吾妻ひでお 幻の同人誌『へろ』と『ふるむまかをめら』が復刻版 ウロン文学選集としてセット刊行決定! UZUREA News 公開:2020年3月4日(5年前) コメント 0件 漫画・アニメ趣味・文化同人吾妻ひでお本漫画高橋留美子 SNS X Facebook B! はてブ Pocket 当記事の内容および記事中のリンクには、広告目的や当サイトが収益を得るためのものが含まれており、これらの収益によってuzurea.netは運営されています。 復刊ドットコムは、2019年にこの世を去った吾妻ひでお氏の追悼企画として、彼の代表作『不条理日記』から生まれた幻の同人誌を限定復刻! 高橋留美子、萩尾望都、新井素子らも参加した伝説の同人誌、クルムヘトロジャン著『へろ』と、ベーホ著『ふるむまかおめら』の2冊を復刻版としてセットで2020年4月下旬に発売予定。予価: 33,000円(税込 本体価格 30,000 円 + 消費税10%) 記事の索引1 復刻版 ウロン文学選集 『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット1.1 架空の書籍『へろ』が本当に制作された1.2 遊び心の極致による豪華な造り1.3 「だからSFファンのやることは恐ろしいというのだ!」1.4 原書の造りを忠実に復刻!1.5 書籍情報2 関連リンク 復刻版 ウロン文学選集 『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット 吾妻ひでお『不条理日記』から生まれた幻の同人誌『へろ』と『ふるむまかをめら』が、奇跡の限定復刻! 復刻版 ウロン文学選集(『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット)※画像は原本のものです。 1978年12月、『別冊奇想天外』に第1作が発表された吾妻ひでお『不条理日記』。作者自身を主人公として、一見するとエッセイ漫画風な形式の中に、国内外の様々なSF作品を元ネタとしたパロディをふんだんに散りばめながら、矢継ぎ早に繰り出されるシュールなギャグのオンパレードに読者は驚嘆。1979年の第2作以降は自販機本『劇画アリス』に連載されるという特異な発表形態も話題になり、この作品で吾妻ひでおは、その年の優秀なSF作品に贈られる星雲賞のコミック部門を受賞、名実ともに『不条理日記』は著者の代表作となりました。 吾妻ひでお『不条理日記 完全版』復刊ドットコム より 『第10回日本SF大会(MEICON III)』を題材にしたシリーズ第7作『SF大会編』(『奇想天外』1979年11月)では、会場の様子が持ち前の不条理ギャグを交えながら描かれました。SF本のオークション会場で競売にかけられる、スタージョンの『にふへんへほう』、ベーホの『ふるむまかをめら』、クルムヘトロジャンの『へろ』などといった謎めいた書籍。『へろ』の出品に反応を示した吾妻に対し、周囲の参加者たちはなぜか急に白い眼を向け、吾妻は会場を立ち去るのでした……。 復刻版 ウロン文学選集(『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット)復刊ドットコム 詳細&販売ページ 架空の書籍『へろ』が本当に制作された その翌年。吾妻ひでおの熱烈なファンの有志が集い、このシーンを再現してしまおうという企画が始まります。『ウロン文学選集 第11巻』の冠を付けて、本当に『へろ』が制作されたのです。クルムヘトロジャンなる人物がウロン語(これも吾妻作品に登場する架空の言語)で著した書籍『へろ』を翻訳したもの、という体裁で、ホルヘ・ルイス・ボルヘスやスタニスワフ・レムによる架空の本の書評とも通ずる内容もあってか、造本はいかにも海外文学の翻訳書を模しています。 遊び心の極致による豪華な造り 書籍本体には矢野徹による序文を付し、吾妻ひでお本人によるイラストも4色印刷で収録。“フランス装”風の瀟洒な製本に、帯付きのスリーブケース。題箋(タイトル等の書かれた紙片)をケースに貼ってゆく工程は、制作スタッフ陣が手作業で行なったそうです。 さらに付属の月報には、高橋留美子のイラストのほか、萩尾望都や新井素子、とり・みき、米澤嘉博など超豪華執筆陣による小文(クルムヘトロジャンの略歴やウロン語の学術的考察など)が寄せられました。ほんの数コマのギャグを元にして作られたとは思えないほど濃密な内容と、参加した寄稿者の豪華さが、吾妻ひでおという作家の求心力とその作品の懐の深さを物語っています。 「だからSFファンのやることは恐ろしいというのだ!」 この顛末は、『不条理日記』以後の短編『ダーティしでおの大冒険』(「奇想天外」1980年10月)に描かれ、そこに登場する吾妻ひでおは「だからSFファンのやることは恐ろしいというのだ!」と叫びました。こうして『へろ』の存在は広く読者に知られることとなりましたが、発行部数が少なかったこともあり、実物を入手することはもちろん目にする機会もめったにない稀覯書(きこうしょ)として、神話のように語り継がれる存在となったのでした。 また1981年には『へろ』の続編としてベーホ『ふるむまかをめら』も第2回配本として制作されました。今回も川又千秋による序文や、高千穂遥による推薦文のほか、いしかわじゅんのイラストや横田順彌らの小文を収録した豪華な内容の月報が付されています。 原書の造りを忠実に復刻! 現在、オークションなどでも揃いで出品されることはめったにないこの幻の同人誌を、月報や投げ込みチラシなどまで含めオリジナルの造本そのままに復刻し、特製ケースに2冊セットで収納して刊行いたします。特別付録として、原本の編著者によるメイキング・ドキュメント小冊子も同梱予定。分売不可、初版300部完全限定生産です。 書籍情報 著者: 片野隆之 ほか出版社: 復刊ドットコム判型: B6変・化粧箱入頁数: 170 頁ジャンル: 文芸書予価: 33,000円(税込)(本体価格 30,000 円 + 消費税10%)配送時期: 2020/04/下旬 ISBNコード: 9784835457369 復刻版 ウロン文学選集(『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット)復刊ドットコム 詳細&販売ページ 関連リンク 吾妻ひでお 公式ウェブサイト吾妻ひでお 本人Twitter(2019年10月13日逝去) 高橋留美子、萩尾望都、新井素子、とり・みき、いしかわじゅんも参加の豪華&激レアな同人誌!吾妻ひでお『不条理日記』から生まれた「へろ」と「ふるむまかをめら」が、2冊組の『ウロン文学選集』として奇跡の限定復刻! https://t.co/Oemn1Dpeda※写真は原本のものです。 pic.twitter.com/B9xpkF65FN— 復刊ドットコム (@fukkan_com) February 28, 2020