Bluetoothのコーデック解説 音質を左右する圧縮・伝送規格について
Bluetoothのコーデック解説 音質を左右する圧縮・伝送規格について

Bluetoothのコーデックの種類と性能まとめ 音質を左右する圧縮・伝送規格について解説

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Bluetooth(ブルートゥース)のスペックで見かけるコーデック(CODEC)とは、Bluetooth経由で音声を伝送する際に使用される音声の圧縮・伝送技術を指します。

ワイヤレスイヤホンのように、Bluetoothで音楽を再生する際にはこのコーデックによって、音質や遅延、省電力性能などの違いがでます。

Bluetoothの音質を左右するコーデックについて一覧で解説

CODEC名 スペック 概要
SBC
(Subband Coding)
  • ビット精度: 4~16bits
  • サンプリング周波数: 16kHz~48kHz
  • 最大ビットレート: 約345kbps
    (Joint Stereo)
  • 遅延: 150~250ms
シンプルなオーディオコーデック。
相応に損失のある圧縮方式だが、高ビットレートでエンコードすれば、よほどこだわりがある人でなければ十分聞ける音質に。
AAC
(Advanced Audio Codec)
  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 最大 96kHz
  • 最大ビットレート: 約250~320kbps
  • 遅延: 約150ms
効率的な音声圧縮を行えるため、低ビットレートでもSBCと比較して高音質と評価される場合も。
aptX
  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz
  • 最大ビットレート: 352 kbps
  • 遅延: 約 100~130ms
遅延が少なく、高音質。
aptX HD
  • ビット精度: 24bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz
  • 最大ビットレート: 576kbps
  • 遅延: 約100~130ms
aptXの高解像度(ハイレゾ)バージョン。24ビットに対応し、更に向上した音質。
aptX LL
(Low Latency)
  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz, 48kHz
  • 最大ビットレート: 352 kbps
  • 遅延: 約40ms
aptXの低遅延バージョン。
レイテンシ(遅延)40ms未満を実現し、映像と音声の同期が求められるするシーン(ゲームなど)に適している。
LDAC
  • ビット精度: 16~24 bits
  • サンプリング周波数: 最大 96kHz
  • 最大ビットレート: 330/660/990kbps (3モードから選択)
  • 遅延:大(数値公開なし)
ソニーが開発した高解像度オーディオの圧縮と伝送のためのコーデック。非常に高いビットレートでの伝送をサポートし、高い音質を提供。
相応に遅延は大きい。

SBC (Subband Coding)

  • ビット精度: 4~16bits
  • サンプリング周波数: 16kHz~48kHz
  • 最大ビットレート: 約345kbps(Joint Stereo)
  • 遅延: 150~250ms
  • 機能概要: Bluetoothオーディオ伝送のための低複雑度のオーディオコーデック。ロスのある圧縮方式で、適切なビットレートでエンコードされると、多くのリスナーにとって十分な音質を提供。A2DPのマンダトリーコーデックとして定義されているため、すべてのA2DP対応デバイスでサポートされている。

AAC (Advanced Audio Codec)

  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 最大 96kHz
  • 最大ビットレート: 約250~320kbps
  • 遅延: 約150ms
  • 機能概要: デジタルオーディオの圧縮のための方式。効率的な音声圧縮を行い、SBCよりも高い音質と評価される事が多い。 iOSデバイスや一部のAndroidデバイス、多くのBluetoothオーディオデバイスでサポートされている。

aptX

  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz
  • 最大ビットレート: 352 kbps
  • 遅延: 約 100~130ms
  • 機能概要: 高品質ながら、低遅延という特性を持つ。近年、aptXをサポートするBluetoothオーディオデバイスは増加傾向。

aptX HD

  • ビット精度: 24bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz
  • 最大ビットレート: 576kbps
  • 遅延: 約100~130ms
  • 機能概要: aptXの高解像度(ハイレゾ)バージョン。24ビットの音楽品質をサポートし、更に向上した音質を実現している。

aptX LL (Low Latency)

  • ビット精度: 16bits
  • サンプリング周波数: 44.1kHz, 48kHz
  • 最大ビットレート: 352 kbps
  • 遅延: 約40ms
  • 機能概要: aptXの低遅延バージョン。ゲームなど、映像と音声の同期を重視する用途に適している

LDAC

  • ビット精度: 16~24 bits
  • サンプリング周波数: 最大 96kHz
  • 最大ビットレート: 330/660/990kbps (3モードから選択)
  • 遅延:大
  • 機能概要: ソニーが開発した高解像度オーディオの圧縮と伝送のためのコーデック。非常に高いビットレートでの伝送をサポートし、高い音質を提供。ソニー製のデバイスやAndroid 8.0以降のデバイス、高品質志向の製品での導入が進む。

まとめ

当ページではBluetoothのコーデックについてまとめてみました。とくにワイヤレスイヤホンの性能表記で多く見かける事が多いものを中心に記載していますが、定期的に更新していく予定です。

このコーデックだけがオーディオ機器の音質や性能を左右するという単純なものでは無いようですが、ひとつの指針として理解しておくと良いのではないでしょうか。

ユーザーとしては、コーデックは『音質が良くて遅延も少ない物』を採用してくれれば良いのでは? とも考えがちですが、そうなると製造コストが相応に高くなり、実売価格も同様に高くなる……という事になります。

当記事に、追加してほしいコーデックや、その他ご指摘などあればコメント欄などでいただけるとたすかります。

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