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どこかおかしい 復讐劇『スノーロワイヤル (原題 Cold Pursuit)』の魅力と見どころ。試写会レビュー

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子供を失った親が犯人に復讐する……というテーマは昔から多くの作品で用いられる定番設定でしょう。最近ではジャッキーチェンの『ザ・フォーリナー/復讐者』、ブルースウィリスの『デス・ウィッシュ』。 少し変わったところでは愛犬を失った事に対する復讐というキアヌリーブスの『ジョンウィック』なども公開されています。

2019年6月7日(金)に公開されるリーアムニーソン主演の『スノー・ロワイヤル (原題:Cold Pursuit)』もギャングによって子供を失った父親が復讐するという物語です。しかし本作は今までの復讐物語は違う、どこか『可笑しい』映画でした。

今回はそんな、ブラックユーモアが大好きな人におすすめの映画スノー・ロワイヤルの試写会に参加してきた筆者が、その魅力をネタバレ極力無しでお伝えします!

一部公式サイトやフライヤーのインタビューを引用しています。少しのネタバレも嫌だという方はご注意ください。

映画 スノーロワイヤル

『スノーロワイヤル』は、2014年に公開されたノルウェー映画『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(原題:Kraftidioten)』のハリウッドリメイク作品。とはいえ、オリジナル版の監督ハンス・ペテル・モランド自身によるセルフリメイクです。

『スノー・ロワイヤル (原題:Cold Pursuit)』
『スノー・ロワイヤル (原題:Cold Pursuit)』

あらすじとしては、息子をギャングに殺された男が、除雪作業で身に着けた土地勘と体力仕事道具である除雪車で敵を始末していくというもの。しかし勘違いが勘違いを呼び、2つのギャングと警察を巻き込みながら、争いはもはや収拾のつかないものへと発展していきます。

ギャング達を始末していく主人公『ネルズ・コックスマン』
ギャング達を始末していく主人公『ネルズ・コックスマン』

事態を引き起こした麻薬王『バイキング』の率いるギャングは、決しておバカな組織ではありません。むしろ規律に厳しく、部下の誰もがボスを恐れ、顔色を伺っているような組織。そんなギャング達が勘違いをするところから物語は可笑しな方向に加速していきます。

今までにない復讐劇! コミカルとシリアスのバランスが最高

息子を失った男が復讐をする物語に観客は胸を痛めているはずだったはずなのに、いつの間にかギャング同士の抗争になっており、そのありさまに笑いさえこみあげてくるのです。

「え、コレってコメディ映画?」 と思うようなシーンも多く、正直戸惑います。しかしコミカルさはありつつも、復讐の連鎖、殺人そのものシリアスさは最後まで失われないので、何ともいえない不思議な感覚になるのです。

この不思議な可笑しさが映画『スノー・ロワイヤル』の1番の魅力といっても過言ではありません!

今までにない脚本にキャスト陣も戸惑った?

悲劇的なのに笑える『スノー・ロワイヤル』に戸惑ってしまったと先ほど述べましたが、実はほかならぬキャスト陣も脚本を読んだ時、笑っていいのやら悪いのやら分からなかったそうです。

演じるキャスト陣さえも戸惑う脚本
演じるキャスト陣さえも戸惑う脚本

演じるキャスト陣さえも戸惑う脚本ですから、観客が戸惑ったっていいのかなと。その戸惑いさえも楽しめる映画なんですね。

本作品のハンス・ペテル・モランド監督は「この映画の可笑しみは”コメディですよ!”と宣伝するのではなく、映画の内側からにじみ出てくるものでなければならない。好きな時に笑ってくれればいい」と語っています。

確かに、はじめからコメディ映画として観ると肩透かしを食らうと思います。ですが、映画の中で見え隠れするブラックユーモアを視聴者が『可笑しい』と感じとった瞬間から本作はコメディ映画になる。それくらいの気持ちで観るのが良いのかもしれません。

暴走除雪車で復讐! 今までにないリーアムニーソン

主人公ネルズ・コックスマン(リーアムニーソン)
主人公ネルズ・コックスマン(リーアムニーソン)

本作の主人公『ネルズ・コックスマン』は模範市民賞を受賞した真面目で静かな男。ロッキー山脈付近のリゾート地で除雪作業員として日々仕事に明け暮れ、本来はギャングとのつながりはもちろん、殺人といったバイオレンスとは無縁な生活を続けていました。

そんな彼の復讐方法はかなりキテレツ! 今までのリーアムニーソン出演映画であれば己の拳や拳銃で敵を1発KO!……というタフな展開になる所ですが、本作ではやや頼りない(?)リーアムニーソンが楽しめます。

加減が分からず敵の首を締められない、敵を殴ると息切れしてしまう……。そんな、殺人に不慣れなリーアムニーソンなのです。とはいえ、復讐心をたぎらせ戦う姿は哀愁が漂い、やっぱりかっこいい! 渋オヤジの良さをぐっと凝縮したようなその姿は、本作の魅力のひとつでしょう。

本作はPG12(小学生以下が視聴する際は、保護者の助言・指導が必要)作品なので暴力的な描写もそれなりにあります。真っ白な雪に鮮血が映えるシーンの多いこと多いこと……。しかし殺害方法もコミカルで笑えるものが多いので、 残酷すぎて目を閉じたくなる!というほどでもありません。

個人的にはリーアム本人が除雪車で敵を排除するシーンが好き! 「そう来たかあ」 と笑顔で唸ってしまいました。この辺りはネタバレになるので詳しくは書きませんが、ぜひ劇場で見ていただきたいです!

敵対する二つのギャング組織

映画『スノー・ロワイヤル』には対立する2つのギャングが登場します。ひとつは麻薬王バイキング率いるキチっとしたギャング。そしてもうひとつはネイティブアメリカンの麻薬王ホワイトブルが率いるギャング。

そしてこの2つの組織は毛色がかなり違います。バイキングのギャング達は皆スーツを着たエリートっぽい、イタリアンマフィアな風貌です。

麻薬王バイキング(トム・ベイトマン) ※画像右

とはいえ、彼らは非情で冷徹……という事は無く (笑) どこか抜けています。ボスのバイキングも決して馬鹿ではありませんし、部下を殺しちゃうほど非情な男なのですが、大事な所で勘違いしている間抜けさや、元妻に股間を掴まれてヒィ~ってなっちゃったりというコミカルなシーンもあります。

対してネイティブアメリカンのギャング達は、みんな伸び伸びとした表情を見せてくれます。張り込みの最中に雪合戦をしたり、スノーアクティビティを楽しんだり。

麻薬王ホワイトブル(トム・ジャクソン) ※画像左

こちらも人を殺す非情なギャング達ではあるのですが、やや余裕があります。ボスである『ホワイトブル』の器量でしょうか。 このあたりは、会社や組織に属する方であれば、リーダーの有り方について思うところがあるかもしれません。

今までにないネイティブアメリカンの描き方

しかしなぜネイティブアメリカンのギャングなのでしょうか? ……監督曰く「ネイティブアメリカンのテーマを掘り下げたかった」とのことで、かねてよりネイティブアメリカン達の歴史に興味があったそうです。

そして本作の撮影時にはネイティブアメリカン系である俳優達にも、監督自らその歴史やアイデンティティを尋ねたそうです。

そして 「今までの映画史を振り返るとネイティブアメリカンの存在は物語を進める道具や、非常な戦士、ただの被害者である描き方が多い」と監督は語ります。 白人の視点を支える者としてしか機能していないと。 そんな思いがあったからこそネイティブアメリカン達を脇役ではなく、存在感のあるギャングとして描いたのではないでしょうか。

そしてネイティブアメリカン系の俳優たちはセリフのある役を貰えて喜んでいたとか。「今まではセリフがあっても一文程度で、直ぐに撃ち殺される役ばかり」だったそうで、映画史におけるネイティブアメリカンの存在についても考えさせられる映画といえるでしょう。

もちろんネイティブアメリカンをどう描いているかは本作の魅力のひとつであって、全てではありませんが、その背景を知ったうえで見ていただくと、役者達の演技がより味わい深く楽しめるのではないでしょうか。

主人公を含めた個性的なキャラクターたち

上記でご紹介した主人公や、ギャング、ネイティブアメリカン達を含め『スノー・ロワイヤル』にはたくさんの魅力的なキャラクターが登場します。以下にネタバレにならない程度にサクッと紹介します!

  • 除雪車をブイブイ言わせる渋かっこいい主人公
  • 健康志向な勘違い麻薬王バイキング
  • 部下を優しいまなざしで見つめるネイティブアメリカンのボス ホワイトブル
  • スティーブジョブス大好きナンパしまくりギャング
  • 見掛け倒しのイキった銀髪ギャング
  • バイキングの部下である同性愛者のギャング2人
  • ○○症候群を自覚しているバイキングの息子

凄惨な復讐劇……という印象はだいぶ変わってくるのではないでしょうか。

まとめ 関連情報

当記事でご紹介した映画『スノー・ロワイヤル』は2019年6月7日公開

登場人物は多いですが、それぞれの思惑が上手く絡みあった映画になっています。誰がどんな思いでそこにいるのか、考察しながら鑑賞するのも面白いでしょう。

公開同日はリーアムニーソンの67歳の誕生日でもあります! 興味をもっていただいた方は是非、劇場へ足を運んでみてください!

映画『スノー・ロワイヤル』は2019年6月7日公開
映画『スノー・ロワイヤル』は2019年6月7日公開

映画 スノー・ロワイヤル 概要

  • 作品タイトル:スノー・ロワイヤル
  • 公開:2019年 6月7日(金)全国ロードショー
  • 監督:ハンス・ペテル・モランド(『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』)
  • 出演:リーアム・ニーソン、ローラ・ダーン、トム・ベイトマン、エミー・ロッサム、ジュリア・ジョーンズ、ウィリアム・フォーサイス
  • 原案:『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』
  • 原題:Cold Pursuit
  • 2019 年/アメリカ映画/シネスコ/119 分/PG12
  • 配給:KADOKAWA
  • 映画スノーロワイヤル 日本語公式サイト
  • スノーロワイヤル(原題) 『Cold Pursuit』英語サイト

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沖縄生まれ、東京住みの新卒フリーライター。映画、ゲーム、アプリといったエンタメ系記事からキャッシュレスなどのお金系記事、美容系の記事までなんでも執筆しています。
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