交通事故や交通にまつわる事件は、いつ起きるか分かりません。
自身のミスによる過失はもちろん、不幸にして事故に巻き込まれる可能性は誰にでもあります。また、あおり運転や、不当な運転妨害などの事態に遭遇した際にも、自分自身を守ってくれるツールとしてドライブレコーダーの需要はますます高まっています。
当記事ではそんな、万が一の時に備えて、ドライブレコーダーの必要性・重要性を確認した上で、プロリンク・ジャパン様よりご提供いただいたドライブレコーダー『LAROSE DVR-Z720』(実売価格12,800円前後)の取り付け方法と、実用性などをチェックしたいと思います。
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ドライブレコーダーの重要性と機種選びについて考える
「ドライブレコーダーの重要性は分かっている。でも、まだ値段が高いんだよな…」という声も耳にします。
確かに、大手メーカー製の高機能機種では、FHD(1920×1080ピクセル)はもとより、WQHD(2560×1440ピクセル)、あるいは4K(3840×2160ピクセル)に対応しているものも登場しています。
確かに、これら超高精細に録画できる高性能機種を購入できる予算的な余裕があれば、それを買うのがよいでしょう。しかし、これらの製品の販売価格を元に、ドラレコ=高価格というイメージで購入をためらう運転者も多いのが実情です。
予期せぬ事故や事件に巻き込まれる、あるいは自らの不注意で事故を起こす事態となり、「こんなことになるなら、ドライブレコーダーをつけておけばよかった……」と後悔しても手遅れです。
車を運転していての事故、トラブルが起きたときの被害を想定すれば、ドライブレコーダーは今すぐにでも搭載すべきでしょう。
必要十分な性能を備え、普及価格帯で購入できるドラレコとは
カーショップや家電量販店に行くと、5~6万円するような高価で多機能・超高精細モデルから5000円前後で買える格安機種まで様々なドラレコが販売されています。
高画質のものが高いのはもちろんですが、安い製品だと車内他のカー用品の動作に悪影響(※)を与えたり、夜間の撮影時に不明瞭になってしまうなど、安いには安いなりの理由があります。
※不要電波の漏洩対策が不十分でGPSやワンセグTVなどに干渉する、事故時にデータが自動保護されないなど。
では、安過ぎず、高すぎず……「超高精細とまではいかないまでも、必要十分なレベルの綺麗な画像が撮れる機種」で、「あまり使わないような過剰な機能を削ぎ落し、搭載する機能を厳選した機種」が、1万円前後の価格で買えるとすれば、どうでしょうか?
「とりあえず買って取りつけておこうか」とも感じるのではないでしょうか。筆者も、そのように考えたドライバーのひとりです。
そのような中、大手家電量販店で取り扱っている実売価格1万円前後(2018年7月現在実売価格12,800円前後)で販売される製品が当記事で紹介する『DVR-Z720』です。
LaROSE DVR-Z720 について
今回提供いただいた、LaROSE『DVR-Z720』は、HD画質(1280×720ピクセル)対応という、録画解像度としてはやや控えめな性能ですが、前述した不要電波の漏洩対策も行われていますので、他製品との電波干渉が起きにくい設計になっています。
また、その外の特徴としてGPS対応(録画データに走行場所を記録)、Gセンサー搭載(衝撃を感知して録画データを緊急保存)や、モーションセンサーも搭載していて、この価格帯ではかなりコストパフォーマンスが良い印象です。
製品パッケージを開封
パッケージを開けた第一印象としては、本体は横60mm×高さ41mm×厚み36mm(カメラレンズの突起部含む)と比較的コンパクト。 GPSレシーバーはドラレコの取り付けステー(フロントガラスに貼り付ける台座)に内蔵されており、これにより本体が小さくデザインできているのでしょう。
表面は窓ガラスへの映り込みを低減するブラックボディを採用されていて、ボディからはレンズ鏡筒が大きく突き出しています。複数枚のレンズからなる光学系が採用されているものと推察できます。
※その他の詳細なスペックは本記事の末にて掲載いたします。
LaROSE 『DVR-Z720』 を取り付ける
取り付けにあたっては、付属の取扱説明書や、公式に提供されている取り付け動画などを観て置く事で、さほど難しくなくおこなます。
本製品をフロントガラスに取り付ける為の取り付けステーは強力な両面テープが貼られており、取り付け時には赤い粘着面保護シートをめくってから装着します。
この両面テープは3M製の非常に強力なタイプですが、赤い保護シートはやや剥がしづらいのでご注意を。
ドライブレコーダー本体に供給する電源は、ほとんどの車についているシガーライター電源ソケット(シガーソケット)から取得します。 接続は本体のUSBコネクタに付属のシガー電源アダプターを取り付け、もう一方のプラグをシガーソケットに挿入するだけ。
ケーブルの長さは約4mありますので、ドライブレコーダーを取り付けた場所からケーブルを内張りの隙間に押し込むなどの取り回し作業を行っても、長さに十分なゆとりがあります。
取り付けに際してピラーの内張りを外すなどの作業も含めて、トータル30分ほどで設置が完了しました。本製品は液晶モニターも装備しているため、取り付け後の角度調整もしやすいです。
本製品は、公式の取り付け解説動画も提供されていますので、あわせてご覧ください。
なお、撮影データを保存するmicroSDカードは、最初から製品本体に取り付けてありました。容量は8GBと昨今のフラッシュメモリとしてはサイズが大きいとは言えませんが、ドライブレコーダーを取り付けてすぐに走行が必用な時にも対応できるのは嬉しい点。
利用可能な最大サイズ32GBのMicroSDは2019年7月現在で実売価格1,000円前後で購入できます。
走行テストと記録データの確認
取り付けが完了したら、さっそく走行/録画テストを開始。
電源はシガーソケットから取得しているため、ドライブレコーダー本体の電源オン・オフは車のイグニッションキーと連動する形になります。
つまり、キーをオフからACCにした時点でドライブレコーダーの電源が入り、録画が自動的に開始されます。もちろん、キーをオフにすると録画が自動的に終了した後に電源が自動的に切れるようになっています。そのため、ドライブレコーダーの電源オン・オフや、録画の開始・停止は、本体を触ることなく行えます。
取り付け後はその存在を意識せず、普段通りに車を運転するだけで自動的にデータが記録されていくのは、やはり便利です。
※日中、夜間と本ドラレコを装着した状態で録画・走行をおこないました。
超高精細ではないが、必要十分で見やすい画質
録画したデータは、付属のmicroSDに蓄積されていくので、これを一旦はずしパソコンに取り込んで確認してみます。
まずは晴天下の撮影データ。
HD画質は、超高精細ではないものの、必要にして十分な解像度で記録できていると感じます。日付もきっちりと記録されています。 続いて夜間のデータも見てみましょう。
夜間は走る車のナンバープレートの文字がややにじむ感があります。この点はやや残念。
全体としては、斜め前方左右の車や歩行者等の挙動はうまく記録できています。自車の運転状態や周囲の交通状況等を記録するという、ドライブレコーダー本来の目的は達成している製品だと言えます。
夜間のナンバープレートが不明瞭な点はマイナスですが、筆者としては「入門機ならこれ位が必用十分」と感じます。
LaROSE 『DVR-Z720』 その他の特徴
基本的な所の他、個人的に気になった機能をピックアップしておきましょう。
LED信号機にもバッチリ対応している
交差点や横断歩道などに設置されている信号機は、白熱電球の従来型から、より長寿命で省電力なLED信号機へと急速に置き換えが進んでいます。このLED信号機は肉眼では常時点灯しているように見えますが、実際には目にもとまらぬ速さで点滅しています。
そのため、ビデオカメラやドライブレコーダーで撮影する際に、LED信号機の点滅速度と、カメラのシャッター速度が一致した場合に、点灯しているLED信号機が数秒間にもわたって消灯しているかのように見えてしまう場合があります。
万が一の際に、信号の色を記録することが重要な役目のひとつであるドライブレコーダーですので、この現象が生じることは致命的とも言えますがこのDVR-Z720は、LED信号機と点滅のタイミングが同期しないよう、27.5FPS(1秒間に27.5コマ)で記録するように対策が施されています。
これは、先ほどの動画の0:10(開始10秒ごろ)や0:29(29秒ごろ)で確認できます。
撮影したLED信号機は常にチカチカと点滅しているように見えますが、とはいえ色は確実に確認できますので、安心して使用することができます。
衝撃感知(Gセンサー)録画は感度を調整できる
『LaROSE DVR-Z720』には衝撃感知(Gセンサー)録画機能が搭載されています。これは、車に何らかの物体が衝突したり、あるいは走行中に道路を逸脱したりして、強い衝撃が加わった際に自動的に録画を行うとともに、当該データを保護モードにすることで自動的に上書きできないようにします。
これにより、有事の際にしっかりと証拠を保全することができるわけですが、この衝撃感度も調整できるようになっています。
悪路での走行が多いという場合は感度をやや下げ(ハード)、逆に感度を上げたい場合にはソフトにセットしましょう。 ただ、ソフトだと橋梁のジョイント部分などの軽い段差を通っただけで記録が開始してしまう可能性もあるため、通常はノーマルのセッティングのままがよいと思います。
丁寧な日本語取扱説明書が付属
意外と大事な点ですが、この製品には、36ページの日本語取扱説明書が添付されています。
廉価品の輸入ドライブレコーダーの場合、翻訳がいい加減だったり、必要最低限の記述すら無い場合もありますが、この製品の説明書はしっかりとしていました。
録画データの自動ループと、記録メディア(microSD)の容量
DVR-Z720は、HD画質による撮影と、撮影データ容量の軽量化をうまく両立しており、3分あたりのデータ容量は370MB前後と軽量です。
単純計算では、付属の8GBのカードであれば1時間強の録画が可能です。また、容量がいっぱいになると、ループ機能により、古いデータから上書きすることで、記録を常時続けられます。
ループ機能はオン・オフ可能ですが、万が一のシーンを記録するという通常の用途であれば、8GBあれば十分な容量です。長時間にわたって映像を残したい場合には、最大32GBまでのマイクロSDカードを使うことができますので、記録時間を拡張することが可能です。
シガー電源アダプターの対応電圧は12V? 24V?
本製品はパッケージの主な仕様欄にはDC12Vとだけ書かれていますが、メーカーのWebサイト製品ページでは、24V車にも対応する旨が書かれています。24Vに対応している場合、トラックなどの業務用車でも使用できるのですが、この点が、パッケージとの整合が取れていません。
ACアダプター本体にも電圧や電流を記した刻印、あるいはラベル貼付が一切なされていない点は少々気になりました。
販売元プロリンクジャパンに問い合わせたところ24V対応のシガー電源アダプターを同梱しているとの事でした。
専用ビューワーソフトで走行軌跡がずれる
本製品の特徴としてGPSを内蔵している点があげられます。これにより録画した動画に位置情報が記録され、付属のソフトウェア『GVPlayer』で再生すると、走行軌跡確認しつつ動画を再生することが可能です。
これはドライブの記録や、事故の再現などにも役立つ機能で、同製品の特長といえる点なのですが、私がこのソフトウェアで再生をおこなってみた所、地図上の位置が約500mほどずれて表示されました。
動画左上の地図と実際に走行した道路がずれている。
※特に3:11のあたりが分かりやすいです。
また、ソフトで再生する左上のグーグルマップには英文で『For development purpose only』と注意書きが表示されています。 これらが当製品固有の問題なのか、設置環境の問題なのかは現時点では不明です。ただ製品、もしくはソフトウェアの根本的な不具合であれば、早急に対応していただきたい点です。
まとめ
製品本体は必要十分な性能を持ったお手頃価格のドライブレコーダーとして、広くお勧めできる製品だと感じました。 その分、 GPS関連のソフトウェアに不具合が発生している点が残念に感じます。ドライブレコーダー本体や、ビューワーソフトのバージョンアップに期待したい所です。
LaROSE 『DVR-Z720』 製品スペック
製品型番 | DVR-Z720 |
---|---|
映像素子 | 130万画素カラーCMOS |
視野角 | 対角118°(水平:100°垂直:53°) |
記録メディア | microSDカード(8GBが付属/最大32GBまで対応) |
フレームレート | 27.5fps(コマ/秒) |
録画データの長さ | 1/2/3分単位循環設定可能 |
動画サイズ (.AVI形式) | 720p(1280×720) VGA(640×480) |
動画ファイル形式 | AVI形式 |
静止画サイズ (.JPG形式) | 2048×4536(3M) 1920×1080(2M) 1280×960(1.3M) 640×480(VGA) |
電源・電圧 | DC12/24V車対応(5V入力) シガー電源アダプター付属 |
消費電力 | 約2.5W |
動作温度範囲 | 0℃〜50℃以内 |
保存温度範囲 | -10℃〜60℃以内 |
寸法 | 約60(W)×41(H)×32(D)mm (カメラ突起含む) |
重量 | 約70g(microSDカード含む) |
付属品 | ・シガー電源アダプター(約4m)×1 ・取付ステー(GPS内臓)×1 ・microSDカード(8GB)×1 ※本体に装着 ・取扱説明書、保証書×1 ・3Mテープ(再貼付用)×1 ・CD-ROM(専用動画ソフト収録)×1 |
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LaROSE 『DVR-Z720』はYahooショッピング、及びAmazon他、各種ネットショップなどで販売されています。今回、Yahooショッピングで 『DVR-Z720』 を購入する際に利用できる1000円OFFクーポンをご用意いただきましたので、この機会に是非ご利用ください。