Webサイト向け『JASRAC(ジャスラック)認証』を申請・取得する手順 企業サイト、サービス、個人サイト、ブログなど

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日本国内で流通している楽曲の多くは、一般社団法人 日本音楽著作権協会JASRACジャスラック)へ著作権の管理を委託されています。

そこで当ページでは正式な手順を踏んで、このJASRAC認証の登録・申請をする手順について解説します。この手続きは、企業だけではなく個人で運営しているWebサイトやブログでも利用できる内容ですので、音楽著作物をWebサイト・サービスで提供しようと考えている人は是非ご一読ください。

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Webサイト・サービス向け JASRAC認証の登録・申請方法

Webサイト・ブログなどで、アーティストが制作した楽曲の音源、歌詞などを利用・掲載・引用してみたいと考えた事のある方も居るのではないでしょか。例えば……

  • 歌詞を掲載したい
  • 楽譜を掲載したい
  • 動画配信で紹介したい、BGMに使いたい
  • WebサイトのBGMとして曲を流したい
  • ストリーミング再生させたい
  • 楽曲のダウンロード提供をしたい

などなど。特に、歌詞や楽譜の掲載といったものは、個人でも結構扱いやすいものですが、これらも著作権によってアーティストの権利が守られている者であることは認識しておきましょう。

その上で、JASRACが管理している楽曲やアーティストであれば、当ページで解説する手続きを行う事で、権利的にクリアな状態でコンテンツを制作・提供する事ができるようになります。

JASRAC管理著作物の許諾を受けるおおまかな流れ

Webサイト、ブログで使用を考えている対象物(楽曲データ、歌詞など)がJASRAC管理の著作物に該当するかを確認します。JASRAC管理のものであることが確認できた場合、付帯するその他の権利関係をクリアにした上で実際に著作権対象物をどのような形で個人サイト、ブログにて使用するのかを整理します。

これにより著作権の使用料が判明するので、書類などの提示で手続きを行い、使用料を支払い、Webサイトにおける著作権許諾を受けることができるという流れになります。

  1. 利用する楽曲がJASRACの管理楽曲か確認する
    (『作品データベース検索サービス J-WID(ジェイウィッド)』を利用)
  2. 手続きが必要かどうかを確認する
  3. 利用方法に応じた手続きを行う

具体的な確認方法は全てJASRACによって提供されている検索システム『作品データベース検索サービス J-WID(ジェイウィッド)』より行うことができます。以下より具体的な道筋に従った手順を説明していきます。

なお、事業者が自分の事業を紹介したり、会社のWebサイトで利用したい場合は『商用配信』。個人サイト、ブログでの楽曲使用は基本的に『非商用配信』となる場合が多いでしょう。また、商業用レコード等や着信音などの配信サービス事業に行う場合はやはり『商用配信』という分類になるようです。

参照:『音楽利用の手引き(手続きの総合案内)』
https://www.jasrac.or.jp/info/network/pdf/jtakt/tebiki.pdf

手順1:著作権管理がJASRACなのかどうかを確認

まずは、利用したい楽曲がJASRAC管理の作品かどうかを確認します。日本国内で一般市場に流通している楽曲の大半はJASRACが管理していますが、その他の団体が管理する場合や、個人にて著作権を管理している楽曲という可能性もありますので、この手順を最初に行っておきましょう。

※当然JASRAC以外の管理となるものであれば、該当の管理者または委託先の基準に従った許諾手続きが必要となります。

この確認は、確認はJASRACが提供しているデータベース検索システム『J-WID(ジェイウィッド)』で確認することができます。

J-WID 管理画面

作品データベース検索サービス J-WIDは直接リンク禁止サービスですので、一旦JASRACのWebサイトにアクセスし、画面上部にある『J-WID』のリンクボタンよりアクセスしましょう。

Google以外からは直接リンク禁止のJ-WIDへのアクセスは
JASRAC webサイトヘッダーなどのボタンから
Google以外からは直接リンク禁止のJ-WIDへのアクセスは
webサイトヘッダーなどのボタンから

J-WIDはなかなか使いやすいシステムで、さまざまな抽出項目から目的の楽曲の情報にたどり着く事が出来ます。たとえば『作品タイトル』のみなどいずれかひとつだけの入力でも検索が可能ですし、タイトルがわからなければ『アーティスト名』から表示される候補で確認することもできます。

注意すべきは『著作者名』という項目で、必ずしもアーティスト名=著作者名とはならず作曲者の個人名が該当するケースもありますので、わからない場合はアーティスト名で検索するのが無難でしょう。

下記の画像は例としてアーティスト名『THE ALFEE』で検索された結果。この中より使用予定の楽曲が見つかれば、JASRAC管理の楽曲であることが判明します。

J-WIDでアーティスト名 THE ALFEE を検索をした結果
J-WIDでアーティスト名 THE ALFEE を検索をした結果

著作者名が、『高見沢 俊彦』の場合と、『坂崎 幸之助』、そしてその他の作曲家のものであったりというのが確認できます。

また、各楽曲の右横にある『詳細』ボダンをクリックすると、

  • 管理状況(利用分野)
  • 管理状況詳細
  • 作品タイトル一覧(正題・副題)

といった情報が表示されますので、検索結果とともに確認しておきましょう。

JASRACが該当楽曲のどの分野を管理しているかも、確認できる。
〇(まる)のついているアイコンをクリックすると、管理状況の詳細も表示される。

手順2:手続きが必要かどうかの確認

楽曲がJASRAC管理であっても、使用方法に関して使用許諾の手続きが不要なケース(※)もあります。

※不要なケースの例としては、YouTubeや、Instagramなど、各サービスがJASRACと利用許諾契約を締結している音楽配信サービスからの利用など

手続き診断も、簡単なフロー形式で確認できるページが用意されています。

お手続き診断 JASRAC

前述した、JASRACとの個別契約が不要なケースとしてYouTubeなどJASRACが利用許諾契約を締結している動画投稿サービスについては、別のページの確認フローにより確認できます。

JASRAC 
YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用
解説ページ
JASRAC
YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用
解説ページ

補足:JASRACが利用許諾契約を締結している動画サービス

YouTubeの他にも、日本国内で利用できる複数サービスがこの利用許諾契約をおこなっています。該当するサービスは下記のページで公開されていますので、興味のある方はこちらも事前に確認しておくとよいでしょう。

手順3:JASRAC以外の許諾が必要かの確認

さらに、JASRAC管理の楽曲であるかどうかと同時に、JASRAC以外の権利者があるかどうかの確認も必要です。これに該当する場合はJASRACの許諾手続き以前にその許諾を得ることが必要となります。許諾を得る手順については権利者によって異なるためここでは割愛しますが、注意すべき権利について少しだけ説明します。

  1. 市販CDやダウンロード音源を使用する場合
    JASRAC管理の著作権とは別に著作隣接権(音源製作者やアーティストの権利)があり、許諾を得るにはレコード会社、レーベルなどに問い合わせを行う必要があります。 参照:日本レコード協会音源利用許諾窓口一覧
  2. 編曲、訳詞を作って利用する場合
    使用する楽曲を編曲する(訳詞を付ける、替え歌にするなど)場合は、楽曲の権利者(作詞者、作曲者、音楽出版社等)に対して編曲(訳詞、替え歌)に関する許諾を得る必要があります。

手順4:使用料の確認

手続きが必要である場合、併せて使用目的より楽曲の使用料を確認しておきます。楽曲の使用料は、使用目的や使用方法など多岐に分類されており、使いたい状況がどこに当てはまるかを確認することで、事前に使用料を確認しておくことができます。

この確認はJASRAC Webサイトに掲載のある、下記ページより行えます。

JASRAC 使用料早見表
JASRAC 使用料早見表

なお、使用用途がどの分類に該当するかの判断が難しい場合は、問い合わせページよりJASRACに直接確認するとよいでしょう。

手順5:使用許諾手続き(J-TAKTでの申請と書類の提出)

ここまできてやっと使用許諾の申請手続きとなります。基本的には、JASRAC『手続きの流れ(商用配信)』ページに掲載された内容に従えばOKです。

詳細は当記事では割愛しますが、おおまかには以下のような手続きとなります。

  1. オンライン窓口ツール『J-TAKT』による申し込み
    トップ画面から利用項目にあったものを選択し申し込みをし、申請が完了すると、基本契約書のダウンロードリンクおよび『J-TAKT』用のアカウントが発行される。(古いシステムのようで、2023年6月現在は結構使い難いですが我慢、我慢)
  2. 基本契約書の提出(郵送!)
    • 基本契約書は上記手順でJ-TAKTで発行されたリンクより基本契約書を入手し、印刷、捺印し郵送します。郵送、郵送……。
  3. サービス概要書の提出(オンライン)
    • 構築する個人サイト、ブログの企画書等、サイトの内容および楽曲の利用方法詳細がわかる資料を送付します。提出は専用フォームからできます。

手順6:許諾番号・許諾マークが発行され Webサイトに掲載

通常申し込みより2週間ほどで、JASRACより許諾番号・許諾マークを添付したメールが送付されます。申請したWebサイトのトップページなど、見やすい位置にこれを掲載し許諾を受けている旨を明確にしましょう。

JASRACの許諾マークサンプル
画像 JASRAC Webサイトより

昨今のWebデザインのトレンドに流されない、アンティーク感のあるアイコンが配布されます(2023年6月現在)。

申請後の手続きについて

上記手続きで、音楽著作物をWebサイトで掲載・使用するまでの手順は完了です。とはいえ、その後に楽曲の報告、利用料の支払いという手続きも必要ですので、これについても簡単に解説しておきます。

手順1:利用曲目の報告

楽曲利用者は使用料の計算や、使用料を分配する作品を特定するため、利用された楽曲情報等をJASRACに報告する必要があります。個人サイト、ブログのオーナーは利用曲目報告用ファイル(タブ区切りテキスト形式)を利用月単位で作成し、J-TAKTから報告します。

利用報告等の流れについての詳細は、JASRAC提供 『音楽利用の手引き(手続きの総合案内) PDFファイル』の18ページ~に掲載されています。

手順2:使用料の支払い

楽曲使用料の請求は、楽曲報告受付け月の翌月末、支払期限はご請求月の翌月末となります。請求明細データはJ-TAKTからダウンロードできますので、これに従い使用料を支払います。支払い方法は口座振込、振込手数料は利用者の負担となります。

まとめ

当記事では、JASRACにて管理されている楽曲(著作物)をインターネットのWebサイト(個人サイト、ブログを含む)で使用する際に必要な手順、手続きを紹介しました。JASRAC管理の許諾に関しては、公式ホームページでの説明どおりある程度の手間はかかるものの、確実に行えるという安心感はあります。

ただし、Webサービスなどを構築する際には、JASRACで管理する音楽著作物以外の許諾が必要な場合の対応にも注意する必要があります。たとえば、著作隣接権肖像権などについてはJASRACの管轄外となりますので、これらについても使用するという場合は個別に問い合わせて対応を行い、それらがクリアされなければJASRACの許諾を受けることができません。

なお、当記事ではWebサイト(インターネット)での利用方法についての解説なので割愛していますが、インターネット以外の利用の場合は、また異なる手順を踏む必要があります。たとえば、『コンサートやイベント』向けの申請については、『J-OPUS』というサービス。『楽譜・CD・DVD』などの申請については『J-RAPP』という別のサービスを使う事になるようです。

いずれにせよ問い合わせなどにも丁寧に回答してくれるので、余裕をもって準備し、権利者・アーティストに利益が還元されるような形でWebサービスを構築する事を心がけたいですね。

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