その日にiTunesに保存してある楽曲をランダム再生して、最初にかかったトラックとアルバムをレビューしていこうという、当企画。 あまり思い入れのないアーティストの場合もありますが、ご愛敬という事で。 記念すべき1枚目は……
Morning Dove White (One Dove)
あ、少し語れるアルバムで良かった。
ドット・アリソンが所属していたOne Dove(ワン・ダヴ) ……ひとつのハトなんて名前のこのバンドは、アルバムはこれ1枚しか出していなかったはず。
楽曲はいかにもイギリスっぽい感じのエレクトリック&オールドポップスなトラックに、ボーカルドット・アリソン(Dot Allison)のけだるいボーカルが乗っかるお洒落な曲達。 ダブとか、トリップ・ポップ系というと伝わりやすいでしょうか。 いまWikipediaで調べてみたところ、スコットランド出身なんですね、なるほど。
知らない方は、オフィシャルのMVがYoutubeに上っているので、見ていただくと分かりやすいでしょう。
サムネイルの真ん中に居る女性がドット・アリソン。 1969年生まれらしいので、このアルバムが出た頃は24歳。
彼女を知ったのは、MassiveAttackのライブを 2003年のフジロックで見たとき。 ライブではいろんなゲストを呼ぶMassiveAttackですが、この時のフジでの女性ボーカル曲の半分位はドットアリソンが担当していた(ハズ)。 前述のMVとは変わって、フジロックのステージでの彼女はショートカットでメチャクチャ可憐な雰囲気で登場した。
One Doveの『イケてる感じの男を両脇に率いてる神経質そうな女の子』って図柄は高嶺の花感がすごい。 遥か上位のヒエラルキー感。
当時、ロックしか聞いてこなかった僕は、クラブミュージックや、エレクトリックなニュアンスのあるシーンや音楽にやや劣等感を感じてたように思う。 そして当時の僕は、こんなお姫様とその従者達みたいな(失礼)メンバー構成を見て「どうせメンバー内でドロドロしてるんだろ! ケッ! うらやましいな! 」みたいな勝手な妄想する根暗な若者だった。 あ、いや、僕の事はどうでも良いか。
まあ、悔しいけどお洒落でカッコいいUKの音楽! って感じで受け入れ、楽しんでいたと思う。
今あらためて調べてみると、彼らは1991年にシングル『Fallen』のリリースでデビュー。 その後、1992年に『Transient Truth』、1993年に『White Love』、『Breakdown』、『Why Don’t You Take Me』とシングルを立て続けに発売し、さらに同年(1993年)にアルバム『Morning Dove White』(朝のハトな白?)も発売している。
全体として、ファーストアルバムとは思えないほど、音楽的に完成していると思うのだけど、これはドット・アリソンの才能なのか、他の二人のメンバーが凄いのか……いや3人の才能に依る所か。
イギリスの寒い朝、コートの襟に顔をうずめて白い息を吐き出しながら、こんな曲達を聞きながら仕事に向かう……そんな映像を想像して、お洒落だな~なんて感じる。
このWhite LoveのMVでは随分濃いメイクのDot Allison
当時のイギリスでは、少し先だって活躍していた、同構成(女性Voと二人の男性による)ユニット『Saint Etienne (セイント・エティエンヌ)』と共に、ポジティブに受け入れられていたようです。
当時のUKクラブ&ロックシーンでこういったジャンル、ユニット構成が注目されていたのかな。 ちなみにSaint Etienneは、いまも当時のメンバーのまま活躍を続けて、良質なレトロポップ&HOUSEなトラックをリリースしている(公式webサイト)。
話はOne Doveに戻って、彼女たちはその後、メンバーに2人を追加し5人体制になり、セカンドアルバムの制作中にUK音楽業界のごたごたに呑まれ、空中分解してしまった。 そういった意味では、音楽市場に踊らされた不運なユニットなのかもしれない。
その後、ドット・アリソンはソロで活動し、MassiveAttackでもゲストボーカルとして参加。 個人的には↓の動画のサムネイルになっている頃のショートカットの彼女が最高にツボ。 フジロックで見た頃もこんな佇まいだった。 カワイイ。
そうそう、MassiveAttackより少し前には、やはり一時期一世を風靡したDeath in Vegasともコラボレーションしていた。 このライブ動画は2000年のものだそう。
どう? めちゃくちゃかわいいでしょ? (なぜか自慢げ)
ル~ルル~……レレ~レ~♪ しか言ってないけど、向かって右側の髪がちょっと寝癖みたいいなってるのが可愛い。 後ろのメンバー達が激しく演奏してるのに、淡々とル~レレ~♫とか言ってる所が実に可愛い。
ゲストボーカルはもちろん、今なおソロでも活躍し続ける彼女の才能は本物だと思う。 One Doveのころから一貫して、彼女の透明感があって伸びまくる歌声は素晴らしい。 腹の底から声を出して歌い上げるようなタイプじゃないけど、こういうのも歌のひとつの形だと思う。
容姿だけじゃなく……むしろ音楽の方の才能が凄いんだと思うけど、その後もアーティストとして活躍している彼女は、2019年現在50歳だそう。 うーんそりゃ僕も年取わけだ。
ぜんぜん余談だけど、ディスク情報を確認しようと、Amazonでこのアルバムを検索したところ……
2005年に購入したという情報が表示されました。 しかもホワイトデーに何をやっていたんだ、当時の自分……きっと暇だったんだろうな。 まさか14年前の購入情報を突き付けられるとは。 そして、14年前に買ったアルバムを、こんな形で紹介する機会がくるとは。 うーん。
Morning Dove White トラックリスト
- Fallen
- White Love (Guitar Paradise Mix)
- Breakdown (Cellophane Boat Mix)
- There Goes the Cure
- Sirens
- My Friend
- Transient Truth
- Why Don’t You Take Me
- White Love (Piano Reprise)
- White Love (Radio Mix)
- Breakdown (Radio Mix)
個人的には4曲目『There Goes the Cure』が一番好き、疲れ果てたときに聴くといい感じにChillできる曲。 シングルカット曲でもあり、MVも埋め込んだのWhite Love(2曲目)、Breakdown(3曲目)も聞いて損なし、ですよ。