『SABRINA NO HEAVEN (Thee Michelle Gun Elephant)』 ランダム ディスクレビュー - uzurea.net

『SABRINA NO HEAVEN (Thee Michelle Gun Elephant)』 ランダム ディスクレビュー

『SABRINA NO HEAVEN (Thee Michelle Gun Elephant)』 ランダム ディスクレビュー

執筆: 森須 信号 アイコン 森須 信号

iTunesに保存してある楽曲をランダム再生して、最初に再生された曲とそのアルバムをレビューしようという、当企画。 あまり思い入れのないアーティストの場合もありますが、ご愛敬。 今回のお題は……クリッ!(マウスのクリック音)

SABRINA NO HEAVEN (Thee Michelle Gun Elephant)

おー、ミッシェル……! ミッシェル・ガン・エレファントだよ。

ユニバーサル ミュージック
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この6曲入りの(ミニ)アルバムは2003年6月発売、ミッシェル・ガン・エレファント の最後の音源。 少し前に発売されたフルアルバム『SABRINA HEAVEN』と対を成す位置付け……らしい。 「らしい」と書くのも、当時(※)僕はそれほど熱心にこのバンドを聞いていなかったから。 なんなら『SABRINA HEAVEN』も持ってないし、聴いていない。

ミッシェルの名前は知っていたけど、お金のない20代前半ごろの僕。 もちろんYoutubeも無いし、インターネットで曲を試聴する事もままならい時分に、彼らの素晴らしさや、おすすめ曲を教えてくれたのは、当時僕が使っていたPHSの雑談掲示板 (今で言う出会い系みたいなやつ)で出会った女の子でした。

『パンク&ロックが好き』ってな事で話が合って、その後下北沢で待ち合わせして、何回か食事したり、ライブいったりして。 その子が、ミッシェルが小さいライブハウスで演ってる頃からのファンとかで、オススメの曲やらアルバムを教えてくれるようになって。 そんな流れで聞き始めたんだったと思う。

思えば、ちゃんとデートに行ったりせずに、ライブハウスに行って、お酒飲んで泥酔して泊まりにいったり。 ろくなエスコートもせずに家に引っ張り込んだり。 雑な遊び方してたな、彼女がこの記事を読むことはないと思うけど……ゴメンね。

あ、いや、まあ僕の話はいいか。

そんな、熱心なファンではなかった僕が、このアルバムを今聴いて、ひと言で表すならば『完成され過ぎている』。 ロックってもっと雑な曲が『ガーっ!』と詰まってるアルバムが”それらしい”し、彼らの初期作品もそんな感じだった。

でも、このミニアルバムは全5曲ながら、それぞれの曲がしっかり作りこまれていて、曲の構成も洗練され過ぎている。 それでいて全然嫌味を感じない。 ひいき目に見なくても、名盤でしょう。 ミッシェル・ガン・エレファントの熱心なファンでなくても、Rock/Punkを通って来た人ならこのアルバムを聴き込んでネガティブな感想を抱く人は少ないんじゃないかな。 たぶん。

SABRINA NO HEAVEN トラックリスト

  1. チェルシー
  2. ミッドナイト・クラクション・ベイビー
  3. デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ
  4. 水色の水
  5. 夜が終わる

1曲目『チェルシー

イントロは、気だるいリフのギターから始まる、終始重く、低調な雰囲気のトラック。 7分38秒もあるこの曲は、チバの乾いたVoと、メンバーの演奏が絶妙に絡み合って、泥や下水のニオイが立ち込めるような、都会の裏路地を連想させる。

Thee Michelle Gun Elephant – Chelsea
Thee Michelle Gun Elephant – Chelsea

たいした事じゃないし。 どこにでもあるんだけど。
チェルシーが泣いてるなら、それが世界を濡らすんだろう。
チェルシーが笑うなら、そのままでいいことなのさ。

歌詞 音源より聞き取り 引用(原文と違う可能性あり)

相変わらず、主語が謎のカタカナ語で深読みすればなんとでも考えられる詩だけど、これがチバ 作詞の特徴であり、魅力でもあるんだよね。 ……なんでこんな良い曲を作れるバンドが解散となるのか。 今聞くとそう思う位、最高なトラック。

まあ、成人した芸術方面に感性が尖がった人間が4人もいて、それぞれの及第点をみつけて共に歩んでいくというのが難しい事であるのは、わかるが。 にしてもいい曲だなこれ。 いや、今さら感動してるけど。

2曲目『ミッドナイト・クラクション・ベイビー』

一転、2曲目『ミッドナイト・クラクション・ベイビー』は、ミッシェルらしい、チバがシャウトして、メンバーのソリッドな演奏が光るアップテンポの曲。 これ聞きながら、格好つけて瓶に入ったビール(海外のビール、BARで出て来るやつ)を飲んで、「バーカ! ロックンロール!!!!!」とか叫びたいよね。 あー、アホになれる良い曲だなこれ。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – ミッドナイト・クラクション・ベイビー
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – ミッドナイト・クラクション・ベイビー

3曲目『デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ』

3曲目は、『デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ』。 あー、これもいい曲。 ミッシェル・ガン・エレファントのダサイ&カッコ良さって伝えにくいんだけど、当時でも少しズレてて、でも当時ロックを聴いていた人なら絶対引っかかる所を持っている。 伝えにくいけど、そんなズルくて最高な良さをもってるですよね、この曲。 アベのリフが最高。 この曲を聴きながら、人にやや迷惑をかけながらライブハウスで暴れたかった。 残念な事にそんな場には行かなかった僕ですが。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT – デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ

4曲目『水色の水』

4曲目は、『水色の水』。 うんうん、まー、ミニアルバムとはいえ、こういう曲は必要だよね。 結構だるい曲。 フルアルバムだと8曲目以降に収録されていそうな、とにかく『ダルさ』の曲。 でもね、これが悪い曲って訳でなくて、こういう曲こそ、バンドの底力が見えるんですよね、玄人的には。

水色の水(Live)
水色の水(Live)

いや、いま聞いてて、そう思っただけで、だいたいこの手の曲は聴いててとばしてたりするけど。 ライブやDJでも、お客さん疲れて来る時に、こういう『気だるいけど、クオリティの高い曲』ってのは重宝する。 こういうのが有って、次の曲の最高さが映える訳だ。

5曲目『PINK』

5曲目『PINK』。 はっきりいって、このミニアルバムは、この曲の為に有る言っても過言ではない。『激しくて、乾いてて、切なくて、今が楽しければ良い!』てなロックの刹那的な感性詰まった傑作だと思う。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / PINK
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / PINK

『PINKの~♪』を『ピー・アーイ・エーヌ・ケーイ・の~♪』と謡う、チバ。 続いて『ティーネイジ・ランデブー』 だよ?

なに、ティーネイジランデブーって。 ……そんな、わけわからんカタカナ英語を押し付ける格好良さこそが、ミッシェルの醍醐味であり、最高さだったと改めて認識できる。 この曲がライブハウスや、ロックBARでかかった時を想像してみると、僕だったら絶対に冷静で居られない。

アベが冷めた目で、フロアを見渡しながらアホみたいに心を揺さぶるソロのフレーズを弾いてる時、僕はきっと死にそうになりながら身体を動かしているだろう。 最高の曲だと思う。

6曲目『夜が終わる』

6曲目の『夜が終わる』は、完全にチルアウト用楽曲。 歌は一切なし、ピアノ(チバが弾いているらしい)の音が、淡々と身体と頭を冷静にしてくれる。 密度の濃い5曲の後にこんな曲を最後に収録されたら、ぐうの音も出ない。

ライブで暴れすぎて憔悴しきってそのまま寝て起きた朝。 酩酊しきって二日酔いになる前の始発待ちの朝。 可愛いあの子を一生懸命口説いたけど、袖にされた朝……。

そんな人生においての、『哀』としか表せない様々な『朝』にぴったりな楽曲。 いい曲作るじゃあねーか。

Thee Michelle Gun Elephant – 夜が終わる (inst.)
Thee Michelle Gun Elephant – 夜が終わる (inst.)

総括

あらためて聞いてみても、良いミニアルバム! 曲の進行と、バランスが最高。 トラック毎ではなく、アルバムとして聞いてほしい作品です。

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