何も起きなかったLed Zeppelin50周年、そして51周年は如何に | uzurea.net

何も起きなかったLed Zeppelin50周年、そして51周年は如何に

何も起きなかったLed Zeppelin『結成』50周年。 『デビュー』50周年、そして51周年は如何に
画像:Youtube『History Of Led Zeppelin』/Fender UK Jimmy Page Telecaster Webサイトより

執筆: 本間本願寺 アイコン 本間本願寺

2018年には『結成50周年』を迎え、2019年に『デビュー50周年』を迎えた、イギリスの大御所ロックバンド、Led Zeppelin(レッド・ツェペリン)

その歴史を一分で振り返る、映像シリーズとして『History Of Led Zeppelin』の最新エピソードが2020年2月28日に公開された。 同シリーズは当初、2019年の『デビュー50周年』を象徴するコンテンツとして公開されたが、今年になっても更新が続いている。

デビュー50周年映像 『History Of Led Zeppelin

Led Zeppelin公式Youtubeチャンネルで公開された『History Of Led Zeppelin』シリーズは、タグが付けられた『#LZ50』からも窺えるように『History Of Led Zeppelin』は、バンドのデビュー50周年を記念して2019年4月から配信開始されたショート・ストーリー企画で、現在まで9話を数える。

Led Zeppelin – History Of Led Zeppelin (Episode 9)
Led Zeppelin – History Of Led Zeppelin (Episode 9)

初回のエピソードの公開からもうすぐ一年が経とうとしているが、残念ながらとくに好評を博している様子もなく、これと言って話題になっている様子もない。

……実際のところ、特に話題にするような内容でもないのが事実である。 それというのも、Led Zeppelinほどの大バンドの半世紀という大アニバーサリー企画にしてはいまひとつスケールの小ささが目に付くのである。

Episode1については、100万再生を超えているではないか……というご意見もあるだろうが、Episoce2は2020年5月現在で39万再生、Episoce3は13万再生と、熱心なファン達ですら少しづつ興味を失っているのが伺える。

History Of Led Zeppelin (Episode 1)

Led Zeppelin – History Of Led Zeppelin (Episode 1)
Led Zeppelin – History Of Led Zeppelin (Episode 1)

如何せん、一話につき一分前後の動画では情報量があまりにも少なく、このわずかな時間内で紹介されているエピソードも例えば、ファーストアルバム『レッド・ツェッペリン I (LED ZEPPELIN)』はわずか36時間で完成したとか、バンド名がNew YardbirdsからLed Zeppelinに改名されただとか、ファンなら誰もが知っているようなありきたりの内容ばかり。

BGMは聴き古されたスタジオ音源、映像は既出のもののツギハギ(というかほとんど『Led Zeppelin DVD』でおなじみ、70年のロイヤル・アルバート・ホールでの、しかも同じ部分のライブ映像。 (John Bonhamのタム回しのアップが出るたびに、またか、とげんなりする)

おおよそ新規性というものがなく、映像の合間に挿入されるアルバムジャケットやレコード盤の適当なレイアウト、突如現れる安易な飛行船のアニメーションや、取ってつけたようなエフェクトなどがとにかく見る者の気を削ぎ、一話見ただけで他のエピソードを見ようとなどは思わなくなる。

2018年の結成50周年も……

そもそも、前年である『結成』50周年2018年には、400ページの写真集『Led Zeppelin by Led Zeppelinの出版や、メンバーが代表曲を振り返るインタビュー音源集『50th Anniversary Interviews』の配信リリースなどにとどまり、結成年よりは[デビュー年』でのアニバーサリーの方が本命とみられていた。

そのような世間の注目を意識したのか、Jimmy Page本人も「2019年には間違いなくJimmy Pageからは何かが届く※」といった発言したために、ファンの期待は否が応でも高まることとなった。

※外部リンク:JIMMY PAGE Says Fans Will ‘Definitely Be Getting Stuff’ From Him In 2019

しかし、蓋を開けてみれば、前述のやる気のない動画シリーズを筆頭に、ファンやアーティストらが作成するLed Zeppelinのプレイリスト・プログラムの始動、VANSとのコラボレーションでTシャツ・スニーカー・キャップの発売など、イマイチな企画が続き、Jimmy Page個人に至っては慢性的な守銭奴ぶりが再発。

先述のように前年にバンドの写真集を出したにも関わらず、一見して似たような体裁と思しきJimmy Page のサイン入り自叙伝『Jimmy Page: The Anthologyを2500部限定で出版することが発表された。 だが£495(日本円で約66,000円)という法外な値段が災いしてか、2020年5月現在もまだ出版元のサイトにてカート・イン出来るようになっているので、Page商法に乗せられる人は全世界でも2500人には満たない模様だ。

なお、当初2019年12月に予定されていた発売日は大幅に遅れ、アニバーサリーイヤーが終わった現在でも発送されていない。

フェンダー Jimmy Page テレキャスター

そして守銭奴Jimmy Pageの暴走を象徴するのが、『Fender Jimmy Page Telecaster 全四種』の発売である。

フェンダー・テレキャスターはLed Zeppelin初期におけるJimmy Pageの愛器として知られ、真偽は不明ながら、一応デビューアルバム『Led Zeppelin』にも全篇に渡って使用されたと言われているので、なるほど、一見するとデビュー50周年企画に相応しいコラボレーションである。

しかしこれが実際に使用されたのはLed Zeppelin12年の歴史の内でも、ごく初期の6か月程度で、それ以降はお馴染みのGibson Les Paulに乗り換え、こちらのほうがJimmy Pageを象徴するギターとなるのであるからして、50周年にこじつけて大々的に販売するのは厚顔無恥というほかはあるまい。

Jimmy Pageがテレキャスターで生み出した、ギターリフについて考える

同社社の商品説明では「この伝説的なギターは、20世紀で最も象徴的ないくつかのリフを生み出しました。」とある。まあ、伝説かどうかはさておき、このギターが実際にいくつのリフを生み出したのか。

同器の使用と伝えられる『Led Zeppelin』においても、全ての曲がはっきりとギターリフの曲と言い得る訳ではなく、思いつく所で……

  • Good Times Bad Times
  • Communication Breakdown
  • How Many More Times

といった所が挙げられる。

この際『Good Times Bad Times』は圧倒的にドラムの方が印象的なので、この曲のギターを象徴的なリフと言い得るかどうか。また、この曲は現役時代のバンド内での自己評価が相当低かったと思われ、ライブでろくに演奏された形跡もない。

そう言った意味でも、Jimmy Pageの生みだしたリフの象徴のひとつに挙げるのはいささか苦しい
のではあるまいか。

Good Times Bad Times (Remaster)
Good Times Bad Times (Remaster)

ところで、Led Zeppelinの単音リフの曲はJohn Paul Jonesが作成という説が今日では定説である。

となると『How Many More Times』のリフもJohn Paul Jonesということになるが、このリフはヤードバーズ時代からすでにJimmy Pageによって生みだされていたとの説もあり、そうであれば別にJimmy Page作であっても全く問題はないのだが、いかんせん、この曲はベースのリフから始まって追々ギターがユニゾンで重なる形になるので、どうもベースの印象が強く、ゆえにこれも象徴的なギターのリフと言い得るかは疑問である。

How Many More Times (2014 Remaster)
How Many More Times (2014 Remaster)

もうひとつ、『Dazed and Confused』も単音リフと取れないこともないが、これは所謂パクリ元のJake Holmes版のリフの符割変更みたいなものなので、まあ、どうひいき目に見てもJimmy Pageが生み出したものとは言えまい。それに『How Many More Times』同様、ベースのリフから始まるため、同じく象徴的な『ギターの』リフと言い得るかは疑問である。

Jake Holmes – Dazed and Confused
Jake Holmes – Dazed and Confused

なるほど、では他にも実に印象的なリフと言うにふさわしい『Black Mountain Side』があるではないか。これは後年までライブでも演奏されているし、何よりも代表曲『Kashmir』のイントロとでも言うべき重要な位置を占める曲である。

だが、これは明らかにアコギであり、ライブでもダン・エレクトロで演奏されているので、テレキャスターは全く関係がない

Black Mountain Side (2014 Remaster)
Black Mountain Side (2014 Remaster)

……と、言う訳で、Jimmy Pageがテレキャスターで象徴的なリフを生み出したとはっきり言い得るのは『Communication Breakdown』1曲のみであり、商品説明が謂うような、いくつかのリフ、というのはいささか誇大広告ではあるまいか。

Communication Breakdown (2014 Remaster)
Communication Breakdown (2014 Remaster)

さらに問題なのは、とくに上記写真集をはじめ、アニバーサリーにかこつけての記事等に、テレキャスターの写真も掲載されているだの、テレキャスターを抱えたJimmyの姿も見えるだの、いちいち言及されていることである。

フェンダーに阿(おもね)ってでもいるのか、メディアが無理矢理テレキャスターをヨイショしている感が否めない。あるいは、このような企画商品でも無理矢理プッシュするしかないほど話題に事欠く有様であるとも考えられるが、いずれにせよいまひとつ精彩を欠いたLed Zeppelinの50周年であった。

そのような中、冒頭で述べたようにバンドの歴史を振り返る映像シリーズ『History Of Led Zeppelin』、2020年になっての更新である。これはアニバーサリーの継続を物語るものであろうか。

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