傑作漫画『SPY×FAMILY』 レビュー 定番と変則のバランスが心地良い! - uzurea.net

傑作漫画『SPY×FAMILY』 レビュー 定番と変則のバランスが心地良い!

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執筆: hamachi アイコン hamachi

集英社のweb漫画・アプリ『少年ジャンプ+』に連載中の漫画『SPY×FAMILY』。

作者 遠藤達哉氏最大の人気作となりつつある本作は、2019年3月の連載開始から半年でジャンプ+の人気投票総合1位に。 さらに 『次にくるマンガ大賞』web漫画1位外部リンク)を獲得。 名実ともにジャンプ+の看板作品となりました。

今回は、なぜ本作が連載開始直後から支持を受け人気を勝ち取るに至ったかを、定番変則というキーワードから読み解いてみましょう。

定番ホームコメディ×変則スパイアクション=『SPY×FAMILY』

『SPY×FAMILY』連載開始記念PV
少年ジャンプ 公式 Youtube 『SPY×FAMILY』連載開始記念PV

それでは最初に、本作『SPY×FAMILY』に登場する3人の家族を紹介しながら、導入ストーリーを確認してみましょう。

父・黄昏(たそがれ) ロイド・フォージャー

主人公であるロイド・フォージャーは、コードネーム・黄昏と呼ばれる西国の敏腕スパイ。敵対する東国に潜入し、諜報活動を行っていました。

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表紙 主人公の ロイド・フォージャー
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そんな彼に下されたのが、オペーション〈梟〉(ストリクス)。ターゲットである東国要人に接触するため偽装家族を作り、彼の息子が通う学校・イーデン校に子供を通わせるという作戦でした。 孤児院から頭の良さそうな子供を引き取ることにしたロイドは、そこで難解パズルをあっさり解く少女・アーニャと出会います。

娘・被検体007 アーニャ・フォージャー

実はアーニャは他人の心の声を聞くことができるエスパー。とある組織に被検体007として生み出された存在でした。

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表紙のアーニャ
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しかし、実験の繰り返しに嫌気が差した彼女は組織から逃亡。孤児院に入ったところでロイドと出会います。先述の難解パズルも、実際は後ろで見ていたロイドの心を読んで解いていたのです。

結果としてロイドの養子となった彼女は、能力を駆使しつつイーデン校の筆記試験に見事合格。しかし、二次試験である面接には両親とともに出席しなければならないと知らされます。

母・いばら姫 ヨル・フォージャー

同僚たちに婚期の遅れを指摘されてうんざりしている公務員の女性・ヨル。その正体は裏社会で有名な、いばら姫というコードネームの殺し屋です。

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ロイドとアーニャの間に居るのがヨル

彼女は自分の裏の顔が周囲にバレないよう目立つことはしたくありません。

周囲を黙らせるために形だけの恋人が必要と考えたヨルと、急遽アーニャの母親(=自分の妻)を用意しなくてはならなくなったロイド。偶然出会ったふたりは、お互い素性を隠しつつ利害の一致で偽装結婚をすることになるのでした。

物語のキモは定番展開と変則展開のバランス

続いて、本作の持つ定番と変則の魅力について考えてみましょう。

本作は、フォージャー家の面々が持つ表と裏の顔のように、定番展開変則展開が表裏一体となって展開していきます。 例えば、能力を持った家族が活躍する作品は、数多くある定番設定ですが、本作のように家族それぞれが裏の顔を隠し合っているという展開は変則的です。

唯一全員の秘密を知っているアーニャですが、わくわくがいっぱいの普通の子供生活を送りたいという思いから、そのことを口に出そうとはしません。

家庭に憧れるいたいけな子供という定番の感動展開から、能力を使いながら父にこっそり協力するという変則展開へのつながりもスムーズ。 読者は、かわいく健気なアーニャに癒やされるという定番体験とともに、物語の全貌を知っているのはアーニャと読者だけという変則的な体験ができるのです。

ロイドは敏腕のスパイで何でもできる超人ですが、娘と妻の秘密を知らずに、また、自分の秘密を悟られないように行動している様は滑稽で、家族に振り回される父親の様にも見えます。

ヨルも、凄腕の暗殺者でありながら酒に弱かったり天然ボケだったりと、普段の様子は愛らしい母親そのもの。つまり、フォージャー家がそれぞれに定番の顔変則の顔を持っていると言っても過言ではありません。 このように、本作はあらゆる部分に対となる定番と変則を散りばめていることがわかります。

まとめ:安心と不安の同居という新しい感覚

心安らぐような安心感のある作品と、何が起こるかわからないハラハラした不安感のある作品。どちらの作品にも名作と呼ばれるものがいくつもあります。 しかし、本作のように安心感(=定番展開)と不安感(=変則展開)が絶妙なバランスで混在している作品はそうそうありません。

この、安心と不安の同居という新しい感覚こそが、今まで多くの作品に触れてきた読者を引きつけるものなのではないでしょうか。

本作の今後は、例えば家族に秘密がバレるとか、いばら姫のターゲットが黄昏になるとか波乱の展開になるかも知れません。 それでも、安心感と不安感のバランスは保たれたまま展開していくことでしょう。 定番と変則で展開される『SPY×FAMILY』から、ますます目が離せません!

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