皆さんは、スマートフォンやタブレットのバッテリーが外出先で切れそうになって慌てた経験
はないでしょうか。AC アダプターを鞄に入れて持ち歩いている人もいるようですが、充電が
必要なときに電源コンセントがあるとは限りません。
そこで、外出先でのスマートフォンやタブレットの充電によく使われるのが「モバイルバッテ
リー」です。最近では、「ポケモンGO」(結構、バッテリーを消費する)の流行によって「モ
バイルバッテリー」が注目され、売り上げも急速に伸びているようです。
ここでは、プロリンク・ジャパンから発売されているモバイルバッテリー「SMART POWER
BANK(スマート・パワーバンク) PLJ-E10」を紹介します。
数多く販売されているモバイルバッテリーの中でも、コストパフォーマンスも良く、中々おすすめできる製品です。
モバイルバッテリーの基礎知識
改めてモバイルバッテリーの基礎知識やスペックを見るとき重要な点を解説していきましょう。
スマートフォンやタブレットのバッテリー容量
バッテリーの容量は、一定の時間に流す(放電する)ことができる電流と、時間数を掛け合わせたもので表されます(単位は「mAh」ミリアンペア アワー)。
例えば、「1,000mAh」は、1 時間当たり「1,000mA」の電流を流せることを意味します。
手元の機器を含め代表的なスマートフォンやタブレット、歴代iPhoneのバッテリー容量は、次のようになっています。
SONY Xperia Z5 | 2,900mAh |
---|---|
Samsung Galaxy S7 | 3,000mAh |
Asus Zenfone 2 | 3,000mAh |
Apple iPad mini 4 | 5,124mAh |
SONY Xperia Z2 Tab | 6,000mAh |
Google Nexus 9 | 6,700mAh |
Apple iPad Air 2 | 7,340mAh |
Samsung Galaxy Tab A 10.1 | 7,300mAh |
Apple iPhone 4s | 1,432mAh |
Apple iPhone 5 | 1,510mAh |
Apple iPhone 5s | 1,560mAh |
Apple iPhone 6 | 1,810mAh |
Apple iPhone 6s | 1,715mAh |
「モバイルバッテリーの容量」を「スマートフォンやタブレットのバッテリー容量(※)」で計算すると、だいたいの充電可能な回数が試算できます。
例えば、「10,000mAh」のモバイルバッテリーは、「1,715mAh」のiPhone 6s をカタログスペック上(※2)は約6 回充電できることになります。
例えば、「PLJ-E10」は、「1,715mAh」のiPhone 6sを6回弱充電できることになります(10,000mAh÷1,715mAh=6.06)。
※1.現在主流のモバイルバッテリーの容量は、5,000mAh~12,800mAh です。
バッテリーの出力電流と入力電流
出力電流は、バッテリーからデバイス(スマートフォンやタブレット)に電流を出力(供給)する強さのこと、入力電流は、電源(パソコンのUSB 端子やAC アダプター)からバッテリーに電流を入力(充電)できる強さのことです(単位は「A」アンペア)。
一般的に、スマートフォンやiPod には1A、タブレットには2.1A 必要になります。市販のモバイルバッテリーの中には、1A にしか対応していないものがあるので注意してくださ
い。
今回の「PLJ-E10」には、1A と2.1A の両方の出力端子があります。
充電時間
モバイルバッテリーの充電時間は、バッテリーへの入力(充電)方法によって変わります。
例えば、パソコンのUSB ポートから充電する場合と、AC アダプターを使って充電する場合では、充電時間にかなり違いが出てきます。
パソコンのUSB ポートの出力は、最大500mA(USB 3.0 では最大800mA)ですが、す
べてのパソコンが最大の出力性能を持っているとは限りません。AC アダプタにも、性能
の差があります。
現在流通しているモバイルバッテリーの殆どは、USB ケーブルしか付属していないので、必要に応じて、高速充電対応の「USB 用AC アダプター」などを購入するのも良いでしょう。
繰り返し使用回数
モバイルバッテリーには、「寿命」があります。
手元の資料によると、一般的なモバイルバッテリーの繰り返し使用可能回数は500 回前後(※)とのこと。
今回紹介している「PLJ-E10」も、製品仕様では約500回となっています。
※各メーカーからの供給データがある場合はそちらを参照ください。
重量
モバイルバッテリーは、その性質上、重くなる傾向があります。ニッケル(NiMH)水素電池またはリチウムイオン(Li-ION)電池が用いられていますが、乾電池の重さを考えると、「電池というものは重くなってしまうもの」であることが分かるでしょう。
当然ですが、モバイルバッテリーの重量は、容量が大きくなるほど重くなります。
一般的に、5,000mAh のモバイルバッテリーは110g~150g 程度、12,800mAh のモバイル
バッテリーは230g~350g 程度の重量があります。
「PLJ-E10」(10,000mAh)は、275gです。
PLJ-E10 の製品概要
PLJ-E10 には、以下のものが含まれています。
PLJ-E10 本体

USB ケーブル 標準USB(Type-A)←→microUSB(Type-B)

取扱説明書(保証書兼用)

PLJ-E10 ポート、機能など
PLJ-E10 の側面にある3 つのUSB ポートの機能は、次のようになっています。
- microUSB ポート
パソコンやAC アダプターからPLJ-E10 を充電するときに使用します。 - USB ポート(1A 出力用)
PLJ-E10 から主にスマートフォンを充電するときに使用します。 - USB ポート(2.1A 出力用)
PLJ-E10 から主にタブレットを充電するときに使用します。
また、本体の上面にはLED インジケーター、前側面には懐中電灯として使えるLED ライトが
あります。
PLJ-E10 のスペック
PLJ-E10 の主なスペックは、次のとおりです。
バッテリー容量 | 10,000mAh |
---|---|
定格入力 | DC 5V 2.1A |
定格出力 | DC 5V 1A および DC 5V 2.1A |
繰り返し使用回数 | 約500 回 |
サイズ | 136mm×58mm×22mm |
重量 | 約275g |
PLJ-E10 対応デバイス(機種)
PLJ-E10 は、標準的なmicroUSB ポートがあるデバイス(スマートフォン、タブレットなど)で使用できます。
なお、iPhone、iPad や携帯ゲーム機で使用する場合は、それぞれの機種に応じたケーブルが別途必要です。また、microUSB と似た形状でも、特殊な形状を持つデバイスには充電できませんのでご注意ください。
PLJ-E10 の購入先
Yahoo!ショッピング、amazonなどから購入できます。

PLJ-E10 の使用方法
使用方法は一般的なモバイルバッテリーと違いはありませんが、解説していきましょう。
パソコンからPLJ-E10 への充電
PLJ-E10 を使用するには、まず同製品への充電が必要です。(購入時にもある程度充電されていますが、購入時期やロットなどによってまちまちです。)
付属のUSB ケーブルを使って
- パソコンのUSB ポート(パソコンの電源が入っていること)
- USB 用AC アダプター
などとPLJ-E10 のmicroUSB ポートを接続します。

PLJ-E10 の充電時間の目安は、次のとおりです(取扱説明書による)
充電方法 | 80%充電まで | 100%(フル)充電まで |
---|---|---|
パソコンのUSBポート | 約10時間 | 約12時間 |
ACアダプター(別売) | 約5時間 | 約7時間 |
パソコンのUSB ポートの出力は、USB 2.0 で最大500mA、USB 3.0 で最大800mA ですが、実際はもっと低くなります。AC アダプターの出力は約1,000mA です。
また、充電専用ポートを持つセルフパワーのUSB ハブ(AC アダプタを取り付けるもの)も市
場に出回っています。
PLJ-E10 からデバイス(スマートフォンやタブレット)への充電
PLJ-E10 がある程度まで充電されたら、PLJ-E10 からスマートフォンやタブレットなどのデバイスに充電できます。PLJ-E10 のUSB 出力ポートには、1A 用と2.1A 用の2つがあり、充電するデバイスによって使い分けます。
スマートフォンへの充電

- Android スマートフォンやWindows Phone の場合は、PLJ-E10 付属のUSB ケーブ
ルを使って、PLJ-E10 の「USB ポート(1A 用)」とスマートフォンの「microUSB ポ
ート」を接続します。 - iPhone(iPhone 5 以降)の場合は、iPhone に付属のLightning ケーブルを使って、
PLJ-E10 の「USB ポート(1A 用)」とiPhone の「Lightning ポート」を接続します。
iPhone の充電用ポートはLightningという特殊な仕様なので、PLJ-E10 付属のUSBケーブルだけでは使用できません。
タブレットへの充電

- Android タブレットやWindows タブレットの場合は、PLJ-E10 付属のUSB ケーブル
を使って、PLJ-E10 の「USB ポート(2.1A 用)」とタブレットの「microUSB ポート」
を接続します。 - iPad の場合は、iPad に付属のLightning ケーブルを使って、PLJ-E10 の「USB ポー
ト(2.1A 用)」とiPad の「Lightning ポート」を接続します。
iPad 充電用ポートもLightning なので、PLJ-E10 付属のUSB ケーブルは使用できません。
その他のデバイスへの充電
PLJ-E10 からは、USB充電に対応しているドライブレコーダー、ポータブルカーナビ、PSP などの携帯ゲーム機、iPod やWALKMAN などの携帯音楽プレーヤーにも充電することができます。このとき、充電先に合わせた充電ケーブル(一端は標準USB の形状、もう一端は充電先によって異なる)が必要です。
PLJ-E10 をLED ライトとして使う
PLJ-E10 には、LED ライトの機能があります。暗い所でのちょっとした探しものに役立つで
しょう。点灯だけでなく、点滅もします。

LED点灯ボタンを押した回数により、常時点灯の他、モールス信号でS.O.Sを表すような自動点灯などに切り替わります。緊急時に便利かもしれません。詳細はマニュアルに記載がありますので、お読みしておく事をお勧めします。
PLJ-E10 の使用感
PLJ-E10 は、とくに「急速充電対応」はうたっていませんが、USB ケーブル経由のPLJ-E10への充電は予想していたよりは早く済みました。
さらに、AC アダプターを使用すれば、かなり短時間で高速充電が可能です。実用面では、AC アダプターの使用をおすすめします。
また、PLJ-E10 からスマートフォンなどのデバイスへの充電はかなり高速で、AC アダプターと同等です。一般的なスマートフォンであれば、2~3 時間程度でフル充電できます。
取扱説明書は丁寧に出来ていて、必要なすべての情報がわかりやすく記載されています。重量もそれなりにありますが、縦長のためか持ちやすく平面の形状なので、鞄などに入れておいてもかさ張りにくく感じました。
使用方法も特に特殊な点は無いので、モバイルバッテリーを初めて試してみようという方も気軽に購入できるでしょう。
以上、総評としてコストパフォーマンスはかなり高く、数多くあるモバイルバッテリーに見劣りしない製品ではないでしょうか。