中二病に性差は有るのか?『中二病の発動』傾向から読み取る男女の思春期についての考察

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高萩陽平

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2018年1月の映画放映に合わせてか「中二病でも恋がしたい!」の再放送が10月から始まっています。 筆者はこのアニメをリアルタイムで視聴していなかったので、「京アニだし見るか~」というノリで毎週視聴しています。

このアニメを知らない人のためにサラっと内容を説明すると、“元”中二病の主人公・富樫勇太が“現”中二病のヒロイン・小鳥遊六花に振り回されながら高校生活を送る、いわゆる学園ラブコメアニメです。

「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」特報第3弾

この作品の一番の面白さは、「闇の炎に抱かれて消えろ!」「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!」など、六花による痛々しい中二病的な言動の数々。
しかし、このような六花の言動を見るたび、一つの疑問が私の頭の中に浮かびます。

それは、「六花の中二病的言動は男性寄りじゃないか?」という点です。

「闇の炎に抱かれて消えろ!」や「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!」という中二病的な言動は、本来、男子中学生がとりそうな気がします。

その疑問から私は「中二病に性差はあるのか?」ということが気になり始めました。

そのため、中二病の性差について調べてみたのですが、いくら調べても、中二病は“中学生全体”を対象にした概念で、“男性中学生”“女性中学生”と性別で分けて考察している文献は全く見つかりませんでした。

そこで、私なりに中二病の性差について考察したので以下にご紹介します。

男子の中二病について

私は男子中学生の中二病は「強い大人の憧れ」を表現していると考えました。

まず、男性中学生の主な中二病的な行動としては、

  • ブラックコーヒーを飲む
  • タバコやお酒に興味を持つ
  • 包帯を巻く
  • 不思議な力があると思いこむ

などが挙げられます。

ブラックコーヒーやタバコを嗜むことは、まさに大人の振る舞い。

これらの行動は、
「自分はもう立派な大人なんだ!」
「クラスのガキどもとは違うんだ!」
というように、自分が大人の男であることを誇示するためにとられていると解釈できます。

また、包帯や不思議な力に関しては、おそらくバトル系のアニメや漫画の影響でしょう。
強いキャラの容姿や言動をマネして、あたかも自分自身もそのキャラと同じような強さを獲得したと錯覚することで「強い男になりたい」という願望を、疑似的に満たしているのです。

女子の中二病について

続いて、女子の中二病についてです。
女子中学生の中二病は「個性への憧れ」を表現していると考えました。

女性中学生の主な中二病的な行動ですが、

  • 一人称に「俺」や「僕」を用いる
  • あえて『孤立』する
  • 霊感があるアピール
  • 自傷やピルケースを見せつけての不幸アピール

などが挙げられます。

「私は他の子と違って、壮絶な苦労をしてきてる」
「いつもベタベタ群れてて気持ち悪い。私は一人でも平気」

と、他者との差別化を図ることで、「個性的な自分でいたい」という欲求を満たそうしているのかもしれません。

なぜ目的に性差があるのか?

男子中学生は「なりたい自分を演出する」ことを、女子中学生は「見られたい自分を演出する」ことを目的としている点で、私は中二病には性差があると考えています。

それでは、なぜ性別の違いがあるのでしょうか?

まず、男子中学生は「男は稼ぎ手であれ・強くあれ」という価値観を親や社会からすりこまれるため、「立派な大人にならなきゃ」「一家を守れる強さが欲しい」という心理が芽生えます。

しかし、まだ中学生なので、稼ぐ力や強さを獲得することはできません。

そのため、「表面だけでも大人っぽさを持った強い男になろう」と、中二病的な言動をとって、必死に背伸びをしているのではないでしょうか。

次に、女子が中二病的な言動をとる理由についてです。
女性中学生は、上記したように「個性への憧れ」が存在します。

しかし、中学校に上がると、まず多くの同い年の生徒と同じ空間に閉じ込められ、さらに、みんなと同じ制服を着させられ、髪型も規制されるのでなかなか個性を発揮ことができません。

そのため、「こんなんじゃ個性的な人間になれない!」という危機感から、言動だけは個性的な自分だと思われようと、中二病を発動させると考えられます。

まとめ

今回本記事に記載した考察が正しいかどうかは、正直な所判断はつきません。

とはいえ中二病はギャグ的なニュアンスで使われがちな概念ですが、中二病を真剣に議論することは、思春期の葛藤を上手く乗り越えるためのヒントを若者達に与えられるかもしれません。

未来ある若者がより成長しやすいような環境を作るための、一つのキッカケになってくれれば……。

また、この考察を以て「六花は個性より強さに憧れを抱いているのか~」という観点を加えて視聴する事で、このアニメをまた違った視点で楽しめるかもしれません。

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高萩陽平

フリーライターです。俯瞰して物事を見る自分に酔っています。 心理カウンセラーの資格を持っているので、心理学の知識を絡ませたコラムを執筆していきたいです。

コメント

  1. Aya より:

    ふむふむ…え、私男子っぽいんだ…なんか嬉しい…!!!

  2. 太田かのん より:

    ありがと

  3. 太田かのん より:

    そ~ゆーのなんだあ

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