当記事では、DVDを高速にデータ化(ISOイメージファイル、MP4動画など)することができるWindows/Mac用ソフト『AnyMP DVDリッピング』の紹介をいたします。比較的簡単な手順で高速にデータ化できるソフトです。
価格は1年間利用版が3,184円(税別)、無期限利用(ライフタイム)版が5,024円(税別)。なお機能限定版の無料試用版も提供されています。
※なお、かつてSlysoft(現在はその後継RedFox)が販売していたDVDリッピングソフト『AnyDVD(通称 狐)』と名前が似ていますが無関係のソフトです。
日本国内でコピーガードの付与された映像ソフトウェアをリッピングする事は、『私的利用の範疇を超える』という見解に基づき原則違法となっています。 当ソフトウェア紹介記事の閲覧、及びソフトウェア利用にあたっては、国内での法規にのっとった範囲での利用を行う事を厳守してください。
記事の索引
『AnyMP4』シリーズについて
AnyMP4 DVD シリーズは、
- AnyMP4 DVD コピー (公式サイトリンク)
- AnyMP4 DVD リッピング ※本記事で紹介 (公式サイトリンク)
- AnyMP4 DVD 作成 (公式サイトリンク)
- AnyMP4 DVD 変換 (公式サイトリンク)
- AnyMP4DVD ソフトパック (公式サイトリンク)
- AnyMP4ブルーレイ コピー (公式サイトリンク)
- AnyMP4ブルーレイ リッピング (公式サイトリンク)
- AnyMP4ブルーレイ 作成 (公式サイトリンク)
- AnyMP4ブルーレイ プレーヤー (公式サイトリンク)
- AnyMP4ブルーレイ ソフトパック (公式サイトリンク)
と、機能・用途に合わせて、さまざまなソフトウェアが販売されています。
『AnyMP4 DVDリッピング』について
当記事で紹介する『AnyMP4 リッピング』は、その名の通りDVDをMP4、MOV、MKV、AVI、WebM、TSといったパソコンデータに変換(リッピング)したり、変換の際に外部の字幕データやオーディオトラックを追加したりといった主要機能のほか、リッピング時に簡易3D対応動画にしたり、画質を補完・強化するVideo Enhancer(ビデオエンハンサー)といった機能も備えています。
またちょっと変わった使い方として、一部を切り取ってアニメーションGIFを制作するといった機能も付いています。
ライセンスについて 無料版と有料版の違い
冒頭に記載したとおり本ソフトには、無料体験版と有料版があります。主な違いは下記の通り。
機能 | 無料試用版 | 1年ライセンス | 永久ライセンス |
---|---|---|---|
リッピング可能時間 | 5分まで | 制限なし | 制限なし |
DVDリッピング可能件数 | 1日5ディスクまで 合計30日間 |
制限なし | 制限なし |
動画メタデータの編集 | 5ファイルまで | 制限なし | 制限なし |
動画データの圧縮 | 5ファイルまで | 制限なし | 制限なし |
GIFアニメ制作機能 | 5ファイルまで | 制限なし | 制限なし |
3D動画制作機能 | 5ファイルまで | 制限なし | 制限なし |
動画編集/ Video Enhancer 機能 |
5ファイルまで | 制限なし | 制限なし |
価格(税別) | 無料 | 3,184円 | 5,024円 |
製品技術仕様
『AnyMP4 DVD リッピング』はその名の通り、DVDからのリッピング、ISO化などに特化したソフトです (Blu-Rayなど他の動画メディアには対応外)。とはいえDVD関連の動画変換においては、概ねほとんどの形式に対応しています。詳細は下記表を確認ください。
対応入力形式 | DVD | DVD ディスク、 DVD フォルダ、 DVD IFO ファイル |
---|---|---|
対応出力形式 | ビデオ |
MPG、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、H.264、H.264/MPEG-4 AVC、DivX、XviD、AVI、FLV、MP4、M4V、MKV、MOV、3GP、3G2、MTV、SWF、WMV、WMV-2、ASF、DPG、TS、DV、VOB、AMV、ProRes Proxy、ProRes LT、ProRes 標準、ProRes HQ、WebM |
オーディオ | FLAC、WAV、WMA、AAC、AC3、AIFF、AMR、AU、MP3、MP2、M4A、MKA、OGG | |
HD ビデオ | TS、HD MP4、HD AVI、HD MOV、HD ASF、HD H.264/MPEG-4 AVC、HD MPEG-4、MPEG-2 HD、HD MKV、HD MPG、HD MPEG-4 TS、MPEG-2 TS HD、HD H.264 TS、DivX HD、XviD HD、YouTube HD、HD FLV、HD WMV、HD VOB、HD WebM |
ダウンロードとインストールの手順
つづいて、無料試用版をダウンロードし、ライセンスの購入、アクティベーションという手順で製品の解説します。AnyMP4 DVD公式ページの『無料体験』ボタンをクリックし、インストーラーをダウンロードします。
※以下、Windows版の画面で解説しますが、基本的にはMac版も同様の手順でインストールできます。
ダウンロードしたファイルを実行すると、インストーラーが起動します。この時、インストール先やアプリケーションの基本設定を変更したい場合は、『カスタマイズ インストール』をクリックし、設定を変更しましょう。
インストール自体は数分で完了します。難しい設定などはありません。
以上でインストールは完了です。
ソフトウェアの起動
インストールが完了し、ソフトウェアを起動すると下記のような画面が表示されます。
無料試用版の機能制限についての一覧表が表示されますので、内容を確認して左下の『無料使用』をクリックすると、試用を開始できます。 まずは試用版で手元のメディアのデータ化を実行してみて、使い方や機能に違和感が無いかなど試しておきましょう。
有料版ライセンスの購入とアクティベート
製品版のライセンスはオンラインで即時に購入とアクティベート(有効化)が可能です。購入手続きは、下記の公式サイトから。
購入画面では、一年版か、ライフタイム(永久有効)版かを選択の上、各種登録情報の入力と支払い方法選択……と、一般的なオンライン決済の手順となります。
※支払い方法は、クレジットカード、PayPal、コンビニエンスストア払い、銀行振込、WebMoneyなどに対応。なお、もし有料版を購入後も30日以内であれば返金を受け付けているようです。
決済が完了すると、ライセンスが発行されるので『AnyMP4 DVD リッピング』起動後の画面右上にある『鍵マーク』をクリックし、ライセンスを登録しましょう。
AnyDVD MP4でのリッピングや編集の手順
続いて『AnyMP4 DVD リッピング』のメイン機能であるDVDリッピング(=DVDから動画データの作成)を行なってみましょう。
全般的な設定の確認
すぐにDVDをPCに挿入してリッピングを始めても良いですが、ここではまず設定画面をみてみましょう。
画面右上のメニューボタン(≡ のような横三本のアイコン)から、環境設定をクリックすると設定画面が表示されます。ここで、動画の出力先指定や、言語設定、字幕設定、リッピング後のタスクなどを設定できます。
特に出力先のディレクトリ設定などは、使いやすいようにあらかじめ設定変更しておいた方がよいでしょう。
DVDを挿入し、データの自動解析
データのバックアップ(リッピング)を行いたいDVDをPCにセットし、『AnyMP4 DVDリッピング』の左上『DVDをロード』から、ドライブを指定すると、メディアの解析が始まります。(なお、ISOファイルを指定する事もできます)
読み込んだデータの各種設定や編集機能
解析が完了すると、画面に情報が読み込まれます。この状態で『音声の設定』や『字幕の有無』、『簡単な動画の編集』『エフェクトの設定』、『リッピング範囲の指定』、そして『メタデータの編集』などを行う事ができます。

※画像中の番号は下記解説に対応
- タイトルリスト:出力するチャプターの選択
- プレビュー再生:読み込んだ動画データのプレビューを行います。
- タイトルの編集:ペンマークをクリックすると動画データのタイトルを編集できる
- オーディオトラック:オーディオトラックが複数ある場合、ここで選択可能
- 字幕選択:DVDに字幕が含まれる場合、ここで字幕の有無を選択する
- 編集機能:書き出す動画の各種設定や、エフェクト、ウォーターマークの付与を設定可能
- カット機能:動画の何分~何分までを書き出す……といった設定が可能
- メタデータの編集:動画タイトルやアーティスト、ジャンルなどメタデータを設定可能
- 出力形式:MP4、MKV、AVIといった動画の変換後データの出力形式を指定できる。チャプター毎の設定の他、画面右上でDVD全体の設定を一括指定も可能
いくつか主要なについて下記で補足解説します。
1.タイトルリスト
タイトルリストと記述がありますが、出力するDVDのチャプターリストです。メディアによってはDVDを読み込んだ際のリストにメイン動画のみや、チャプター1のみ出力されるようです。特典コンテンツやDVD全体を確実に出力したい場合は、一旦ここを確認しすべての動画を選択しておきましょう。
2.プレビュー再生
チャプター毎にプレビュー再生をする機能。チャプターの内容を確認できるほか、エフェクト、カットなど各種編集を行った場合には、それぞれが反映された動画として再生されます。
6.編集機能
チャプター毎に出力される動画データに編集を加える事ができます。 UIはわかりやすいので、動画編集の初心者でも直感的に理解できそうです。
7.動画のカット
チャプター毎にどのシーンを動画データにするかといった設定が可能。時間・分・秒指定の他、シークバー上で出力範囲をドラッグ&ドロップで指定もできるので、感覚的に編集ができます。
8.メタデータの編集
チャプター毎に、出力動画データのスナップショット(サムネイル画像)、ジャンルや、アーティスト、タイトルといったメタデータを編集できます。
ウインドウには、『メディアメタデータエディタ』という舌を噛みそうなタイトルがついています……(笑)。
ちなみにメタデータとは、Windowsであれば動画データを右クリックして[プロパティ]>[詳細(タブ)]と選択して表示される情報。あまり馴染みのない人も多いでしょうが、動画を効率的に管理したいというユーザーにとっては重要な機能です。
9.出力形式
MP4、M4V、MKV、MOV……など、動画の出力形を設定可能です。プリセットの設定の他、各種設定を調整した『カスタムプロファイル』を作成することも出来ます。
よく分からない……という方は、とりあえず左側の一覧から『MP4』を選択し、一番上の『オリジナルを保持』を選択しておくとよいでしょう。
なお、各チャプターの右側でチャプター毎の設定を変更できるほか、画面右上の『出力形式「すべてに適用」』で、一括指定することも可能です。
リッピング開始
各種設定をおこなったら、画面右下にあるオレンジ色のボタン『すべてリッピング』をクリックすると、DVDからデータへの変換が開始します。
なお、このとき、『一つのファイルに結合』にチェックをいれておくと、チャプター別に分割されず、ひとつのデータとして動画出力されます。なお、結合してリッピングする場合にも各チャプター毎に設定した編集は適用されて出力されます。
データは『保存先(リッピングボタンの左側)』で指定したディレクトリに出力されるので、リッピング終了後は念のためデータを再生して内容をチェックしておきましょう。
以上でリッピングはひととおり完了です。
その他の各種ツールについて
『AnyMP4 DVDリッピング』では、上記で解説したリッピング機能の他、いくつかの関連機能が利用できます。画面上部の『ツールボックス』をクリックするとこの機能が表示されます。
- メディアメタデータエディター:リッピング時の機能と同様のメタデータ編集機能
- 動画圧縮:既存の動画データを圧縮する機能。動画保存容量の節約をしたい場合などには有用ですが、大概の場合画質は低下します
- GIF制作:ユニークな機能のひとつ。動画からGIFアニメーションを作成できる機能
- 3D作成:3D非対応の動画を、疑似的に3D表示にする機能。視聴時には3D眼鏡を用意しましょう。
- 動画強化(Video Enhancer=ビデオエンハンサー):動画データをアップスケーリングできる機能。動画・画像の編集機能としては注目されている分野ですが、現時点ではあまり期待しない方がよいかもしれません。なお、この機能単体1,824円(税別)でも購入可能
総合評価
『AnyMP4 DVD リッピング』を使用してみた中で、良い点と悪い点について記載していきます。
良い点
まずリッピングソフトとしては永久ライセンスで5,024円(税別)というのはリーズナブルです。リッピングソフトとして人気のDVDfabであれば『DVD リッピング』機能だけで通常は9,796円(2020年12月現在)なので、価格を重視したい人であればおすすめできます。
リッピング機能は、とてもシンプルで操作しやすいと感じました。スピーディにリッピングができればよいというユーザーにとってはよいソフトだと思います。当記事では細かく設定を解説しましたが、「難しいことはわからない」という人でもインストール後の初期設定のままでそのままリッピングを実行しても相応に満足できると思います。
『高速』をうたっているという事もあり、データの変換スピードがとても早く感じました。PCのスペックにも関係しますが、試しに7GBのISOファイルを無圧縮MPEGに変換してみたところ、1分弱ほどで完了しました。
悪い点
機能面としては、DVDのリッピング時にできる編集機能は便利ですが、この編集設定を保存しておくことはできません。つまり 『DVDを読み込ませて、ソフトウェアが起動している状態ですべての処理を完了』させる必要があるので、日をまたいで編集を細かくしたい……という場合にはこのソフトは向いていません。
また、これは海外製ソフトに多い点なのですが、 『編集』が『編修』になっていたりと、日本語の表現が若干おかしい箇所があります。理解できないほどではないのですが……。
多くのソフトウェアの最新版がオンラインで購入できるようになったのは便利ですが、ローカライズの問題は依然として軽視されがちです。ただ、日本国内に代理店が入り、翻訳やローカライズを行うと価格の高騰や機能制限などが実施される場合もあるので、この点もメリットとデメリットが表裏一体として関連してくる点ではあるのですが。
価格 | ★★★★☆(4.5) リッピングソフトとしてはリーズナブル |
---|---|
便利さ | ★★★(3) 1~2度使えば一連の手順に慣れるか。 |
スピード | ★★★★(4) 体感でリッピング、データ変換が早く感じる。 一度他ソフトとベンチマークテストをしてみたい。 |
インターフェース | ★★☆(2.5) UIがわかり難い。日本語の翻訳が若干変。 今後のアップデートに期待。 |
総合評価 | ★★★★(4) 価格面とスピード感が〇。価格を抑えたリッピング専用ソフトを探しているなら。 |
※当記事の解説画像キャプチャーにあたっては日本国内のDVDを使用していますが、実際にはリッピングまで実行していません。当ソフトウェアの使用にあたっては、日本国内の法規に則って使用してください。
コメント
教えてください。インストールしたままで設定を触らずにMP4にリッピングを
しました。日本のアニメーションです。MP4を再生すると字幕が表示するので
字幕なしにしようと字幕メニューを開くと選択できないように半透明状態です。
オーディオ選択は可能です。音声なし、日本語1(副音声)、日本語2と
選択できましたが、日本語1(副音声)を選択すると字幕が副音声の字幕になる。
日本語2を選択すると通常の日本語字幕になります。上記説明の字幕の有無
の欄の内容が理解できません。この部分は何をというかどれを選択したら字幕の
状態がどのようになるかお分かりでしたら教えてください。
リッピングするときに字幕が動画データと統合されてるんじゃないかな?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13223909458