吸血鬼(ヴァンパイア)が登場する作品 15選 時に優雅、時に残酷な存在達
吸血鬼(ヴァンパイア)が登場する作品 15選 時に優雅、時に残酷な存在達

吸血鬼(ヴァンパイア)が登場する漫画&アニメ15選 時に優雅、時に残酷な存在達 おすすめ作品

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吸血鬼=ヴァンパイアは、ブラムストーカーの小説『ドラキュラ』をはじめ、世界各国の民間伝承に登場するモンスターです。そしてそれは漫画の世界でも例外ではなく、吸血鬼が登場する漫画は多数描かれてきました。

そこで当記事では、そんな吸血鬼が重要な存在として登場・活躍する作品を紹介しましょう。漫画作品を中心に紹介していますが、一部アニメシリーズやアニメ映画にも触れています。

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吸血鬼(ヴァンパイア)が登場する作品 15選

大人気漫画の原点 『ジョジョの奇妙な冒険(第一部 ファントムブラッド)』

いまや大作シリーズとなった『ジョジョの奇妙な冒険』は、イギリスの貴族『ジョースター家』の血を引く者達の数奇な運命を描いた作品。2023年には第9部が連載開始するほどの長命作品。そこに繋がる物語の起りとなる事件とその顛末を描いたのがこの第1部であり、後年ファントムブラッドと呼ばれるようになったストーリー。

主人公は名門貴族ジョージ・ジョースター卿の息子であるジョナサン・ジョースター(JOJO)。当初未熟だったジョナサンですが、成長と共にたくましく賢くなっていきます。一方、ジョースター家に養子として育てられる事になったディオ・ブランドー(DIO)は同家の乗っ取りを企んでいましたが、ジョナサンに見破られてしまいます。追い詰められたディオはジョナサンが研究していた『アステカの石仮面』を使い自ら吸血鬼となりました。

異能力者バトル漫画として確立した本作の原型は、そんな吸血鬼の恐ろしさを描いたゴシックホラーでした。

離島に隠された恐ろしい秘密 『彼岸島』

主人公の宮本明(みやもと あきら)は兄である宮本篤(みやもと あつし)が行方不明という点を除けばごく平凡に育った若者。そんな明は青山冷という女性と知り合い、同時期に吸血鬼と遭遇。これをどうにか撃退した明達に対し、冷は吸血鬼に支配されている故郷『彼岸島』を救ってほしいと語ります。そしてそこでは、兄である篤が行方をくらました本当の理由をも知る事になるのですが……。

インターネットでミームとして有名になった『丸太は持ったな!』を知る人も多いのではないでしょうか。そんな本作の本質は生理的嫌悪感を感じさせる吸血鬼や邪鬼(オニ)などが登場する、ホラー的な魅力と離島でのサバイバルアクションが共存した作品です。

シリーズは『彼岸島』コミックス33巻分に続き、『彼岸島 最後の47日間』が全16巻、そして『彼岸島 48日後… 』が全38巻、合計で87巻。累計発行部数1000万部を突破しています。

ヴァンパイアを退治するものはヴァンパイア 『HELLSING(ヘルシング)』

吸血鬼がはびこる英国が舞台。吸血鬼事件にあたる専門家『ヘルシング機関』の若き当主インテグラ・ヘルシングと、彼女に雇われている吸血鬼退治の専門家アーカードの物語。とてつもない戦闘力で吸血鬼を退治してゆくアーカードですが、ところがその正体もインテグラと主従関係となった吸血鬼なのです。

『ヘルシング』というタイトルと名称は、ブラム・ストーカーによる小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する吸血鬼退治の専門家であるヴァン・ヘルシング教授から取られているのでしょう。全体を通してミリタリーアクション風味が強い作品。

そんな本作は、2001年にはアニメ化されましたが、原作と設定が違う点などからその評価は人によって大きく分かれるようです。迫力のあるガンアクションを堪能できます。2006年には、より原作に準じたHELLSING OVAも作られました。

敵と味方に分かれた二人の幼馴染 『終わりのセラフ』

吸血鬼に支配された街で、彼らに飼われるかのごとく暮らしている二人の子ども、百夜優一郎(ひゃくや ゆういちろう)と百夜ミカエラ(ひゃくや みかえら)。苗字こそ同じです百夜孤児院で育った間柄で血縁関係はありませんが、ふたりはお互いを信頼しています。

孤児院を脱出しようと計画する優一郎とミカエラですが……順調に思われた計画は吸血鬼の罠でした。ミカエラの手助けにより唯一生き延びた優一郎は、人類側の軍隊『日本帝鬼軍』に助けられ、後に入隊。そしてミカエラは吸血鬼となり生きながらえていました。

家族のように育った優一郎とミカエラは、奇しくも敵と味方という立場に。この二人の物語はいかなる形で交わり、どんなドラマを展開するのでしょうか。当記事掲載時点ではジャンプスクエアにて連載中の作品。アニメ化もしています。

一人の男と、吸血鬼少女の穏やかな暮らし 『BLOOD ALONE』

主人公は、探偵にして小説家 黒瀬クロエ(くろせ くろえ)。彼は、湊ミサキ(みなと みさき)という少女と暮らしています。ミサキは吸血鬼、そしてクロエはかつて吸血鬼を狩る狩猟者でした。

BLOOD ALONEは作中での説明が最小限にとどめられています。クロエとミサキが何者なのか、いかなる関係なのかといった点は序盤では語られず、読者はこの不思議な世界を読み進める事で少しづつ知る事になります。

序盤では映画『レオン』のレオンとマチルダのごとく、クロエとミサキの好ましい関係が描かれていますが、後半になるにしたがってクロエが吸血鬼狩猟者となった経緯や、ミサキが吸血鬼となってしまった理由が語られていきます。そして少しづつ本作がホラーファンタジー的な作品であることに気づく事でしょう。

バイト先の先輩は吸血鬼でした 『あの人は血を求めてしまう』

夜な夜な貧血症状の自殺者が発生している街、〇×県安楽町。そんな街に引っ越してきた若者星川は、アルバイト先で羽田という青年と知り合います。

星川はふとしたきっかけで羽田と仲良くなりますが、彼の正体が吸血鬼である事も知ってしまいます。血を吸うために、インターネットで自殺志願者を探し血を吸っていた羽田ですが……。

当サイト(uzurea.net)でも執筆をしている浦部はいむ氏が2019年からComic MeDu(コミックめず)で連載開始した作品。全編ホラータッチですが、心優しい若者でありながら吸血鬼となってしまった羽田と、いじめられっ子だった星川の友情を描いた作品でもあります。怖いのにどこか哀しくて、優しい気持ちになれる物語。

吸血鬼達が開いた豪華客船パーティ 『血海のノア』

とある豪華客船に、多くの人たちが集められていました。父親とともに乗船したあかりゆずるの姉弟や、大学生のカケルコイケトマウシロ達。彼らはいずれも偶然チケットが手に入り、この豪華客船に『招客』乗船する事ができた一般人。しかし招待客だけはなぜか血液型ごとに色の違うリストバンドをつけられていて……。

夜に行われる残酷なショー、少しづつ消えていく招待客たちなど、船の中では明らかな異変が起きていきます。客船内で起こる惨状を群像劇風に描いた作品で、その残酷ながら幻想的な画風も魅力です。物語に仕掛けられた多くの謎。そして客船をさまよう不思議な少女ノアの正体とは?

未知なる敵に挑む老戦士 『銀狼ブラッドボーン』

サンサロド市と言う町で、人が骨だけ抜き取られて殺されるという陰惨な事件が起きました。『骨抜き事件』と名付けられたこの事件は、人間の仕業ではないと判断され、その解決が一人の男に託されます……、齢70歳の老人ながら吸血鬼退治の専門家ハンス・ヴァ―ピットその人に。

過去に吸血鬼との戦争が起きている世界を舞台に、凄腕の老戦士が再び戦いの場に駆り出されます。そんな彼と退治するのは、骨抜き事件の真犯人であり骨を食らう不気味な怪物たちを操るグリム。そして蘇ったかつての敵、吸血鬼の王ファウスト。渋みがあり、衰えつつも強い老人が主人公の作品。ハンスが仇敵といかなる関わりをしていくのか、そしてグリムの正体は。

吸血鬼たちに支配される限界集落 『屍鬼』

未だに土葬の習慣のある限界集落『外場村』。そこには、似つかわしくない巨大な洋館が建てられています。

原因もわからずに、次々と死んでいく人達。村の医師である尾崎は、原因の究明に乗り出しましたが、遺体には虫刺されのような傷があるということ以外に手がかりはありませんでした。次第に埋葬された死体が動き出し、村をさまようになりますが……。

原作は小野不由美氏が手掛けたホラー小説。漫画を担当するのは『封神演義』のヒットで有名な藤崎竜氏です。突き放したような視点で描写された群像劇風の物語。真綿でしめられるようなジワジワとした恐怖感を楽しめる事でしょう。

異質な吸血鬼(?)漫画 『血潜り林檎と金魚鉢男』

男子高校生の葉山昊介(はやま こうすけ)。彼の妹は、ある日『頭が金魚鉢になっている謎の怪人=金魚鉢男』に血を吸われ金魚にされ、自身も襲われる事になりますが、スクール水着の少女林檎によって助けられます。林檎は金魚鉢男に襲われた人を助ける『血潜り』とよばれる存在なのですが……。

作者の阿部洋一氏は、『バニラスパイダー』や『少女奇談まこら』など、独特な世界観の漫画を描いており、本作でもユニークで荒唐無稽な設定と展開が繰り広げられます。過去に類を見ない斬新な吸血鬼を描いた本作の結末やいかに。

生まれてきた子供の正体は? 『血太郎奇談』

『異悦録 水木しげるの世界』に収録されている短編漫画。とある家庭に生まれた赤ん坊は五歳になるまで何も口を開かず、最初に口に出したのは「死」ということば。そして成長すると共に、少しづつ残酷なことに興味をしめしはじめます。

画像 筆者所持
『畏悦録 水木しげるの世界』書籍より『血太郎奇談』
画像 筆者所持
『畏悦録 水木しげるの世界』書籍より『血太郎奇談』

小学校に入る頃には『吸血鬼ドラキュラ』の存在を知り、その小説を丸暗記する程に執着。動物園で吸血コウモリを見かけると、ついには深夜に忍び込み……。水木しげるの怪奇性・ニヒリズムが浮き出た作品。主人公の少年が最後に何をしようとしているのかは、ぜひ本編で見届けてください。

作中映画は現実か、妄想か…… 『さよなら絵理』

病床の母親を撮影した映画を文化祭で上映する少年。しかしそのクライマックスで、病院を爆破する映像とした事で、周囲に強い非難を浴びる事に。

意気消沈する少年の前に現れた少女『絵理』。映画に感銘を受けた絵梨は少年に再び映画を撮らせようとし、応えるおうに絵理を吸血鬼の少女として映画を撮ることにする少年ですが……。

チェンソーマン』の藤本タツキ氏が描いた本作。主人公が撮影しているスマホを主観としている点は映画『クロニクル』を彷彿とさせます。本作は読み進めると、次第に虚実がわからなくなっていくような仕掛けになっています。絵理の正体は本当に吸血鬼なのか? それとも主人公の創作、妄想なのか?

夜に誘われて散策する 吸血鬼との不思議な世界 『よふかしのうた』

中学二年生の少年夜守コウ(やもり こう)。 自分に告白してきた女の子を振ってしまったことから、人間関係が面倒になり不登校に。眠れぬ夜に街に出かけると、少女七草ナズナ(ななくさ ナズナ)と出会います。コウを煙に巻くように振る舞う彼女の正体は、吸血鬼でした。

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よふかしのうた(1)
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よふかしのうた(1)

『だがしかし』もヒットしたコトヤマ氏による漫画作品。アニメ化もしました。思春期特有の複雑な内面を宿したコウと、吸血鬼という非日常の存在であるナズナによる少し不思議な物語。一歩踏み出すだけで、わずらわしい日常から逃れられる気がする。そんな夜の魅力を描いています。

死が見える少年と吸血鬼の戦い 『真月譚 月姫

幼少時の事故により、人や物を壊せる『線』が見えてしまう『直死の魔眼』を持つことになった遠野志貴(とおの しき)。ある事件により吸血鬼アルクェイドと出会った志貴は、彼女とその運命に導かれるように過酷な戦いへと巻き込まれていきます。

ビッグコンテンツとなった『Fate/stay night』を世に出したTYPE-MOONが、その以前にリリースし人気を集めたゲーム『月姫』が原作。その後アニメ、漫画など多くのメディアへと展開していきました。

物語が進むにつれ、志貴の正体や、遠野家の忌まわしい秘密などについても語られるようになってきます。志貴とアルクェイドの関係がどうなっていくのかも気になるところ。

日本刀で吸血鬼を切り殺すセーラー服の少女
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』

舞台はベトナム戦争中。日本の米軍駐留横須賀基地内の高校に転入してきたセーラー服の少女『小夜(さや)』は、ある日保健室で休んでいる少女を突然刀で斬り殺します。息絶えた、少女だったモノは『翼手』と呼ばれる怪物の姿になっていました……。

48分の短編アニメ映画作品で、その内容も解説の少なくやや難解。ダークな雰囲気とミステリアスな内容ながら、高い完成度で多くの評価とファンを獲得しました。

作品公開の後日、ストーリーを一新させ、テレビアニメ、漫画、小説、実写映画にまで発展してゆきます。また、小夜の正体などすべての謎は、押井守の小説版『獣たちの夜』で明かされています。興味のある方は、関連作品もあわせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

ドラキュラ伯爵を代表とする『吸血鬼』は、あらゆるジャンルの作品で扱われるテーマであり怪物です。突然変異してしまった哀れな人間のような存在の事もありますが、紳士的で理性的であったり、モンスターの王のような地位であったりという事も。

そこに共通しているのは『人の血を吸う』という禁忌的な行動と、それゆえに私達をドキドキさせる存在感。いまやホラー作品には欠かせない存在と言えるかもしれません。

吸血鬼(ヴァンパイア)が登場する作品 15選 時に優雅、時に残酷な存在達

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蔵無

漫画考察者、ライター。80年生まれ、90年代育ち。尊敬している漫画家は水木しげる、荒木飛呂彦。好きな作家は江戸川乱歩。

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