていくかと思われた。が、彼らは突如声明を発表し、7月8日のウェンブリー・スタジアムで正真正銘の再結成をすることが発表されたのだ。今回のサマソニの出演は8月だから、相当前もって準備したブッキングなのだろう。運営のクリエイティブマンには、本当に頭が上がらない思いである。

ブラーがサマソニに出演するのは何と約20年ぶり。また再結成から間もないタイミングということもあり、披露される内容はキャリアベストの代物なのは確定している。“Song 2”でwoohooを熱唱するも良し、“Coffee And TV”で自由に体を動かすのも良し。個人個人の思い出も相まって、特にロック畑で育った音楽ファンなら、素晴らしいライブになること請け合いだ。

Blur – Song 2 (Official Music Video)

そしてヘッドライナーの2組目はケンドリック・ラマー(大阪19日・東京20日)! rockin‘on2月号にて、クリエイティブマン代表の清水直樹氏が「プリマヴェーラ・サウンド2023のブッキング見たらびっくりした」と語っていたので、勝手にカルヴィン・ハリスやロザリアの起用を想像していたのだが、まさかヒップホップ界の新王者ことケンドリックとは……。

ケンドリックと言えば、大雨の中で開催された2018年のフジロックを思い出す人も多いだろう。あの日のケンドリックのライブはまさしく伝説であり、彼の圧倒的言葉数で畳み掛けるライムと、雨粒さえも演出にするような過酷な空間が渾然一体となった異次元体験だった。そこで今年のケンドリックを見てみると、これまでプライベートをあまり明かさなかった彼としては異例のメッセージ・ニューアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』の存在が、セットリストに大きく影響しそうな雰囲気。ピューリッツァー賞&グラミー賞を獲得した『DAMN.』も含め、伝説的な一夜になりそうな予感がひしひしと。フジのイメージから一転、サマソニに初出場となったケンドリックのライブは一体どうなることやら。必見である。

Kendrick Lamar – DNA.

リアムにナイル、ヒゲダン…… 第1弾出演アーティストも熱い!

SUMMERSONIC 2023 1st Line up Announcement
SUMMERSONIC 2023 1st Line up Announcement

そしてヘッドライナー発表の翌日である1月27日には、待望の第1弾出演アーティストが発表! 詳しくは公式のTwitter投稿に詳しいが、誰もが待ち望んだ最強のラインナップと言わざるを得ない豪華さ。

中でも多くのロックファンに驚きと共に迎え入れられたのは、元オアシスの絶対的フロントマン、リアム・ギャラガーだろう! 計12万人を動員したネブワース公演を大成功で終えた彼が、ようやく日本へとやって来るのだから感動もひとしおだ。更には『リアムがブラーと同じフェスに出る』ということ自体が世界的に見ても異常事態。詳しくは『リアム ブラー』でGoogle検索するといろいろ出てくるので割愛するが、2017年にはリアムはツイッターで「今度アイツと会うことがあったら戦争だ」とも呟いていたので、その確執が解決されたかどうかも気になるところ。 もしかしたらサマソニで戦争をする気なのかもしれないが。

ブラーと同日になれば準ヘッドライナーかマウンテンステージのトリになるだろうし、もしかするとケンドリックの日かもしれない。ワクワクしながらステージ割発表を待とう。

Liam Gallagher – Wall Of Glass (Official Video)
Liam Gallagher – Wall Of Glass (Official Video)

5年ぶりニューアルバムの発売を控えるフォール・アウト・ボーイや、無骨なロックサウンドでのし上がってきたエヴァネッセンスもアツい。FOBは2019年にはB’zの真裏というスロットで盛り上げ、対してエヴァネッセンスは2012年の来日ライブで「生涯で最高のライブだった」と語ったほど日本との親和性も高いバンド。パワーアップした彼らのライブは、きっと素晴らしいものになるはずだ。

Fall Out Boy – American Beauty/American Psycho
Fall Out Boy – American Beauty/American Psycho

ポップ枠として、圧倒的な印象を誇るのはナイル・ホーラン。もはや知らない人はいないボーイズグループ、ワン・ダイレクションの元メンバーであり、ソロ活動も絶好調の超大物。最新曲のリリースも控えており、熱量そのままに来日という最高の環境だ。また期待のポップ・バンドのレイニーも、注目度的に見逃せない存在。ピアノ主体の美メロとポール・クライン(Vo.G.Key)の歌声がマッチするライブは、ぜひ野外の環境で楽しみたい。

Niall Horan – Nice To Meet Ya (Official Video)
Niall Horan – Nice To Meet Ya (Official Video)

ソロアーティストとしてはラウヴ、サンダーキャットらの起用も最高だ。ミニマルなポップサウンドで音を紡いでいくのがラウヴだとすれば、サンダーキャットは6弦ベースを手に超絶技巧で魅せるジャズが主体。大きなステージというよりは、ゆったり環境的にも楽しめるステージで観たい2人だ。互いに日本好きを公言し、これまで何度も来日しているふたり。日本でどんな生活を送るのか、SNSもチェックしつつ当日を迎えよう。

Lauv – Paris in the Rain [Official Video]
Lauv – Paris in the Rain [Official Video]

海外の勢いが凄まじいサマソニだが、邦楽勢も負けてはいない。今や日本のポップアイコンになりつつあるOfficial髭男dism、海外フェスでも知名度を高めているYOASOBIが大決定である。単独ライブはソールドアウト続出のこの2組を、フェス会場で楽しめるのは本当に貴重。加えてヒゲダンは小さなステージから一気に国民的バンドになったし、YOASOBIは昨年度のサマソニはコロナ感染でキャンセル……といった流れもあるので、素晴らしいライブを見せてくれるのは確定事項と言える。

Official髭男dism – Pretender[Official Video]
Official髭男dism

他にも、注目アーティストは目白押しだ。U2のボノの息子がフロントマンを務めるインヘイラー、キラキラなイメージを一新しサウンドをアヴリル的ロックに変更したペール・ウェーヴス、イギリスの新星SSWホリー・ハンバーストーン、その歌唱力とメッセージ性で音楽の新人部門を受賞したフロー、ノヴァ・ツインズやザ・スナッツら若手初来日組……。「◯◯(アーティスト)を観るためにサマソニに行く!」という人も多いだろうけれど、間違いなくどのステージ、どのアーティストを観たとしても大きな収穫になる。清水氏が公式メッセージで「未来のビリー・アイリッシュやデュア・リパが生まれる予感がします」と期待値の高さを記しているように、新人アーティストにも目が離せないフェス、それがサマソニなのだ。

Inhaler – Cheer Up Baby (Official Video)
Inhaler – Cheer Up Baby (Official Video)

その他現在判明している情報

その他、サマソニについて1月末時点で判明している情報を簡単に記しておこう。と言っても基本情報はサマソニ公式サイトとrockin‘on誌内でほぼ明かされているのだけれど、先日の1月26日に『J-WAVE STEP ONE』に生出演した清水氏は、含みのある表現でいろいろと語ってくれたのだ。

まず「ヒップホップ系では今後伸びそうなアーティストをブッキングしている」という一言。その言葉を勝手に深読みしてみると、メインステージがケンドリック・ラマーの日、同ステージに重ねる形で若手ラッパーを起用する、といった意味になりそう。サブスクで再生数が高かったり、YouTube上で台頭したりといった心当たりのあるラッパーがいれば、各自期待しておこう。

そして「今年は去年よりステージごとに色合いが分かれていて、幅広くなる」とのコメントも印象的。これまでのサマソニは例えば2019年のアラン・ウォーカー→ゼッド→ザ・チェインスモーカーズの流れのように、極力同じ系統のアーティストで固めるのが基本方針だった。それが今年は違うというのである。となるとケンドリック・ラマーの日にリアムが出たり、ブラーの前の出番に全く別ジャンルのバンドが出たり……といった可能性もあるということ。全く読めない!

最後に紹介するのは「K-POPやアジア系のアーティストも増える」との発言。ファンはご存知の通り、サマソニはこれらのシーンにも早くから目を付けていたフェス。実際にSEVENTEENやTOMORROW X TOGETHER、防弾少年団(今のBTS)もサマソニでのライブ経験があり、先日終幕したクリエイティブマン主催の『GMO SONIC』ではKep1erやLE SSERAFIMもしっかりブッキングしている。筆者も昨年のサマソニでTXTのライブを観た際、ライブが始まった瞬間グワッと人で埋め尽くされた経験もあるので、やはりシーンの強みはある。……となればこれらのジャンルから何組かを割り当て、サマソニへの追い風とするのは素晴らしい選択なのではと。

おわりに

コロナ禍に入ってから、我々は多くのことを我慢し続けてきた。外食や旅行などこれまで当たり前だったことが次々なくなり、最終的には「これ別に無くても大丈夫じゃん」と気付けばやらなくなったことだって、たくさんあったはずだ。……そして個人的には、その最たるものがライブだったように思う。関係者にもいろいろ話を聞いてみたりもしたけれど、今では全国各地でライブは行われているが、動員はコロナ前には到底及ばないとのことだ。赤字のライブも山ほどあるし、ライブシーン自体を「もう行かなくても良いもの」として意識から除外する人はとてつもなく多いのだと、ここ数年痛感した次第である。

ただ、中でもサマソニは本当に特別なフェスだと考えている。その理由はたくさんあるけれど、誇張でも何でもなく『サマソニがなくなれば洋楽市場は確実に衰退する』という事実を、我々は知っておかねばならない。とすれば此度の完全復活のサマソニは、とてつもなく重要な2日間になり得るのだ。……この記事を読んでくださっている読者の方々はきっと洋楽を愛し、洋楽が人生を変えてくれた思い出がある人たちだと推察する。どうか全員の力で洋楽シーンを、日本における素晴らしいフェスの未来を華やかなものにしてほしいと僕は強く伝えたい。素晴らしい祝祭は、すぐそこで僕らを待っている。

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キタガワ

島根県在住、会社員兼音楽ライター。rockinon.com、KAI-YOU.netなどに音楽関係の記事を中心に執筆。毎日浴びるほど酒を飲みます。


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