量子ドット&Mini LED採用『KTC M27T6』ゲーミングモニター実機レビュー 【製品提供記事】

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ディスプレイモニターを中心に販売するKTCより、量子ドットゲーミングモニター『M27T6』をご提供いただきましたので、そのスペックと特徴、さらに使用感などを実際に暫く使った上でレビューします。

180Hzのリフレッシュレートに加え、量子ドット技術による広色域とMini LEDバックライトによる精緻かつ深いコントラストが特徴のWQHD液晶モニターです。

『KTC M27T6』実機レビュー 量子ドット&Mini LED採用で豊かな色彩表現 27インチ ゲーミング液晶ディスプレイ

今回ご提供いただいたのは、KTCの24インチゲーミングモニター『M27T6』という製品。

KTC 27インチ 量子ドットゲーミングモニター M27T6 画像
KTC 27インチ ゲーミングモニター M27T6
画像 Amazon 販売ページより

『ゲーミングモニター』と名乗るだけあって、リフレッシュレート180Hz、応答時間1msという高速表示に対応し、た2560×1440解像度WQHDモニターです。

そして何より冒頭でも触れたとおり『量子ドット(Quantum Dot)』と呼ばれる新技術を採用しており、非常に豊かな色彩表現が出来る事が本機の特徴です。なお、当記事執筆時点でのAmazonの実売価格は59,699円となっています。

KTC『M27T6』の詳細スペック

カタログスペックとしては下記のとおり。

基本スペック
型番 M27T6
パネルサイズ 27インチ
表示解像度 2560 × 1440 WQHD
入力電源 DC 24V / 5A
コントラスト比 5000:1(SDR)
1000000:1(HDR)
可視領域 596.736 mm × 335.664 mm
ピクセルピッチ 0.233 mm
輝度 1400 cd/㎡(TYP、HDR)
応答時間 1 ms(OD GTG) ※1
2 ms(GTG)
リフレッシュレート 180 Hz
色域 DCI-P3 96%
sRGB 99%
Adobe RGB 95%
色の深さ 8 bit
パネル技術 量子ドット(Quantum Dot)
バックライト方式 Mini LEDバックライト
壁穴サイズ 100 mm × 100 mm
HDR 対応
可視角度 178°
本体外寸 幅61.6 cm × 高さ54.7 cm × 奥行21.1 cm
インターフェース
HDMI HDMI 2.0 × 2
DP DisplayPort 1.4 × 1
USB USB 2.0 × 1
オーディオ イヤホン出力 × 1
電源関連システム
消費電力 120 W 以下
待機時消費電力 0.5 W 以下
環境要件
大気圧 86 kPa ~ 104 kPa
動作温度 / 湿度 0℃ ~ 40℃ / 30% ~ 90%(非凝結)
保管温度 / 湿度 -20℃ ~ 55℃ / 20% ~ 93% (非凝結)
  • ※1.OD=オーバードライブ。モニターの設定画面からOverdrive設定をONにした時の値
  • 製品添付のマニュアル記載内容を元に掲載しています

注目ポイントとしては、『量子ドット』と『Mini LED』の採用による、色域とコントラスト比の値。そして『リフレッシュレート 180Hz』と反応速度『1ms』という箇所。ゲームプレイに求められる反応の速さのほか、デザイン・クリエイティブワークにも対応できそうな色彩とコントラストを兼ね備えたディスプレイです。

(注)秒間に180回画面が更新され、画面の表示遅延もオーバードライブ時に最大0.1秒ほどしか発生しない。ただし実際のゲームではPCの性能やゲームの処理速度、その他の要因も影響するため、常に180フレームが表示されるとは限りません。

補足:量子ドットとMini LEDについて

何だか凄そうだけど、実際のところよくわからないこの『量子ドット』と『Mini LED』について、軽く調べてみたところ……

  • 量子ドットモニター:従来は青色LEDをバックライトに用い、直上に赤・緑の量子ドットフィルムを配置する。従来の方式(※)に比べて損失が少なくで広い色域・高色純度を実現できる。
    • ※従来は白色LEDの光をRGB三色のフィルターで分割する
  • Mini LEDバックライト:LEDチップを小型化。数千~万個の超小型LEDで画面をより細かく区分し調整。深い黒と高コントラストの実現が可能

という事だそう。そしてこれらを組み合わせて、鮮やかな発色と明暗差を両立したのが本製品『M27T6』です。

パッケージ開封・組み立て、各部のチェック

まずパッケージ開封をすすめましょう、パッケージの内容は下記の通り。

KTC M27T6の梱包を開けたところ
  • ディスプレイ本体
  • スタンド (ベース、ブラケット)
  • 電源(ACアダプター、ケーブル分離型)
  • DP(DisplayPort)ケーブル 1.5m

本製品にはHDMIとDP端子がDPケーブルしか入ってませんのでご注意を。HDMI接続となる場合は、ケーブルを用意しておく必要があるでしょう。

KTC M27T6のコネクタ部、左からHDMI1、HDMI2、DP、イヤホン/オーディオ出力、USB、電源
KTC M27T6のコネクタ部、左から
HDMI1、HDMI2、DP、イヤホン/オーディオ出力、USB、電源

USBコネクタはファームウェアのアップデート時に利用するコネクタなので、USBハブとしては動作しないようです。

ディスプレイ本体の背面には『フェースキー』があります。長押しで電源ON/OFF上下左右に傾けたり押し込む事でモニターメニューが表示されます。

写真左にあるのがKTC M27T6唯一のボタン『フェースキー』押し込みのほか、上下左右に傾けて操作する
写真左にあるのが本製品唯一のボタン『フェースキー』
押し込みのほか、上下左右に傾けて操作する

スタンドの組み立てはドライバーなどの工具は一切不要。ベースにブラケットを取り付け、さらにモニターをブラケットにカチッとはめるだけ。本体はやや重みがあるのでその点はご注意を。

全面にボタンが無いので、表示領域に対してベゼル部も必要最低限。見た目にもかなりスマートな印象です。

上下左右の角度、高さ、そして縦画面への変更も簡単

『M27T6』は付属のスタンドを取り付けた状態で、上下と左右の向きと、画面の高さを自由に動かす事ができます。

  • 高さは下限から上限まで12cmくらい可動能(手元で計測値)
  • 左右 -5~20度(マニュアル掲載値)
  • 上下 -5~20度(マニュアル掲載値)
  • 縦画面は左回転、右回転ともに90度まで可能
KTC M27T6の画面角度や縦横調整範囲
KTC M27T6の画面角度や縦横調整範囲
(マニュアルより抜粋)

以前レビューしたKTC『H24T7』(別記事)も上下の高さと角度は調整できましたが、こちらは左右の角度も変えられます。縦画面化も液晶画面を手で回転させるだけでスムーズに変更可能。凄い簡単、もちろん戻す時も。

不意に27インチで縦シューをしたくなっても安心!KTC M27T6
不意に27インチで縦シューをしたくなっても安心

モニターアームを使わないでもしっかりホールドしつつ、向きが変えられる。地味だけど嬉しいですよね。Steamで斑鳩を買っちゃおうかな……!

画面の発色、表示について

実際にKTC M27T6をPCに接続して使ってみると、目が疲れないやわらかな表現ながら色彩はしっかりと見やすいように感じました。

同じくKTCのゲーミングモニタ、H24T7と並べてみると、やはりその印象は強まりました。H24T7はメリハリがあって3Dゲームなどで映える表現だと思うのですが、今回のM27T6は色味がナチュラルに感じます。

撮影機材や環境などにも左右されるので厳密な検証にはなりませんが、同じPCから両方のディスプレイをHDMI接続し、同じ映像を表示させた写真と動画を掲載しておきます。ご参考までにご覧ください。

『KTC M27T6』27インチゲーミングモニター レビュー用検証動画

今回の映像素材だと、M27T6(右)は青や赤黄色といった彩度の高い色が綺麗に映っています(0:56あたりが分かりやすいかと)。対してH24T7(左)は黒い部分がしっかり黒いのでメリハリを感じます。

※双方とも条件を近づけるため、本体メニューの『Professional Mode』にて『sRGB』設定、明るさ、ブラックイコライザなどは50で設定にして撮影・録画をしています。

参考 H24T7/M27T6 スペック比較

スペック H24T7 M27T6
パネルサイズ 23.8インチ 27インチ
表示解像度 2560 × 1440 WQHD 2560 × 1440 WQHD
コントラスト比 1000:1  5000:1
可視領域 526.8mm × 296.4mm 596.736 mm × 335.664 mm
点距離
(ピクセルピッチ)
0.2058mm 0.233 mm
輝度 400cd/m2 1400cd/m2
応答時間 MPRT:1ms 
GTG (オープンOD):3ms
GTG(OD ※2):5.9ms(Typical)
1 ms(OD GTG) ※1
2 ms(GTG)
リフレッシュレート 180Hz 180Hz
色域 DCI-P3 95%
sRGB 99%
DCI-P3 96%
sRGB 99%
Adobe RGB 95%

本体メニューについて

本体のメニューもカラーやコントラスト設定から、ゲーミングアシスト機能まで充実しています。これらは、先に解説した画面後ろ柄にある『フェースキー』からアクセスできます。

M27T6 の設定メニュー
M27T6 の設定メニュー

PCを介さずにモニターの設定で、タイマークロスヘアーFPSカウンターを表示させる機能も搭載されています。

タイマー、クロスヘアー、FPSカウンターをモニターだけで表示させる機能も。クロスヘアーはFPSなどで活躍しそうだ
タイマー、クロスヘアー、FPSカウンターをモニターだけで表示させる機能も。クロスヘアーはFPSなどで活躍しそうだ

ちなみに、ゲームやウインドウ表示方法によっては画面の中心ではない場合もありますし、クロスヘアーの位置も微調整できればなお良いのですが……贅沢でしょうか。

本体メニュー操作一覧

その他本体メニューで設定できる項目は下記のとおり。

  • ディスプレイ
    • 明るさ:0~100の間で輝度を調節
    • コントラスト:0~100の間コントラストを調整
    • ブラックイコライザ:0~100の間(10単位)で暗い領域の輝度を調整
    • プリセット:ユーザー設定、Movie、Photo、ECO、読書モード、RTS、FPSから選択
    • アスペクト比:Full、16:9、4:3 から選択
    • 鮮明さ:0~100の間(10単位)でシャープネス調整
    • Professional Modes:Native、sRGB、DCI-P3、Adobe RGB、BT.200 より選択
  • Color
    • 色温度:Nomal、Warm、Cool、ユーザー設定から選択
    • ガンマ値:Off、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6から選択、中間輝度を調整
    • 色相:RGBCMYを0=100の間で調整
    • 彩度::RGBCMYを0=100の間で調整
    • ブルーライトフィルター:0,25、50、75、100から選択
    • 色の範囲:Auto、Full Range、Limited Range から選択
  • ゲーミング設定
    • Adaptive-Sync:ON/OFF
    • Overdrive:Off、標準、Middle、High、Dynamic Overdriv から選択
    • ゲームアシスト:タイマー、クロスヘアー、FPSカウンター何れかを表示
    • 低い入力ラグ(ラグ軽減機能?):ON/OFF
    • RGB Light:Off、息をする、Red、Green、Blue、Yellow、Magenta、Cyan、White から選択
    • MPRT:ON/OFF(ONにすると低解像ボケ時にオブジェクトの鮮明度向上)
  • 詳細設定
    • HDR:OFF、DisplayHDR、HDRゲーム、HDRシアター、HDR 600 から選択
    • ホットキー:フェースキーを左、右、下に倒したときのショートカットを設定変更可能
    • Locl Dimming:Off、Auto、低い、標準、高い から選択
    • DDC CI:ON/OFF
  • 入力
    • 自動選択:ON/OFF、DP、HDMI1、HDMI2から選択
  • System Sete
    • 言語:日本語、英語を含む9か国語から選択
    • OSD設定:メニューの横位置、縦位置、自動非表示時間、透明度などを設定可能
    • LEDインジケータ:OFF、薄暗い、明るい から選択
    • Audio:MuteのON/OFFと、ボリュームを0~100の間で調整
    • ソフトウェア更新:確定、キャンセル (背面USBコネクタにUSBが必要)
    • Reset:確定、キャンセル 設定をリセットする

まとめ・総合評価

以上、製品をご提供いただいてから2週間ほど使い込んだ上でレビューを執筆しました。高さや角度を簡単に変えられる台座や、多機能なメニュー操作など各部のハードウェア面は文句のつけようがありません。

オーバードライブ設定を活用する事で、高リフレッシュレート・低遅延という最新ゲームを良い環境でプレイしたい……という人の要求にもこたえられる性能が備わってます。

またゲームより写真や動画の加工、デザインなどにデスクトップPCを使う時間が多い筆者にとっては、M27T6の色鮮やかな表現(※)と程よいコントラストにはかなり好感を持ちました。

※色の表現についてはあくまで肌感覚。モニターキャリブレーションを用いた計測は行っていないので、ご参考までに。

大きい画面でゲームはもちろん、動画視聴やデザインも……と多用途に活用できる製品ではないでしょうか。そしてこんな液晶モニターが5万円代で(セール時には4万円代にも)で購入できるというのもなかなかの驚き。凄い時代になったな……という気がしてなりません。

安さゆえに耐用年数が気になるところですが保証期間は3年あるので、当面の心配は無用という所でしょうか。

なお、記事中に比較用に登場したモニター『KTC H24T7』については別の記事で同様にレビューしていますので、興味のある方は合わせてご一読ください。

機能 ★★★★(4)
ゲーミングに特化した工夫や機能が充実。画面の角度や高さ、向きを自由自在に変えられるのも良い。
デザイン ★★★★☆(4.5)
シンプルなデザインに、ロゴマークのワンポイントで好感がもてる。
コストパフォーマンス ★★★★☆(4.5)
実売価格28,900円、セール時には2万円代前半になる事も。
特性 ★★★★(4)
量子ドット採用で、色表現が豊か。sRGBの再現も高く、デザイン業務にも使えそう。
総合評価 ★★★★☆(4.5)
機能、ハード面、表現力などどこをとっても隙がない。耐用年数のみ気になる所。使い込んですぐに不具合れるようであれば追記する。
KTC M27T6 のレビュー
(最大星5つ/0.5刻み/9段階評価)

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