ここで初めて記事を書かせていただく、すくみづと申します。 新型コロナウイルスが猛威を振るい、外出がなかなか出来ない情勢下となって参りました。 「室内で出来て、なおかつ新鮮なことは何かないだろうか」とお探しの方にも読んでいただきたい記事です。
僕はタイトルにあるような『女装』という趣味を持つおっさんです。 そんな特殊な趣味を持つおっさんが、自身の経験を元に、おっさんの視点で、女装をするおっさんに薦めたいコスメ=化粧品をピックアップしてみました。 軽い気持ちで女装やコスメを楽しんでいただきたいという趣旨で、なるべくお手軽なものを中心に集めました。
おっさん向け、女装を楽しむ為の『コスメ』
自慢ではありませんが、僕の顔面偏差値は高くありません。完全に普通のおっさんです。
すでに巷でも知られているように、イケメンがしっかりと女装をすると、かなりの『美女』に仕上がります。それはなぜか。そう、そもそも顔がいいからです。 ですがこの記事では、そんなイケメンさんを対象としておりません。
……平日は労働にあけくれ、週末にはヒゲと戦いつつも、コスメの力で「あれ?俺意外と、なんとかなるかも」「かわいいって本当に作れるのでは?」みたいな勘違いから生きる糧を見出すような、哀しきおっさんに向けて書いていきます。 もしかしたら、僕のような不利な状況に対して共感していただける女性にも届くかもしれません。届かないかもしれません。
とにかくあたたかな目で見守っていただければ幸いです。
ヒゲと肌と顔の形をなんとかする
いささか暴力的な見出しではありますが、まず我々おっさんがメイクによって打倒すべきは、この憎きヒゲとゴツイ顔です。 「ビューティプラスやSNOWがあるじゃないか」という身も蓋もない結論は正しすぎるので一旦置いておきます。

少し話は飛びますが、日本人は祖先の出所によって縄文人型と弥生人型という2種類のタイプに分かれるそうです。 そして『縄文人』は、ガッチリとした骨格と濃い体毛が特徴。 高校時代に博物館でこの事実を知り『俺、もう完全に縄文人型やん……』と落胆した日のことを今でも覚えています。
……そんな縄文人が使っている肌マネジメントコスメの一部を紹介したいと思います。
資生堂 マキアージュパーフェクトマルチBB
いろいろ試した結果、結果メインで使っている下地です。なんと言っても安心感。 肌色のベースにも、肌の保湿にも、30過ぎたおっさんのかさかさ肌にはありがたい1本。
おっさんコスメは毛穴とヒゲとの勝負になります。下地の色味は個人の肌次第ではありますが、以後に加えるファンデーション、コンシーラーがどのようなタイプであろうと、比較的合わせやすい汎用性あるコスメと言えるでしょう。
オンリーミネラル 薬用ホワイトニングファンデーションSPF50+
知人の紹介で使ってみたオンリーミネラルの粒子ファンデーション。
流石は毛のエキスパートであるヤーマンから発売されているだけあって、付けてる感があまりないのに、細かい粒子のおかげで毛穴に対するカバー力がしっかりできます。付属の専用ブラシを使うと何となくセレブ感がありますね。季節関係なく継続して使いたくなるコスメです。
MISSHA クッションファンデーション マット
どちらかと言えば飛び道具に近い感覚のアイテムがこちら。
前述のオンリーミネラルの粒子ファンデーションとは違い、しっとり毛穴に染み込ませて、そもそもそこに毛穴なんてなかったと言わせるタイプのファンデーションです。カバー力はありますが、夏場はやや崩れやすい印象も。とはいっても、このアイテムでおっさん肌から飛躍を一度味わってしまうとなかなか手放せません。 室内などの安定的な状況であれば、使い勝手はかなりいいです。
ザ・セム チップコンシーラー ナチュラルベージュ
毛穴を一通りつぶし終わったら、いよいよヒゲとの勝負の始まりです。青みがかった口元から顎までをカバーして色味を整えます。
すでに韓国発のプチプラコスメとして地位を得ているまザ・セムですが、使ってみれば確かに頷くコスパの良さ。この価格ながら青髭にも対抗出来る強さがあります。
おっさんは勇気がないので、あまりブランドコスメをポンポン買えなかったりします。いわばそんな金欠女子高生マインドを支えてくれる製品です。
セザンヌ ミックスカラーチーク 03オレンジ
これは完全におっさん特有の事案ですが、しっかりとしたヒゲは剃ると青みが出ます。その青には補色となるオレンジを置いて消すのが鉄則です。
ではこのオレンジをどうするか。一番強い選択肢としては、三善(みつよし)の舞台用ファンデーションを使うという手段があるのですが、いかんせん色が強いのでこれまで積み上げたベース色まで消してしまい、顔全体の色バランスを保つのが難しくなります。
そこで、オレンジ系のチークを使い口元、顎のヒゲの青さを薄めるという手段をお薦めします。 2色を使いながらブラシの加減でグラデーション的にヒゲを目立たなくさせます。また、加えてエラが強めな人は、顎周りや頬周辺のシェーディングにもこのチークを使ってもいいでしょう。もちろん各ブランドのシェーディング用チークもありますが、いつでも手軽に買えて汎用的に使えるという面から、僕はこのセザンヌのチークを使っています。
おっさんは目元を伸ばしてさっさと自撮れ
肌の工事が一通り済んだら、目元に移ります。
目元は、唯一男女差関係なくおっさんでも頑張れるポイントです。 正直、化粧していて一番楽しいのはここかもしれません。目のサイズ感を大きくできるアイライナーはもちろんですが、シャドウからブロワー、まつ毛などなどちょっとした工夫で見た目の印象が変わることに対して、年甲斐も性差もなくワクワクしたりします。

むしろ、おっさんらしさを敢えて抑えず、陰影を強くつけてドラァグ風に決めるのも悪くないかもしれません。
何とか不利的状況を凌ぐ肌のマネジメントが終われば、より伸び代を作る目元のアプローチへ。これを読んでテンションが少しでも上がったなら、さっさと試してSNSに自撮りを上げて沼へ漕ぎ出しましょう。
以下、個人的に使ってみて楽しかった目元系のコスメを中心に紹介していこうと思います。
メイクアップレボリューション アイラブチョコレート/ユニコーンラブ
イギリス発のプチプラブランド『メイクアップレボリューション』のシャドウパレット。チョコレートを模したパッケージも可愛い。
これを手に取ればおっさんでも否応なくテンションが上がりますが、レジでの会計時に多少冷静になります。値段の割にカラバリも豊富で、気分やテンションでちょっと弾けた色まで試せるのが嬉しいですね。僕は暖色と紫・青系を含む『ユニコーンラブ』を使ってますが、暗めな色も揃っており、鼻元のシャドウやハイライトも含めてこれ1枚で対応できます。
公式には日本市場からは撤退したようですが、通販サイトなどではまだ入手可能です。多色パレットを持つならこれ、という感じでしょうか。
ボビーブラウン ロングウェア ジェルアイライナー
筆に取って書くタイプのアイライナーです。
僕も友人に薦めてもらうまでは、書きやすいという一点からKATEやデジャビュあたりの筆先タイプのリキッドライナーだけを使っていましたが、筆に取るタイプを使ってみると、思った以上の書きやすさに驚きます。
自分でインク量を調節できるので、目元メイクに慣れていないおっさんはペンタイプよりも綺麗に仕上がるかもしれません。そして、なんといっても夏場でも耐えてくれる持続力には信頼感すら覚えます。
D-UP 折式(オリシキ)
一時期@cosmeなどでも話題となった二重(ふたえ)製造ツール。
他の製品のように、まぶたを無理やりくっつけるのではなく、『薄い膜をまぶた上に作り、目を開ければその部分が折り重なって二重になる』という画期的なアイテム。 僕は右目が完全なるパッチリ一重なので、一生二重にはならないだろうな……と思っていたのですが、この折式を使ったところ思った以上の二重ぷりにちょっと感動しました。(ただ、僕の左右の目の形のバランスが悪く最終的には試すだけに留まりましたが)
「俺の一重は強いっ・・・!!」と悩んでいる御仁でも、一度は試す価値があるのではないでしょうか。
キャンメイク クイックラッシュカーラー
一般的な世のおっさんが思っている以上に『まつ毛』の力は偉大です。目元の印象を変える上で、つけまつげやマスカラといったアイテムは必須となりますが、そのまつ毛を下地から支えるのがこの1本。
ビューラーでまつ毛をカールさせてからこれを塗るとカールが持続し、マスカラの付きが良くなるという優れものです。
僕はまつ毛が短いので『つけまつげ』を使うことが多いのですが、まつげを土台にするためこのクイックラッシュカーラーを使っています。『つけまつげ』を付けるハードルが格段に下がりました。ただ、化粧を落とす際はキープ力が強い分、無理に落とそうとするとまつ毛が抜けたりします。
キャンメイクから専用のリムーバーも出ているほどなので、こちらを使ったほうが無難でしょう。
SUSIE NY スリムエキスパートSP
かなり細いアイブロワーで、ペン先を回すと少しずつ芯が出てくるペンシル型です。
もちろんアイブロワーなので、眉の細かな調整にも使うのですが、僕がこの細さを推したい理由としては、涙袋書きです。自撮りやらなんやらで涙袋が流行していると聞き、最初は僕も「え、ただのクマでしょ?」なんて罰あたりなことを思っていたわけですが、実際書いてみるとかなり印象に差が出ます。この細さであれば、涙袋の線を書く際にも強弱のコントラストをつけやすく、また細かな調整も可能になります。
本来の用途から少し外れた使い方でも、思わぬ活躍を見せるのもコスメの面白さですね。
まとめ
以上『女装おっさんによる、女装おっさんへオススメするコスメ』、いかがでしたでしょうか。僕が普段使っているお手軽コスメを調子に乗って10アイテム程紹介してしまいましたが、それほどに『おっさんだとしてもメイクは楽しい』という事が伝われば幸いです。
もともと僕は、小さな頃から自分の顔にコンプレックスを抱いておりました。そんな僕がひょんな事から女装やらメイクに手を出してみた結果、顔は見せ方ひとつで変えられるのだな……と実感した次第です。
昨今ではメンズコスメという形で様々な商品がメーカーからも出ています。コスメは女性のもの! という観念から、男性がより男性らしく、あるいは女性らしく。 そしてジェンダーをも乗り越える一つの手段としてコスメの面白さ、すばらしさを知ってもらう機会になれば幸いです。