映画『IDOL-あゝ無情-』公開直前! 『ナルハワールド & ナアユ』インタビュー

映画『IDOL-あゝ無情-』インタビュー 『ナルハワールド & ナアユ』

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平成から続くアイドルブームの中で、常に異彩を放ち続けてきた『WACK(ワック)』は、プロデューサー『ジュンジュン』こと渡辺淳之介氏が立ち上げた音楽事務所です。 所属しているグループはBiSHGANG PARADEBiSEMPiREWAggなどなど……熱心なアイドルファンならずともその名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

WACKの仕掛ける個性的なプロデュース、マーケティング手法、企画の独自性は、アイドル業界の中でも群を抜いています。 そして、そんな中でも特異な企画のひとつに合宿オーディションをニコニコ動画で生放送し、さらにドキュメンタリー映画として放映する……という物が有ります。

今回はこのドキュメンタリー映画第2弾、2019年11月1日(金)から公開される 『IDOL-あゝ無情-』について、同オーディションに参加し、結果として昇格を果たしたナルハワールドナアユのおふたりのインタビューを交えて紹介したいと思います。

IDOL -あゝ無情-』 公開前インタビュー

IDOL -あゝ無情-』 は2019年3月に開催されたWACK所属アイドルの合宿オーディション内容を収録した、ノンフィクション・ドキュメンタリー映画。

『IDOL-あゝ無情-』 メインビジュアル
ドキュメンタリー映画 『IDOL-あゝ無情-』

九州の離島 壱岐島(いきのしま)で開催されるこの合宿は、その内容を24時間カメラで撮影し生配信(ニコ生)で放映。 プロデューサーや、視聴者達にアイドルとしての資質を審査をされるという過酷な企画です。

ニコ生で24時間配信され続け約230万人という脅威的な来場者数を記録。歌、ダンス、マラソン、日々の過酷な試練を乗り越え、覚醒し、アイドルへの階段を上がっていく候補生たち。理不尽かつ残酷な日々の現実に必死にあがこうとする少女たちがいる一方で起きた、ひとつのアイドルグループの解散。変化を望む者と拒む者達がそれでも「アイドルになりたかった」とすべてをむき出しにして走り続ける、少女たちのありのままの物語。

IDOL-あゝ無情- 作品紹介より

映画の大部分は、渡辺プロデューサーの怒号と現役アイドル/候補生たちの涙、涙、涙。 そして第2期BiSの解散までが赤裸々に描かれ、見ている私達もひどく感情を揺さぶられます。

映画『IDOL-あゝ無情-』WACKオーディションドキュメンタリー2019年11月1日公開 感情むき出しの痛烈ノンフィクション
映画『IDOL-あゝ無情-』WACKオーディションドキュメンタリー 特報

ナルハワールド & ナアユ インタビュー

あゝ無常 インタビュー 左 ナルハワールドさん/右 ナアユさん
ナルハワールドさん/右 ナアユさん

この合宿を経て解散となってしまった第2期BiS。 そしてそんな中で、WaggからGANG PARADEへの昇格を果たしたナルハワールドさんと、候補生からWAgg加入となったナアユ(合宿参加時 セントチヒロノイモウト)さん。

なぜここまでして彼女たちはアイドルを目指し、続けるのかといった所を軸に、彼女達の想いを伺いました。

ーーまずはオーディションについて教えて頂けないでしょうか? とにかくこの作品からは壮絶な厳しさが「これでもか」と伝わってきます。

ナルハワールド: 私はずっとWACKが好きだったんです。 オーディションや、アイドルをやっていくことが、とても大変だという事は想像してました。 でも私は「それでもいい! これだけはやりたい!」と思ってWACKのオーディションを受けて……事務所に入る事が出来ました。 厳しさは気にならなかったです。

ナアユ: 私は今まで色々やって来たんですが、どれも続かなくて。 そんな自分の性格が好きになれなかったんです。 でも去年の合宿の映画を見て(WACKの合宿ドキュメンタリー第1作目 『世界で一番悲しいオーディション』)、しんどい事に夢中になってるみんなが、変われるのが格好良くて! 深く考えずに、結構勢いみたいな感じでオーディションを受けたんです。 「やりたい!」「これに人生賭けたい!」と思って。

ーー実際飛び込んでみてどうでしたか?

ナアユ: 合宿では私はダンスとか歌が全然出来なくて。 先輩に教えてもらっても出来なくて。 足引っ張ってる感じがつらくて。それでも渡辺さんは『出来ないからおしまい』じゃなくて、『なら、どう変わるか』といったところまで見てもらえるので、そういう事含めてWACKがいいなって。 つらさと嬉しさの割合でいうと、つらいけど……100%嬉しいです (笑) 。

ナルハワールド: (笑) 私も、つらさより嬉しい事の方が多いです。

ーーライブ中など、ステージから見てファンの方の顔とかは分かるんでしょうか?

ナルハワールド: はい。 大きい会場でも結構わかります。 暗くても私の色のハンドライトがステージから見えると、とても嬉しくて。 なんか凄くがんばれます。

ナルハワールドさん
ナルハワールドさん

ーーそんなファンの方に対してはどういうアピールを今後さらにしていきたいですか?

ナルハワールド: みなさんライブの写真をたくさん撮ってくれるんですが、私の表情があまり良くない事が多くて。 笑顔とかの表現力をつけていきたいなと。 映えたい(笑)

ナアユ:私はまだ合宿のニコニコ生放送からなのですが、それでも応援してくださる方がいて。ライブにも来てくれたり、とてもうれしいです。

普段の指導について

『IDOL-あゝ無情-』作品中での渡辺プロデューサーの指導は、とにかく厳しく映ります。 では普段はどうなのでしょうか。

ーーWACKや、渡辺プロデューサーの普段の指導はどうでしょうか? 映画だけを見ると、とても厳しいように感じますが……。

ナアユ: 合宿のとき、渡辺さんに『本番のアイドル活動の方が合宿よりつらい』って言われてたんです。 そう考えたら合宿はつらくても、まだ乗り越えられたというか。 今までの自分はすぐ諦めてたんですが、合宿で諦めない力がつきました。 だから合宿の厳しさは大丈夫でした。

ナルハワールド: 厳しくしてくれてるのは私達のためを思ってくれてるからと、素直に受け止めて、自分の改善点にしたいなと思っています。 (渡辺さんの)注目を集める方法とか、アイディアや考え方の次元が違って、すごく尊敬しています。

ナアユ: 渡辺さんは合宿では厳しい人ですけれども、普段会った時はフレンドリーで優しい人です。 ライブの感想で、駄目なところがあるとめっちゃ厳しく言うんですけど。 WACKの先輩アーティストさん達を見ると、渡辺さんとも距離が近くて、すごい信頼関係があるんだろうなって思っています。

ナアユさん

収録のストレスについて

本編では常にカメラが回っている中での合宿オーディション。 作中でも参加者からは、不満が漏れるシーンもありました。

ーー24時間カメラがあるという状況はストレスが多そうですか、どうなんでしょう。

ナルハワールド:それはもう、だいぶ(笑)。 すべての生活が見られているのはきつかったです。どこにいても気を抜けないというか。 でも、そういう所も意識しないといけないのが、この世界なんだなって思いました。

ナアユ:カメラが常に回ってる状況は怖くて仕方なくて。 前から分かっていた事なんですがしんどくて。 (ニコ生での)生放送中も目立たないといけないところなのに目立てなかったり、笑おうと思っても笑えなかったり。 でも徐々に慣れてきて、話せたり、笑えるようになったりしたら、『笑ってる』みたいなコメントをいただいたりして。 その時は嬉しかったです。

『IDOL-あゝ無情-』の見どころは?

壱岐島(いきのしま)での合宿を映し出す『IDOL-あゝ無情-』
壱岐島(いきのしま)での合宿を映し出す『IDOL-あゝ無情-』

ーー完成版の映画(『IDOL-あゝ無情-』)について、おふたりから見どころなどありましたら教えて下さい。

ナルハワールド: 2期BiSさんが解散する……というのが大きな内容なので。 私個人では「どういうふうに活動していけば良いのか」といった所を考えました。 でも、映画を見てくれるお客さん、ファンの皆さんやアイドル志望の方には勇気を与えるような映画になっていると思います。 私も勇気を貰いました。 まだまだこれから頑張れます。

ナアユ:毎年ニコ生で合宿は配信されているんですけど、映画には配信に映らなかった場面もたくさん入ってました。私も映画を見てはじめて知った事が沢山ありました。見ていて悲しい気持ちになる人もいるかもしれませんが……自分に関して言えば、研修生から成長出来たのはBiSさんのお陰でした。 それが伝わるのかな、とも思います。

ーーなるほど。 映画では皆さんが泣いてるシーンが多かったように感じたのですが、終始あんな感じだったのでしょうか? 実は楽しく笑い合ってる時もあってカットされてるとか……

ナルハワールド: 本当にあんな感じでした。 楽しい! という所はあまりなかったです(笑)

映画『IDOL -あゝ無情-』イメージ3
映画『IDOL -あゝ無情-』 より

アイドルになった理由について

ーーおふたりは、どうしてアイドルになりたかったのでしょうか?

ナルハワールド:私はアイドルというか、とにかくWACKが好きで、WACKに入りたかったんです。

ナアユ:私はBiSさんとGANG PARADEさんが好きで、去年の合宿の映画を見てから、WACKに入りたいと思って、勢いでここまで来ました。 特に2期のBiSさんに憧れていました。

ーーではWACKに入って、そして昇格してという中で、何か変って来たでしょうか。

ナルハワールド:WACKに入れて、人生救われました。 とにかく夢中になれるものが欲しかったんです。 アイドルとして、誰かから必要とされるのは凄く嬉しいです。 私はこの事務所から勇気をもらったので、私もそういう風に誰かの人生を変えられるようになりたいなと思っています。

ナアユ: 元々自分の性格が全然好きじゃなかったので、変わりたかった。 そして合宿に参加して、変われたと思います!

お互いの関係や、他のメンバーについて

ーーすこし映画とは関係ないですが、お二人は先輩後輩として、普段お互いをなんて呼んでいるんでしょうか?

ナアユナルちゃんって呼んでます。

ナルハワールド:わたしはナアユって呼んでます(笑)。

ーー仲が良さそうですね(笑)

ナアユ: 合宿の一番最初のダンス審査の時に(ナルハワールドさんから)ダンスを教えてもらって、すごく嬉しかったんです。

ナルハワールド:(その時)あ、すごくかわいい子だ! って思ってました。

ーーWACKの他のメンバー同士で、仕事以外も交流はあるのでしょうか?

ナルハワールド: はい。 あります、LINEとかでも。

ナアユ: この前カミヤサキさんにも個人的にご助言をいただいて、リハーサル回しとか、スタッフさんとのコミュニケーションについて。 すごく参考になりました。

ーーなるほど、ありがとうございました。

※くだけた話になってきたところですが、時間一杯。 また機会があればもっとお話を伺いたいところです。

まとめ 関連情報

2019年の合宿を経て、新たな一歩を踏み出した二人の若いアイドル。 現在の状況や今後について聞いたときの目の輝きがとても印象的でした。 このインタビューを通して、彼女たちがどうしてあそこまで頑張れるのか、といった点が垣間見えたような気がします。

アイドル活動や芸能界の厳しさが、むき出しになっているドキュメント映画『IDOL-あゝ無情-』は、2019年11月1日(金)公開。 今の日本のアイドルシーンの一部を切り取った記録映画としても見どころのある作品です。

(文・流石の三太郎)

『IDOL-あゝ無情-』 公開情報・スタッフ

  • 『IDOL-あゝ無情-』
  • 11月1日(金)よりテアトル新宿、11月8日(金)よりシネ・リーブル梅田、11月9日(土)よりシネマスコーレにて公開
  • 監督・編集:岩淵弘樹
  • プロデューサー:渡辺淳之介
  • 撮影:青柳拓、浅井一仁、今井未来、今田哲史、岩淵弘樹、エリザベス宮地、小峰克彦、白鳥勇輝、中村桃子、丹羽貴幸、バクシーシ山下、八木咲、柳田裕之、山崎夏樹
  • 出演:オーディション候補生、BiSH、BiS、GANG PARADE、EMPiRE、WAgg
  • 配給:松竹メディア事業部
  • 2019/85分/ヴィスタサイズ
  • (c)WACK INC.

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流石の三太郎

埼玉県大宮市生まれのライター/コラムニスト。2001年執筆活動開始。おっさん。サブカルチャー(庶民文化全般)ジャンル分け不可能かつ、しっちゃかめっちゃか多岐に渡り、 主に雑誌を中心に執筆。

『昭和50年男』『実話 BUNKA タブー』『TV .Bros』『スーパー写真塾』『実話マッドマックス』『バースト』『Tattoo バースト』『ホイップ』『bounce』『CD ジャーナル』『サイゾー』『R-ZONE』などで執筆。音楽、笑い、テレビ、AMラジオ、アンダーグラウンド・クラブカルチャーなどが守備範囲。

プロフィール画像は江戸時代の絵師にして、洒落本の編集者の山東京伝。(Wikipedia CC0)

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