ネットショップで人気商品の再入荷通知や、お気に入りのWebサイトの更新通知を、自分で自由に設定して取得したいと思った事はないでしょうか? 当記事でご紹介するWebブラウザ用拡張機能『Distill Web Monitor(ディステイル・ウェブ・モニター)』は、設定したWebページの特定の部分を自動で定期チェックし、更新があった場合に通知してくれるツールです。
代表的なWebブラウザである『Google Chrome』系のブラウザ、『Firefox』『Microsoft Edge』に対応していて基本利用は無料です。 以下に導入から設定方法・使い方を解説します。
記事の索引
Webサイトの一部分を自動的にチェックして通知『Distill Web Monitor』の使い方
ブラウザ拡張『Distill Web Monitor(ディステイル・ウェブ・モニター)』は、Webページの指定箇所を自動で監視し、更新があった場合に通知してくれる便利なツールです。

Monitor websites for changes using Distillより
『Distill Web Monitor』を導入し、Webページの最終更新日や価格といった部分を指定しておけば、該当箇所が更新された事をメールなどで通知して、いち早く知ることができます。 色々な使い方ができる便利なツールですが例えばこんな使い方……
- 品切れ商品の再入荷をチェック
- 販売チケットの再販を通知
- 良く見に行くWebサイトの更新情報を通知
- 管理しているWebサイトの状況確認の追加手段として
などに使う事ができます。
監視箇所ごとにチェック間隔の指定をができるほか、指定箇所が条件に合致(指定の文字列と合致)した場合のみ通知など、かゆいところに手が届く設定も可能。
本ツールは無料かつアカウント不要で基本的な機能を利用できますが、アカウントを取得することでメール通知の利用が可能に。また、有料アカウント登録をすることで複数デバイスでの監視状況の同期ができるようになります。
『Distill Web Monitor』は、代表的なデスクトップPC用Webブラウザ『Google Chrome』と『Firefox』、『Microsoft Edge』、『Opera』向けに拡張機能が公開されています。 またiOS/Android向けアプリケーションも提供されています。
Chrome系Webブラウザへの導入方法
それでは、実際に『Distill Web Monitor』をブラウザに導入してみましょう。 ここでは一旦Chrome系のWebブラウザへのインストール方法を解説していますが、他のWebブラウザでもほぼ同程度手順・手間で導入する事ができます。
Chromeウェブストアの『Distill Web Monitor』拡張機能ページを開き、右上の chrome に追加 をクリックします。


表示されればOK
ブラウザ右上の拡張機能ボタン(パズルのボタン)をクリックして、『Distill Web Monitor』の右側にあるピンマークをクリック。アドレスバー横に水滴のマークが固定されれば完了です。
Firefoxへの導入方法
Firefox ADD-ONSの『Distill Web Monitor』機能拡張ページを開き、中央の Firefox へ追加 をクリックします。
ブラウザ右上、アドレスバー横に水滴のマークが固定されれば完了です。
無料で利用できる機能と、有料ライセンスについて
『Distill Web Monitor』の利用アカウントには、Guestアカウント(何も登録しないで利用する)、Freeアカウント(メールアドレス等を登録)のふたつが無料で利用可能。また、月額料金が発生するStarter、Professional、Flexiの有料アカウントがあります。
各アカウントによる機能の違いは下記のとおり。
Guest | Free | Starter | Professional | Flexi | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | $0 | $0 | $12 | $28 | $80+ |
監視対象上限 | 25 | 25 | 50 | 150 | 500+ |
クラウド監視最短間隔 | 利用不可 | 6時間 | 10分 | 5分 | 2分 |
クラウド監視回数上限 | 利用不可 | 1,000回/月 | 30,000回/月 | 100,000回/月 | 200,000回+/月 |
複数デバイスでの利用 | 利用不可 | 2 | 3 | 3 | 4+ |
メール通知回数上限 | 利用不可 | 30回/月 | 2,000回/月 | 無制限 | 無制限 |
スマホへのプッシュ通知 | 利用不可 | 利用不可 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
※記事執筆時点(2022年9月)の情報です。詳細は公式サイトを確認してください。
個人の利用では、基本的にGuestアカウントやFreeアカウントで充分な場合が多いと思いますが、上位プランの機能が料金に見合うと感じる場合は、利用を検討してみてもよいでしょう。
※Guestアカウントでも監視内容は利用ブラウザに紐づけて保存されます。
使い方と設定方法
続いて、実際に『Distill Web Monitor』を使う流れを確認してみましょう。基本的な手順は下記のとおりです。
- チェックしたいwebページで『Distill Web Monitor』を開く
- ページからチェックする箇所(パーツ)を選択する
- チェック内容(頻度・デバイス・通知方法)を設定する
以下に順を追って解説していきます。
1. チェックしたいwebページで『Distill Web Monitor』を開く
まずは更新チェックをしたいWebページを開き、ブラウザ右上の水滴マークをクリックします。
2. ページからチェックする箇所(パーツ)を選択する
開いたツールのウィンドウから、[ページのパーツを選択]をクリックします。
※チェック対象としてページ全体を指定したい場合は[ページのパーツを選択]の右にある[▼]から[ページ全体を監視]を選ぶことができます。ただし、ページ内の何かしらの変更がすべてチェックされてしまいますので、通常は価格や更新日時など監視対象パーツを選択するほうが効率よくチェックできます。
ブラウザ下部に操作用のエリアが表示されます。その状態でマウスカーソルを使い、ページ内の監視したいパーツ……見出しや、価格、画像、要素などを選び、クリックします。
今回は記事の更新をチェックするという目的で、ページの更新日時を選択してみます。
更新日時パーツをクリックすると、ウィンドウ右下に選択したテキストが表示されるので、問題がなければそのすぐ上にある[選択箇所を保存]をクリックします。
3. チェック内容(頻度・デバイス・通知方法)を設定する
続いて、推移した設定画面でチェック内容の設定を行います。
※ここではFreeアカウントでの内容を紹介しますが、アカウントの状態によって選べる項目が違う場合があります。
ソース
ソースはすでに選択済みなのでそのままでOKです。チェックパーツを変更したい場合は[ウェブページセレクターを開く]を押して選択しなおしてください。
デバイス
チェックを実行するデバイスを選択します。各デバイスの説明は下記を参照してください。
- Cloud: クラウドで実行。ブラウザを閉じている間もチェックされる。
- Any Local Device (beta): 同じ端末の複数のブラウザで実行。
- Google Chrome: 別端末のChromeでも実行。
- Google Chrome(this device): 今の端末のChromeで実行。
※利用アカウントによって選択できないデバイスもあります。
通常の利用で、ブラウザを開いているときだけチェックできればいいならGoogle Chrome(this device)、ブラウザを閉じている間もチェックしてほしいならCloudを選択すれば問題ないでしょう。
名前
今回のチェック内容の名前です。デフォルトではページタイトルが引用されているので、必要に応じて分かりやすい名前をつけましょう。
スケジュール
チェック間隔のタイプと間隔を設定。まずはプルダウンメニューからチェックタイプを選択します。内容は下記のとおりですが、基本的にはIntervalの利用で問題ないでしょう。
- Interval: 一定間隔でのチェック
- Random: 範囲内のランダムタイミングでチェック
- Live(beta): リアルタイムチェック
Randomは、一定期間でのアクセスなどを制限されるような懸念がある場合に活躍しそうです。
続いて、その右側のスライダーで間隔を指定してください。最短は5秒間隔ですが、Cloudの場合はアカウント状態によって最短時間が異なります(Freeで最短6時間)。
アクション
チェック対象が更新された場合の動作を設定します。通常よく使うアクションの内容は下記のとおりです。
- オーディオクリップを再生(ローカル監視用) : ブラウザ通知で音を鳴らす。
- 通知ポップアップを表示(ローカル監視用) : ブラウザ通知(ポップアップ)。
- Open Page In Tab(ローカル監視用) : ブラウザの新しいタブでページを表示。
- Eメールを受信: 登録したメールアドレスにメール通知。
デバイスがローカルで、ブラウザが開いているときだけの通知でいいなら通知ポップアップを表示かOpen Page In Tab、音声はお好みで。デバイスがクラウドの場合はEメールを受信を利用しましょう。
アクションは複数個を組み合わせて設定できます。また、不要なアクションはゴミ箱マークで削除も可能です。
※この他に、有料アカウントではスマホプッシュ通知やSMS通知などが利用できます。
条件
チェックするパーツの変更内容が条件に合致した場合のみ通知する設定ができます。例えば、価格が〇〇円以下になったら通知するといったことが可能です。
設定したい場合は[追加 条件]をクリックし、プルダウンメニューとテキスト入力で条件を設定してください。
保存
すべての設定が完了したら、画面下の[保存]ボタンを押してください。ページの監視が始まります。
Distill Web Monitor 実際の通知
実際に監視対象に更新があった場合の通知を確認してみましょう。
ポップアップ通知
ブラウザの通知機能で右下にポップアップ通知が表示されます。通知をクリックすると、対象のページが開きます。また、通知を見逃した場合でも、水滴マークに通知バッジが表示されるほか、windowsの通知トレイ(タスクバー端の吹き出しマーク)に格納されます。
メール通知
メール通知はタイトル:設定の[名前]、差出人:Distill Alert <alert@distill.io>で届きます。チェックパーツの更新前後の内容も記載されています。
Gmailなどスマホでも受け取れるアドレスなら、外出先でも通知を受け取ることができるので便利です。
Distill Web Monitor ウォッチリストの見方と設定変更
ブラウザの水滴マークをクリックし、表示された小さいウィンドウから[ウォッチリストに進む]をクリックすると、ウォッチリスト画面に推移します。
ウォッチリスト画面では、保存したチェック一覧を確認することができます。
項目は左から、一括操作用チェックボックス、メニュー、名前、パーツ履歴、チェック間隔、最終チェック日時、デバイス、稼働のON/OFF。それぞれのクリックで簡易的な設定変更が可能です。
また、設定を細かく見直したい場合はメニュー[▼]から[オプションを変更]をクリックしてください。最初に設定したときの設定画面が開きます。
まとめ
Webページの更新チェックツール『Distill Web Monitor』の使い方と設定は以上となります。
Amazonであれば強力な価格チェックツール『Keepa』がありますし、大きなサイトなら更新通知やRSSを備えている場合がほとんどです。しかし、それらに対応していないサイトをチェックしたい場合には『Distill Web Monitor』が役に立つと思います。
ECサイトでお目当ての商品の値下げをチェックしたり、Web連載作品の更新をチェックしたりと、自分にあった使い方を見つけて、実践してみてください。
※公式プロモーション動画