イケメン、ヒーロー、美少女……。 漫画におけるキャラクターは重要な意味をもちますが、その中でも『おじさま』『お爺さん』といった、人生の酸いも甘いも知ったキャラクターが魅力的な作品をご紹介します。
筆者の独断と偏見によるチョイスですが、共感していただける人が少しでもいたらうれしいです。
Index
おじさま、お爺さんが活躍するオススメ漫画
おじさまと猫
元世界的なピアニストのおじさま=神田冬樹(かんだ ふゆき)が、一匹の猫を飼い始める事で元気になっていくというストーリー。
奥様に先立たれ、ピアノの公演もできなくなってしまった……そんなおじさまが、ペットショップで売れ残った猫に一目惚れ。 『ふくまる』と名付けて一緒に暮らしはじめます。
ふくまるのブサ可愛さもさることながら、ふくまるとの生活で『おじさま』も少しづつ笑顔が増え、周りの人達も巻き込んで新しい刺激と感動を生んでいく……そんな心温まる作品です。
Pixivコミックでは最新話を。 進行は遅れますが、スクウェア・エニックス系のWebサービスや、漫画アプリ『マンガUP!』でも無料で読み進められます。ほかにもスマホのパズルゲームや、ドラマ化などもされている人気作品です。
ミワさんなりすます
根っからの映画オタクでDVDレンタル店でバイトをする主人公 久保田 ミワ(くぼた みわ)。 ある日、目の前で車の衝突され搬送された人と同名であったため、意図せず家政婦として働く事になってしまいますが、そこはミワさんが憧れる国民的俳優『八海 崇 (やつみ たかし)』の邸宅でした……。

画像 ビックコミックBROS公式紹介ページ
奇しくも自身も崇拝する推し俳優のプライベートに触れてしまい、流されるまま家政婦を続けてしまうミワさん。入れ替わりで働き続けちゃうってどうなの?という点も気になり始めたころ、本来勤めるはずだった『エリート家政婦ミワ』から、お墨付き(?)で入れ替わりを続ける事になります。
役者として大成功している八海崇ですが、その私生活のイケおじ加減もまさに神。紳士的で、思慮深く、どこかミステリアス。 ロマンスグレーを体現したかのようなその神々しさは、ミワさんならずともメロメロになってしまいます。
毎話毎話ほどよいストレスと、それを吹き飛ばすナイスエピソードが繰り広げられ、読者の私達すらも「この夢のような状況を観測者として遠に楽しみたい」なんて訳のわからない感情を抱いてしまいます。 おじ様好きなら絶対に読むべき作品
ビッグコミックオリジナル、および関連Webサイト、アプリなどで読むことができますが、スマートフォンアプリならマンガワンがおすすめです。
じい様が行く
孫をかばって暴漢に殺され……神様に能力をもらって異世界に転生。 異世界転生モノですが、タイトルどおり主人公はお爺さん(アサオ セイタロウ)。
転生時に若返りも可能ながら、10歳だけ若くしてもらって (それでもご老人)、魔法と無限倉庫、そして現世でも身に着けていた体術で異世界を旅しながら商売をしていく、という導入。
モンスターや暴漢もなるべく最小限の労力で退ける……そんなスマートな立ち振る舞いはご老人ならでは。 設定にひとひねりが加わるだけで、異世界転生モノもこんなに安らかに読めるのか、と感動したものです。
アルファポリスで序盤の数話と最新話が無料で読めますよ。
なお、本作の原作のノベル版『じい様が行く―『いのちだいじに』異世界ゆるり旅』は完結済み、最終巻10巻が2021年8月23日に発売されています。
辺境の老騎士 バルド・ローエン
老騎士(バルド・ローエン)が主人公のファンタジー作品。 引退を決意したご老人が愛馬と共に、死に場所探しに旅立つ……めちゃくちゃ尊い設定です。
元々強い騎士……ではあるんですが、ご老体ゆえに体力の衰えを感じつつも、その経験で危機を切り抜けていくというのも素敵。 あと料理・食事描写が素敵で、なんだか食欲が増してしまう作品でもあります。
過去にuzurea.netの別記事でも紹介されているのであわせてお読みください。
天才柳沢教授の生活
大学の経済学部の教授である、柳沢先生(柳沢良則 やなぎさわよしのり)の人生を描いた漫画です。 私がご老人作品を好きになった切っ掛けになった作品。
頭はいいけれど、一風変わった(天才……ともすれば変人とすら言える)教授と、家族、大学の先生や生徒、娘の恋人、孫などなどいろいろな人達の関わりを描いています。
独特の間や絵のタッチで、教授の凄いところ、かっこいい(?)ところや言動、そして奇行が描かれる各話に終始ニヤニヤして、何度も読み返してしまいます。個人的には、いい意味で一般人的な奥様との関係性も素敵で大好き。
コミック雑誌モーニングで連載していた作品で、全34巻まで発売(休載中)とボリュームがあります。 教授の若い頃を描いた過去編を描いている時期もありますが、基本的には1話~数話完結の話が多いので、とっても読みやすいですよ。
異世界おじさん
この記事の企画を伝えたところ、「これも読んでみてください」と読まされた作品。正直ちょっと企画の趣旨と違うんですが。転生モノのギャグ漫画です。
異世界に転生してしまったSEGAオタクが現代に戻ってきて甥である主人公と生活をする事に。という事で年配の『おじさん』ではなく、『叔父さん』なんですよ。そもそも。
この叔父さんは異世界でなんだか凄い活躍してるんですが、自己肯定感が低すぎるせいで色々とトラブルとなってしまっていた……という異世界の生活を語る部分が中心ですが、現代に戻ってきて昔のゲーム機(セガ製品)を買い集めてるという結局ダメなオタクの部分も面白い。
素敵なおじさん……ではないんだけど、ギャグマンガとしてはかなり良くできていて、ついつい読み進めてしまう魅力がありますよ。