映画の分類、ジャンル一覧 一般的なものからニッチなものまで、まとめてみた

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映画作品の公開情報やレビューに用いられる『〇〇映画』という呼称。 よく耳にする言葉ではありますが、種類が多いだけによくわからない……というものも多いような気がします。

そこでこれらの再確認も含めて、その意味や語源、使われ方をまとめてみました。

映画のジャンル・呼び名一覧

ジャンル、上映方式や、テーマ、撮影技法など多様な観点から沢山の呼称が存在しますが、それらをあえて分類訳せず、映画に関わる呼び名をひとまずすべてまとめてみました。 ご意見、間違い、勘違い、追加のご要望などありましたら、コメント欄からいただけると嬉しいです。

※色をつけた箇所は、かなりニッチな……場合によっては、個人的な思いつきや狭い観測範囲……での言葉で、あまり一般的ではないかもしれません。

ジャンル/呼び名 解説/考察
3D映画 映像が3Dとなって飛び出す映画。右眼用と左眼用の映像をスクリーンに投影し、専用の眼鏡をかけて見ると映像が立体的に見えるタイプの映画。放映方法、技術の分類。
A級映画 元は1932年~50年代において、アメリカの映画二本立て興行において有名監督が制作する上映時間が90分のタイトル。現在は有名監督や俳優が出そろう大作映画、芸術的映画などを差す場合が多い。
B級映画 おなじくアメリカの映画二本立て興行で、メインであるA級の添え物的作品を指す言葉だった。現在では低予算で大衆的な映画の呼称として浸透。雑なCG処理や、破綻したストーリー、大衆的な笑い・娯楽、低予算……といった作品をある種の親しみを込めて呼ぶことも。
C級映画 A級、B級といった呼称が一般化するにつれ、新しく作られた言葉。 B級より酷い、くだらない、下品といった意図で用いられるが、やはり親しみや、それら愛好家へ向けた意図で用いられる事も。
LGBT映画 レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略語=LGBTをテーマにした作品。 恋愛映画をはじめ、青春・人間ドラマ作品なども多い。
SF映画 サイエンス・フィクションの略。宇宙や未来をテーマにすることが多く、ストーリーだけでなくSFXなどの最新の映像技術も注目される。
Z級映画 A級、B級、C級といった呼び名に応じて登場した言葉。 B級、C級より酷いといった意図。 蔑称である場合が多いが、こう呼ばれる作品が逆に話題になる場合も。
アクション映画 主人公をはじめとする主要人物たちが体を張って戦うジャンル。 近年は細分化により『カーアクション』や『サスペンスアクション』など様々なジャンルと組み合わせられる。
アドベンチャー映画 主人公たちの冒険を描くジャンル。ロードムービーとは異なり、敵を倒したり味方を増やす内容や、財宝や幻の地を目指すといったファンタジー要素と掛け合わせることが多い。
アート映画(作品) 娯楽性以上に映像美や芸術性などを追及した作品。大衆受けを狙わずニッチな市場に受けることから『エンタメ映画』の対義語として用いられることも。
ヴァンパイア映画 吸血鬼を主題にしたジャンル。ホラーの側面が強い中『トワイライト』シリーズなどラブストーリーとしても人気のあるテーマ。
ヴィラン映画 アメコミなどにおける悪役(ヴィラン)を主人公にしたジャンル。ヴィランになった過程やヴィラン同士がタッグを組む作品が多い。
エログロ映画 エロチックとグロテスク=エロ・グロ。 和製英語らしい。 その名の通りエロとグロに特化した映画で、ストーリーや内容が伴わない映画について用いられる事が多いが、ファンも存在する。
お下劣映画 他人からひんしゅくを買いそうなことばかりで笑いを取るコメディ。なぜか役者が本人役で登場する映画が多い。
お祭り映画 祭りやパーティーを題材にする映画。アガる内容から異様な儀式を取り入れたホラーテイストなものある。
カルト映画 興行収入的に失敗しながらも、一部のファンなどから高く評価され続けている作品を指す。基本的にニッチな作風であることがほとんど。
カンフー映画 中国拳法を使って戦うアクション映画。『功夫片』。ブルー・スリー、ジャッキー・チェンらが活躍した香港映画を発端に、現代ハリウッド映画でも取り入れられるスタイルや技法。
カーアクション映画 車を使用したアクション映画。派手なカークラッシュや公道を猛スピードでレースする作品など。なぜか車がたくさん壊れるほど盛り上がる傾向も。
ギャング映画 ギャングたちの抗争を描くジャンル。マフィア映画と混合しやすいが、ギャングはアメリカの犯罪集団を指すことが多い。
クライム映画 犯罪=crime(クライム)。 強盗や詐欺など他人を欺く映画から、殺人事件をテーマにした映画など犯罪を描くジャンル。基本的にクライムサスペンスと称されることが多いが、コメディと掛け合わせる作品も。
コメディ映画 おバカなキャラクターやユーモアあるストーリーで笑いを誘うジャンル。サイレント映画時代から存在する映画ジャンル。
サイコ映画 殺人鬼やモラルが著しく欠落した人物、いわゆるサイコパスにフォーカスした作品。 サイコ・スリラー、サイコ・サスペンス、サイコ・ロジカルなど関連する呼び名も多い。
サイコ・サスペンス サスペンス映画の中でもサイコパスなど異常な犯人が事件などを起こし、その事件を追う人物を描くケースが多いジャンル。
サイコ・ホラー映画 恐怖を煽るホラー映画の中でも、ひときわ人間が怖いタイプの作品。犯人の動機が理解できないケースも多数。
サイレント映画 俳優のセリフや音声が入っていない作品。『無声映画』ともいう。俳優のセリフはカットタイトルの字幕で表現された。対義語は『トーキー(発声)映画』
サスペンス映画 凶悪犯や殺人鬼などを描き、観客の緊張感を高めるジャンル。アルフレッド・ヒッチコックは当映画ジャンルの神様と称されており、古くから親しまれているジャンルのひとつ。
サメ映画 『ジョーズ』を発端とするサメをテーマにした作品の総称。大作映画からB級映画、ジョーズの二番煎じ、パロディなどなど、大量に制作され続けている。愛好家も多い。
スクリューボール・コメディ 型破りな主人公や次々に起こる事件に巻き込まれる様子をコメディタッチに描く。ジャンル名はスピンによってどこに落ちるかわからない”スクリューボール”からとった。
スパイアクション映画 『007』シリーズ、『ミッションインポッシブル』シリーズなど、スパイたちの活躍を華麗に描くアクション映画。
スパイコメディ映画 スパイ映画によくあるハイテクなガジェットや緻密な作戦に反し、主人公が限界まで抜けていたり信じられないほどドジというミスマッチさを描く。
スプラッター映画 ホラー映画などでみられる殺戮・人体損壊・流血などを生々しく見せる映画。『グロ映画』と評されることも。
スペース・オペラ SF映画の中でも宇宙をまたにかける戦士を主人公として、ヒロインとの恋愛や敵の退治を描くストーリーがメインの作品。
スポーツ映画 ボクシングや野球などのスポーツや選手を取り上げるジャンル。実在するスポーツ選手を題材にした作品も多くある。
スラップスティック・コメディ コメディ映画の中でも体を張って観客を笑わせるジャンルのこと。チャップリンやキートンが出演するサイレント時代に制作された代表作が多数ある。
スリラー映画 サスペンス映画と同じく感覚の緊張感をあおるジャンルだが、多くの映画で恐怖要素が取り入れられている。ホラー映画と異なり身近な存在が恐怖となるケースが多い。
ゾンビ映画 ゾンビを題材にしたジャンル。ホラーやスプラッターだけでなく、コメディや恋愛要素、人間ドラマを取り入れたものも存在する。
大作映画 A級映画とほぼ同じ意図で用いられる。 超大作映画なども。
大衆映画 一般大衆向けの映画。 芸術作品やハイカルチャーをテーマにした作品と対して、より親しみやすいテーマを扱った作品。
ドキュメンタリー映画 実在する人物や事件などを映像として記録していくジャンル。劇映画と異なり製作者の主観や思想はなく、あくまで事実を撮影することが前提となる。
ドラッグ映画 ドラッグを題材にし、人間の破滅や転落を描く。近年は大麻を肯定する映画や、パフォーマンスを上げるために気軽にドラッグを摂取する人を捉えたドキュメンタリーもある。
トーキー映画 映像と音声が同時に流れる映画のこと。サイレント映画からトーキー映画に移行していく中で呼ばれた名称であり、現在はサイレント映画の対義語として用いられる。
ニュース映画 時事問題などを観客に伝える目的で制作された映画。全盛期は戦時中の映画館で上映され、家庭にテレビが普及する頃まで制作された。
パニック映画 地震やハリケーンといった災害から飛行機事故などの人災によって人々が混乱するさまを描く作品。ディザスター映画といわれることも。
パリピ映画 パーティーピーポー=パリピを主人公にしたジャンル。主に他人の迷惑も顧みずバカ騒ぎする連中を描くコメディ映画。
パロディ映画 有名な映画や大ヒットした作品、時事ネタをパロディとして作中に取り入れるジャンル。コアなパロディになると元ネタが分からないと笑いずらいのが玉に瑕。
パンデミック映画 未知のウイルスによるパニックを描くジャンル。感染すれば即死するものから、ゾンビなど異形の存在に変化するものがある。
ヒューマンドラマ 人間同士の出会いや別れ、友情や決別などを描くジャンル。観客にとって身近なテーマゆえ共感しやすい作品も多い。
ファミリー映画 大人も子供も楽しめる作品(ファンタジー映画など)と、家族をテーマにした作品(ファミリードラマなど)の2つの意味がある。
ファンタジー映画 魔法や架空の世界・生き物などを描く作品。鮮やかな世界観や冒険心をくすぐるストーリーが基本であり、大人も子供も楽しめる作品が多数。
プロパガンダ映画 主にドキュメンタリー映画において、政治的思想を観客に植え付けることを目的とした映画のこと。1920年代のソビエト連邦で多く製作された。
ホラー映画 観客の恐怖を煽るジャンル。化け物から心霊・超常現象などをテーマにしたものや、得体の知れない殺人鬼を描くものまである。
ポリスアクション映画 警察の活躍をド派手に描くジャンル。犯人を追うミステリー・サスペンス要素はもちろん、ガンアクションやカーアクションなども見どころ。
ポルノ映画 性描写などを描いた作品。『成人映画』とも呼ばれ、邦画の場合は『ピンク映画』と称されることが多い。
マカロニ・ウェスタン 1960年代から1970年代前半にイタリアで制作された西部劇。本国をはじめアメリカなどでは当初『スパゲッティ・ウエスタン』とも呼ばれていた。
マフィア映画 イタリア・シチリアや、アメリカにおけるイタリア系移民による犯罪組織『マフィア』がテーマの作品。広義で海外の暴力組織を描いた作品という意で用いられる場合も。
ミュージカル映画 歌や踊りをとりいれた演劇の形式である『ミュージカル』を映画に取り入れた作品。演劇としてのミュージカルをテーマにした作品も。
ミリタリー映画 軍隊の死闘や実際に行われた作戦などを描くジャンル。アクション映画の中でも大規模かつシリアスな展開が多い。
モキュメンタリー映画 架空の出来事をドキュメンタリー映像のように演出し、本当にあったかのように見せる作品。
ホラーや怪現象をテーマにした作品で用いられることが多い。『フェイク・ドキュメンタリー』と呼ばれることも。
モノクロ映画 全編あるいは一部分を白黒の映像で見せる作品。現在も演出方法としてあえて白黒の映像にする作品がある。
モンスター映画 化け物や人を襲う動物を描く作品。特定の動物を描く場合は、巨大化したり大量に襲ってきたりメカ化することが多い。人間が負けて終わるか、勝っても次の脅威をほのめかされる。
モンド映画 世界の秘境などで行われている残酷な儀式や蛮行を虚実織り交ぜて描くジャンル。ドキュメンタリーもあればモキュメンタリーの作品も存在する。
ヤクザ映画 任侠映画とほぼ同義。義理人情で動く旧来のヤクザ(者)の『任侠映画』と、金と暴力や利害得失で動く現代暴力団の『ヤクザ映画』と分けて用いる場合も。
ループ映画 主人公が同じ時間を繰り返し続ける作品。特定の条件を満たさないと抜け出せず、主人公が死ぬことでループすることが多いため、スリラー映画などに多いジャンル。
ロマンティック・コメディ 恋愛要素をコメディに合わせて描くジャンル。ロマコメと略されることも。
2人の登場人物が出会い恋に落ち、一度は仲違いするも最後は元の鞘に収まる…という展開がメイン(収まらない作品もあり)
ロードムービー ある目的地に向かって長い旅をするジャンル。目的地まで行く間に起きる出会いや人間ドラマが最大の特徴である。
ワンシチュエーション映画 同じ空間や状況下だけでストーリーが完結する作品。アイデア力が試されるジャンルであり、ホラーからコメデイまで様々な映画がある
音楽映画 音楽をテーマとし、実在するミュージシャンの生涯や伝説となったライブ映像などを記録した作品も指す。
群像劇 ひとりに焦点をあてず、多様な登場人物とその状況を描く。収束してひとつのテーマを描く場合もあるし、そうでない場合も。
逆行映画 あえて物語の顛末から最初に見せることで、本来の時系列は逆に映画が進むジャンル。
時代劇 日本の歴史を描いた作品。戦国時代など戦いを描く作品から、偉業を成し遂げた歴史上の人物を描く作品がある。
実験映画 商業作品とは異なり、興行収入を目的にせず表現に挑戦した映画を指す。
社会派映画 実際に起きた事件や政治などを描き、問題提議を起こすジャンル。
人生やり直し映画 死んだ主人公が生前やり残したことや未練をなくすために、もう一度現世に戻るジャンル。作品ごとに”あの世”のシステムが異なるのも面白い。
政治映画 実在する政治家や政界のスキャンダルを描くジャンル。劇映画はもちろん、ドキュメンタリー映画も多数制作されている。
西部劇 19世紀後半のアメリカ西部にある未開拓地を舞台にした映画。ガンアクションによる決闘が大きな見どころ。
青春映画 少年少女など若い登場人物たちが青春を謳歌する様子を描く。友情や恋愛、夢に向かって進む姿などが印象的な作品が多い。
戦争映画 実際に起きた戦争を題材にした作品。アクションを売りにしたものから、戦争が起こした悲痛な現実を描く『反戦』を題材にしたものも含まれる。
多重人格映画 主人公などメインキャラが多重人格者の映画。一般的にサイコスリラーなどで見られるジャンル。
短編映画 一般的な長編映画が2時間ほどに対し、ほとんどが30分以内で物語が完結する作品。
伝記映画 偉業を成し遂げた人物の一生、あるいは特定の期間を描く作品。多くが実話をもとに描かれており、大統領からミュージシャンなどその人物像は幅広い。
動物映画 犬・猫といった動物を主人公にした作品。CG演出による作品から実際の動物が演技をする作品もある。
特撮映画 本来は特殊撮影(SFX)の略語だが、現代の日本で『特撮』と呼ばれる場合『ゴジラ』シリーズや、日本の特撮ヒーロー作品や、それら制作当時の技術を差す場合が多い。
任侠映画 『仁義なき戦い』シリーズをはじめとする任侠をテーマにしたジャンル。東映によって60年から70年を中心に多く制作され日本独自のジャンルとして地位を築いている。
不条理映画 常識やモラルを無視し、観客の共感を得ようとしない突飛なストーリーやキャラクターをみせるジャンル。結末が読めない点も魅力の一つ。
復讐映画 愛する人や動物を殺された主人公が報復する映画。同じ苦痛を味わわせるものから、犯人の身内にまで報復するものまで多数存在する。
法廷映画 法廷を舞台に繰り広げられるドラマやサスペンスを描くジャンル。有名な裁判の実写化や、最後まで結末が分からないミステリー要素の強い作品も多くある。
料理映画 料理を通して人間ドラマを描く。おいしい料理が見どころの一つであり、身近な題材ゆえに比較的タイアップもしやすいジャンル。
歴史映画 歴史上の人物や偉業・出来事を描いた作品。実話を描くものから歴史的に有名な時代を舞台にしたフィクションまで多数ある。
恋愛映画 2人が恋に落ちる様子を様々なテイストで描くジャンル。コメディタッチのものから悲劇をたどる悲しい作品まである。
鬱(うつ)映画 実際にうつ病をテーマにしている映画と言うよりも、登場人物が不幸になる、内容に救いが無い、バッドエンド、など視聴者の気分が落ち込むタイプの映画への形容として用いられる。 

あとがき

必ずしも一般的でないものも含めここに挙げた以外にも、沢山の呼称・ジャンルが有るかと思いますが、一旦思いついたものをまとめてみました。 先にも書いたとおり、追加のご提案やご意見があればコメント欄からいただけると嬉しいです。

当記事が、映画の紹介やレビューを読む際の参考になれば幸いです。

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レンタルビデオ店、ミニシアター勤務を経てライターをしています。 『映画board』でも執筆中です。面白い映画をわかりやすい内容で紹介していきます。でも本職は2匹の猫(キジ白、牛柄)の下僕。


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