『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』第1弾発表に寄せて Fred again..やVulfpeck、HAIMまで!
『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』第1弾発表に寄せて Fred again..やVulfpeck、HAIMまで! 画像 FUJI ROCK公式サイト https://www.fujirockfestival.com/ より

『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』第1弾発表に寄せて Fred again..やVulfpeck、HAIMまで!

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先日、『FUJI ROCK FESTIVAL ’25(フジロック・フェスティバル2025)』の第1弾アーティストが発表された。一足早く発表された渋谷MODIの街頭ビジョン前では多くの喜びの声が上がっていたが、まさしく今年のフジロックは世界視点でも遜色のない、洋楽ファンの心をガッチリ掴んだ最強のラインナップと言っても過言ではないだろう。

今回はそんなフジロックの発表に寄せて、第1弾アーティストをチェック。当記事がこの夏に向けて期待を高める一助となれば幸いだ。

『FUJI ROCK FESTIVAL ’25』第1弾発表に寄せて

みんな待ってた『Fred again..』、『OK GO』『坂本慎太郎』も揃った1日目

まずは7月25日、金曜日のラインナップから。ヘッドライナーに選ばれたのは、毎年に渡って繰り広げられるヘッドライナー予想の上位に位置していたFred again..! 昨年はザ・キラーズ、一昨年はザ・ストロークスと『フジロックに望まれているアーティスト』は数多くいるが、その中でもマスにはまった完璧な起用だと思われる。Fred again..と言えば当日は映像やレーザーなど、様々な演出が多用される豪華なライブになることが期待される存在でもあり、きっと夜の時間帯に至福の時間を作り出してくれるはず。

Fred again.. – Delilah (pull me out of this) / Billie (loving arms) (Glastonbury 2023)
Fred again.. – Delilah (pull me out of this) / Billie (loving arms) (Glastonbury 2023)

また海外勢としては、ヒョゴの愛称でもお馴染みのHYUKOH & SUNSET ROLLERCOASTERが満を持して出演することに加え、こと来日勢としてはライブで最も早くフジロック出演をお漏らししたTYCHOらフジロックらしい面々が大決定。そしてピタゴラスイッチ的な驚きのMVで衝撃を与え、今まさにニューアルバムも制作中とされるOK GOも出演するとあって、ワクワクの連続だ。

OK Go – I Won't Let You Down – Official Video
OK Go – I Won’t Let You Down – Official Video

国内勢もそうそうたるラインナップが光る。再始動したSuchmosや超人気のVaundyはもちろん、元ゆらゆら帝国の中心人物であり、今や世界にも目を向ける坂本慎太郎の他、あのレッチリの単独ライブでゲストアクトとして演奏したことでも注目を浴びたおとぼけビ〜バ〜、重鎮たるBRAHMANKIRINJI。更には若手筆頭株のTOMOOなど全方位に振ったブッキングで、どの層にも刺さるよう工夫が凝らされているのが面白い。この日は出演者的にはどの日程よりもまだ少な目なので、次なる隠し球も残されていそうな雰囲気。

走れSAKAMOTO / Vaundy:MUSIC VIDEO
走れSAKAMOTO / Vaundy:MUSIC VIDEO

ファンクな『Vulfpeck』、そしてまさかの『山下達郎』に沸く2日目

翌26日は、今のところメロウ&ファンクの日なのかな、という印象の日。ヘッドライナーに選ばれたのは、なんとアメリカのファンクバンド・Vulfpeck!インディーにこだわり、独自性のあるグルーヴで楽しませる彼らが初のフジロック、かつ初来日でオンステージ。Vulfpeckの魅力と言えば、千変万化なサウンド。時にキーボード主体、また時にはベースの低音を軸とした楽曲の数々はフジロックにうってつけ。正直、ここまでフジロックに合致した音楽性のヘッドライナーは過去にないレベルだと思う。緑あふれる環境で聴きたい最高の音楽。

VULFPECK /// Big Dipper & Matter of Time (From Clarity of Cal)
VULFPECK /// Big Dipper & Matter of Time (From Clarity of Cal)

過去フジロックにも出演してくれたJAMES BLAKEはもはや誰にも刺さる起用として、EDM的に「さすがフジロック!」となったのはFOUR TETNIGHT TEMPOの2組。激しすぎればサマソニ寄りになるし、かと言ってチル過ぎても……という中でこの2組はマッチ度が段違いだ。どちらも夜の時間帯での出演のような予感がするが、これは出来れば被らず観たいところ。個人的にはシューゲイザー枠としてNEWDADが選ばれたのも嬉しく、この若手ベテラン関わらず雰囲気に合うブッキングをするのはフジロックの強みだなあとひしひし。

NewDad – Nightmares (Official Video)
NewDad – Nightmares (Official Video)

そして邦楽枠は、超ベテランの山下達郎がついにフジロックに降臨である。長い活動歴の中で彼がフェスに出たのは本当に数えるほど。フジロックは音の縛りがほぼなく、アーティストが好きに音を鳴らしても良い状況なのはよく知られているが、その主催の思いに彼が同調した形なのだろうか。どう転んでも歴史的な日になりそうな予感がする。他にもロックバンド枠としてサンボマスター、フジロック的な部分で言えば踊ってばかりの国君島大空 合奏形態STUTS離婚伝説といったメロウなアーティストが勢揃いしていて、この日もどのアーティストを観てもお釣りが来そうな1日に。

山下達郎「SPARKLE」Music Video (2023)
山下達郎「SPARKLE」Music Video (2023)

『Vampire Weekend』と『HAIM』、『THE HIVES』!ジャンルレスな3日目

最終日27日は、おそらく現段階では多方面に解釈が可能な、非常にジャンルレスな日と言える。ヘッドライナーはもはや常連のVampire Weekendで、2018年はボブ・ディランの下の準トリ、2022年はヘッドライナー。今回が実質的には2度目のトリを飾ることとなる。ただ今年の彼らは各国で高評価を受けた新作アルバム『Only God Was Above Us』をリリースした後の来日なので、セットリストに関しても過去の来日とは少し趣の異なるものになると推察される。それこそ前回のフジロックはその1枚前のアルバムを軸に構成されていたので、今回はどうなるか。

Vampire Weekend – A Punk (Glastonbury 2019)
Vampire Weekend – A Punk (Glastonbury 2019)

さて、そんな驚きに満ちた最終日だが、特にHAIMTHE HIVESは絶対に見逃せないアクトとして位置している。現時点で唯一の女性トリオであるHAIMは、同じハイム姓を持つ3姉妹。元々音楽性としてはミドルテンポなポップスで、どことなく環境的な雰囲気もあるのでフジロック向きだとは思ってはいたが、グラミー賞で最優秀新人賞を獲得したことから風向きが大きく変わった印象がある。またTHE HIVESは言わずもがな、AC/DCやザ・ローリング・ストーンズといったバンドと活動を広げてきた重鎮であり、どしゃめしゃロックの第一人者。これはメインステージで爆音で聴きたいところ。

HAIM – Want You Back (Official Video)
HAIM – Want You Back (Official Video)

日本勢も見逃せない。昨年サマソニに出演したCreepy Nutsは今年はフジに登場となる。“doppelgänger“や”オトノケ“ら最新アルバムの楽曲が広がりを見せる中での抜擢だ。更にはカネコアヤノのバンド名義であるkanekoayano、ロックのDYGLMONO NO AWARE、ピアノ旋律型のまらしぃ、ソウルフルなT字路sとこちらも振り幅に富んだラインナップ。タイアップも多数手掛けた羊文学は「ここらでメインステージかな」という印象だし、今年のライブ関係はほぼ沈黙していたはずのRADWIMPSに至っては周年記念で全く予想が付かない、面白い布陣だ。

Creepy Nuts – オトノケ(Otonoke) 【Official MV】 [Dandadan OP]
【MV】Creepy Nuts – オトノケ(Otonoke)

・最後に

ご存知の通り、今の日本は歴史的円安状態。そのため特にフジロックやサマソニといった洋楽フェスにおいては、今までのように海外アーティストの招集には大きな影響を及ぼしている。以下のインタビューでもフジロックの主催であるスマッシュの社長・佐潟敏博氏が「10年前の出演料の最高値って、もう今は支払えないですもんね」と語っているが、洋楽がひしめくような過去のフェスにはもう戻れないのが現状だ。

ただそんな中でも、今回のラインナップはフジロックファンの誰も置いていかない素晴らしい発表だったと思う。大物アーティストを配置し、インディーにも目を向け……。それでいて自然感のあるフジロックに合致した音楽も捉えるリサーチ力は「フジロックすげー!」と思わず叫んでしまいたくなる魅力がたっぷり。開催の7月までまだ時間があるが、ぜひ今後の出演アーティストにも期待しつつ、その時を心待ちにしておこう。

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キタガワ

島根県在住、会社員兼音楽ライター。rockinon.com、KAI-YOU.netなどに音楽関係の記事を中心に執筆。毎日浴びるほど酒を飲みます。

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