無類のエモSFアニメ『ノエイン もうひとりの君へ』の魅力! 今なお輝く名作アニメの魅力を紹介

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北海道函館を舞台にしたSFアニメ『ノエイン もうひとりの君へ』をご存じでしょうか。

2019年秋アニメ『星合の空』の原作/監督/脚本である赤根和樹監督が、2005年に同じく原作/監督/脚本として制作したアニメ作品です。

『ノエイン もうひとりの君へ』は、万人受けするアニメではありませんが、その内容や映像がハマる人にとっては、一生忘れることのできない作品となりえる魅力をもっています。 今回はそんなマニア向けな本作について、あらすじ作品の魅力を中心にご紹介したいと思います!

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『ノエイン もうひとりの君へ』とは

『ノエイン もうひとりの君へ』は、2005年の10月11日から翌年3月31日までに放送された全24話のSFアニメ作品。

ストーリーは小学6年生の少年少女が、別次元からやってきたもう一人の『自分』と相対し、あるいは協力して未来を救うというもの。 作品のキャッチコピーは……

『僕の大切な人を奪いにきたのは、僕だった』

……とてつもなくエモくないですか!?

その内容には『量子革命』、『自己の存在の定義』、『素粒子集合体』、『平行世界』といったSF・哲学・サスペンス要素がふんだんに織り込まれていて、結構難解です。

でも大丈夫。

映画で例えるなら、『インターステラー』、『バタフライエフェクト』、『インセプション』といったSF作品が、その設定や世界観を100%理解しなくても楽しめるように、この『ノエイン』も全ての設定や要素を理解しなくても楽しめる作品です。 実際、私も内容をあまり理解できていません! 量子力学とはなんじゃらホイというレベルです。

それでもこの作品が超面白い名作アニメと思えるのは、ストーリーや、世界観キャラクター作画などたくさんの魅力にあふれているから。 この 『ノエイン もうひとりの君へ』が頭の奥底にこびりつくような一生忘れられないアニメとなった理由をご紹介していきます。

『ノエイン もうひとりの君へ』の3つの魅力

少年少女たちの絆物語

ひとつめに挙げる魅力は、物語としての魅力。

本作の主人公 上乃木(かみのぎ)ハルカは、時空に影響を与える特別な力を持つ小学六年生の女の子。

そして、ハルカの幼馴染である後藤ユウは、母親に中学受験を強要され強いストレスを感じています。 ハルカはそんな暗く沈みがちなユウを励まし引っ張るような関係です。

そんなある時、未来の後藤ユウ=カラスの出現により、ハルカたちの生活は一変。 特に不思議な力を持つハルカは、2つの次元から身を追われることになります。 昨今流行りの主人公が異世界に行く物語……ではなく、異世界からやってくるという物語です。

ハルカを含めた好奇心旺盛な小学生たち。 自分らの次元を守るために尽力するカラスを含めた大人たち。 そして第3の勢力がぶつかり合い、収束していく展開にはハラハラドキドキが止まりません。

そして『ハルカのいる次元はもちろん、ハルカ自身はどうなるのか?』『未来の後藤ユウ(カラス)はなんのために現れたのか?』『仮面をつけた男の正体とは?』などの疑問が解決していくたびに、じわりじわりと脳の奥からねっとりとした汁が出てくるような感覚になります。 思考を侵食していく本作独特の面白さは、一度知ってしまったら病みつきになることでしょう。

また各キャラクターの恋愛模様にも目が離せません。子供たちの甘酸っぱい青春には胸がほっこりしますが、大人たちの切実で悲しい恋愛には胸が締め付けられます……。 『大切な人を傷つけてまで守りたい物が私にはあるだろうか…』なんて考えてしまいました。

個性的なキャラクターたち

『ノエインもうひとりの君へ』のふたつめの魅力は個性的なキャラクターたち! 正直、私はキャラクタ―にハマり、本作が大好きになりました。

特におすすめしたいキャラは、別次元からやってきたカラスアトリトビの三人。

カラスは、後藤ユウの15年後の存在で、あることをきっかけにハルカを守ることに決めます。

寡黙だけど愛情が深く、身を挺してハルカを守ろうとするカラスのかっこ良さ。 ハルカを見守る時の表情といったら!! 言葉ではとても表現できません。 本作は恋愛アニメではありませんが、2人の関係には胸のキュンキュンが止まりませんでした。 何度『尊いっ!!!』と叫んだか分かりません。

またハルカの力を奪いに別次元からやってきたアトリにも注目!

気性が荒く残忍なアトリは、ハルカの友人たちも襲おうとします。 序盤では本作で1番恐いキャラクタ―なのですが、ストーリー中盤で性格が大きく変わってしまうことに。 恐い顔は、ほわほわに緩んで、お花畑青年になってしまいます(笑)。

さらに終盤では、ハルカの友人を守るために尽力するアトリには目の奥が熱くなりました……。 かつて主人公の敵だったのに、終盤は心強い仲間に。そんなキャラが大好きな人におすすめなのがアトリです。

最後に紹介したいのが、アトリの友人トビ

紫色のおかっぱ頭のトビは、パソコンをカタカタ言わせる分析係。アトリやハルカたち主人公を陰ながら支えています。大きな特徴はありませんが、本作の難解な部分を視聴者に説明する役割も担っています。 芯がある可愛い褐色少年が好きな人はハマるキャラクターです!

毎話、雰囲気が大きく変わる作画

『ノエインもうひとりの君へ』の3つのめの魅力は作画!

本作は2005年に放送されたアニメとしては3DCGを用いた演出が多い作品です。 また、放送話によって作画の雰囲気も大きく変わる作品でした。

例えば第3話『オワレテ…』(脚本:北嶋博明/絵コンテ:松村やすひろ、こでらかつゆき/演出:松田清/作画監督:奥田淳)では、函館山のロープウェイで、カラスとアトリが激しい戦いを繰り広げます。 その躍動感あふれる戦闘描写は、一見の価値があります。

第12話『タタカイ』 (脚本:佐藤和治/絵コンテ:古橋一浩/演出:田中孝行/作画監督:大久保宏、松本憲生)では、カラスと彼の親友フクロウが、アニメの中の”世界”を縦横無尽に駆け回る肉弾戦の演出が素晴らしい回。

そして、第14話『キオク』(脚本:浅川美也 /絵コンテ:須永司/演出:柳瀬雄之/作画監督:青木真理子)では、前述したアトリの性格が変わってしまった回。 そのホワホワ具合がたまらないほど可愛いです! 作画も戦闘のある回と比べてかなり落ち着いており、見ていて癒される映像です。

まとめ

エモさ、難解なSF要素、個性的なキャラクター、迫力のあるバトルシーンなど、さまざまな魅力がつまった『ノエインもうひとりの君へ』。 人を選びそうな作品ではありますが、ガチっとハマれば抜け出せないほど面白いアニメです。

2019年11月現在バンダイチャンネルにて第1話が会員登録不要で視聴できます。 興味をもっていただいた方は、ぜひその目で一度ご覧ください!

『ノエインもうひとりの君へ』 作品概要

北海道・函館。ハルカは青く光る雪に包まれながら、教会の尖塔の上に立つ黒いマントの謎の男を見かける。 小学六年生になった初夏。ハルカは、幼馴染のユウが母親に中学受験を強要されてストレスを感じていることが気になって仕方がない。

そんな微妙な関係の二人を尻目に、友人たちの間では幽霊の目撃談が盛んになっていた。そしてハルカとユウの前に再び青い雪の中に見た謎の男“カラス”が現れる。巨大な“ウロボロスの環”とともに・・・。ハルカの首元が淡く光りはじめる。「まさか、『龍のトルク』が…」愕然とつぶやくカラス。

絶望の未来を救う“鍵”を持つ少女ハルカは未来を変えられるのか?ユウとカラスの選択は?時空を超えた運命が、今動き出す。

ノエインもうひとりの君へ あらすじ amazon 商品説明より

スタッフ

  • 原作 : 赤根和樹、サテライト
  • 監督 : 赤根和樹
  • キャラクターデザイン : 岸田隆宏
  • シリーズ構成 : 赤根和樹、大野木寛
  • 副監督:安田賢司
  • 脚本:赤根和樹・大野木寛・佐藤和治・北嶋博明・浅川美也
  • オブジェデザイン:竹谷隆之
  • コンセプトデザイン:石垣純哉・高倉武史
  • 美術監督:佐藤豪志
  • 音楽 : 七瀬光
  • オープニング曲:「Idea」、アーティスト: eufonius、 作詞: riya、作曲/編曲: 菊地 創
  • エンディング曲:「夜明けの足音」、アーティスト: solua、 作詞: 稲葉 エミ、作曲/編曲: セキタ ヒロシ
  • 音響制作:マジックカプセル
  • アニメーション制作:サテライト
  • 製作:ノエイン製作委員会
  • 放送期間 : 2005年10月 – 2006年3月 全24話
  • 公式Webサイト(閉鎖済 Web Archiveにて閲覧可能)
  • 原作/監督 赤根和樹氏 本人Twitter

キャスト

  • 上乃木ハルカ役:工藤晴香
  • 後藤ユウ役:瀧本富士子
  • カラス役:中井和哉
  • 藤原イサミ役:宮田幸季
  • 長谷部アイ役:千葉紗子
  • 向井ミホ役:名塚佳織
  • フクロウ役:喜安浩平
  • クイナ役:小山力也
  • コサギ役:本田貴子
  • トビ役:白石涼子
  • アトリ役:鈴村健一
  • イスカ、薫拓也役:三宅健太
  • 上乃木明日香役:岡村明美
  • 後藤美有樹役:田中敦子
  • 内田涼子役:大原さやか
  • 郡山京司役:藤原啓治
  • 二条雪恵役:中原麻衣

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沖縄生まれ、東京住みの新卒フリーライター。映画、ゲーム、アプリといったエンタメ系記事からキャッシュレスなどのお金系記事、美容系の記事までなんでも執筆しています。
ダースベイダーマニアです。

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