お笑い賞レース『キングオブコント2022』決勝進出者10組を大解剖! ニッ社、コットン、ロコディ…常連組から、初出場、即席コンビも進出
『キングオブコント2022』決勝進出者10組を紹介!(画像 キングオブコント Webサイト https://king-of-conte.com )

『キングオブコント2022』決勝進出者10組を大解剖! ニッ社、コットン、ロコディ…常連組から、初出場、即席コンビも進出

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いよいよ目前に迫った、全国のお笑い好きにとって重要な賞レース『キングオブコント2022(以下KOC)』。これまでもバイきんぐやシソンヌ、にゃんこスター、コロコロチキチキペッパーズなど様々なコンビがこの一夜をきっかけに運命を変えたけれど、今年も新たなスターが生まれることを想像するだけで、既にソワソワしているお笑いファンは少なくないだろう。

今年の決勝は2022年10月8日(土)開催で、進出者は例年通り10組。KOC常連組から、「今年こそは」と噂され続けてきた初出場のコント師も複数。他にも初の即席コンビが駒を進めるなど、早くも大波乱の発表となった。そこで今回は決勝に進出した10組を紹介する。

お笑い賞レースキングオブコント2022 決勝進出者10組を大解剖!

お笑いファンにとっては周知の事実として位置する部分はあれど、今記事が運命の日を更に盛り上げる契機となれば幸いである。なお決勝進出の理由となった準決勝のネタについては当日のネタバレになってしまう可能性が極めて高いため、その詳細を記すことはない。安心して読み進めてもらえたらと思う。

いぬ

吉本興業所属。コントを軸に劇場を沸かす実力派が、遂に念願の決勝進出! メンバーは見た目優男&朝ジムが日課の有馬徹と、口元を覆う見事な髭が特徴的な太田隆司で、ふたりは高校の同級生。高校時代に何となくお笑いコンテストに出場したところ決勝に進み、そこからコンビを結成した経緯を持つ。

いぬのネタは単純明快なものと言うよりはお客さん的にもほぼ理解不能、ただ不思議と「一体我々は何を見続けているんだ……」という感覚が次第に面白くなってくる、一風変わったスタイルで進行していくものが多い。

それこそYouTubeにアップされている『ジム』のコントでは、予想外すぎる手段で運動を試みるオチが抱腹絶倒モノだが、今年の決勝ではどう化けるか。大会を通じて一気にブレイクしそうな予感がひしひしと感じられるふたり、それがいぬ。

『ジム』#4
『ジム』#4

かが屋

コント一筋。あらゆる題材から笑いの要素を画策する、今やテレビに劇場にと引っ張りだこのコンビだ。KOCは自身2019年以来となる決勝進出。その間も多くの番組で力を磨き上げており、あらゆる面でパワーアップした最高の状態での通過となる。

詳細は省くが、今回のネタは昨年〜今年にかけて全国のお笑いライブでかけており、都度ブラッシュアップを図ってきた代物。筆者も何度か劇場で観てきたけれど、ドッカンドッカンウケていたのが印象深く完成度は折り紙付き。

それこそ前回のKOCでは加屋がメインでツッコミ不在、沈黙の時間が大爆笑を生む衝撃のネタだった訳だが、さあ今年はどうなるか。

『人見知り』かが屋文庫
『人見知り』かが屋文庫

クロコップ

ケイダッシュステージ所属。これまで準々決勝で長らく涙を飲んできた彼らが、今年は準決を抜いていきなりの決勝進出。おそらく今年のKOC決勝における一番のダークホースが彼らだろう。

彼らのコントはバックに音楽を流し、その音楽に合わせて激しいアクションで楽しませるリズムネタ。実際TikTok上でも『太鼓の達人』を筆頭としてバズを量産されていて、彼らの中毒性は立証されている。

そんな中で今回のネタがどう光るかは見ものだし、彼ら自身「今回のネタに今年1年を全振りしていた」というようなこともYouTubeチャンネルでも語っていた。例え優勝せずとも、小中学生の間で流行しそうな雰囲気がある彼らのネタ、審査員の何名かにもとてつもなく刺さりそうな気がするが、どうか。

クロコップ「にんじゃりばんばん」
クロコップ「にんじゃりばんばん」

コットン

2021年にラフレクランから改名。心機一転臨んだ今年の準決勝で爆発し、遂に決勝に駒を進めた2人組。かつては番組内で『ラフレクランがイマイチはねない理由を考える』とする一幕もあったし、昨年も決勝に行けるレベルのウケだったので、ようやくの決勝だ。

コットン 画像 吉本興業 公式プロフィールより
コットン
画像 吉本興業 公式プロフィールより

結果的に、今大会の出場コンビでは最も正統派なコントを武器とするコットン。もちろん彼らのネタは全てオチまで練られていて作り込みが素晴らしいものだ。そんな中で、やはり今年のネタは爆発力も含めて上手くハマった印象が強い。決勝も会場の空気次第では良い位置まで行けるのではというレベルの期待の新作なので、全国にコットンの名を知らしめる最大のチャンスだ。

【公式】コットン コント『好きな人』(ABCお笑いグランプリ2017決勝ネタ)
【公式】コットン コント『好きな人』(ABCお笑いグランプリ2017決勝ネタ)

最高の人間 (吉住&岡野陽一)

結成は何と2022年、KOC史上初となる即席ユニットが決勝進出! しかしてその正体は2014、2015年のKOCにて決勝に進出した元巨匠の岡野陽一、賞レース常連の吉住という実力派。

「昨今クズ芸人キャラとしてブレイクしてしまった岡野を見かねた事務所が、吉住にKOCを目指すように頼んだ」とする経緯も面白いが、実際に決勝に進んだのは本当に凄い。

ふたりの芸風は対極的だ。岡野は予想も出来ない角度からストーリーを生み出し続け、対して吉住は憑依型の異次元的なネタで、一気に自らの世界に没入させる魅力がある。そんなふたりがタッグを組んだら一体どのようなネタが生まれるのか…… その答えは、圧倒的な評価と共に放送日に明らかになる。爆笑のときを心して待とう。

ニッポンの社長

今大会出場コンビの中で、唯一の3年連続ファイナリストとして名を連ねたニッポンの社長。序盤こそ単純明快な設定ながら次第にボケのケツが根本を破壊していき、ぐるぐる回るカオスが面白くなってくるという、唯一無二のネタが持ち味。

ニッポンの社長 画像 吉本興業 公式プロフィールより
ニッポンの社長
画像 吉本興業 公式プロフィールより

今回のニッ者のネタの爆発力は凄まじく、準決勝の全出場芸人における瞬間最大風速はトップクラスだった印象。また都合の良い解釈ではあれど、有名な『優勝した芸人は全て初出場か3位経験者』というKOCのジンクスにも、前大会3位だった彼らはズバリ当て嵌まったりもする。今年は何かと地上波で観ることも多くなった彼らが、これまで構築してきたキャラクターを全て活かした4分。ぜひとも。

ニッポンの社長のコント「バッティングセンター」
ニッポンの社長のコント「バッティングセンター」

ネルソンズ

3年ぶりの決勝進出となるネルソンズ。数々のネタ番組への出演も経て、和田まんじゅうのキャラクター性、そして青山フォール勝ちと岸健之助の掛け合いがハッキリ受け入れられた末の決勝だ。

ネルソンズ 画像 吉本興業 公式プロフィールより
ネルソンズ
画像 吉本興業 公式プロフィールより

ネルソンズの武器は何と言っても、トリオとして完璧な立ち位置で進行する掛け合いだ。ツッコミと言うより心の声に近い和田の一挙手一投足はもちろん、ひとつのストーリーをしっかり作り上げる綿密なコントはネルソンズならではで、特に準決勝では分かりやすい形でバチッとハマった。当然決勝でも同じ現象が起こるはずで、なかなか期待できる結果になるのでは。

【公式】ネルソンズ コント『ほっといてくれよ』
【公式】ネルソンズ コント『ほっといてくれよ』

ビスケットブラザーズ

彼らのネタを観て、心底「バカだなあ……」と思いながら笑ったことが何度あったろう。衣装を駆使した変装コントでもって、一瞬にしてフィクションの世界へとダイブさせるコント師が3年ぶりに決勝進出である。

ビスケットブラザーズ 画像 吉本興業 公式プロフィールより
ビスケットブラザーズ
画像 吉本興業 公式プロフィールより

お笑いのライブを観ていると、一定の頻度で「何で今自分は笑っているんだろう」と感じることがある。確かに冷静になってみると意味が分からないことでも、何故かその時は爆笑している謎空間。今回のビスケットブラザーズはそんな意味不明な爆笑が会場を覆い尽くしていたため、それが決勝進出に繋がったのだろうなと。初見の人はビックリするんじゃなかろうかというレベルの新境地。

子育てアドバイザー/ビスケットブラザーズ
子育てアドバイザー/ビスケットブラザーズ

や団

結成15年。これまで何度もKOCで涙を飲んできたトリオが、ようやく表舞台に出るときがきた。劇場では毎回大爆笑を生み出していただけに、この発表にはきっとファンのみならず、芸人仲間たちも大いに喜んだはず。

彼らのコントはシンプルな部類で、最初に大きなテーマを持ってきて徐々に目的がすれ違って行く流れだ。そのため軸となる題材とその後の動きがキーになる訳だけれど、今回のネタは早い段階から観客の心を掴んでいた。 そしてその盛り上がりはが断続的に続いていった点が高評価となったのかなと、感じた。ツッコミの本間キッドの憑依的表情も含め、見所たっぷりのや団をご覧あれ。

【や団】コント 「事件現場」
【や団】コント 「事件現場」

ロングコートダディ

KOC、M-1といつしかお笑い賞レースの決勝常連組となったロコディ。「コントだけしかやらない」「漫才に力を注ぐ」というコンビも多い中で、コントと漫才の両刀使いで更に結果も出すふたりはかなりの力量を持っている。

ロングコートダディ 画像 吉本興業 公式プロフィールより
ロングコートダディ
画像 吉本興業 公式プロフィールより

全国ライブもバリバリに行っていて、今回のネタも彼らが何度も披露してきたネタのひとつだった。特に準決勝1日目よりも2日目のウケが段違いだった印象で、審査的にもここで一気にハネたのだろうと推察。当日の動きは未知数ながら、これまでM-1、KOCとロコディに触れてきた人は逆に面白さが倍増するような、ちょっと特殊なネタ。どんな反応が飛ぶのか、今から楽しみだ。

【コント】井上さん/ロングコートダディ
【コント】井上さん/ロングコートダディ

まとめ

お笑いの賞レースは芸人たちの人生を大きく変える分岐点として位置している。ただ10組のうち何組かはKOCを経て一気にブレイクするのは間違いないまでも、その結果に関しては当日の空気感もあるため、本当に分からない。

そんな中で今年のKOCを鑑賞する上で、我々が絶対に知っておかなければならないことがある。それは『全員この大会に全てを賭けている』という事実だ。彼らはたった4分間のネタを何度も何度も磨き上げ、本気で1年の集大成としてKOCを捉えている。そしてその果てにあるのがブレイク……もといお笑い芸人としての成功であり、それは来たる10月8日に生放送予定の『音楽の日』のワンシーンにて必ず誰かに渡される。

どうか10組の素晴らしい才能を、多くの人々にその目で見届けてほしい。

お笑い賞レース『キングオブコント2022』決勝進出者10組を大解剖! ニッ社、コットン、ロコディ…常連組から、初出場、即席コンビも進出

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キタガワ

島根県在住、会社員兼音楽ライター。rockinon.com、KAI-YOU.netなどに音楽関係の記事を中心に執筆。毎日浴びるほど酒を飲みます。

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