昨今は企業・個人問わず、WordPressを利用してWebサイトを構築することが多くなってきています。一説によると、世界中の35%以上がWordPressで構築されたWebサイトであり、日本の場合は60%を超えるという話も耳にします。
そこで、当記事では、そんなWordPressが快適に利用できて、かつリーズナブルなレンタルサーバー(=Webホスティングサービス)はどれか……という視点で6社ほどピックアップ、その実力を比較してみました。
予算重視のWebサイト構築案件や、個人で「可能な限り費用をおさえてWebサイト構築したい」という方たちの一助になれば幸いです。
Index
WordPressが快適に動くWebサーバー 6サービス比較
選択ポイント
『良いレンタルサーバー』と言っても、利用者の視点や状況によってさまざまですので、当記事では2021年2月現在公開されている情報を元に、次の項目に絞って比較しています。
- 日本国内の事業者である
- Webサイト運営初心者~中級者が負担が少なく利用・運営できるサービスである
- 各企業のプラン中、WordPressが利用できて、最もリーズナブルなプランで比較 (DBの利用可否、PHPのバージョンなど)
- 12ヶ月契約した場合の月額費用で比較(毎月払いよりも12ヶ月分の一括支払いで値引となる業者が多いため)
- 複数のDBが利用できるプラン(WordPressの他にCMSを導入することができる)
- 共有サーバーのプラン比較(VPSプランなどを対象にすると、より複雑な比較・評価が必要なため)
以上を元に下記6社と、そのプランを選定しました。
6社の比較とスペック概要
選定したのは下記の6社6プラン。
※各項目の『詳細』は、ソースとなったページのリンクとなっています。
サービス | さくら インターネット |
カゴヤ・ ジャパン |
ロリポップ | ConoHa WING |
エックス サーバー |
mixhost |
---|---|---|---|---|---|---|
評価対象 プラン |
スタンダード 詳細 |
WordPress専用サーバー グレード1 詳細 |
ハイスピード 詳細 |
WINGパック ベーシック 詳細 |
X10 詳細 |
スタンダード 詳細 |
月額 (税別) |
396円 | 400円 | 500円 | 810円 | 900円 | 980円 |
初期費用 (税別) |
952円 | 0円 | 0円 | 0円 | 3,000円 | 0円 |
初年度 費用試算 (税別) |
5,704円 | 4,800円 | 6,000円 | 9,720円 | 13,800円 | 11,760円 |
スペック |
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記憶領域 容量 |
HDD 100GB | SSD 20GB | SSD 250GB | SSD 250GB | SSD 200GB | SSD 250GB |
データ 転送量 |
160GB/日 | 200GB/日 | 360GB/日 | 600GB/日 (18TB/月) |
300GB/日 | 300GB/日 (9.0TB/月) |
Web サーバー |
Apache + nginx |
nginx | LiteSpeed | Apache + nginx |
nginx | LiteSpeed |
サーバー 設置場所 |
東京・大阪 詳細 |
京都 詳細 |
日本国内 詳細 |
非公開 詳細 |
日本国内 詳細 |
東京都内 詳細 |
MySQL |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
WordPress 導入 補助 |
○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ |
無料SSL | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
複数サイト (ドメイン) 運営 |
○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
再販 可否 |
○ 詳細 |
○ 詳細 |
○ 詳細 |
○ 詳細 |
△ ※5件まで 詳細 |
○ 詳細 |
アダルト サイト運営 可否 |
△
|
△
|
× |
× |
△
|
○
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補足 |
『WordPress高速化モジュール版PHP』をうたっているが、サーバー毎の収容数が多く比較サーバーと比べるとレスポンスは良くない。 サポートのレスポンスも悪い。 |
WordPressは契約時にインストール済。京都発のホスティング企業として根強い人気。 WordPressに最適化された仮想マシン『KUSANAGI』 搭載。 メールサーバーを利用する場合は、別途契約(550円~)必要なのがネック。 サポートの手厚さは評判。 |
過去には格安サーバーの印象だったが、昨今はプラン、スペック拡充してきた感。 反面、当時のような企業としてのユニークさは失われたのが残念。 |
WINGパックプランは、ドメイン契約とのセットが必須。ドメイン取得、更新共に無料。 ドメインのセット運用に不便がなければ候補か。 |
長らく低価格&高スペックサーバーとして人気。 初期費用が発生する点がネックか。 長期間運営が前提で、サーバー運用に慣れた人なら。 |
2016年からスタートし、格安クラスの価格と高スペックサーバーで業界をけん引中。 サーバー運用にある程度慣れた人なら。 |
申込 リンク |
LINK | LINK | LINK | LINK | LINK | LINK |
以下、上記表の比較を元にいくつかの視点で評価をしてみたいと思います。
価格優先のおすすめサーバー
ホスティングサーバー業界は価格競争が激しくどの業者も大変ですが、利用者にとってはありがたいことです。初期費用と月額費用1年分の合計で比較してみました。
サーバースペック優先のおすすめサーバー
WordPressを快適に動かすためにはそれなりのスペックが必要です。各プランの仕様……収容数、CPU、割り当てメモリといったものから、処理能力が変わるため最終的にはWebサイトの表示速度や管理画面の体感速度に影響します。またアクセスが多くなるWebサイトの場合データ転送量の制限も重要ですし、サーバーが何処に有るか(=収容地域)はユーザーの通信に対する反応速度に影響します。
また、初期状態のWordPressを使い続ける……という事はまれで、多少の差はあれどプラグインを利用することも想定しておきましょう。広告関連ツールや、アクセス解析、ヒートマップ解析などWebサイトを効率的に運用するための便利なプラグインが充実しているWordPressの利点を生かすには、相応のサーバースペックが求めらてきます。
Webサイトの表示速度も検索エンジンでの検索順位にも影響があるため、競合性のあるサービスやコンテンツを提供する場合、費用の安さだけを見ているとその後悔することになりますので、重要な検討項目と認識しておきましょう。
サポートや使いやすさで別のおすすめサーバー
いずれのサービスも日本国内の事業者なので、Webサイトの表記や一定以上のサポートは期待できます。
ただし、新興サービスはコントロールパネル(サーバー管理画面)が多機能ではあるものの玄人向けだったり、サポートがメールのみだったりという点が挙げられます。Webサイトの運営を慣れてない人が行う場合は、機能は制限されていてもシンプルな管理画面が良い……というケースもありますので、あわせて検討する必要があるでしょう。
まとめ
低価格帯のWebホスティングサービスを中心に、WordPressでのサイト運営……という点に絞って、選出・比較してみました。
サーバーの選定においては、運営者の立場や経験によって求められる『快適性』が変わってくるものでしょう。また『価格』だけを比較してみても、目的・用途によっては逆に損となる場合もあります。 当記事は、多くの人にとって有用な情報となるよう構成しましたが、不足や要望、疑問点があればコメント欄などでお気楽にご意見いただければと思います。
※余談ですが2021年2月現在、uzurea.netはmixhostのサーバーで運営しています。