KTC『M27P6』 27インチ・モニターレビュー 4K・160Hz/FHD・320Hz切替可能 Mini LEDモデル【製品提供記事】

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PC用ディスプレイモニターを販売するKTC(Key To Combat)より、量子ドットMini LEDゲーミングモニター『M27P6』をご提供いただきましたので、実際に数日間使用しスペック・使用感・発色をレビューします。

27インチの4K(3840×2160)パネルに、1152分割のMini LEDバックライトDisplayHDR 1400を搭載。さらに4K/160HzとフルHD/320Hzを切り替えられる『デュアルモード』にも対応した、同社の27インチラインでは最上位に位置づけられる製品。参考価格は89,980円、実売価格として7万円以下……68,900円位で販売されています。

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KTC『M27P6』27インチゲーミングモニター 実機レビュー 主要スペックと特徴

KTC M27P6 製品画像 どこかで見た事のある紅白巫女さんが描かれている
Amazon KTC M27P6 製品画像
どこかで見た事のある紅白巫女さん印象的

KTC M27P6は、量子ドットFast PSパネルに1152分割のMini LEDバックライトを組み合わせた27インチ4Kゲーミングモニターす。日本市場では2025年2月ごろに販売がスタートし、参考価格は89,980円となっていますが、実売価格として7万円以下……68,900円位で販売されています。

今回はちょっと検証期間が短めですが、実機をご提供いただき数日使用したうえでレビューをしていきましょう。まず以下に可能な限り特徴をまとめました。

  • 発色・コントラスト良好、特に暗い部分の締まりが好印象
  • 本体の発熱はそれなりにある
  • スタンドの可動域は快適、縦画面への変更も簡単
  • 1152分割のMini LEDバックライトとDisplayHDR 1400
  • 4K/160Hz とフルHD/320Hz を切り替えられる『デュアルモード』対応
  • どちらのモードでもHDRとローカル調光が有効。10bit・RGB表示も維持される
  • sRGBカバー率99.5%でクリエイティブ作業にも〇
  • USB Type-C接続での映像入力と最大65W給電にも対応
  • 内蔵スピーカー非搭載

KTCをはじめリーズナブルなモニターメーカーが台頭してきた事で慣れてきてしまった感はありますが、27インチでHDR1400対応でMini LED、しかもデュアルモード搭載のPCモニターが10万円を切るというのは、数年前なら考えにくかった構成ですね。

M27P6詳細スペック

まずは詳細カタログスペックをみていきましょう。下記は、製品付属マニュアルおよびKTC公式サイト、メーカー提供資料の情報を元に、当サイト(uzurea.net)がまとめたものです。

型番M27P6
パネルサイズ27インチ
パネルタイプFast IPS(量子ドット)
アスペクト比16:9
表示解像度3840×2160(4K UHD)
デュアルモード時 1920×1080(フルHD)
リフレッシュレート4K:最大160Hz
フルHD:最大320Hz
応答時間5ms(Typ.)/ 1ms(OD時)
輝度600cd/㎡(SDR Typ.)/ 1400cd/㎡(HDR Typ.)
コントラスト比1000:1(Typ.)/ 1000000:1(HDR)
バックライトMini LED(1152ゾーン分割/1灯1区)
HDRHDR10対応(DisplayHDR 1400)
色域sRGB CIE 1931:カバー率99.5%/色域容積145%
DCI-P3 CIE 1976:カバー率98%/色域容積110%
Adobe RGB CIE 1976:カバー率97%/色域容積119%
NTSC CIE 1931:カバー率90%/色域容積100%
※数値は平均値であり、部品のロット差や測定機器の差異により誤差が生じる可能性があります
色管理出荷時に1台ごと個体校正(ΔE<2)
色の深さ8bit + Hi-FRC(約10.7億色)
視野角±89°(H)/ ±89°(V)Typ.
可視領域596.16(H)× 335.34(V)mm
ピクセルピッチ0.15525(H)× 0.15525(V)mm
画素密度163ppi
スクリーン表面ノングレア(硬度3H/ヘイズ25%)
インターフェース×2 HDMI 2.1
×1 DisplayPort 1.4
×1 USB Type-C(映像入力+最大65W給電/PD3.1)
×1 USB 3.0(アップストリーム)
×2 USB 3.0(ダウンストリーム)
×1 イヤホン/オーディオ出力
KVM対応(USB UP/Type-C/自動 から選択)
PIP/PBP非対応
バックライト制御DC調光(フリッカーフリー)
Adaptive SyncFreeSync / G-Sync Compatible
その他機能MPRT、ローブルーライト(ソフトウェア)、背面RGBライト、MCC PC制御ソフト
保証期間3年間
その他VESAマウント対応
スピーカー非搭載

※Typical/Typと表記のある箇所は通常の条件下で測定された標準的な数値を示す
※検証時のファームウェアバージョンは JPN-1.0.5。以降の記述はすべてこのバージョンでの動作です

H27P6と過去レビューモデルM27T6S、M27T6Sとのスペック比較・違い

続いて、M27P6と当サイトで過去にレビューしたH27P6M27T6Sと主要スペックを並べて見てみましょう。

スペックM27P6
(当記事レビュー)
H27P6
(比較モデル)
M27T6S
(参考モデル)
パネルサイズ27インチ27インチ27インチ
パネルタイプFast IPS
(量子ドット)
Fast IPSFast IPS
解像度3840×2160 4K
1920×1080 FHD
切替可能
3840×2160 4K
1920×1080 FHD
切替可能
2560×1440 WQHD
リフレッシュ
レート
4K:160Hz
FHD:320Hz
4K:160Hz
FHD:320Hz
200Hz
(210Hz OC)
バックライトMini LED
(1152ゾーン)
×Mini LED
(1152ゾーン)
HDR規格DisplayHDR 1400HDR 400HDR 1000
輝度(SDR)600cd/㎡400cd/㎡450cd/㎡
輝度(HDR)1400cd/㎡1000cd/㎡
応答時間5ms(Typ.)
1ms(OD)
5ms(Typ.)5ms(Typ.)
2ms(GTG)
ピクセルピッチ0.15525mm0.15525mm0.2331mm
sRGB色域
(カバー率)
99.5%99%100%
DCI-P3色域
(カバー率)
98%95%98%
USB Type-C最大65W給電最大90W給電非搭載
KVM対応対応非対応
参考価格89,980円62,980円49,800円
レビュー記事当記事H27P6レビューM27T6Sレビュー

こうして並べると、『M27P6』(表左列)と『H27P6』(表中央列)の関係がはっきりします。パネルタイプも解像度もデュアルモードもスペック上は同じですが、バックライト方式とHDR性能が違います。ですので、この2台を並べて撮れば、Mini LEDHDR1400が実際にどのように表現に差がでるかが見えるはず。

また、『M27T6S』(表右列)と比べると、はsRGB色域カバー率100%及びませんが、『M27P6』もsRGB99.5%、DCI-P3色域98%と匹敵するクラス。色々な面で上位機種に位置するのが情報からも見て取れますね。

なお、USB Type-Cの給電能力は『H27P6』の90Wに対して本製品『M27P6』は65W。ノートPC接続でUSBケーブル1本で運用したい場合は、手持ちの機種の要求電力を確認しておくとよいでしょう。

開封・組み立て・外観チェック

では、M27P6本体を箱から出して組み立てていきます。製品到着してまず目に入るのはパッケージ(段ボール)のイラスト。カラーを使った仕様になっていて、派手さがあります。

M27P6のパッケージ 目立つ……!
M27P6のパッケージ 目立つ……!

ちなみに当サイトで過去にレビューしたKTCの27インチモニターは、普通の段ボールでした。

参考、KTC 他製品のパッケージ例
参考、KTC 他製品のパッケージ例

箱から発泡スチロール製の緩衝材ごと取り出すと、その中に、スタンド、パネル、ケーブル類、書類が綺麗におさまってます。

M27P6
M27P6 開封時の梱包状態
(緩衝材に収まった本体・スタンド・ケーブル類)
さらに中にはM27P6 液晶パネル本体
さらに中にはM27P6 液晶パネル本体

同梱品は下記のとおり。

  • 液晶パネル本体
  • スタンド(ベースとブラケット)
  • 日本語マニュアル
  • 保証カード
  • ACアダプター + 電源ケーブル
  • DPケーブル
  • USB Type-Cケーブル

HDMIケーブルは付属しませんので、HDMI接続を予定している人は、本製品の購入時には別途手配しておいた方がよいでしょう。

続けて組み立てていきましょう……といってもKTC製モニターの組み立てはドライバーなど工具は一切不要。スタンドのベースとブラケットをカチッとはめ込み、本体にもカチッとセットするだけで完了します。この手軽さは相変わらずですね。電源は、ケーブルとACアダプターを接続する事になります。

M27P6  パネル背面のスタンド取り付け部とVESAマウント部
パネル背面のスタンド取り付け部とVESAマウント部
スタンドはカチっとワンタッチで接続できる
M27P6 背面コネクタ列
背面コネクタ列
HDMI×2、DP、Type-C、USB×2、USB UP、イヤホン出力

背面ロゴと操作系

背面のKTCロゴは、恒例のRGBライトになっているタイプ。OSDの『ゲーミング設定』内にこの設定項目『RGBライト』があり色や光り方を変更する事もできます。この初期値は『ブリージング』(ゆっくりと色が切り替わっていくモード)でした。

M27P6 背面のKTCロゴ
M27P6 背面のKTCロゴ(点灯状態)

ブリージングの他、レッド、グリーン、ブルーから選択可能。点灯自体が不要であれば『オフ』にもできます。

なお、これらOSD(オンスクリーンディスプレイ=ディスプレイ本体のメニュー)を操作するフェースキーはモニターに向かって右下側の背面にあります。こちらも定位置ですね。上下左右への方向倒しと押し込みで様々な操作が可能です。電源ON/OFFはどの方向にも倒さずまっすぐ長押しとなります。

スタンドの可動域とエルゴノミクス

スタンドは高さ調整・チルト・スイベル・ピボットに対応したフル可動タイプ。縦画面への切り替えも画面を手で回転させるだけです。力の弱い方でもスムーズに動かせます。

M27P6 KTCのスタンドは左右に45度傾く
M27P6背面 専用スタンドは左右に45度傾く
(後ろにあるのは M27T6S、M27T6Sだが見た目はほぼ一緒)
M27P6 背面のフェースキー
背面にある電源&フェースキー
  • 高さ調整:上下に13cm稼働
  • チルト(前後角度):上向き20度、下向きマイナス5度
  • スイベル(左右回転):台座を中心に左右へ45度
  • ピボット(縦画面対応):左右90度の回転に対応
M27P6 角度調整稼働領域
角度・稼働調整の範囲 Amazon製品情報ページより引用

取り付けだけでなく、調整も簡単専用スタンドは、視線や机と椅子にあわせた高さにも調整しやすく、デスクレイアウトの自由度は高くなります。このあたりはKTC製品共通の美点です。

PCとの接続

さて続いてはセッティングをすすめていきましょう。電源ケーブルは前述のとおり、ACアダプター外付け。PCとの接続はHDMIやUSB Type-C、DPなどが選べますが、今回は付属のDPケーブルで接続します。

デュアルモニター接続でレビューしていく。左が『H27P6』、右が今回レビューするM27P6
デュアルモニター接続でレビューしていく
左が比較用のH27P6、右が今回レビューするM27P6

なお当初、HDMIで接続しましたが、デュアルモードのチェック時に、Windowsが本製品を『汎用非PnPモニター』として認識、解像度が1024×768に固定されてしまいました。PC側の設定を直そうにも、正しく認識しなくなってしまったので、どうにもならず、色々試したところ、モニターの電源ケーブルを抜いて数秒待ち、挿し直したら復帰しました

PC自体の再起動をしても直らなかったので、同じ症状で困っている方はまず電源の抜き差しを試してみるとよいかもしれません。

ちなみに筆者はこのときDVI変換アダプターも噛ませてHDMI接続していました。EDIDの通信経路は変換アダプターを挟むと不安定になりやいので、これが原因だった可能性が高いです。同様の症状はネット上でも報告されており、DisplayPortに繋ぎ直したら直った、という声もありました。

また、4K/160Hzで出力するには、GPU側もHDMI 2.1かDisplayPort 1.4に対応している必要がありますのでこの点も注意しておきましょう。

ケーブルはDisplayPortケーブルと、USB Type-Cが付属していますが、HDMIで繋ぎたい方は別途自分で用意する必要があります。ただし、本製品の性能を最大限に引き出すなら、DisplayPortでの接続がおすすめです。

M27P6 画面の発色や表示品質をH27P6と比較

前述の接続環境で画面を表示させてみた第一印象は…M27P6は明るい!。OS画面を表示しただけでその明るさを感じました。コントラストも強めで文字や背景も見やすく、画面の視認性は各段に高く感じます。

ただ、出荷時の『Proモード』は『ネイティブ』設定になっており、この状態だとsRGB前提で作られたWebページや写真が、かなり色濃く表示されます。本製品のsRGB色域容積は145%。広い色域をそのまま出しているので、赤や緑が過剰に乗ることになるのでしょう。

……と言う事で、カラーチェック用画像や、ゲームの動画を同じ設定で表示させつつ見比べてみました。比較時の設定は両機下記のようにしています。

  • 表示解像度 4K 3840×2160(×150%)
  • Proモード sRGB
  • リフレッシュレート 60Hz
  • HDRはオフ
  • 色の範囲 フルレンジ
  • ブラックイコライザ デフォルト値 50

設定は揃えたので、違いはバックライトがH27P6=Mini LEDM27P6=エッジライトかという所でしょうか。

左『H27P6』、右『M27P6』 。部屋を暗くして、カラーサンプルをグレー背景のアプリケーション上で表示
左『H27P6』、右『M27P6
部屋を暗くして、グレー背景のアプリケーション上で表示

同じ設定でも、写真で見るとM27P6の方が暖色系の表現になっているように見えますね。ただ眼で見た印象は逆で、H27P6の彩度がやや弱いように感じました。

上記も含め、撮影した環境やカメラのデータ化時の補正なども影響しますので、比較程度にご覧ください。

……液晶ディスプレイはバックライトで画面を後ろから照らす構造のため、黒を表示していてもわずかに光が漏れ、黒が灰色っぽく浮いてしまいますが、それを補う技術として本製品で作用しているMini LEDは、文字通りバックライトを細かく分割して、エリアごとに明るさを制御するというもの。

本製品の場合これが1152ゾーンに分割されており、暗いシーンでは該当エリアのバックライトを落とし、明るい部分だけを光らせらる……というローカルディミング処理が働くそう。

そこにDisplayHDR 1400が乗り、ピーク輝度1400cd/㎡。爆発の閃光や逆光の太陽といった、画面のごく一部だけが強烈に光るシーンで、その明るさをよりしっかりと表現できます。上記の比較撮影写真でも、爆発や大きな光源が強く(写真上は白トビしているかのように)なっているのが見てとれます。

『M27P6』は明るい箇所が強く表現できる
部屋を暗くして比較撮影。
あまりに明るさが出るためM27P6(右)が白トビしまくっているように写ってしまう

デュアルモードの切り替え手順と、フルHD/320Hzの使いどころ

M27P6』は、ひとつのモニターで2種類の解像度とリフレッシュレートを切り替えて使える『デュアルモード』を搭載しています。

  • 4K(3840×2160) リフレッシュレート160Hz = 映画・アニメなどの動画視聴や、コンソールゲームのプレイ、その他一般的なPC作業に適した高解像度モード
  • フルHD(1920×1080) リフレッシュレート320Hz = FPS/TPSなど入力遅延の少なさを重視したい、エキスパートゲーマー向けモード

切り替えの手順とホットキー登録

切り替えはモニター本体のOSDから行います。背面フェースキーを押し込む → 『ゲーミング設定』 → 『デュアルモード』 → オン/オフを選択、で設定ができます。(オフがデフォルト4K表示、オンにするとフルHD表示に)。

M27P6のOSD 『ゲーミング設定』内のデュアルモード項目あり
OSD『ゲーミング設定』内のデュアルモード項目

切り替えを実行すると、画面が6秒ほどブラックアウトしてから復帰します

なお、デュアルモードでFHDに切り替え直後、Windowsが既定値を拾ってしまうからかリフレッシュレートは60Hzに落ちていました。これは環境などにもよる可能性がありますが、デュアルモードをオンにしたら、想定しているリフレッシュレートが出ているか確認し、必要なら再設定しておきましょう。

なお、このデュアルモードで頻繁に出力を切り替えたい場合は、ホットキーへの登録がおすすめです。OSDの『システム設定 → ホットキー』を開くと、割り当て候補に『デュアルモード』が入っていましたので左・右・下のいずれかに割り当てておくと良いでしょう。

M27P6のOSD 『システム設定 → ホットキー』の割り当て候補にデュアルモードが
『システム設定 → ホットキー』の割り当て候補にデュアルモードがある

ところでM27P6のOSDですが…… 『ホットキ』、『フトウェア』、などちょっとローカライズが怪しいところも……笑

フルHD/320Hz時、Mini LEDとHDRは効くのか

高解像度・高リフレッシュレート・HDR処理は、いずれもモニター内部の映像処理チップに負荷をかけるため、製品によっては最高リフレッシュレート動作時にHDRやローカルディミングが自動的に無効化される場合もあるようです。

とはいえ、本製品の売りはMini LEDとHDR1400。320Hzモードでそれらが使えなければ、映像美と速度のどちらかを捨てることになってしまいますが……結論としてはフルHD/320Hzでも、HDRとローカル調光は両方とも有効でした。しかもビット深度は10bit、色の形式はRGB(4:4:4)を維持。色情報を間引いた4:2:2に落ちるとも、8bitになってしまうこともありません。

M27P6ではフルHD/320Hz + HDR + 10bit + RGB が同時に成立する
フルHD/320Hz + HDR + 10bit + RGB が同時に成立している(Windowsの表示とOSDヘッダーを参照)

実機で確認した、モードごとの対応状況を表にまとめておきます。

項目4K/160HzフルHD/320Hz
HDR
(DisplayHDR 1400)
ローカル調光
(Mini LED)
Adaptive-Sync
ビット深度10bit10bit
色の形式RGB(4:4:4)RGB(4:4:4)
MPRTHDRとAdaptive-Syncを
両方オフにした時のみ
HDRとAdaptive-Syncを
両方オフにした時のみ
明るさ・Proモードの
手動調整
HDRオフ時のみHDRオフ時のみ

※ファームウェア JPN-1.0.5 / DisplayPort接続 / GeForce GTX 1650 での検証結果

つまりデュアルモードはオンでもオフでも、Mini LEDとHDR1400の恩恵はそのまま受けられるという事になります。

別件となりますが、MPRTを有効にするには、HDRとAdaptive-Syncの両方をオフにする必要があります。MPRTはバックライトを高速で明滅させて残像を減らす技術で、周期を固定しなければ成立しません。つまりリフレッシュレートが可変になるAdaptive-Syncとは併用できず、ピーク輝度を稼ぐHDRとも噛み合わない。という事のようです。

本製品を買う方の多くはHDR1400が目当てでしょうし、FPS用途ならAdaptive-Syncも切りたくないはず。カタログの応答速度1msという数字を見てMPRTに期待していると、実際には使いどころが限られる点は知っておくとよいかもしれません。

本体メニュー(OSD)メニュー、ゲームアシスト機能について

M27P6では、本体背面にある『フェースキー』(ジョイスティック式のボタン)の押し込みと上下左右への傾きで、全メニューを操作します。電源のON/OFFもこのボタンの長押しで行えます。

メインメニューはボタンを軽く押す事で表示され、下記の階層で動作します。

メニューレベル1
メニュー
レベル2
メニュー
ディスプレイ明るさ0~100
コントラスト0~100
ブラックイコライザ0~100
プリセットユーザー設定 ほか
アスペクト比フルスクリーン ほか
鮮明さ0~100
Proモードネイティブ⁄sRGB⁄DCI-P3⁄Adobe RGB ほか
カラー色温度暖色⁄標準⁄寒色⁄ユーザー設定
ガンマ値2.2(初期値)
色相
彩度
ブルーライトフィルター0~100
色の範囲自動⁄フルレンジ⁄限られた範囲
ゲーミング設定Adaptive-Syncオフ⁄オン
応答時間オフ⁄標準⁄高速⁄超高速⁄ダイナミックOD
ゲームアシストタイマー⁄クロスヘアー⁄FPSカウンター
RGBライトブリージング ほか
MPRTオフ⁄オン
※HDRとAdaptive-Syncが両方オフの時のみ選択可
低い入力ラグオフ⁄オン
デュアルモードオフ(4K/160Hz)⁄オン(FHD/320Hz)
詳細設定HDRVESA DisplayHDR ほか
ローカル調光自動 ほか
KVMUSBオフ⁄自動⁄USB UP⁄Type-C
DDC/CIオフ⁄オン
入力入力ソースDP⁄HDMI1⁄HDMI2⁄Type-C
システム設定言語日本語を含む複数言語
OSD設定位置⁄表示時間⁄透明度 など
LEDインジケータ
サウンド設定ミュート⁄ボリューム
ホットキーデュアルモード⁄色温度⁄HDR⁄RGBライト⁄Proモード⁄応答時間
ソフトウェア更新
リセット確認⁄キャンセル

※ファームウェア JPN-1.0.5 で確認

KTCに搭載されているおなじみのゲームアシスト設定は、PCを介さずモニター本体がクロスヘアー表示・タイマー・FPSカウンターを画面表示させられるもの。いずれもPC側のソフトウェアに関係なく動作しますので、配信や録画といったPC側のソフト処理には映りません。

KVM機能について

本製品は『KVM』にも対応しています。KVMは、1組のキーボードとマウスを複数のPCで共有できる機能。モニターのUSBポートにキーボードとマウスを挿しておき、表示する映像を切り替えると、操作対象のPCも一緒に切り替わります。

OSDの選択肢は USBオフ / 自動 / USB UP / Type-C の4つ。たとえばノートPCをType-Cで、デスクトップPCをUSBアップストリームで繋いでおけば、キーボードとマウスを1組で運用できます。

あまり大きく宣伝されていない機能ですが、デスクにPCが2台ある方にはかなり便利なはず。なお画面分割のPIP/PBPには非対応で、OSDにも該当する項目は見当たりませんでした。

気になった点 スピーカー非搭載と本体の発熱

正直あまり不満はないのですが、あえて気になった点も並べておきます。

まず内蔵スピーカーは非搭載。イヤホン/オーディオ出力はありますが、モニターから直接音を出すことはできません。これは『H27P6』『M27T6S』も同様で、KTCの27インチ上位モデルに共通する仕様です。新しい環境を構築するときや、スピーカー付きモニターからの買い替えを検討している方はご注意を。

そして本体の発熱。背面右下のフェースキーを操作しようと手を伸ばすと、筐体がはっきり温かいのを感じます。これは『H27P6』『M27T6S』ではなかった感覚です。

ACアダプターは外付けなので、電源部が熱源という事ではなく、パネル側の発熱と考えるのが自然でしょうね。

通販サイトのレビューにも、数時間の使用で本体上部が熱を持つという報告を見かけました。温度計での実測はしていないので数値は出せませんが、密閉されたラックに押し込むような設置は避けたほうがよさそうです。背面と上部に空間を確保できる設置環境が良いかと。

まとめ・総合評価

KTC『M27P6』をレビューしてみました。 27インチ4K、1152分割のMini LED、DisplayHDR 1400、そしてデュアルモード。この4つが1台に載って参考価格89,980円という構成は、なかなかのコストパフォーマンスだと思います。とりわけ『H27P6』と並べたときの暗部表現の差は、写真で見るより実物のほうがはっきり分かります。

そして今回いちばんの収穫は、4K/160HzでもフルHD/320Hzでも、HDR1400とローカル調光生きていたことです。映像美と速度、両方どりができるというのはゲームプレイヤーにとっては嬉しい点でしょう。

内蔵スピーカーの非搭載については、このクラスのモニターに無理にスピーカーをつけるよりは、PCからそれなりに良い外部スピーカーを鳴らしたほうが良い気もしますし、何より本格的スポーツクラス環境を求める人であればヘッドホンを使う場合が多いと思いますので、それほどウィークポイントにはならないでしょう。

ほかにあえて難点を挙げるとすれば、USB Type-Cの給電能力が『H27P6』より下がっている点、そして本体がそれなりに熱を持つ点くらいでしょうか。あとはHDRを有効にしている間、明るさもProモードも触れなくなるところかな、と。

KTC M27P6 製品イメージ

結論……『M27P6』こんな人に向いています。

  • 4Kの高解像度と、FPS向けの高リフレッシュレートを1台で両立させたい
  • HDR対応のゲームや映像作品を、Mini LEDの暗部表現で楽しみたい
  • ノートPCをType-C 1本で接続して、作業とゲームを兼用したい
  • デスクに2台のPCがあり、キーボードとマウスを共有したい
  • 27インチで、映像品質を最優先したゲーミングモニターを探している
機能★★☆(4.5)
4K/160HzとフルHD/320Hzのデュアルモードに加え、Mini LEDとHDR1400を搭載。KVM、USB Type-Cでの給電・データ転送にも対応し、装備は充実している。
デュアルモードをホットキーに登録できるのも実用的
デザイン・
ハード面
★★★(4)
スタンドはフル可動でフレキシブル。ビジュアルの主張は控え目で好感。ACアダプターは外付けで、本体の発熱はそれなりに
画面特性★★★(4.5)
1152分割のMini LEDとHDR1400による暗部・明部の表現力は、同社の27インチラインでは頭ひとつ抜けている。320Hzモードでもそれが損なわれない点は評価できる
コストパフォーマンス★★★★(5)
Mini LED、HDR1400、4K、デュアルモードをすべて備えて実売8万円を切る。同等スペックの他社製品と並べても遜色ない
総合評価★★★★★(4.5)
『H27P6』が万能型なら、『M27P6』は映像に振り切った上位版。4Kの精細さもFPS向けの320Hzも欲しくて、なおかつ画の綺麗さを妥協したくない人へ。

KTC M27P6 のレビュー(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)

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