自作用PCやメーカー製PC、ノートPCやMacなど、購入時のメモリ(RAM)の増設や交換が可能なモデルが存在しています。
基本的にはパソコンは搭載するメモリと本体(マザーボード)の規格が合致していればどのメーカー同士のものでも増設が可能(※)です。
逆にいうと対応するメモリでは無い場合=対応していないメモリモジュールは、利用する事ができませんので、形状や規格をしっかりと確認して正しいメモリモジュールを選ぶ必要があります。
※一部メーカーや機器同士で”相性”が悪く使えない場合もあります。昨今はそれも少なくなってきていますが。
以下に、メモリモジュールの種類や選び方のポイントについてまとめました。
記事の索引
メモリモジュールを選ぶ時に見るべきポイント
お持ちのパソコンに対応しているメモリモジュールを選ぶ際にはメモリのスペックや製品名に下記の情報が含まれています。
- チップ規格
- 構造(形状)
- Pin数
- モジュール規格
- 動作周波数
- メモリ容量
これらの情報がメモリとパソコンで対応しているかという選別に必要になるのですが、それぞれを以下へ簡単に解説していきましょう。
チップ規格と世代の表記
一般的に私達が利用するパソコンに利用されるメモリはDDR(Double Data Rate)というチップの規格が主流となっています。
そしててこのDDRは販売時期によってDDR、DDR2、DDR3、DDR4……と数字が大きくなるにつれて新しい世代のチップ規格が登場しています。
規格にあわせて設置側もメモリモジュール自体も形状が異なっているので、DDRのパソコンにDDR2のメモリモジュールを増設する事は出来ません。
構造の表記
2017年現在のメモリモジュールでは『SIMM』『DIMM』『SO-DIMM』『Micro-DIMM』といったメモリが存在します。これらはメモリモジュールの構造(形状)に関する表記となります。
大まかに、DIMMはデスクトップ向けのメモリモジュールに。 SO-DIMMやMicro-DIMMはノートパソコンや省スペース型の小型パソコンなどに使用されます。
構造=物理的な形状を表す表記となりますので、パソコン側とメモリー側で異なる者同士では物理的に搭載が不可能です。しかしこの構造が合っている場合でも、搭載が可能かどうか決定しませんのでご注意ください。
- Micro-DIMM対応のパソコンに SO-DIMMのメモリ=× 取り付けられない
この辺りは当然ですが
- DIMM対応のパソコンに DIMMのメモリ=△ 取付可能な場合もあるしできない場合もある
という事になりますので、さらに他の情報をチェックしていく必要があります。
Pin(ピン)数の表記
メモリモジュールの接続部分にはPINと呼ばれる、金色の端子部分があります。
ここをパソコン(のマザーボード)側と接続するのですが、当然このPIN数が異なると接続できません。このPin数は前述の世代や形状によってある程度規則性があります。
例)
- DDR4のDIMM=288Pin
- DDR3のDIMM=240Pin
- DDR2のDIMM=240Pin
- DDR4のSO-DIMM=256Pin
- DDR3のSO-DIMM=204Pin
ただしPin数だけを見て選んでも、上記のように100%確実な判断基準にはなりませんのでご注意を。
モジュール規格の表記
『PC』(※)と記載されるモジュール規格に関する表記があります
※これはパソコン=PCという略語とはまた別となります
モジュール規格とは何なのか……という点はこの記事では割愛しますが、この表記もメモリモジュールの選別に重要となってきます。
例)
- PC4-21300
- PC4-17000
- PC3-17066
- PC2-6400
この辺りから、だんだん混乱してきます。
動作周波数(FSB/バスクロック)の表記
FSBやバスクロックとも呼ばれるメモリモジュール側の動作周波数に関する表記です。
パソコン(チップ)側が1333MHzまでしか対応していない場合、1800MHzのメモリーモジュールを取り付ける事は可能ですが、動作は1333MHzになってしまいます。 下位互換です。
取付の可・不可というよりも、動作速度に関するスペックなので、前述までの各種情報で「利用できるメモリ」であると確認した後の検討項目として覚えておくと良いでしょう。
メモリ容量の表記
これは、一番身近な表記ですので皆様分かりやすいと思います。
32GB、64GB、128GB……と数値が大きくなるにしたがって、メモリモジュールの容量が大きくなります。
基本的には大容量のものを取り付けた方が、パソコンの総合的な動作速度は向上しますが、パソコンやOSが最大で256GBまでしか対応していない場合は512GBを取り付けても無駄になってしまいます。
パソコン側のスペックには大抵メモリに関して『最大×××GB』などと表記があるので、この点も確認しておきましょう。
その他にも……
CL(CAS Latency)=レイテンシなどの表記が有る場合もあります。これは性能の指標といったものでCL3、CL2と、数字が小さくなるほど早くなります。
まとめ
そんな訳で、一件複雑な様で実はやっぱり複雑なメモリモジュール スペックの見方ですが、下記に一覧表を作成いたしました。
現在のパソコンにメモリを増設して、性能アップ。快適な環境で、仕事にゲームにとパソコンを一層活躍させてあげましょう。
チップ世代 | モジュール規格 | チップ規格 | 動作周波数 (FSB/バスクロック) | Pin数 | 容量 |
---|---|---|---|---|---|
DDR4 | PC4-34100 | DDR4-4266 | 2133MHz | 288Pin | |
PC4-25600 | DDR4-3200 | 1600MHz | 288Pin | ||
PC4-21333 | DDR4-2666 | 1333MHz | 288Pin | ||
PC4-19200 | DDR4-2400 | 1200MHz | 288Pin | ||
PC4-17000 | DDR4-2133 | 1066MHz | 288Pin | ||
PC4-14900 | DDR4-1866 | 933MHz | 288Pin | ||
PC4-12800 | DDR4-1600 | 800MHz | 288Pin | ||
DDR3 | PC3-21333 | DDR3-2666 | 1333MHz | 240Pin | |
PC3-19200 | DDR3-2400 | 1200MHz | 240Pin | ||
PC3-17000 | DDR3-2133 | 1066MHz | 240Pin | ||
PC3-14900 | DDR3-1866 | 933MHz | 240Pin | ||
PC3-12800 | DDR3-1600 | 800MHz | 240Pin | ||
PC3-10600 | DDR3-1333 | 667MHz | 240Pin | ||
PC3-8500 | DDR3-1066 | 533MHz | 240Pin | ||
PC3-6400 | DDR3-800 | 400MHz | 240Pin | ||
DDR2 | PC2-9600 | DDR2-1200 | 600MHz | 240Pin | |
PC2-9200 | DDR2-1150 | 575MHz | 240Pin | ||
PC2-8500 | DDR2-1066 | 533MHz | 240Pin | ||
PC2-8000 | DDR2-1000 | 500MHz | 240Pin | ||
PC2-7200 | DDR2-900 | 450MHz | 240Pin | ||
PC2-6400 | DDR2-800 | 400MHz | 240Pin | ||
PC2-5300 | DDR2-667 | 333MHz | 240Pin | ||
PC2-4200 | DDR2-533 | 266MHz | 240Pin | ||
PC2-3200 | DDR2-400 | 200MHz | 240Pin | ||
DDR | PC-3200 | DDR-400 | 200MHz | 184pin | |
PC-2700 | DDR-333 | 167MHz | 184pin | ||
PC-2100 | DDR-266 | 133MHz | 184pin |
コメント
外国人の私にも分かるように丁寧に説明してくれてありがとうございます。
DDR5は、2022年以降に延期になりましたね。
それにしても、DDRメモリは、いつまで使い続けるんでしょうか?
6、7、8とまだまだ続くんでしょうかね?
どう思われますか?
初めまして あまり詳しく無いのに先日 古いノートパソコンのメモリー増設に挑戦し 成功した為 気をよくしている 67歳の少年です、今回 DELL Inspiron14 5000シリーズ 5480を購入したのですが 8GB 増設メモリーを調べているのですが PC4-21300 DDR4-2666 8GB
ノートパソコン用メモリーとして 同規格で 260Pin及び288Pinが出てくるのですが(各社比較の中では260Pinの方が多い ※アマゾンサイト)どちらを選べばよいのでしょうか?ご指導いただけるようでありましたらアドバイスいただけると幸いです。
文中で正確に解説できておりませんね申し訳ありません。
ノートパソコン用のSo-DIMMであれば260Pinなのではないでしょうか。
https://amzn.to/2Z4BSz0
※動作・対応については保証できませんので、ご参考までに……
幾つか参考になる外部サイト様もありましたので、あわせてご覧ください・
http://bit.ly/310j7yE
http://sui-lab.info/archives/2323