『攻殻機動隊』などで知られる押井守(おしい まもる)が、1968年~2017年の50年間に公開された映画を“1年1本”の縛りで50作品選出しその思いを語るエッセイ集『押井守の映画50年50本』が、立東舎より刊行されます。
押井氏69歳の誕生日でもある2020年8月8日発売予定で、予価は2,420円(税込)。
押井守の映画50年50本
押井守が高校生だった1968年から始まる、極私的映画史50年。”1年に1本のみ”という縛りで選ばれたのは、いったいどんな作品なのか? 押井監督が映画の半世紀を語りつくす! 『2001年宇宙の旅』『わらの犬』『ブレードランナー』etc…。半世紀分の視差が編み出すその語りから、映画と、押井守の本質が浮かび上がっていく内容となるでしょう。
2019年9月より、本書籍の内容の一部が立東舎webサイトにて公開され、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』をべた褒め、富野由悠季とのエピソードを語るなど、ファンの間でも注目を集めました。
※立東舎webサイトで公開済みの 6作品については、Web上で読む事が出来ます。
- 1998年『ベイブ/都会へ行く』編
- 1992年『レザボア・ドッグス』編
- 1988年『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』編
- 1982年『ブレードランナー』編
- 1972年『ラストタンゴ・イン・パリ』編
- 1968年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』編
収録される映画50(+1)作品
下記は公開されている書籍の表紙から読み取れる作品リストです。なぜか51作品ありますが、このあたりは本書を実際に読むと理由が明らかになるのかもしれません。
※情報提供により公開時内容から一部修正しました。
- 1968年『2001年宇宙の旅』宇宙という存在を初めて映画で表現した作品
- 1968年『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』繰り返し見るならレオーネだ
- 1969年『ワイルドバンチ』こんなカッコいい映画を見たことない
- 1970年『ライアンの娘』映画のなかに伏在するもう1つの映画を初めて垣間見た
- 1971年『わらの犬』誰1人として本質を見抜けていない異端の映画
- 1972年『ラストタンゴ・イン・パリ』固有のテーマを必要としなかったベルトルッチ
- 1973年『映画に愛をこめて アメリカの夜』映画好きは見ないと損だけど、 一生を台無しにするかも?
- 1974年『田園に死す』寺山修司の引用で作られた寺山修司の映画
- 1975年『新幹線大爆破』日本映画が日本の戦後にケンカを売った最後の映画
- 1976年『タクシードライバー』トラヴィスと同じように「拳銃が欲しい」と自分も思った
- 1977年『戦争のはらわた』ペキンパーはけっきょく「暴力の本質」だけを描いた
- 1978年『SF/ボディ・スナッチャー』アメリカが初めて体験したイデオロギー闘争の恐怖
- 1979年『ウォリアーズ』ウォルター・ヒルの情熱と賢さ
- 1980年『戦争の犬たち』オススメの戦争映画
- 1981年『劇場版 あしたのジョー2』出崎さんは乗り越えなければならない壁だった
- 1982年『ブレードランナー』映画だけに流れる特権的な時間
- 1983年『ブルーサンダー』ヘリコプター映画の最高傑作
- 1984年『パリ、 テキサス』快感に満ちた映画的な時間
- 1985年『ドレミファ娘の血は騒ぐ』映画監督の資質と時代感覚
- 1986年『ブルーベルベット』デヴィッド・リンチには勝てない
- 1987年『ニア・ダーク/月夜の出来事』メタファーとしてのヴァンパイア
- 1988年『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ロボットアニメが到達したひとつの極点
- 1989年『その男、 凶暴につき』既存の映画の表現に囚われない北野武の自在感
- 1990年『トレマーズ』とにかくハッピーな映画
- 1991年『ヨーロッパ』僕の理想に近い映画監督
- 1992年『レザボア・ドッグス』ツーショットのダイアローグ劇を書く天才
- 1993年『アサシン 暗・殺・者』バダムについて語りながら、 ベッソンについても語る
- 1994年『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』等身大のヴァンパイア
- 1995年『セブン』デヴィッド・フィンチャーならこの1本に尽きる
- 1996年『バウンド』マイノリティへの想い
- 1997年『L.A.コンフィデンシャル』アメリカ映画の底力
- 1998年『ベイブ/都会へ行く』動物がしゃべることの違和感を克服してみせた
- 1999年『DEAD OR ALIVE 犯罪者』平然とデタラメをやって、 カタルシスもある
- 2000年『スナッチ』いまの映画にはまだ開拓すべき余地があると気づかせてくれた
- 2001年『ブラックホーク・ダウン』ラストのカタルシスが見事
- 2002年『戦場のピアニスト』言いわけ映画の典型
- 2003年『殺人の追憶』ポン・ジュノは人間をこってり描く
- 2004年『ボーン・スプレマシー』監督の顔が見えてこない不思議さ
- 2005年『宇宙戦争』スピルバーグでも破綻することがあるんだ
- 2006年『トゥモロー・ワールド』アクションシーンがなければ立派な文芸映画になる
- 2007年『ノーカントリー』人間は不気味な存在だ
- 2008年『ぼくのエリ 200歳の少女』北欧映画の独特の雰囲気
- 2009年『ウォッチメン』世間はザック・スナイダーに厳しすぎる!?
- 2010年『ザ・ウォーカー』キリスト教とアメリカの歴史をもう1回やり直す
- 2011年『ドライヴ』すんなり見るだけでは済まないなにかが隠れている
- 2012年『ゼロ・ダーク・サーティ』相当な自信か信念がないと、 こんな映画は作れない
- 2013年『オンリー・ゴッド』謎の映画。いまだによく分からない
- 2014年『フューリー』「映画の構図」について語ってみたいから選んだ
- 2015年『ボーダーライン』続編と比較して見ることで分かるもの
- 2016年『ジェイソン・ボーン』失敗した作品から学べることは多い
- 2017年『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロの最高傑作
書籍情報
著者 | 押井守 |
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出版社 | 立東舎 |
頁数 | 320 頁 |
ジャンル | エンタメ |
ISBNコード | 9784845634446 |
発売日 | 2020年8月8日 |
予価 | 2,420円(税込) (本体価格 2,200 円 + 消費税10%) |
押井守(おしい まもる) プロフィール
映画監督。1951年生まれ、東京都出身。1977年、竜の子プロダクション(現:タツノコプロ)に入社。スタジオぴえろ(現:ぴえろ)を経てフリーに。『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)、『機動警察パトレイバー』シリーズ(1988~93)、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995)、『アヴァロン』(2001)、『立喰師列伝』(2006)、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2009)、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズ(2014~15)、『ガルム・ウォーズ』(2016)などを手がける。