DMM TV新作シリーズ『LUPIN ZERO』独占配信開始 1話、2話試聴レビュー
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約1.3億人にも及ぶ日本の総人口。そのうち物心ついた年齢になりながらも「『ルパン三世』を全く知りません」という人は、ほぼいないのではないか。

ルパン三世の声、4人の主要人物、銭形の有名なあのセリフなどなど……。ルパンの知識は誰でも複数挙げられるはず。つまるところ日本を代表するアニメのひとつは『ルパン三世』。その結論は放送開始から何十年経った今も揺るがない。

そんな名作アニメ『ルパン三世』が2022年12月16日に、新たな動きを見せることとなった。……そう。ファン垂涎のスピンオフアニメ『LUPIN ZERO』の公開である。この作品のメインテーマはズバリ、ルパンと次元の少年時代。なぜルパンは怪盗になったのか、彼らの出会いは何だったのか。彼らの長らく語られてこなかったバックボーンに焦点を当て、新たな『ルパン三世』作品として世に送り出される意欲作だ。

そこで先日公開された2話分を鑑賞した感想を記すと共に、作品に込められた様々な要素についても簡単に紹介していきたい。

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『LUPIN ZERO』 DMM TVオリジナルアニメとして配信開始 レビュー

『LUPIN ZERO』メインビジュアル
『LUPIN ZERO』メインビジュアル

新しくも懐かしい『ルパン感』

視聴してまず感動したのは、作品全体の雰囲気。これは実際に鑑賞していただければ実感する点だが、主要人物であるルパンと次元の邂逅ひとつとっても、バビュッと移動する様やコロコロと変わる表情など、その一挙手一投足にどこか懐かしさを覚える。かと言って古臭さはなく、あくまでルパン作品を現代に合わせて昇華させた印象だ。

舞台となるのはモンキー・パンチの原作漫画の連載当初と同じ、昭和30年(1960年)代。そのため作画的には当時の町感を再現する形になるのだが、レトロな車やレンガ造りの家々、行き交う人の服装含め、その古き良き時代の匂いすら感じ取れる作画は素晴らしく、物語への没入度を格段に高めている。

舞台は昭和30年代
舞台は昭和30年代

アニメの王道を行く展開、憎めない悪役キャラといった要素も完璧。長年のファン視点では懐かしく、また「初めてルパン作品を観る」といった人にもしっかり面白さを提供している。総じて『ルパン感』とも言うべき魅力が、作品全体を押し上げている感覚にも陥った。

学生時代のルパン3世と次元、舞台の一部として学校も描かれる
学生時代のルパン3世と次元、舞台の一部として学校も描かれる

ルパンと次元、全てのはじまりの物語

続いては、肝心要のストーリーについて。先述の通り『LUPIN ZERO』は主人公であるルパンと、その相棒である次元のビギニングを描く作品。ゆえに我々は必然、よく知っている彼らの未来の姿と比較しながら鑑賞することになるのだが、純粋に「彼らは昔からああだった」と結論付けられる、変わらぬ性格面を描く展開が続いていく。

第1話、第2話ではルパンと次元の出会いと関わりを描く
第1話、第2話ではルパンと次元の出会いと関わりを描く

ルパンは持ち前の洞察力とお人好しさを武器に、対して次元はスタンドアローンな行動力でサポート。本来混じり合うことのないデコボココンビの日々は、将来的な『怪盗』に至るまでの道程を暗に示す流れ。後半にかけて畳み掛けるストーリーバランスはもちろん、生粋のファンにグッと来る場面もいくつか盛り込まれているので、その点も要チェック。

LUPIN ZERO場面写真
LUPIN ZERO場面写真

作品を盛り上げるサウンド面

音楽的要素に関しても、こと『ルパン三世』作品にはなくてはならない存在だ。サウンドを手掛けるのは、かつて『AFRO”LUPIN’68″』の劇伴⾳楽も担当した実力派・大友良英。彼は公式コメントにて「『LUPIN ZERO』の⾳楽を作るにあたり、⼭下毅雄作曲の初代ルパン三世の⾳楽のリメイクをベースにしたいという意向を監督から聞いた時は本当に興奮しました」と喜びを表しながらも、初代のルパンの音楽が完全には残っていない事実にも触れていた。……つまり今作のサウンドは数十年も前の音楽を現代に蘇らせるという、かなり難しい問題だったことになる。

そんな中で彼はその培われた経験値を元に、素晴らしい音楽を制作してくれた。管楽器を全面に押し出した音楽は聴いただけでも「ルパンの曲だ!」と脳が理解するし、物語が佳境に入った際のアッパーなサウンドに関しては、グッと興奮を高めるエッセンスとして作用。この縁の下の力持ち的な安心感は本当にすごいなと。

おわりに

『LUPIN ZERO』を鑑賞する人は、大きくふたつに分けられる。『元々ルパン作品をよく知っている人』と『そうでない人』。そしてそのどちらの人をも満足させる作品を作ること自体、とてつもなくハードルが高いものであることもまた、確固たる事実だ。

……ただ少なくとも2話分を観た個人的感想としては、あらゆる点で極めて完成度の高い作品になっていると断言したい。あれから何十年もの時を経て新たに紡がれる物語は、きっと次なるルパン作品へ最高の道筋を作ってくれるはずである。

全6話から構成されるスピンオフアニメ『LUPIN ZERO』は現在、DMMの新しい動画配信サービス“DMM TV”にて独占配信中。誰もが知っている⼤泥棒、その誰も知らない『はじまり』の物語を、ぜひその目で目撃してほしい。

作品クレジット

原作 モンキー・パンチ
監督 酒向大輔(「ルパン三世 PART5」副監督「妖怪ウォッチ」作画監督)
シリーズ構成 大河内一楼(「ルパン三世 PART5」「甲鉄城のカバネリ」)
設定考証 白土晴一(「ルパン三世 PART5」「ヨルムンガンド」)
キャラクターデザイン 田口麻美(「ルパン三世PART5」「チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃(ひかり)~」)
音楽 『AFRO”LUPIN’68″』 (作曲:山下毅雄 編曲:大友良英)
主題歌 『ルパン三世主題歌II』(七尾旅人)
アニメーション制作 テレコム・アニメーションフィルム
製作 トムス・エンタテインメント
キャスト 畠中祐(ルパン役)・ 武内駿輔(次元役)・早見沙織(洋子役)・行成とあ(しのぶ役)・安原義人(ルパン一世役)・古川登志夫(ルパン二世役)
配信開始日 12月16日(金)第 1 話・第 2 話 /12月23日(金)第 3 話
12月30日(金)第 4 話/1月6日(金)第5話/1月13日(金)第 6 話(最終話)DMM TVにて独占配信開始
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新作アニメ『LUPIN ZERO』本予告編公開!12月16日よりDMM TVにて独占配信!
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キタガワ

島根県在住、会社員兼音楽ライター。rockinon.com、KAI-YOU.netなどに音楽関係の記事を中心に執筆。毎日浴びるほど酒を飲みます。

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