配給会社や広告会社などが実施している『映画の試写会』は、公開前の映画を無料で鑑賞できる貴重な機会です。
気になる作品をいち早く見たい! という方や、映画がとにかく大好き! という方、そしてブログなどで映画のレビューをしている人など、参加してみたいという方は多いのではないでしょうか。 反面、試写会にどうやって参加するのか……という情報は、普通に生活していると、なかなか知る機会がないものです。
そこで今回は映画ライターとして活動している筆者が、試写会の種類、試写会への参加方法(募集が掲載されているメディア)、そして試写会に参加する際に心がけておくべき注意点について、順にご紹介してみたいと思います。
Index
映画試写会の基本情報 『試写会の種類』
まず、映画の試写会は主に4種類に分けられます。
- 一般試写会
- プレミア試写会(完成披露試写会)
- マスコミ試写会
- オンライン試写会
いずれも無料で参加できる、という点では同じです。
※作品によっては女性・男性オンリーなど制約がある場合も。
一般試写会とは?
年齢性別問わずさまざまな人が参加できる、文字通り一般の方向けの試写会です。 公開前にブログやSNS、クチコミなどを広める目的で、映画をより多くの人に見てもらうために開催されます。 配給側としては視聴者の評判・反応をあらためて確認する、という目的もあるようです。
平日の夕方以降に上映することが多く、場所は都心(六本木・日比谷・有楽町・渋谷)が多いですが、地方の映画館で開催されることも。
この、一般試写会は映画情報サイト、SNS、映画雑誌などで募集されます。人気映画は応募する人が多いため、抽選に外れてしまうこともあります。当たるか当たらないかは運次第。抽選に当たるとハガキやメール、DMで詳細情報が届き、上映スタート時間や会場の場所、同伴可能人数など詳細情報が案内されるという流れです。
試写会によっては上映終了後、その場で映画ライターやキャストによるトークイベントが開催されることもあります。
なお、一般の映画鑑賞同様、入場さうるためのチケット(当選ハガキやメール)などを紛失すると試写会には参加できませんので、大切に保管の上、当日の持参を忘れないようにしましょう。
プレミア試写会(完成披露試写会)とは?
監督やキャストが登壇し、トークを行う『プレミアム試写会』というものもあります。 基本的には一般試写会同様無料枠で募集されますが、事前のグッズ購入が必要であったり、有料で開催されるケースもあるようです。
宣伝写真を撮影するためテレビカメラや新聞記者も同席するので、テレビ、SNSといったメディアに顔が映る可能性があります。また映画によっては、一般客もキャスト陣を撮影できる時間が設けられる場合もあるため、好きな役者さんを撮影したいという人は嬉しい点でしょう。
プレミアム試写会の抽選は一般試写会と同じく、映画情報サイト、SNS、映画雑誌で募集されることが多いですが、当然のごとく倍率が高いのは覚悟しておきましょう。
また、開催場所は六本木・日比谷などの首都圏が多いので、地方に住む人は交通費や日程・時間の調整などを含めて応募を検討する必要があるでしょう。
マスコミ試写会とは?
映画関係者向けに実施されるのが『マスコミ試写会』です。
とはいえ、昨今はSNSで映画の宣伝を行っていて、ある程度の拡散力があるインフルエンサー、イラストレーターなども、このマスコミ試写会に参加しています。
基本的に一般人は参加することができないタイプの試写会ですが、筆者のようにツイッターで映画のことばかり呟いている人間でも、ごく稀にSNSのメッセージを通じて配給会社からお声がかかることもあります (感謝!)。
マスコミ試写会は通常の映画館ではなく、専用のシアターで開催されます。 関係者向けのパンフレット(プレスシート)が配られたり、上映後に配給会社のスタッフから感想を聞かれたり、一般試写会とは違うビジネス感ただよう雰囲気が特徴的。
ちなみに専用シアターで開催される場合は飲食禁止で、途中退室も厳禁という場合が多いです。
一般試写会よりも宣伝性を重視しているため、〇月〇日にSNSに感想をツイートしてください、などの指定があることも。詳細についてはSNSのDM、メール、ハガキに記載されているか、当日説明があります。スタッフの指示には絶対に従ってください。
一般試写会と同じく、服装の規定はありません。しかし筆者は過去に、パーカーとジーンズで参加しようとしたところ、警備員さんに入場を止められた事があるので……オフィスカジュアルを意識した服装が無難かもしれません。
なお、映画『ワンダーウーマン1984』と『トムとジェリー』では、試写会に参加し、映画の公式サイトに感想コメントも掲載していただきました、ぜひチェックしてみてください!
オンライン試写会とは?
新型コロナウイルスの流行もあり、最近よく行われているのがこの『オンライン試写会』。
一般試写会と同じく映画情報サイトやSNSで募集されますが、中にはマスコミ試写会のように配給会社から「鑑賞しませんか?」、と連絡が来ることもあります。
試写会の種類というよりも、視聴方法のひとつといっても良いでしょう。
参加方法は映画によって異なりますが、メールに記載されたURLから専用サイトに飛び、パスワードを入力し視聴する……という方法が主流のようです。 1~2週間ほど視聴可能期間が定められており、期間内の好きな時間に鑑賞ができるという場合もあります。
映画館で行われる試写会と違い、お家で映画鑑賞ができる点がオンライン試写会の1番のメリットですね。
またYouTube動画のように一時停止もできるため、途中で休憩したりトイレに行くことも可能。周りを気にせず最新映画が鑑賞できるため、個人的には1番好きな試写方法です!
オンライン試写会はPCやタブレットを使い映画を鑑賞するため、家族と一緒に見ることも物理的には可能ですが、情報保護の観点から当選者以外は鑑賞しないようルールが決められています。どんなに面白そうな映画でも、当選した本人だけが鑑賞するようにしてください。
試写会の募集メディアと、参加方法
一般試写会は主に映画に関連したポータルサイト、雑誌、SNSなどで参加者を募集しています。
試写会の募集をしているwebサイト
初めて試写会に応募する方は映画情報webサイトを利用するのが良いでしょう。以下のページでは定期的に参加者を募集が更新されます。
- ぴあ映画生活 試写会プレゼントページ (試写会情報メルマガもあります)
- coco 試写会プレゼントページ
- フィルマガ(FILMAGA) 試写会情報ページ
- Fan’s Voice 試写会・イベントページ
- 映画.com 試写会情報ページ
- Movie Walker Press 映画試写会・プレゼントページ
応募するには各webサイトの無料会員登録を行う必要がありますが、中には有料サービス(au・U-NEXTなど)に加入していないと応募できない試写会もあります。
特定の映画の試写会に参加したい! という場合はネットで『映画タイトル 試写会』で検索すると結構表示されます。
また試写会専用の情報まとめサイトなんといものもあり、試写会の日程、応募方法が一覧で掲載されています。試写会だけでなく映画グッズや全国共通映画チケットの情報もまとめられていますので、なかなか便利ですよ。
試写会を募集している雑誌(ハガキ応募)
テレビ局やスポンサーの公式サイト、映画雑誌などで広く採用されているのがハガキ応募です。郵便局で販売されている一般的なハガキを用いる場合と、雑誌に付属している専用ハガキを利用するという方法があります。
試写会の募集を掲載している雑誌には下記のようなものがあります。
また、ハガキで応募するという形式は、雑誌以外でも、映画の公式SNSアカウント、タイアップしているSNSアカウント、Webサイトなどで実施される事もあります。
SNSでの募集も
昨今は、ツイッターやインスタグラムといったSNSでも映画の試写会は募集されています。
SNSのキャンペーンとして、指定の投稿をリツイートする方法やハッシュタグを付けて期待感をコメントする方法など、その応募内容はさまざまですが、当選するとダイレクトメッセージで詳細情報が届きます。
最も手軽に応募できる試写会への応募方法ですね。
試写会参加で注意すべき5つの点
試写会は通常の映画館での鑑賞とは違いさまざまなルールが決められています。はじめて試写会に参加する人は、以下の点に注意しましょう。
その1.時間は絶対厳守! 途中入退場はNGの場合も
試写会は途中入場が認められません。上映がスタートすると扉が締められ、スタッフさんが入退場を管理します。 電車の遅延、体調不良なども理由にはなりません。そのため時間に余裕を持って行動し、上映開始時間までに絶対に席についておいてください。
マスコミ試写会などは途中退席も不可だったりするので、お手洗いなども含めて体調・コンディションを整えて試写会に挑みましょう。
その2.座席は自由
試写会は昨今の映画鑑賞と違い基本自由席です。 ですので、良い席で映画を見たいという方は、なるべく早く会場に到着しておきましょう。
話題性のある映画や大きなシアターで開催される試写会はたくさんの人が参加するため、開場30分前でもゲートに長蛇の列が出来ています。同伴可能な試写会の場合、友人と離れた席で鑑賞することになる事も覚悟しておきましょう。
その3.服装は基本自由
試写会で最も気になるのは服装でしょう。一般試写会では基本的に自由な服装で参加できます。スーツでもジーンズでも大丈夫。(稀に服装を指定されることもありますので、その場合は案内に従いましょう)
筆者が参加した『天国でまた会おう』の一般試写会では(仮装用の)マスク=仮面を持ってくるように、との指示がありました。 そのためわざわざAmazonでペスト医師のマスクを購入(↓こんなの)。
上映中はもちろん外しましたが、最後に写真撮影会があったのでそちらでマスクを着用しました。
その4.飲食の可否は案内・ルールにしたがって
飲食物については当選ハガキに指示がある場合はそれに従い、無い場合は当日スタッフに尋ねるのが最も確実です。
これまでの経験では映画館やミニシアターで開催される試写会は、飲食可能なことが多いです。以前参加した『シェイプオブウォーター』の試写会会場には自販機があり、みなドリンクを購入していました。
反対に、配給会社が所有している専用シアターなどでは、絶対飲食禁止という場合が多いです。 機材の関係もあるため、こっそり飲むのも、もちろんNGです。
以前、スターバックスのコーヒーを持って会場に入ろうとしている人を見かけましたが、おそらくその場で全部飲むか、捨てたか……もしくは試写会を諦るしかなかったことでしょう。 ほかにも上映開始前に座席で、おにぎりを食べている……なんて人もいましたっけ(汗)。
その5.本編の撮影は禁止
試写会でも映画の本編の撮影は絶対禁止です。 中にはスマホやカメラをしまっておくための専用の封筒を配る試写会すらあります。 スタッフがスマホを預かることはないと思いますが、トラブルを避けるためにも電源はオフ・マナーモードにしておきましょう。
ただし役者や監督が登壇するプレミアム試写会では、ゲストが登壇している間のみ撮影OKなことも。その際はスタッフからフラッシュ禁止など指示が出されますので、従ってください。
またルールではありませんが、試写会ではまれにアンケート用紙が配布されます。このアンケートは映画の今後の宣伝方法や、上映予定などの参考にされます。 試写会を開催し募集する重要な目的の一つですので、参加した場合は可能な限り回答したほうが良いでしょう。
印象に残ったふたつの試写会
年に数回は試写会に参加する筆者ですが、その中でも印象に残った作品が2つあります。
ひとつはトム・ハンクス主演の『ハドソン川の奇跡』のプレミアム試写会。
トム・ハンクスとアーロン・エッカートが登壇したのですが、席が後ろ側だったので2人の顔が良く見えず……。 最前席に座っていた女性たちは、サービス精神旺盛なアーロン・エッカートにハグされていました……羨ましかった!
ここまでの事は中々ないでしょうが、現地に早く到着して良い席に着く事ができれば登壇者さんの顔を近くで観れる可能性は高くなるでしょう。
もうひとつは、タイトルは秘密……女性オンリーの試写会です。映 画宣伝会社のSNSキャンペーンで当選し、当日シアターに向かったところ、公開日まで映画のタイトルや内容を口外しないように書類にサインを求められました。しかしなぜ女性オンリーなのか。もし怖い映画だったらどうしよう、とドキドキしていたのですが、ホラー映画ではなく、女性をメインターゲットにした恋愛映画でした。
まとめ
当記事では、筆者の経験を元に、試写会への参加方法と、そのルール・マナーなどについてご紹介しました。
とはいえ、試写会の開催目的、内容、会場は作品によって違います。 参加する際は、くれぐれも当選ハガキやメール、SNSのDMなどに記載された主催者からの指示や提供情報をよく読み、それに従ってください。
ちなみに最近ではワーナーブラザースさんのご意向で実写版『トムとジェリー』を試写会で鑑賞させていただきました。映画の感想やあらすじは当サイトでもレビューしていますので興味があればご一読ください。