安心の音質・完成度を誇るイヤホンメーカーSOUNDPEATS(サウンドピーツ)。当サイトでも『Air3 Deluxe HS』や『Capsule3 Pro』の製品レビューを掲載しているが、この度新作イヤホンが発売されるとの情報をキャッチした。それこそが今回紹介するワイヤレスイヤホン『Opera05』だ。
今回はこのイヤホンを一足早く体験する機会をいただいたので数日間じっくり使用。その結果感じ取るとこの出来た圧倒的な音へのこだわりと、利便性の高い機能の使用感をできるかぎり詳細に書き記していきたい。
Index
SOUNDPEATS 完全ワイヤレスイヤホン
『Opera05』レビュー
今回レビューするのはSoundpeats(サウンドピーツ)が数年に一度の”旗艦モデル(フラグシップモデル)”と発表した完全ワイヤレスイヤホン『Opera(オペラ)』。高音質と優れたノイズキャンセリング性能を十分に発揮させるため、密閉度を重視して設計されたカナル型イヤホンだ。


ラインナップとしてはその最先端技術の粋を余すところなく導入した『Opera05』と、よりカジュアルな位置づけの『Opera03』の2製品。
Makuakeにて先行予約販売開始
両製品は2023年7月ごろに日本国内で発売する予定との事だが、WebサービスMakuakeにて2023年3月24日から先行販売を開始した。 『Opera03』は通常価格10,999円、『Opera05』は通常価格13,999円だが、先行販売ではそのプランによって最大40%OFFで予約購入が可能だ。
早く買えば早く買うほど割引率が高くなる仕組みとの事で、興味がある方は急いだほうが良いだろう。
デザインについて
さて、早速レビューをしていこう。最初に本品の視覚的な魅力たる、デザイン部分について。

高級感のあるデザインで視覚的にも映える
ケースは黒を貴重としつつ、ゴールドの光沢が美しい高級感のある作り。背面にはTAPE-Cの充電箇所、側面にはペアリングを簡単に行うリセットボタンが。押した瞬間にケースが光り、その色で充電残量も確認できる仕組みだ。更には傷や指紋が付きにくい素材で出来ているため、ズボンのポケットに長時間入れてきても平気なほど頑丈なのも嬉しいところ。
そんな重厚なケースをパカッと開けると、イヤホン部分がお目見え。Opera05は曇り仕上げで深みのあるブラックだ。なお、Opera03は比較して若干よりグレーがかったブラックで、個別にみると印象は変わらないが、並べてみるとその違いには気づくだろう。
特筆すべきは高級感を演出する金の縁取りで、実際に筆者が使用している間にも、何人かに「そのイヤホン格好いい!」と言わしめた程の印象度を誇っている。さりげなくクールに決めるワンポイントとして、ファッション的な意味でも活躍しそうだ。

使用するときに支障のない程度の磁力で、ポケットなどに入れた時にくっついてくれるので紛失しにくい
(Opera 03も同様)

Opera03(左)とOpera05(右)

Opera03(左)とOpera05(右)




充電BOXのUSBはType-C



今まで聴こえていなかった音が聴こえる!? 驚きのサウンド
使用者にとって何より気になるのはその性能だろうけれど、今作で音楽を再生すると、音の取り込みの広さに驚愕することだろう。
本製品は特に楽器の高音部分を中心に拾っている印象が強く、リードギターやパーカッション、ドラムのハイハットなど、既存のイヤホンでは埋もれがちなサウンドがしっかり聴こえる事に感動した。それでいて他の音も明瞭に鳴らしてくれるので、大量の音が鼓膜に迫ってくるようなイメージというと少しは伝わるだろうか。
この良音質の秘密はSOUNDPEATSいわく
- 2基のBA型ドライバー
(Opera03のBA型ドライバーは1基) - 12mmダイナミックドライバー搭載
- ハイレゾ対応LDAC高音質コーデック
という機能によるところが大きいとのこと。専門的な話になるため複雑ではあれど、簡潔にまとめるとすれば『重低音や繊細な音を拾うクリアな音』ということになろうか。……音のこだわりを詰め込んだワイヤレスイヤホンは数あれど、一音一音を楽しみつつ、ここまで幅広い音のイメージを引き上げてくれるイヤホンというのは、これまでになかったように思う。

Makuakeより
一点、音質を全体的に底上げしたためか、ベースやドラムの音などの低音が軽い雰囲気で聴こえてしまう感は否めない。しかしながらこの横に広がる驚きの音質は、評価に値するものだ。中でもサウンド各所の粒立った存在感を重視する人には、これ以上なく刺さるイヤホンかと。
くるりの“ソングライン”でベンチマーク
すこし話はそれるが、当サイトでSoundpeatsの『Capsule3 Pro』をレビューした際にも紹介したが、イヤホンを評価する際の個人的なベンチマーク、くるりの“ソングライン”という楽曲を聴いて判断する事が多い。
というのもこの楽曲に収録されているトラックは100以上。チープなイヤホンではその全貌を確認するのは難しく、良いイヤホンでなければ真価が発揮出来ない代物だと思うからだ。
そこで今回も『Opera 05』『Opera 03』それぞれを使ってこの楽曲を聴いてみたのだが、とても驚いた。トラックの全てがはっきりと聴こえるばかりでなく、音の濁流に飲み込まれているような圧倒感さえ覚えたのは、正直に言って初めての経験だった。これは既存の様々なイヤホンでは決して得られなかった感動だった。
ノイズキャンセリングや充電など、その他の性能
ここからは音質以外の、普段使用する上での性能を見ていこう。
本品のイヤホンタイプはカナル型で密閉性が高いので、軽い運動程度では落下の心配がないのは嬉しいところ。また本品はイヤホンを耳から外しても音が流れ続ける代物のため、音楽を途切れさせたくない人にとってもプラスポイントだろう。加えて、ワイヤレスイヤホンと言えば音楽を停止したり次の曲へ移行する際などに動作音が鳴ることは常だけれど、この音が本品は小さめに設定されており、音楽を阻害しない作りになっているのは隠れた利点。
中でも驚きなのは『ANCノイズキャンセリング』と『ENC通話ノイズキャンセリング』という、ふたつの機能が搭載されていること。こちらは実際に使用するとハッとするポイントで、駅の雑踏や雨の日といった騒がしい場所であっても、音がしっかり聴こえてくるのである。「どんな場所でも音楽に没入したい!」というのは音楽好きの永遠のテーマのひとつだが、本品は限りなくその理想に近付いた形だ。

それは、目覚ましのベルの音(60dB)が深夜の郊外(30dB)になる程だという
他にも1日の使用時間が長い人に向けて、再生の最大持続時間はよもやの約9時間! ケース充電も含めると最大約33時間と圧倒的だ。


33時間利用できる
Bluetooth関係では高速・安定かつ途切れのない接続を実現した『Bluetooth5.3』を搭載していたりと、痒いところに手が届く性能もてんこ盛り。
Opera05の難点
アラ探しのような形になるが、公平にレビューするためにあえて気になる点を挙げるとすれば、
- 音楽の巻き戻し(前の曲に戻る)がワンタッチで出来ないこと
- 装着した時に、本体が耳から少し突出する形になるので寝ながらの使用は不向き。また、普段被り物をする人(ニット、フーディやジャンパーのフードなど)にとってはイヤホンに干渉する可能性が高い
- マルチポイント(複数の親機=スマホとの同時接続利用)には非対応
といったところだろうか。ただこれらに関しては使用スタイルによるところが大きいため、大多数のユーザーにとっては気にならない点かもしれない。
おわりに
『SOUNDPEATS Opera』シリーズの本品の魅力は数あれど、最も優れている点としてはやはり、大量の音がグッと聴こえるサウンド面。これまでに多くのイヤホンを使用してきた人であっても「こんな音があったのか!」と驚くレベルで、隠された音を見つけ出す力を秘めたワイヤレスイヤホンと言える。……また『Opera03』と『Opera05』の違いとしては主に音質の良さとデザイン面なので、「高いオーディオ&ハイレゾ音源で聴く!」もしくは「デザインに高級感がほしい!」といった人にはぜひとも『Opera05』を使っていただき、その粒立った音に酔いしれてほしい。
様々な個別機能を付与したものが次々に発売され、すでに天井に到達した感のあるオンラインイヤホンシーン。しかしながらSOUNDPEATSの『Opera05』『Opera03』は、これまでにありそうでなかった『音を見つける』という喜びを感じさせてくれる唯一無二の商品であると断言する。
あなたが大好きなあの曲も、はたまたYouTubeなどでよく聴くあの曲も……。このイヤホンを使えば、また一味違った魅力に出会えるはずだ。
見た目 | ★★★★☆(4.5) 黒色の中にも主張し過ぎないゴールドの縁取り。 光沢のあるブラック色はとても美しい、ビジュアル面でも優れたイヤホン。 |
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使用感 | ★★★★☆(4.5) カナル型のワイヤレスイヤホン全体を見ても、高水準の装着感。 イヤーピースも大中小の3種が付属しているため、使用中に落ちる心配もほぼないかと。 その他様々な機能的にも基本的にはストレスフリー。 |
音質 | ★★★☆(3.5) 細かな音も含め、全体的なサウンドを引き上げているのは素晴らしい。 その反面音圧は感じづらく、中でも低音系の臨場感に欠けるのは気になった。低音をブーストした製品に耳が慣れたユーザーは一瞬物足りなさを感じるかもしれない。 「普段聴こえづらい音を拾いたい!」という人にとっては限りなく100点に近い製品か。 |
コストパフォーマンス | ★★★★(4) 屋外での使用が多い、デザイン面重視、低音にあまりこだわらないといった普段遣いの環境の人にとっては真価を発揮すること間違いなし。またこれほどの良機能が付いているため価格帯的には手を出しやすいラインではあるものの、1万円の壁をどう捉えるか、という考え方の問題も……。 |
総合評価 | ★★★★(4) 『これまで聴こえづらかったサウンドがはっきり聴こえる』のが本品の最強のウリ。様々な音が一気に聴こえる衝撃は一聴の価値ありだと思う。その他ノイズキャンセリング機能や持続時間の向上など、圧倒的レベルの機能も嬉しい。総じてサウンドの全体像を把握しつつ音楽を探求したい人にとっては、購入必至のオンラインイヤホン。 難点を挙げるとすれば、マルチポイント(2台以上のスマホなどとの同時接続)には非対応という点くらいだろうか。 |
(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)
Soundpeats『Opera05』『Opera03』製品仕様
Opera 05と、Opera 03の違いは……?
BA型ドライバー(バランスド・アーマチュアドライバー)の数が、Opera 05には2基、Opera 03には1基搭載。また、イヤホン本体や充電ケースの色も若干違う。詳細は下記の製品スペック表を参照。
Opera05 | Opera03 | |
---|---|---|
タイプ | 無線 | 無線 |
形式 | カナル | カナル |
本体操作 | タッチ | タッチ |
ドライバー方式 | バランスド・アーマチュアドライバー×2 12mmダイナミックドライバー×1 |
バランスド・アーマチュアドライバー×1 12mmダイナミックドライバーバツ1 |
カラー | ブラック | ガンメタルグレー |
再生周波数帯域 | 20Hz~40KHz | 20Hz~40KHz |
対応コーデック | LDAC、AAC、SBC | LDAC、AAC、SBC |
Bluetoothバージョン | Bluetooth5.3 | Bluetooth5.3 |
最大持続時間 (単体) |
9時間 | 9時間 |
最大持続時間 (本体) |
33時間 | 33時間 |
重量 (単体) | 7.3g | 7.3g |
重量 (本体) | 58.8g | 58.8g |
充電時間 | 1.5時間 | 1.5時間 |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C |
ENC 通話ノイズキャンセリング機能 |
対応 | 対応 |
ANC ノイズキャンセリング機能 |
対応 | 対応 |
専用アプリ | 対応 | 対応 |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
パッケージ内容 付属品 |
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発売日 |
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通常価格 | 13,999円 | 10,999円 |
音を調整できる専用アプリ『SOUNDPEATS』

Makuakeより
「今日は迫力のある低音を楽しみたい」「クラシックをしっとり味わいたい」など、その日の気分によって音を調整できる専用アプリ『SOUNDPEATS』。アプリ内では「ロック」「クラシック」など8種類のイコライザーに加え、自由に調整を行なうことも可能です。
関連リンク
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