2019年9月8日の日曜日に新木場STUDIO COASTで行われたパンクロックフェス『PUNK LIVES! (パンクライブス) 2019』に遊びに行ってきましたので、今回はその私的レポートを掲載いたします。
僕が観たライブと、会場という視点の日記的記事ではありますが、いちパンクスのリアル感を優先してこのような形での記述であることをご了承ください。
※レポートには、一部Twitterの埋め込み機能による、SNS投稿を引用させていただいております。
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2019年『PUNK LIVES!』(夕方から参加)レポート
『PUNK LIVES!(パンク リヴス)』は2009年に第1回を行った、パンクに焦点をあてたロックイベントで、国内のアンダーグラウンドなパンクバンドが多数参加する貴重なイベントです。 2018年は8月に川崎のクラブチッタで。12月に大阪十三 GABUで開催されていました。
今年は10周年ということもあって、新木場STUDIO COAST(外部リンク)という超大箱で、イギリスからGBHとCOCKNEY REJECTSを招聘しての豪華な開催。
日本国内のバンドも含めて約30ものパンクバンドが出演し、会場は国内屈指の大箱で、チケット代は5,800円+Drink。はっきり言って、安い!! この価格設定は、海外のパンクフェス(例えばUKのレベリオン)などと同じで、パンクス(※)によってこのイベントが運営されているから、というのもあると思います。
(※日本のストリートパンク/Oi!バンド、ANGER FLARESのVoでもあるYUICHI氏が主宰)
今回の『PUNK LIVES! 2019』は、2019年9月8日午前11時から始まっておりましたが、筆者が現地に到着したのが16時。大トリのGBHが終わるのが21時過ぎという事もあり、体力温存せねばならず、遅めの参加となりました。

同公式サイトより引用
新木場STUDIO COASTへの道中にて
片道、約二時間の往路、先に会場入りしているuzurea.netの編集M氏から『会場はどこもパンクスだらけです!』と会場の雰囲気の写真が送られて来ましてテンションマックス。同氏は昨晩オールナイトの予定があったはず。また随分と頑張ってるようです。
……いざ新木場駅に到着したらポケットに二千円しかありません。慌ててATMを探してお金を下ろしました。二千円では現地でのビール代が全然足りませんからね。
新木場の駅を降りて会場に向かう途中も沢山のパンクスでいっぱいで、懐かしい気持ちになります。 30年位前、川崎のクラブチッタでパンクバンドのライブがある時は、川崎駅から結構パンクスの姿を見かけたもので、その頃の光景が久しぶりにダブりました。
みな思い思いに好きなバンドのTシャツを着ています。僕はフェイバリット・バンドの一つでもあるCOCKNEY REJECTSのTシャツにアディダス・スニーカーで真夏のお台場をSTUDIO COASTに向かって歩きました。
余談ですが、本場イギリスパンクスは、ドクター・マーチンのブーツよりも、アディダス・スニーカーを履く時代になっている、とのこと。
PUNK LIVES! 会場へ到着。 FUNGUS、THE STAR CLUB、 BRAHMAN
僕が会場に着いたのは午後16時くらい。編集Mと落ち合う……のは、まあどうにかなるだろうと、早速ビールを購入。
入場口の先、BARカウンターの奥にあるラウンジ『NO FUTURE STAGE』では、『FUNGUS』がライブをやっていました。スリーコードのストリートパンク!
来年(2020年)3月に開催される、BOOZE & GLORY(from UK)と彼らのJAPANツアーも楽しみで仕方ありません。
その後にメインステージ『RIOT STAGE』で演奏をしていたのは『THE STAR CLUB』! 高校時代聞きまくっていたバンドです。まさかSTUDIO COASTでスタークラブを見ることになるとは。
思えば僕がageha(=STUDIO COASTの夜の部、クラブタイムの会場名)で見たのは、15年位前のサイケデリック・トランスパーティでのHallucinogen(サイモン・ポストフォード)。 高校生の頃に聴いたスタークラブ、そして15年前のageha、そして2019年のステージにHIKAGEが立っている……すでに訳が分からなくてぶっ飛ばされました。
ここで編集Mと合流。THE STAR CLUBをお互い別の場所で堪能していたようでした。彼とはその後もなんとなく合流と離散(はぐれる)を繰り返します。
そうそう、この『PUNK LIVES! 2019』は前売券ソールドアウトという事もあって、会場は超満員だったのでした。
SNSでたまたま知り合った愛知から参加のT氏と、リアルで初めて会い、FUNGUSの鎌坂さんを交えて外で3人で雑談。片手にビールを持って、とりとめのない話。
フェスではこういうのも物凄く楽しく感じられるわけです。
そのうち、メインステージ会場内ではお馴染み、『BRAHMAN』が始まりました。激しいハードコアパンクで、超満員のメイン会場は大盛り上りでした。
COCKNEY REJECTSのステージ!
その後、3つのステージを行き来し、19:00からは、いよいよメインステージで『COCKNEY REJECTS (コックニー・リジェクツ)』が登場!
2018年1月にも来日し新宿ロフトで激しいステージを見せてくれましたが、今回はさらに大箱。彼らの結成40年というキャリアとワールドツアーの経験、実績からいって、箱の大きさは関係ないでしょう。
2018年は8年ぶりの来日時はすこしぎこちなさも感じましたが、今回の『PUNK LIVES!』でのステージはとてもリラックスした様子に見えました。『日本が大好きだ』とはボーカルのジェフ・スティンキー・ターナーのMC。
UKのサッカーチーム『WEST HAM UNITED』のフーリガン出身でもあるCOCKNEY REJECTSのライブだけあって、チームの旗を持っているファンもいて、メンバーはますます上機嫌にみえます。終始フルパワーのライブ!
ロリータ18号、ニューロティカ、ラフィン・ノーズ
全く同じ時間に『NO FUTURE STAGE』ではロリータ18号もライブをしていました。
『え、みんなCOCKNEY REJECTS見に行かなくていいの?』というマサヨさんの爆笑MCが炸裂していました。マサヨさんには20年以上前にパンクのイロハを教えてもらいました。もし会えたらご挨拶がしたかったのですが、人が多すぎて断念しました。
その後もベテラン勢の出演が続きます。メインステージの横に作られた『CHAOS STAGE』では『ニューロティカ』。
ボーカルのアツシさんは55歳とは思えないようなエネルギッシュなステージを展開してくれました。ファンの密度、ステージの熱気、一つのロックンロールの完成型を見たような気がしました。
過去の仕事で、アツシさんの対談取材の席に同席させていただいた事があったのですが、出席者やスタッフを楽しませるためにベロベロになるまで酒を飲んで、ロックンローラーの心意気やパフォーマンスを披露をして頂いただきました。まさに『ファンを楽しませるプロ』、それ以来ずっと尊敬しています。
夜20:00も過ぎる頃には、関東地方には大型の台風が接近していて(後に千葉県が大停電になりました)、次第に会場の雰囲気もそわそわしてきました。台風が近づくときの興奮と相まって独特の雰囲気が会場を包んでいたように思えます。
そんな中、メインステージでは『Laughin’Nose(ラフィン・ノーズ)』が開始。僕が物心ついた小学生の頃には既にトップバンドとして活躍していた彼ら。これまた今になって素晴らしいステージを見られるとは……感無量。PONがベースを縦にして弾く姿とか、『これが見たかった〜』という感想しかありません。ラストの曲『Get The Glory』は会場大合唱。最高でした。
いよいよ終盤! ANGER FLARES
いよいよ残りはあと2バンド。
『PUNK LIVES!』を10年に渡って主催してきたYUICHI氏がボーカルを務める『ANGER FLARES』のステージ。
『SHAM69スタイル』とも言えるOiパンク/ストリート・パンクの新しい形を追求しているANGER FLARES。7月のワンマンライブも見ましたが、その後……8月のUKツアー8連チャンライブを経て凱旋した彼らは、たった2ヶ月の間にひと回りもふた周りも大きくなって帰って来たような。実に堂々たるステージでした。
演奏中のステージには、『PUNK LIVES!』を盛り上げてきた他のバンドの出演者達も登場し『お祭りがもう少しで終わる! この後のラストGBHにつなぐ!』という空気をひしひしと感じます。
正直、無茶苦茶楽しかったという感想しかありません。ラストはなんと『COBRA』のカバー『Sing Along Together』!!
色々な意味での「ありえね〜!!!」サプライズに感動しながら音の洪水に身を任せました。
※編集注: ANGER FLARESのVoであり、PUNK LIVES!の主催者 YUICHI氏は2007年-2013年の間、COBRAにベースとして参加していまいた。現在COBRAは活動を停止しています。
そしてラスト! 大トリは偉大なパンクバンド、イギリスから『GBH』
実は僕は、生のGBHを観るのはこの日が初めてでした。
ボーカルのコリン! ギターのジョック! 雑誌の写真や、ビデオで見かける彼らの姿が目の前に。これぞGBH!
結成から現在まで、止まる事なく活動を続けるGBHには、アメリカのパンクバンドRANCIDのティムアームストロングも最大級のリスペクトを送っています。まさにハードコア・パンクの権化。
台風がどんどん近づき、僕自身帰宅出来るか分かりませんでしたが、そんなことは関係なくぎりぎりまでGBHを楽しみました。
まとめ
イベント中に気づいた事としては、パンクス達が(僕を含めて)高齢化している点でしょうか。パンクが1976年頃からはじまり、きっと一緒にウン十年と年を取って来たのだと思います。若いパンクスももちろん居たのですが、僕の目には中年パンクス達の熱気と人口にかき消されていたのかも知れません。
思えば1990年、僕は16歳の時にRAMONES JAPAN TOURの追加公演チケットをギリギリ買えたのがパンク・ロックライフの始まりだったと思います。
あれから約30年、こういった形でまたパンク・ロックと接点を持つことになるとは。もちろん当時は何も考えていませんでしたが、今もパンク・ロックで楽しめている僕は、とてもラッキーなのだと思います。
(文・流石の三太郎)