2023年4月7日(金)よりグランドシネマサンシャイン 池袋ほか、IMAX®にて公開されるドキュメンタリー映画 『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』について、事前試写をする機会をいただいたので、一足先に試聴した感想をまじえて本作の紹介とレビューを行いたいと思います。
Index
『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』試写レビュー
- 映画『 イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること 』
- 【監督】グレッグ・マクギリブ レイ
- 【脚本】スティーヴン・ジャドソン
- 【出演】ジョン・ヘリントン、アリエル・トウェト、ジェニファー・ファー・デイビス
- 【ナレーション】 野口聡一(宇宙飛行士)
- 2020 年制作/アメリカ映画/日本語吹替/ 40 分
- 原題: Into Nature’s WILD
- 【提供】エクスペディア、ユナイテッド航空 【製作】ブランド USA 、マクギリブレイ・フリーマン・フィルムズ
本作は、グレッグ・マクギリブレイ監督による、ドキュメンタリー作品。北米の壮大かつ美しい自然を堪能できる作品ですが、その美しい自然を眺めるためだけの作品ではありません。
タイトルに「自然が教えてくれること」ある通り、自然が人間に与えてくれるさまざまな感動について教えてくれるメッセージ性の強い内容。私達が自然のなかでアウトドアやスポーツを楽しむことで、どのような影響を与え変化をもたらすのかに切り込んでいます。
2万年前にネイティブ・アメリカンが北米大陸に上陸してから、現代までどのような軌跡をたどって来たのか、ネイティブ・アメリカンにスポットを当てて語られているのも見どころです。アメリカの自然の雄大さと美しさを実感できる作品で、観た後はきっと外に出てアウトドアを楽しみたくなるはず。







© MMXX VisitTheUSA.com
自然が人間に伝えるメッセージを、ぜひ巨大なIMAX対応のスクリーンで堪能したい作品でしょう。
宇宙飛行士 野口聡一さんがナレーションを担当
本作の日本語版でナレーションを担当しているのは、宇宙飛行士の野口聡一さん。
野口さんは水先案内人を務めている宇宙飛行士ジョン・へリントンとNASA時代の同期で友人でもあります。そんな奇跡的なつながりも含めて作品の魅力を伝えることができればと、今回のナレーションに初挑戦。初めてとは思えない落ち着きのある語りで、観客を美しい自然のなかへとナビゲートしてくれます。
宇宙から見た地球の美しさを知っているふたりの言葉には、深い説得力と重みを感じます。
余談ですが、アメリカ本国版『Into Nature’s Wild』での英語版ナレーションは俳優のモーガン・フリーマンが担当しているようです。
アウトドアを楽しむ新たな取り組み
本作では40分という短い時間で、28か所のアメリカの絶景スポットを訪れます。グランドキャニオンやデビルズタワーといった有名なものから、あまり知られていないスポットまでたくさんのアメリカの豊かなる自然が登場。
絶景スポットを訪れるだけではなく、人間が自然をより感じられるための取り組みが紹介されています。たとえば、サウスカロライナ州では聴覚障害者の子供達が、振動を介して自然の音が伝わる方法でアウトドアを楽しめる試みが行われているそうです。
これまで想像もしなかった方法で自然と触れ合い、初めて自然の音を感じる子供たちの喜ぶ顔は表現しがたいほど。自然の空間が都市を豊かにするという考えを基に、緑の少ない都市部に暮らす人々が自然を感じられる環境作りが行われるなど、人間と自然が密接に暮らせる都市作りも紹介されています。
自然と一体になることの素晴らしさ
自然のなかで過ごすだけでリラックスした気分にさせてくますが、アウトドア・スポーツやアクティビティをする事でより一層その素晴らしさを体感する事ができます。
本作ではトレッキング、ロッククライミング、カヤック、熱気球、ジップラインなど、自然を身近に感じられるアウトドア・アクティビティが紹介されているのも見どころです。水先案内人の一人アリエル・トウェトは全米を周りながらさまざまなアウトドア・スポーツを体験することで、自然と一体になることの素晴らしさを教えてくれます。
どれだけ多くの写真や映像を見たとしても、実際に自分で経験することに勝るものはありません。本作を鑑賞した後は外へ出て、自然の素晴らしさを自分自身で実感したくなるはず。
ネイティブ・アメリカンの軌跡
ネイティブ・アメリカンが北米大陸に足を踏み入れてから、およそ2万年が経ちました。そこで本作ではネイティブ・アメリカンの軌跡も巡り、先住民にスポットを当てています。
その他にもキャニオン・デ・シェリー・ウルトラマラソンの創設者である、ナバホ族のトレイルランナーのショーン・マーティン、6世紀~12世紀にかけて崖の住居を築いたプエブロ族の遺跡、ルイス・クラーク探検隊に同行したショショーニ族の女性サカガウィアなどが登場。
長きに渡り北米で暮らし、大自然とそのスピリットと共に暮らしてきたネイティブ・アメリカンへのリスペクトも感じました。
最後に……
本作イントゥー・ザ・ネイチャーは、北米大陸の雄大さと自然の美しさを楽しめる作品です。また、人間が自然の関わる事の重要性について強いメッセージを感じとりました。
作中で度々語られているように、私達自身も自然の中へ飛び込み、その空気や風や土の香りといったさまざまなものを体験する事の大切さを、あらためて認識させてくれる作品でした。
『イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること』や2023年4月7日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほか、 IMAX ®にて公開されています。


© MMXX VisitTheUSA.com
ストーリー | ★★★(3) 自然の美しさだけでなく、人間が自然と関わることで受ける恩恵、アウトドアを楽しむ新たな取り組みといった異なる切り口で描いている。ネイティブ・アメリカンへや大いなる自然へのリスペクトを感じる |
---|---|
キャラクター | ★(1) 自然をテーマにしたドキュメンタリーのため、特定の登場人物やキャラクターに関しては特に明記すべきところはない。初めてナレーションを担当した、野口聡一さんの語りは見どころのひとつ。 |
エンタメ性 | ★★(2) 映像美は素晴らしいが、エンタメ性は少ない。大自然をバックにアウトドアスポーツの楽しさについて描く、躍動感のある映像は見応えがある。 |
感動 | ★★★(3) 自然の美しさと雄大さは感動するレベルで、スケールの大きい自然を堪能したい方は満足できる仕上がり。 |
映像 | ★★★★☆(4.5) アメリカの大地、自然を写す映像は見ごたえあり。 その映像はIMAXで楽しむ事で一層引き立つでしょう。 |
総合評価 | ★★★★(4) 約40分という短い時間に映像美とストーリー性をうまく合わせた構成が素晴らしく、鑑賞後はもっと自然と関わりたいと思わせてくれる。ネイチャー系のドキュメンタリーが好きな人なら文句なくおすすめ。 そうでない方も新たな発見があるはず。 |
(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)
関連リンク
- イントゥ・ザ・ネイチャー 自然が教えてくれること 日本公式Webサイト
- イントゥ・ザ・ネイチャー 公式Twitterアカウント @intothenatureJP
- Into Nature’s WilD 公式Webサイト(英語)