アニメ『翠星のガルガンティア』画像 公式サイトスクリーンショット
画像 アニメ『翠星のガルガンティア』公式サイト https://gargantia.jp/ より

アニメ『翠星のガルガンティア』レビュー 脚本・構成・キャラ すべてが最高峰の傑作!

評価:5 

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アニメ『翠星のガルガンティア』は、豪華スタッフが集結し、10年以上の構想期間を経て2013年に制作、テレビ放送されたアニメオリジナル作品。その後OVA、小説と続編が制作され、2020年冬アニメ期には再放送が決定。再び脚光を浴びることとなりました。

今回の記事では、そんな本作『翠星のガルガンティア』が持つ魅力を、”緻密な表現“と”無駄のない構成“という観点から紐解いてみます。

ロボットSF+冒険活劇+人情 アニメ『翠星のガルガンティア』

搭乗ロボットとともに宇宙の彼方から地球へやってきた、言語も文化も常識も何もかもが地球人と異なる主人公の少年 レド。彼は地球で出会った人たちと触れ合い、やがて自分の世界や地球を含めたすべての真実を知ることに……。

翠星のガルガンティア 公式サイト画像
翠星のガルガンティア
公式サイト より

まず、本作『翠星のガルガンティア』がどのような作品なのか確認してみましょう。

『翠星(すいせい)のガルガンティア』は、2013年にテレビ放送されたProduction I.G制作のオリジナルアニメ。監督に『コードギアス』シリーズの副監督や劇場版『鋼の錬金術師』の監督を歴任した村田和也、シリーズ構成は『魔法少女まどか☆マギカ』、『PSYCHO-PASS』などを手掛けた虚淵玄、キャラクター原案は各方面で活躍し、神絵師として崇められる漫画家・鳴子ハナハルという豪華なスタッフィングの作品です。

人類銀河同盟』のパイロットとして人型戦闘機・チェインバーに搭乗し、宇宙生命体・ヒディアーズを殲滅する戦いに明け暮れていたレド少尉。戦闘中に撤退しようとした母艦のワープ波動に巻き込まれてしまった彼は、チェインバーに乗ったまま宇宙のどこかに飛ばされてしまいます。

半年後、冷凍睡眠状態から目覚めたレドが目にしたのは、ほぼ陸地がない地球。人々は、巨大な船団『ガルガンティア』を操り、航海しながら生活をしていました。言葉も通じず、兵士としての訓練しか受けていなかったレドは、自分の世界へ戻るべくガルガンティアの住人と何とかしてコミュニケーションを図ろうとします。

言葉の壁や考え方の相違から当初はレドと対立関係にあった地球人たちでしたが、チェインバーの高性能AIの助けもあり、やがてお互いを受け入れ始めます。ガルガンティアの配達人で、人情深い少女・エイミーの協力のもと、レドはガルガンティアで働きながら自身のこれからについて考えることになるのでした。

やがてレドが知ることとなる、隠された地球の歴史人類銀河同盟の秘密とは一体何なのでしょうか……?

細かい説明が無くても伝わってくる緻密な設定!

本作の魅力として、無駄のない構成力や緻密な表現力について探っていきます。

温暖化の影響で海水面が上昇し、陸地がほぼ無くなった地球。人々は複数の船をドッキングさせてメガフロートのような構造物をつくり、海上を航行しながら生活しています。同じような船団が海上にはいくつかあり、そのうちのひとつがガルガンティア。居住区や生産区を備えた船団内では、衣食住とそれをサイクルさせるための労働環境、すなわち”社会“が形成されています。

これが舞台となる船団都市ガルガンティアの説明ですが、作品内でこれらの説明がセリフとして出てくることは殆どありません。作中のあちこちで人々が働く様子を描写したり、住居や店舗が並ぶ街を見せたりすることで、視聴者がガルガンティアの仕組みを理解できるように誘導。そして、その無駄のない描写から、この地球の文明レベルは現実の20世紀あたりと同等か若干劣っているくらいだろうと自然に推察してしまいます。

この、”文明レベル“こそが本作クライマックスの最大のキーポイント。制作側は視聴者にこの文明レベルをよく理解してもらいたいのですが、キャラのセリフやナレーションで状況を説明するだけでは印象が薄くなってしまいます。そこで、緻密に船団内の様子を描写し、視聴者に無理なく状況を理解してもらうという手法を取ったのです。

まさに、説明セリフの様に言うだけなら簡単なことですが、これを隙無くやってしまう本作の表現力構成力。本当に恐れ入りますよね? そして、ここまで理解できた視聴者は、もっとこのストーリーを知りたくなり、早く続きを観たくなってしまうのです!

ストーリー展開のタイミングとテンポ!

レドと地球人は、もちろん言葉が通じません。実際、作中でも理解不能な言語で喋るレドが描写されていて、エイミーたちのもどかしい気持ちを視聴者も一緒に味わえます。その状態からチェインバーのAIが徐々に地球語を解明していき、終いには不自由なく同時通訳ができるように。さらにはレドも地球語を少しずつ喋れるようになっていきます。

そして、「ありがとう」など自分たちの言語にはなかった単語の意味を知ったレドは、段々と喜怒哀楽を表に出すようになり、人間らしさを身に付けていきます。そして、そのタイミングで世界の秘密を知ってしまった彼は……。物語の中でじっくり描かれているレドの変化の様子は自然かつスムーズで、とてもドラマチックな展開に溢れています!

また、いわゆる日常回のように描かれた人々の団らんの様子が、その後に起こる事件の前触れになっていたり、人々の意見の食い違いから船団内分裂の危機が訪れたタイミングで起こる重大事案など、本作は1話1話が、いや、1シーン1シーンがすべて重要であり、無駄が全くありません!

このストーリー展開を、先述した”ガルガンティアの説明”を入れつつテンポよく進めるセンス。ここでも本作の持つの表現力構成力が光り輝いていますよね。本作は、近年ではあまり見られない完璧なアニメ作品と言っても過言ではありません!

まとめ: 完結編のアニメ化に期待!

アニメ『翠星のガルガンティア』について、筆者なりの魅力の分析を交えてご紹介してみました。

本作はTVアニメ13話で一度完結したあと、さらなる謎の解明とレドたちのその後を描くTVアニメ第2期が制作される予定で、ストーリーもほぼ完成していたとのことです。しかし、諸般の事情から2期の制作は実現せず、全2話のOVA『翠星のガルガンティア 〜めぐる航路、遥か〜』と完結編を描いた小説『翠星のガルガンティア〜遥か、邂逅の天地〜』という形でリリースされました。

OVA『翠星のガルガンティア  ~めぐる航路、遥か~』
OVA『翠星のガルガンティア
めぐる航路、遥か、邂逅の天地』
Amazon より
小説『翠星のガルガンティア〜遥か、邂逅の天地〜』
小説『翠星のガルガンティア
遥か、邂逅の天地』
Amazon より

しかし、筆者を含めたファンとしては、やはり当初の形であるTVアニメ第2期での完結が観てみたいという思いは尽きません。ぜひとも、この緻密で無駄のない世界をまた見せてほしいと願いつつ、本記事を〆させていただきます。

翠星のガルガンティア スタッフ

  • 原作:オケアノス
  • 監督:村田和也
  • シリーズ構成:虚淵玄
  • 脚本:虚淵玄谷村大四郎砂阿久雁七篠トリコ海法紀光
  • キャラクターデザイン:鳴子ハナハル(原案)、田代雅子
  • メカニックデザイン:石渡マコト
  • 音楽:岩代太郎
  • アニメーション制作:Production I.G

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アニメ視聴歴だけはやたら長く、スマホゲームは次から次へと乗り換えるイナゴタイプ。

周りよりもひと足先に面白い作品を見つけることが喜びだけど、ひとたび好きな作品を見つけたらトコトン好きになるしつこさも兼ね備えたハイブリッド種。

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