アジアのドキュメンタリー作品を月額契約で見放題なサービス『アジアンドキュメンタリーズ』について、下記記事にてご紹介いたしましたが……
当記事では、同サービスで公開されている作品を視聴した作品『リトルファイター 少女たちの光と影』ご紹介いたします。 アジアンドキュメンタリーズの使い方については前記事をご一読ください。
作品『リトルファイター 少女たちの光と影』レビュー
タイの国技としても有名な格闘技『ムエタイ』ですが、国技という側面のほか賭博の対象でもあります。……とはいえイリーガルな賭博ではなく、むしろ八百長などが発覚すると法律によって裁かれるというほど厳正に管理されています。
そして、そんなムエタイでは、プロ、アマ、男女、年齢を問わず多くの選手達が従事しており、この『リトルファイター』では、若干8歳の少女ファイター『スタム』と『ペット』にスポットをあてています。
前述したように、ムエタイは賭博の対象となっており、人々はこのムエタイの試合へ金銭を賭け、楽しみます。もちろん、試合が成立するという事は『スタム』と『ペット』のような少女は特別な存在では無く、タイ国内に3万人は存在すると言われる、児童ファイター達のごく一部であるという事を意味します。
一見して、児童への強制労働や虐待といったイメージを持ってしまうテーマですが、ドキュメンタリーとしてこの作品では、痛々しい戦いや、悲劇、貧困にあえぎ苦しむ人々を無理に演出していません。そこにあるのはタイという国の現実。
10歳にも満たない子供達が戦ってお金を稼ぐ……というのは 日本国内であれば アニメや漫画でならありそうな設定です。でも、そんな非現実的な事が、日本でもなじみのある『タイ』という国では、行われているのです。
……主役の二人を含め、明るく、時に目を輝かせながらトレーニングをし、インタビューに答え、そして家計を支える為に闘う……そんな子供達とそこに関わるタイの人々の『現実』が収められています。

ルールの元においても『相手を倒す為に本気で戦う』という事が、どんなに恐ろしく過酷な事か。そしてそんな世界に10歳にも満たない子供たちが身を投じて『貧困』と向き合っているという環境が確かに存在する事実を改めて認識する事になる作品でした。
家族が住む家を作るために戦うという『スタム』は、ひと時の勝利とそれによって得たものを誇らしげに語り、微笑みます。とはいえ、ここで彼女のファイターとしてのキャリアが終了になるわけではありません。また作品中で、スタムとの試合に敗れた 『ペット』 も同様に、今後も家族を養うために戦い続けるのでしょう。
『リトルファイター 少女たちの光と影』を視聴できるサービス
冒頭でも案内していますが、この『リトルファイター 少女たちの光と影』という作品はは、 アジアンドキュメンタリーズで486円で視聴できます。また、同サービスでは月額972円(税込)の定額制に契約すれば、この作品も含め、多数のドキュメンタリー作品が見放題で閲覧できるようになります。
アジアンドキュメンタリーズ webサイトはこちら (https://asiandocs.co.jp/)
リトルファイター自体を気に入った方はDVDはAmazonなどで購入する事もできますが、4000円~の販売価格となっていますので、コストパフォーマンスや、作品に対する思い入れなども含め、ご検討いただくとよいでしょう。
『リトルファイター 少女たちの光と影』作品情報
- 『リトルファイター 少女たちの光と影』
- 2012年製作/アメリカ/作品時間64分
- タイ国内に3万人はいるという15歳未満の児童ムエタイファイター。本作はともに8歳の少女ファイター、スタムとペットを二年間追ったドキュメンタリー映画です。家族の生活を背負った少女たちが願うのは、闘いに勝利し賞金を得ることなのです。
- 監督 トッド・キールスティン
- 製作 ラネット・フィリップス、ジョナサン・カー
- 音楽 スコット・ハックウィズ
- 提供 シネマクガフィン
- 「リトルファイター 少女たちの光と影」公式ウェブサイト http://www.curiouscope.jp/littlefighter/