今回は無料でポスターやチラシを作成できるオンラインWebサービス『DESIGNCAP(デザイン・キャップ)』を紹介します。海外のサービスなのですが日本語対応で、完全無料です。
- クラブのDJパーティなどのフライヤー
- バンドのライブ フライヤー
- サークルの新勧チラシや学園祭のポスター
といったイベントなどの広告素材を作りたいけど、プロのデザイナーにお願いする費用が無い……という場合や、スピード優先で自分でデザインしたい! といった方に最適なwebサービスです。
Index
DESIGNCAP(デザインキャップ)について
先にご紹介した通り、DESIGNCAPはフライヤーやポスターなどの宣伝用画像を作成する事が出来るサービスです。その特徴として……
- 無料で、ユーザー登録も不要で利用できる
- デザインテンプレートが豊富
- 写真やクリップアート、フォントが豊富
- 入力する文字は日本語にも対応
- インターフェース(UI)が直感的で使いやすい
- 編集ツールがシンプルで強力
- 編集データの保存、再利用が出来る
といった所です。
特にUI(ユーザー・インターフェース)はよくできているので、英語のままでも何となく触って十分に使いこなせます。とはいえ、日本語でも利用できるので切替えて利用しましょう。
まずはDESIGNCAPを日本語表示に切り替える
DESIGNCAP (https://www.designcap.com) にアクセスして、トップページの一番目立つ所にあるオレンジ色の『Make a Free Poster/Flyer』ボタンをクリックします。
ポスター、フライヤーの制作画面に推移しますが、ここで画面左下にある歯車マークをクリックし、一番下の『Language』をクリックする事で言語を変更可能です。ここでは『日本語』を選択して切り替えます。
以上でOK。あとはサイト機能がほぼ全て日本語で利用できます。続いて基本的な機能について解説していきます。
機能解説 テンプレート
左側のメニューにいくつかボタンがあります。その一番上『テンプレート』は音楽やスポーツなど40種類近いカテゴリから、デザインテンプレートを選ぶことができます。
もちろん、イチからデザインをしていく事もできますが、このサイトを利用したいという方の多くは「なるべく少ない手間で、デザインをしたい』という人が多いと思います。そういう時はこのテンプレートから素材を選んで、それを少しアレンジして利用する、という方法が良いのではないでしょうか。
写真(画像)をアップロード/検索して利用する
写真は、文字通り写真を挿入する機能です。デフォルトで4つしか写真が表示されていませんが、『写真の追加』ボタンから手元の写真をアップロードする事ができます。
JPEGの他、透過PNGなどにも対応しているので、ロゴや独自のクリップアートなどもここからアップロードして利用できます。
また、その他にもFacebookから写真をインポート(Facebookアカウントにログインが必用)したり……
DESIGNCAPにとうろくされている580,000点の画像からフリー画像から検索する事もできます。(日本語テキストでも検索OK)
作業領域に配置した画像を1回クリックして選択すると、回転や拡大の他、『効果』タブで白黒やセピアなどのエフェクト、透明度やコントラストといった調整が可能です。
テキスト機能
『テキスト』では、文字通り文章や見出し、小見出し、本文などを入力する事ができます。
色や、重なり、不透明度など色々設定することができます。
ただし、選べるフォントは欧文フォントがほとんどで、日本語入力はシステムフォントか、唯一選択できるのはAdobeのオープンソースフォント『源ノ明朝』のみです。この点はちょっと残念です。
日本語の区分けに入っていますが、『思源黑体』と、『方正楷体』は中国語のフォント。一応『思源黑体』を選択するとゴシック体にはなりますが……。
クリップアート
クリップアート機能では矢印や図形などの基本的な図形の他にも、FacebookやTwitterといったSNSのアイコンやLINEのスタンプのようなものまで幅広く揃えられています。
カテゴリ別に探していく他、キーワード検索で探すこともできるようです。(2019年7月現在、手元の環境では検索を示すプリローダーが動いたままで抽出されず)
クリップアートも、回転や重なり、塗りつぶしなど色々設定をすることができます。
背景
単色やグラデーションの他に、多数の背景パターンも選択することもできます。
単色と、グレデ―ションは色の設定ができますが、背景パターンは色の変更ができないようです。これも少し残念ですが、凝った背景を作りたい場合はクリップアートや写真を組み合わせて作るという事も可能です。
保存形式やサイズについて
作成したデザインは、上部の保存アイコンをクリックする事で、JPEG、またはPNG画像として手元のPCへ保存する事ができます。
作業領域の下部には210 × 297mmと記載があるので、A4サイズ前提での設定のようです。(変更は出来なさそうです)。
書き出すサイズは下記の4サイズを選択できます。
- 小(793 × 1122px)
- 中(1239 × 1753px)
- 大(1652 × 2337px)
- XL(2478 × 3506px)
XLであれば、やや拡大してA3や、A2サイズで印刷してもなんとかなりそうです。
サイズを選択し『保存』をクリックすると、SNSでのシェアを促す画面がでてきますが、これはスルーしてもOK。その場合は 『今すぐ無料で保存する』をクリックすれば、ダウンロードが始まります。
共有 機能
画面上部のシャアボタンを『クリック』すると、作成した画像を直接Facebook、Twitter、Pinterest、Tumblerに共有することもできます。
イベント、パーティの告知をSNSで行うという場合も多いので、デザインが出来た瞬間ここからシェア出来るのも手早くて良いですね。
印刷
こちらも上部にある、印刷ボタンをクリックで、プリンターへデータを出力する事ができます。
ただし、印刷した内容には『https://www.designcap.com/application/common/print.html?v=1.0.2』といったようなアプリケーションのURLがデザイン欄外に印刷されていまいsた。
手元の端末では、PDFがプリンター設定に含まれているので、試に実行してみたところ、PDFとしても保存できました。
作業データも保存できる! プロジェクトの読み込み & 保存
これは、DESIGNCAPの優れた機能のひとつでしょう。
作成したフライヤーは前述の方法で、画像出力や印刷ができる他、 上部の『…』ボタンクリックで、後から内容の変更や修正ができる形式で作業データを手元に保存しておく事ができます。

独自の『.dcp』というデータ形式で編集可能ファイルを手元のパソコンに保存することができます。 作業を一時的に保存したり、ファイル名を変えて保存すれば世代管理もできるので、ローカル環境のアプリケーションに近い形で利用できます。
作業を再開したい場合は、同じく画面上部の『…』ボタンをクリック後、『読み込む』でファイルを指定するだけで、データを保存した時点までよみこまれます。Photoshopや、Illustratorなどとのローカル環境用のデータ保存と同様の仕組みなので、感覚的に分かりやすいですね。
会員登録とログイン
DESIGNCAPには会員登録機能があります。画面右上の『SIGN UP』をクリック後、メールアドレスとパスワードを設定した後、到着する確認メールをクリックする事で認証完了、とシンプルな登録方法です。
ですが、現在の所、会員専用の機能が使える訳では無く、作業データがオンライン保存できる訳でも無く。これといった特典はなさそうです (※) 。 2019年7月現在、あえて会員登録をする必要は無いかもしれません。
※会員機能について、DESIGNCAPサポートに問い合わせたところ、2019年7月現在、会員・非会員共に編集データの保存・読込が可能ですが、今後のアップデートでこの機能は会員のみに変更する予定との事でした。
実際にフライヤーを作ってみる
では最後に上記の機能を元に、架空のイベントフライヤーを作ってみようと思います。 画像ギャラリーとキャプションでの解説で、ご覧ください。
まずはテンプレートを選ぶ『CLUB』で検索。サイクリングクラブ…… ハイキングクラブ……これを元に加工していきましょう(笑) クラブパーティのフライヤーをイメージするので、写真で『DJ』というテキストで検索 DJっぽい人を見つけました。この写真をドラッグ&ドロップで三角のオブジェクトに 三角形でマスク(切り取り)された写真が適用される。マスクの中の画像サイズも変更できる 三角でマスクされた画像をコピー&ペーストで増やしてみる。……アー写をこんな風に使うと怒られることもありますね。 文字を変更します。DJ名(仮)を記載してみました。 背景色を変更。色を黒くしてみます。クラブパーティっぽくなってきた……かな? 緑のオブジェクトは色を変えられなかったので、クリップアートで画像を追加。沢山コピーして、透明度やサイズを変更し、最背面に配置 配置する要素がまとまったので、3つのDJ写真にエフェクトをかけてアレンジ レイアウトを大幅に変えたくなったら、一旦編集データを保存しておけば、後で巻き戻すのも楽
大まかな解説ですが、上記の様な工程を経て下記のフライヤーが完成しました。掲載情報の殆どは架空のものです。
まとめ
と言う事で、海外の無料フライヤー&ポスターデザインサービス『DESIGNCAP (デザインキャップ)』の紹介でした。 全体として、非常に洗練されたサービスで、操作も直観的。多機能すぎる……という事もないので、テンプレートを応用するような形で、デザイナーでなくても応用次第で高品質なものが作れると思います。
再加工できるデザインデータを保存できるので、ある程度作成したものを、プロジェクトのメンバーに渡して加工してもらったり、フライヤーの流用をしたいという時にも便利です。
A4サイズをベースに画像出力できるので、拡大縮小でA2からA6サイズといった印刷にも利用できそうです。 クラブパーティやバンドライブのフライヤーだとA6サイズで配布される事が多いので、この点も問題ないでしょう。
難点を挙げるとすれば、やはり日本語のフォントが少ない事でしょう。フライヤーやポスターといったデザインには文字情報は必須ですし、フォントがデザインに合っていないと全体の完成度が著しく低下します。
ライセンス的に難しい所は有ると思いますが、オープンソースのものなどでも良いので、日本語フォントの種類が増えれば、より使いやすいサービスになるのではないかと思いました。
DESIGNCAPはこちら
https://www.designcap.com