2020年9月の正式リリースから1.5周年を迎えたmiHoYo/HoYoverseのアクションRPG『原神』。GooglePlayとAppStoreの2020年ベストゲーム選出をはじめ、数々の記録を樹立した人気ゲームです。
当記事では、『原神』をリリース時から1.5周年分遊びこんだ筆者が、他ではまだあまり語られていない本作の“本当にすごいところ”をまとめてみました。
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1.5周年『原神』のここがすごい!
開発miHoYo(ミホヨ)、国内運営HoYoverse(ホヨバース)のオンラインゲーム『原神』は、オープンワールドの世界を駆け巡るアクションRPGです。

【原神】TVCM「原神フレンズ大紹介」篇(リリースver.)より
本作は、祈願(ガチャ)でキャラや武器を手に入れて強化し、基本ソロプレイ進行の任務(クエスト)をクリアしていくことでストーリーが進んでいきます。
いわゆる近年のソーシャルゲーム、スマホRPGな体裁の本作ですが、最新の据え置きゲームやPCゲームと比べても遜色のないレベルで内容が作り込まれています。
また、本作は世界規模で評価を受けており、GooglePlayとAppStoreの2020年ベストゲーム受賞を始めとして、数々の受賞歴を誇っています。
本作のレビューや解説でよく語られる内容というと……
- オープンワールドの探索が楽しい
- 元素反応システムを駆使した戦闘体験が新しい
- トゥーンレンダリングされたアニメ調グラフィックが美しい
- キャラクターが魅力的で世界観・ストーリーが深い
といったところでしょうか。もちろん、本作を語る上でまず特筆したい内容はこれらになると思います。しかし今回は、これらの内容にはほとんど触れません。
本記事では他であまり語られない、『原神』の本当にすごいところをぜひとも皆さんに知ってもらいたいと思い、内容を構成しました。
『原神』が単なるガチャゲーじゃないと思わせる多くの要素を、プレイ歴1.5年で“実装全エリア探索度100%かつ螺旋☆36クリア”の筆者がまとめて紹介していきます。
すでにプレイ中の方はもちろん、新世代のオープンワールドをこれから探索したいと思っている人にも……本作のすばらしさを共感していただけるようご紹介したいと思います。
本当にすごい1: 環境を選ばないクロスプレイ
『原神』はWindowsPC、PS4/5、Android/iOSと複数のプラットフォームで展開。ゲームサーバーは共通で、クロスプレイ・クロスセーブに対応しています。
つまり、PCユーザーとプレステユーザーなど違う端末のユーザー同士のマルチプレイが出来たり、家のPCで進めたゲーム進捗を外出先のスマホで再開したりと、自由なプレイ環境が提供されているのです。

公式サイトより
さらに中国で先行稼働しているのが、スマホ向けのクラウドゲーム版『云・原神(うん・げんしん)』。容量やマシンパワーに左右されないプレイ環境が提供されています。
このクラウド版は遅延が少なく普通に遊べると好評。日本でもスマホ版や開発中のSwitch版に提供されるのではないかという期待が集まっています。
筆者はこれまで多くのネットゲームをプレイしてきましたが、ここまでプレイヤーの環境を選ばないタイトルは見たことがありません。

公式サイトより
本作のようなクロスプレイ環境は、例え技術面では可能なことであっても、実現させるには開発技術以外の面で超えるべきハードルがたくさんあります。
開発費用、各プラットフォーム事業者との交渉や連携、各環境(入力デバイスや表示デバイス)の違いによるゲーム体験のバランス調整などなど……。
それらをすべてクリアし、実装してみせた『原神』。ここがすごい!
本当にすごい2: 確固たるロードマップとメンテナンス
ここで、『原神』の世界観を軽くおさらいしてみましょう。謎の敵との戦いの最中、離れ離れになってしまった双子の片割れが主人公です。
彼(彼女)がたどり着いたのは、見たことのない大地・テイワット。そこは、7種の元素を司る七神と、神々が治める七国で構成されていました。
主人公が最初に訪れたのは風神バルバトスの加護を受ける自由の国・モンド。“異世界の旅人”となった主人公の、兄妹を探す旅が始まります。
本作のサービスイン時に実装されていた国はモンドと岩神モラクスが護る契約の国・璃月(りーゆえ)の2国。10ヶ月後には第3の国、雷神バアルが統治する永遠の国・稲妻が実装されました。
その際運営が発表したロードマップは、「1年に1国を実装し、残り4年でテイワット大陸を完成させる」というもの。この長い計画には多くのユーザーが驚かされました。
同時に、この運営なら間違いなくやってくれるだろうという期待も生まれたのです。
というのも、本作はサービスイン時に「メンテナンスは6週間ごとに行う。」というアップデート計画を発表し、当時7シーズン目のVer.2.0までそれが守られていたからです。
1.5周年で13シーズン目のVer.2.6となりましたが、このスケジュールはきちんと守られているだけでなく、毎回予定時間より早くメンテが完了しています。

原神公式Twitterより
さらに、それ以外の緊急メンテは今まで一度も行われていません。もちろん、ゲームの不具合はこれまでに大小ありましたが、パッチを当てるだけの対策で解決できています。
「緊急メンテ!」「メンテ延長!」が当たり前となりつつあるオンラインゲーム界において、この事実は驚異的ではないでしょうか。
これだけの実績を作り続けている運営だからこそ、ユーザーはロードマップを信頼し、本作を遊び続けようという意欲が湧いてくるのかもしれません。
開発スピードと安定性からくる『原神』運営の安心感。ここがすごい!
本当にすごい3: ほぼ使い回しのない作り込まれたイベント
続いて、『原神』のゲーム内メインコンテンツを確認してみましょう。
大まかに分けて任務(メイン・サブストーリー)、育成(キャラクターや装備品)、作成(クラフトやハウジング)、収集(アチーブメントやアイテム)などがあります。

【原神】公式ラジオ テイワット放送局 第1回より
これらの他に期間限定のイベントがほぼ常時開催されています。この各種イベントが実に作り込まれていて、毎回驚かされるのです。
これまでに開催されたイベントをかいつまんで紹介すると……
- 元素反応を駆使したタワーディフェンス
- ゲーム内BGMを使ったリズムゲーム
- マルチプレイのかくれんぼ&鬼ごっこ
- ローグライクダンジョン攻略
- 飛行や航行でのタイムアタック
などなど。中には期間限定の新エリア(テイワット内1国の半分程度の規模)が開放され、新たな探索の場を提供してくれるようなイベントまで。

原神Ver.2.4特設ページより
これらのイベントはすべて『原神』のシステムに則りつつ、それぞれのイベント用に新規に操作やルールが作られているから驚愕です。
しかも、これらのイベントはほとんどが使い回されることがなく、復刻されたいくつかのイベントもルールが改善されさらに遊びやすくなっているのです。
『原神』では各シーズンの終盤になるとゲーム内でユーザーアンケートをとり、今期イベントはどうだったかのリサーチを行っています。
そこでよっぽど好評だったもの以外、同じイベントがまた開催されることがないため、ユーザーは次回のイベントがどんな内容なのか、ワクワクが尽きることもないのです。

原神Ver.2.4特設ページより
ネットゲーム(スマホゲーム)のイベントというと、毎回ストーリーが違うだけで結局いつもと同じバトルを延々と繰り返すようなものが多い印象ですよね。
もちろん、本作にも討伐・周回系のイベントはありますが、毎回ルールに変化を加えて新鮮なゲーム体験を常に提供。周回数も、1日数回程度に抑えられています。
画一的な内容ではなく、毎回違うものを結構な作り込みで提供し、その作り込んだ内容をほとんど使い回さない『原神』のイベント。ここがすごい!
本当にすごい4: インフレがほとんどなく課金圧は低い
さて、『原神』がこれだけ盛りだくさんのゲーム内容であっても、「ガチャゲーだし、課金しないと遊べないのでしょ?」と考えてしまうと思います。
いわゆる“ガチャゲー”と呼ばれるゲームは、既存キャラより強い新キャラが排出される限定ガチャを次々開催し、ユーザーがガチャを回したくなるように誘ってきます。
もちろんゲーム運営も商売なので、この方式すべてを否定するつもりはありません。
しかし、この方式では最新のキャラを所持していないとゲームについていけなくなるという事態はどうしても発生してしまうものです。

公式サイトより
これらの、ガチャゲーのキャラインフレと課金圧について、本作『原神』ではどのようなスタンスをとっているのかを確認してみましょう。
本作では各シーズンを前期と後期に分け、それぞれ(復刻を含む)限定キャラのガチャ1、2種と限定武器のガチャ1種を開催しています。
しかし、キャラの強さのインフレは殆どないほど緩やか。毎回新キャラの性能が発表されるたびに、既存キャラのほうが強いと揶揄されるほどです。

原神Ver.2.5特設ページより
では、『原神』はユーザーに対して、どのように新キャラをアピールしているのでしょうか。
その答えは、今までのキャラには無かったような新しいタイプのスキル・能力を持たせたキャラを実装すること。いわば、キャラ性能を上に伸ばすのではなく、横に広げるイメージでしょうか。
本作は、各キャラの持つ元素を組み合わせる元素反応というシステムの存在で、新しいキャラ(スキル)が追加されると、それに合わせて既存キャラの動きにも変化が生じてきます。
実際に、稲妻の雷元素キャラ・八重神子が実装されたとき、今までは軽視されていた感電反応(水+雷の反応)に注目が集まりました。
その結果、初期キャラであるモナなど水元素キャラの新たな使い方が見いだされました。
さらにその感電を連続発生させる拡散反応(風+他元素の反応)を狙うため、スクロースら風元素キャラが脚光を浴びるようになったのです。
このように、新キャラ自体にインフレ感が少なくても、そのキャラを使えば新たな戦略が生まれる点が、特に長く遊んでいるユーザーに対して大きなアピールポイントになります。
キャラのインフレが少なければ、敵の強さがインフレすることもありません。結果として、新キャラを追わなくても、手持ちの既存キャラだけで最前線まで攻略が可能となる訳です。
また、武器などの装備も同じようにインフレはありません。苦労して育てた武器はいつまでも使えますし、ユニークな性能の新武器で旧キャラが再び輝くということもこれまで何度かありました。
新キャラ(新ガチャ)をしっかりアピールしつつも、ガチャを回さなくてもちゃんとついていける『原神』のゲーム設計。ここがすごい!
本当にすごい5: 実は無課金でもガチャ石が結構貰える
ところで、「『原神』は石の配布が少ない、無課金だとガチャが回せない!」という意見を耳にしたことはありませんか?
ひと月に平均どれくらいの原石(ガチャ通貨)が貰えるのか筆者が調査した結果、下記のとおりとなりました。
- 無課金:7,000原石+ガチャアイテム10個
- 微課金:10,680原石+ガチャアイテム18個
(微課金はいわゆる月パス系の課金約1,500円/月のみ)
本作のガチャは1回160原石。無課金でもひと月あたり53回ガチャを回せる計算になります。キャラガチャ天井は90連ですので、だいたい1.5ヶ月に1体☆5キャラが手に入ります。
本作の原石入手については、デイリークエスト消化やログインボーナス、イベント報酬のほか、各地を探索して宝箱を開けることでも少量手に入ります。
これらひとつひとつの原石配布量が少ないので、一見すると「原神は配布石が少ない」と思われてしまうのは仕方がないと思います。
しかし実際のところは、コツコツ遊んだぶんだけ確実に原石は貰えます。特に、新規にゲームを開始した直後であれば世界中に開けていない宝箱が何千とあります。
それでも、他のガチャゲーに比べて配布量が少ないと感じるかもしれません。
しかし、そもそも課金圧が高くない本作において、そこまでガチャを回す必要はあるのか?という部分まで考えると、配布はむしろ丁度いいか多いくらいではないでしょうか。
また、『原神』は基本ソロゲーです。他者との協力プレイはあっても、PvPのような強さを競う要素は皆無。常に最強である理由もありません。
ガチャゲーでありながら自分のペースで遊べる点。ここがすごいと言っていいと思います!
まとめ: ライト層もオタクも老若男女楽しめるゲーム
中国のゲームメーカーmiHoYoは、“tech otakus save the world(技術的なオタクは世界を救う)”というスローガンを掲げており、日本のオタク文化をリスペクトしています。
それだけに、『原神』のゲーム内にはオタク心をくすぐる要素がたくさん散りばめられています。
例えば、ゲーム内で閲覧できる書籍やフレーバーテキスト内の文章。読まなくてもゲームの進行には支障はありませんが、読めば読むほどストーリーの核心が何となく見えてくる様になっていて、実に考察のしがいがあります。
また、キャラ同士のカップリング(男×女、男×男、女×女)を匂わせ程度で(ここ重要)見せてくる点。ハッキリとカップル的に見せるわけではなく「なんかいつも一緒にいるよね?」みたいな関係性が妄想力を掻き立てます!
美少女キャラもイケメンキャラも盛りだくさんで、老若男女だれでもマイペースで遊べる『原神』。いつ始めても遅いなんてことはありません!
ぜひ、新世代のオープンワールドを探索する楽しみを味わってみてください。
世界観(ストーリー・映像・音楽) | ★★★★★(5) |
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ゲーム性(UI・システム・ガチャ) | ★★★★☆(4.5) |
運営(開発力・ユーザビリティ・エンタメ性) | ★★★★(4) |
キャラ(デザイン・モデル・ボイス) | ★★★★☆(4.5) |
総合評価 | ★★★★☆(4.5) |
(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)