Bluetoothのコーデック解説 音質を左右する圧縮・伝送規格について Bluetoothのコーデックの種類と性能まとめ 音質を左右する圧縮・伝送規格について解説 UZUREA編集部 公開:2023年8月22日(1年前) / 更新:2023年8月30日 コメント 0件 ソフトウェアBluetoothソフトウェア技術規格豆知識 SNS X Facebook B! はてブ Pocket 当記事の内容および記事中のリンクには、広告目的や当サイトが収益を得るためのものが含まれており、これらの収益によってuzurea.netは運営されています。 Bluetooth(ブルートゥース)のスペックで見かけるコーデック(CODEC)とは、Bluetooth経由で音声を伝送する際に使用される音声の圧縮・伝送技術を指します。 ワイヤレスイヤホンのように、Bluetoothで音楽を再生する際にはこのコーデックによって、音質や遅延、省電力性能などの違いがでます。 記事の索引1 Bluetoothの音質を左右するコーデックについて一覧で解説1.1 SBC (Subband Coding)1.2 AAC (Advanced Audio Codec)1.3 aptX1.4 aptX HD1.5 aptX LL (Low Latency)1.6 LDAC2 まとめ Bluetoothの音質を左右するコーデックについて一覧で解説 CODEC名 スペック 概要 SBC(Subband Coding) ビット精度: 4~16bits サンプリング周波数: 16kHz~48kHz 最大ビットレート: 約345kbps(Joint Stereo) 遅延: 150~250ms シンプルなオーディオコーデック。相応に損失のある圧縮方式だが、高ビットレートでエンコードすれば、よほどこだわりがある人でなければ十分聞ける音質に。 AAC(Advanced Audio Codec) ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 最大 96kHz 最大ビットレート: 約250~320kbps 遅延: 約150ms 効率的な音声圧縮を行えるため、低ビットレートでもSBCと比較して高音質と評価される場合も。 aptX ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz 最大ビットレート: 352 kbps 遅延: 約 100~130ms 遅延が少なく、高音質。 aptX HD ビット精度: 24bits サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz 最大ビットレート: 576kbps 遅延: 約100~130ms aptXの高解像度(ハイレゾ)バージョン。24ビットに対応し、更に向上した音質。 aptX LL(Low Latency) ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 44.1kHz, 48kHz 最大ビットレート: 352 kbps 遅延: 約40ms aptXの低遅延バージョン。レイテンシ(遅延)40ms未満を実現し、映像と音声の同期が求められるするシーン(ゲームなど)に適している。 LDAC ビット精度: 16~24 bits サンプリング周波数: 最大 96kHz 最大ビットレート: 330/660/990kbps (3モードから選択) 遅延:大(数値公開なし) ソニーが開発した高解像度オーディオの圧縮と伝送のためのコーデック。非常に高いビットレートでの伝送をサポートし、高い音質を提供。相応に遅延は大きい。 SBC (Subband Coding) ビット精度: 4~16bits サンプリング周波数: 16kHz~48kHz 最大ビットレート: 約345kbps(Joint Stereo) 遅延: 150~250ms 機能概要: Bluetoothオーディオ伝送のための低複雑度のオーディオコーデック。ロスのある圧縮方式で、適切なビットレートでエンコードされると、多くのリスナーにとって十分な音質を提供。A2DPのマンダトリーコーデックとして定義されているため、すべてのA2DP対応デバイスでサポートされている。 AAC (Advanced Audio Codec) ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 最大 96kHz 最大ビットレート: 約250~320kbps 遅延: 約150ms 機能概要: デジタルオーディオの圧縮のための方式。効率的な音声圧縮を行い、SBCよりも高い音質と評価される事が多い。 iOSデバイスや一部のAndroidデバイス、多くのBluetoothオーディオデバイスでサポートされている。 aptX ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz 最大ビットレート: 352 kbps 遅延: 約 100~130ms 機能概要: 高品質ながら、低遅延という特性を持つ。近年、aptXをサポートするBluetoothオーディオデバイスは増加傾向。 aptX HD ビット精度: 24bits サンプリング周波数: 44.1kHz、48kHz 最大ビットレート: 576kbps 遅延: 約100~130ms 機能概要: aptXの高解像度(ハイレゾ)バージョン。24ビットの音楽品質をサポートし、更に向上した音質を実現している。 aptX LL (Low Latency) ビット精度: 16bits サンプリング周波数: 44.1kHz, 48kHz 最大ビットレート: 352 kbps 遅延: 約40ms 機能概要: aptXの低遅延バージョン。ゲームなど、映像と音声の同期を重視する用途に適している LDAC ビット精度: 16~24 bits サンプリング周波数: 最大 96kHz 最大ビットレート: 330/660/990kbps (3モードから選択) 遅延:大 機能概要: ソニーが開発した高解像度オーディオの圧縮と伝送のためのコーデック。非常に高いビットレートでの伝送をサポートし、高い音質を提供。ソニー製のデバイスやAndroid 8.0以降のデバイス、高品質志向の製品での導入が進む。 まとめ 当ページではBluetoothのコーデックについてまとめてみました。とくにワイヤレスイヤホンの性能表記で多く見かける事が多いものを中心に記載していますが、定期的に更新していく予定です。 このコーデックだけがオーディオ機器の音質や性能を左右するという単純なものでは無いようですが、ひとつの指針として理解しておくと良いのではないでしょうか。 ユーザーとしては、コーデックは『音質が良くて遅延も少ない物』を採用してくれれば良いのでは? とも考えがちですが、そうなると製造コストが相応に高くなり、実売価格も同様に高くなる……という事になります。 当記事に、追加してほしいコーデックや、その他ご指摘などあればコメント欄などでいただけるとたすかります。 基礎からわかる「Bluetooth」 [第3版] (I/O BOOKS) ¥4,601 (2025/01/29 06:22:24時点 Amazon調べ-詳細) Amazonでのレビューを見る Amazonで探す 楽天市場で探す Yahoo!ショッピングで探す メルカリで探す PICで楽しむBluetooth・Wi-Fi機器の自作 ¥3,520 (2025/01/29 00:52:26時点 Amazon調べ-詳細) Amazonでのレビューを見る Amazonで探す 楽天市場で探す Yahoo!ショッピングで探す メルカリで探す