東京都練馬区のフォント制作/販売会社『タイププロジェクト』は、2019年7月26日、環境省向けにオリジナルデザインの欧文書体とTP明朝を組合せた国立公園専用フォント『TP 国立公園明朝』を提供したことを発表しました。
『TP 国立公園明朝』は同社のフォントサブスクリプションサービス『TPコネクト』での利用や、フォント単体でのダウンロード販売も開始され、一般のデザイナー、事業者、個人も購入し利用する事が可能です。
記事の索引
TP国立公園明朝について
フォント『TP国立公園明朝』は、環境省により2016年にスタートした『国立公園満喫プロジェクト』の一環として開発が始まりました。
『日本の国立公園らしい品格や風合いを持ちつつ、看板等に使用した際の視認性を確保する』という要望の元に提供したTP国立公園明朝は、現代的な骨格を持ったスラブセリフォントです。
※スラブセリフフォント:セリフが直線的で、縦横のストロークとセリフの太さの差が小さい欧文(英語)書体の分類。日本国内では一般的に(ゴシック体ではなく)明朝体のようなフォント……というと伝わりやすいかもしれません。
和文部(日本語)にはTP明朝のローコントラストを採用
TP国立公園明朝の和文部(日本語)には、同社が販売するTP明朝のローコントラストを採用。ゴシック体を思わせる線率をもち、従来の明朝体と比べて横画が太いため、視覚的なインパクトが大きく誘目性に優れています。
欧文部は新たに開発
TP国立公園明朝の欧文部(英数字)は新たに開発したそうです。
欧文部は、日本デザインセンターのアートディレクター色部義昭氏と協議を重ね、太さや強弱をわずかに強くすることで、和文との調和も良い字となりました。
全体として、一般的なセリフ書体に比べて横画が太いため、遠くからの視認性に優れ 看板や案内板に最適なフォントです。また、横画が太い=消えにくいという特徴は、パンフレットや名刺などの小さなサイズでこのフォントを使用した際にも効果を発揮します。
一般販売される TP国立公園明朝
TP国立公園明朝は、見出し用のレギュラー(R)と、本文用のライト(L)の2フォントで販売されます。
TP国立公園明朝L及びRは、同社のサブスクリプションサービス『TPコネクト(30,000円/年)』で利用できるほか、個別のダウンロード購入も可能。
- TP国立公園明朝 R ダウンロード版のみ:20,360円
- TP国立公園明朝 L ダウンロード版のみ:20,360円
- *または、サブスクリプションサービス「TPコネクト(30,000円/年)」でのご利用
TP国立公園明朝 製品仕様
- 文字セット: 9,504文字(Adobe-Japan1-3に準拠、StdNの文字セットにff、ffi、fflを追加)
- フォーマット: OpenTypeフォントフォーマット
- 動作環境: Mac OS X、macOS、Windows 7、8 、8.1、10 (いずれも日本語版)
タイププロジェクト株式会社について
「文字の可能性を広げたい」それがタイププロジェクトの原動力です。2001年の創業以来、AXIS FontやTP明朝など、次世代標準を目指したベーシックなフォントを提供しています。また、企業のブランディングを促進するコーポレートフォント、都市のアイデンティティを表現する都市フォントなど、多彩な成果をあげています。「文字を通じて人々の生活をより快適に、より豊かなものにする」という企業理念のもと、新しい社会に必要な書体を開発する21世紀の文字カンパニーとして活動しています。
関連情報、関連リンク
タイププロジェクトはAppleの日本語サイトなどでも使われていたフォントのベースとなる『AXISフォント』を制作、販売しているフォントメーカーです。 デザイン誌『AXIS』用に製作されたAXISフォントは、その完成度の高さから様々な媒体、メディア、製品で利用されました。
また『TP 国立公園明朝』のベースとなった書体『TP明朝』は、”横画と縦画の太さの比率を自由に変えられる”という画期的なデザイン思想に基づいてつくられたフォント。多くのデザイナーに支持される人気のフォントとなっています。
同社のwebサイトでも『アルドノア・ゼロ』のDVD、書籍での利用や、ライトノベルなどサブカルチャー製品での利用例も掲載されています。
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