Adobeが全社で本格的なリモートワーク実施 その施策内容とアンケート結果を公開

Adobeが全社で本格的なリモートワーク実施 その施策とアンケートを公開
Adobeが全社で本格的なリモートワーク実施 その施策とアンケートを公開

執筆: UZUREA News アイコン UZUREA News

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けてリモートワーク(テレワーク)の導入を進めている企業は多くなってきています。 そんな中、PhotoshopやIllustratorなどクリエイター向けソフトウェアを提供するAdobe(アドビシステムズ)が行ったリモートワーク全社導入内容と、そのアンケート調査でテレワークを行う際の課題と解決策を打ち出しています。

実際にテレワークを本格的に導入するに至った世界的企業による実例は、大小問わず多くの企業や人々にとって大いに参考になる内容です。

Adobeのテレワーク 導入実例

​新型コロナウイルの感染抑制を目的に、アドビでは世界全社でテレワークを導入しています。日本国内でも3月後半から全社員がテレワーク対象として進めているそうです。

今回のような大規模なもではなく、以前からテレワーク制度を導入していたAdobeですが、全社員がほぼ毎日のようにテレワークとなってから判明した課題や発見をこれからテレワークを行う方々や企業にとっての参考に……と事例を公開しています。

テレワーク成功の鍵は『紙書類のデータ化』

アドビがテレワーク導入企業に勤務するビジネスパーソン500名を対象に行ったアンケート調査では、出社時間が減ったことなどで生産性が上がったと感じている人は8割以上いた一方で、6割以上の方が紙書類の確認などでやむなく出社したと回答するなど、業務を推進する上での課題が浮き彫りとなっています。

テレワーク勤務で出社の必要があった社員の割合 円グラフ
60%以上がやむなく出社したことがあると回答

ペーパーレス化が進まない要因として最も多かったのが『紙や判子文化が根強く残っている(63.2%)』でした。

ペーパーレス化が進まない要因 棒グラフ

アドビでは契約書の決済には電子サインサービスAdobe Signを活用しているため、ペーパーレスでの仕事には慣れている社員が比較的多いそうですが、未だに残っている紙の書類でしか解決できないプロセスを全社的に見直すことが今後ますます重要となる、と考察しています。

また、社員や経営者のITリテラシーについてもペーパーレス化を促進するための鍵となっているようです。今後はテレワークの必要性と将来性を見据えてIT機器に対する知識を教育する場を持つとよいのではないでしょうか。

また、ペーパーレス化はテレワークへの有用性だけでなく、情報の検索がスムーズになり効率的に働けることや、印刷代や人件費などの数値化しづらいコストを削減することもできると報告しています。

紙の書類をデータ化するためには、アドビの無料アプリAdobe Scanなどを活用するのもおすすめです。

アンケートなどの詳細はアドビ「テレワーク勤務のメリットや課題に関する調査結果」を発表をご覧ください。

テレワーク初期経費250ドルを全社員に一律支給

テレワークは『ノートパソコン一つあればすぐにできる』と思われがちですが、自宅の環境はオフィス環境とは大きく変わります。 通信環境の準備からモニターディスプレイの設置など、効率的な環境を自宅で用意するには意外とお金がかかります。

そこでアドビでは、テレワークへの準備を円滑に進めてもらえるように契約社員を含む全従業員に一律250ドル分を支給。実際にどんなものを購入したいかを日本オフィスの社員にアンケートを行ったところ、最も多かったのがモニターディスプレイ、次いでキーボードやマウスなどのPC関連の備品が続きました。

また意外にも多かったのが椅子の購入です。自宅の椅子がオフィスチェアではないため、長時間座ることで腰を痛めてしまう方も少なくないようです。

社員が給付金で購入したもの

社長主催のバーチャル乾杯に200名の社員が参加

テレワークで働く際に課題となるのが社員間のコミュニケーションです。実際にアドビが行ったアンケート調査でも、テレワーク上の心理的・身体的課題の第一位が『同僚とのコミュニケーションが減る(38.4%)』という結果でした。

テレワークを実施して感じた課題

Web会議を使ってオンライン飲み会を実施する企業も増えてきており、アンケートではすでにオンライン飲み会を実施したことがあるという方も31.4%に上りました。

こうした中、アドビジャパンでは、マクリディ社長自ら『バーチャル乾杯』を主催。第一回目となった3月27日(金)には、約200名の社員が各自ドリンクを片手にオンラインで参加。

「大変な時だけどみんなで頑張りましょう」と乾杯し、リーダーシップチームが昇降式のデスクを導入して腰が痛くなくなったといったテレワークのTIPSや子供がビデオ会議に乱入してきた……など、テレワークの面白エピソードを共有しました。

アドビ バーチャル乾杯の様子

こうした社員間でのコミュニケーションを途絶えさせないことがテレワークにおける社員のモチベーションの維持やリフレッシュによる仕事の効率化につながるのでしょう。

お菓子を囲んでコーヒーミーティング『Coffee Bash』を実施

日本のマーケティングチームでは、コーヒーやお菓子を持ち寄った『Coffee Bash』も実施しました。3月31日に開かれたCoffee Bashには自宅から約40名の社員が参加。 各自2千円までを上限に購入したお菓子を紹介し合いながらテレワークの様子やプライベートの近況報告を行いました。

チームごとに登場した社員の発言機会に対し、ビデオ会議のコメント欄にはコメントが多数書き込まれ、参加した社員からは「お互いの家の様子が見えたりして、ほっこりした雰囲気になった」「普段の会議ではない業務以外の雑談が気分転換になった」という声も上がったそうです。

ヘルスキーパーからのセルフストレッチ紹介や、メンタルケアをSNSで導入

アドビでは福利厚生の一環として、3人のヘルスキーパーがPITと呼ばれるヘルスケアルームで社員にマッサージや鍼のサービスを提供しているそうです。 オフィスが閉鎖されて以降、PITも継続不可能の状態に。そこで、ヘルスキーパーは、テレワークが続く社員の体の不調や運動不足解消のため、『HealthCare通信』と題し社員向けのFacebook Groupにて、自宅でできるセルフストレッチやボクササイズのやり方を動画で投稿しています。

また、『Virtual PIT』としてメールやビデオ会議経由で、PC作業が多く目が疲れた、動かなく首肩が固まってしまった、座りっぱなしで腰が痛い、足がむくむ、食事のバランスが崩れた、お酒の量が増えた、会話がなく気分が滅入ってるといった社員からの健康相談も受け付ける予定だそうです。

ヘルスキーパーからのセルフストレッチ紹介
ヘルスキーパーによるセルフストレッチ紹介

アドビのベネフィットプログラムのひとつであるEmployee Assistance Programs (EAP)の協力のもと人事部がメンタル面をケアするために行ったオンラインセッション『未知の事象に対処する方法 ~コロナウイルス問題に際して~』にも多くの参加があり、「気分が落ち込むことがあったが、自分だけではないのだと安心した。気持ちの持ち直し方がわかってよかった」等の感想が寄せられました。

まとめ 『生産性が高く効率的なテレワークを継続的に続けていくには』

生産性が高く効率的なテレワークを継続的に続けていくには、

  • テレワーク導入コストを会社がある程度負担すること(従業員に一方的に負担させない)
  • リーダー自らが率先してオンライン会議などITツールを活用し、チーム間のコミュニケーションを途絶えさせないこと
  • 署名捺印や紙の書類の処理など、出社しなくては解決できないようなワークフローはペーパーレス化で減らしていく
  • 従業員の肉体的・精神的ケアを怠らないこと(体調管理を従業員だけに強いない)

などが重要となるでしょう。

新型コロナウイルスは先が見えず、不慣れなテレワークを続けることで不安を感じる方も少なくありません。社会全体がテレワークやリモートワークへの取り組みをより前向きに捉えることでより働きやすい環境が整っていくでしょう。 ITへの知識を深めたり、自分の時間管理を徹底するなど、外出が厳しいこの時期だからこそできることを行い、みんなで乗り越えましょう!

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