AKAI『APC40 MK2』を『Ableton Live』で使う。MIDI接続設定とレビュー headphone-girl 公開:2018年7月15日(6年前) / 更新:2020年8月12日 コメント 0件 ハードウェアレビューDTMLive作曲 SNS X Facebook B! はてブ Pocket 当記事の内容および記事中のリンクには、広告目的や当サイトが収益を得るためのものが含まれており、これらの収益によってuzurea.netは運営されています。 私はこれまで、個人で作成したトラックをSoundCloudで公開したりしていましたが、ある時、自作トラックでライブ出演をしてみませんか?とご依頼を頂きました。 自作トラックだけを使っての個人でのライブは始めてだった(バンドなどではやっていました)のですが、PCでAbleton Liveを操作して……というパフォーマンスではちょっと物足りなく思ったので、MIDIコントローラーを探す事に。 Abletonの公式コントローラー『PUSH』も気になっていたのですが、AKAIのAPC40 MKIIも配置がAbletonの画面を想定して作られているとの事で、友達にお願いして同機を借りてAbleton live と APC40 MKIIという構成でライブをしてきました。 そこで今回はこのセットでの使用感やセットアップの方法などを中心に、紹介してみようと思います。 記事の索引1 Ableton live、APC40 MKII、その他のセッティング1.1 APC40 MK2をAbleton Liveに認識させる1.2 Audio Interfaceの接続とAbleton Liveでの設定1.3 コントローラーにエフェクトをアサイン1.4 ライブ・プレイの時の操作をテスト1.5 マイクでトラックにリアルタイム録音をしたい1.6 曲と曲を繋ぐ為の操作2 まとめと使ってみた感想 Ableton live、APC40 MKII、その他のセッティング Live会場でのセッティング 今回のライブでのセッティングはこんな感じです。 MacBook ProDAW『Ableton live』AKAI『APC40 MKII』オーディオインターフェイス RME『Babyface』※マイク入力にも利用マイク『SHURE 58』 結果的にはライブの2週間前にAPC40 MK2を借り、ライブ演奏は結構上手くいったと思うのですが、事前準備では色々大変でした。 APC40 MK2をAbleton Liveに認識させる APC40 MK2をUSBケーブルでMacBookにつなぎ、Ableton Live側から入出力設定をしてみます。……ですが本来付くはずのボタンが光らない。どうやら同期していないみたい。 Ableton日本語のwebサイトやAKAIのwebサイト、説明書などを見つつ色々ためしてみましたが、中々改善しません。こういった、MIDIやDAWとかの情報は、海外のホームページや英語の解説動画が多いため、日本語では情報が中々限られてきます。 いくつか、設定動画なども見てみましたが、特に難しい事はせず、すんなり音が出てるみたい。 しばらく奮闘してたところ、原因発見!Ableton Live側の設定が間違っていました。 環境設定> Link MIDI > MIDI > コントロールサーフェス の欄で『APC40 MK2』を選択しないといけないところ『APC40』に合わせていました……。 気付いてみると簡単な理由だったけど……って事、結構ありすよね。。 これだけの間違いで、かなり時間をつかってしまいました~(汗ソフトとかハードとか、なんでも始めて使う時のトラブルって結構こんな感じですよね。コンセント入れ忘れ……みたいなの。 Ableton Liveの画面に枠が……! MIDIコントローラーでアサインされている箇所が赤く示されて、同期が確認できました!……やっと遊べそう!嬉しい!! 画面の配置通り、APC40 MK2の右に並んでるボタンが『SCENE LAUNCH』ボタン になります。あらかじめLiveで作った曲を、ライブプレイ中にこのボタンで組み立てていけます。 写真ぼやけてますが、AKAI APC40 MK2 の基本アサイン状態 トラックのシーン毎の個別は『クリップ・ラウンチ・ボタン』で操作します。 ボタンの配置は『Ableton Live』と同じなので、本当見た目に分かりやすいですね!PCの画面をマウスでポチポチとクリックするより、ライブでのパフォーマンスが映える気がします! クリップ・ラウンチ・ボタンの上と、さらに右に配置されているツマミ類はエフェクトをアサインして使う事ができます。 コントローラー上部のトラック別のツマミ クリップ・ラウンチ・ボタンの右にあるDEVICE CONTROLツマミ 私はDJをする時や、バンドでギターを弾いていた時もエフェクト/エフェクターは沢山使うのが好きなのですが、クラブに備え付けのDJミキサーだとエフェクトが少なくて、ちょっと物足りなかったりもしていました。 そんな事もあって、APC40 MK2にAbleton Liveのエフェクト系をアサインしていければ、もっと楽しくプレイできるんじゃないかな、という期待もありました。 Audio Interfaceの接続とAbleton Liveでの設定 次はオーディオ・インターフェイスをつないで音を出してみます。 接続方法や使っているPCによって細かい所は変わってくると思いますが、私の環境での解説をしていきます。 まずPCとオーディオ・インターフェースをケーブルで接続します(これをしないと次の環境設定でプルダウンに出てきません)。 次に、Ableton Live側の環境設定で 環境設定> Audio > オーディオデバイス のオーディオ出力デバイスで『Babyface』を選択します。 オーディオ出力デバイスに使ってるオーディオインターフェースを設定 今回の私のライブではマイクもつなぐので、同じように入力の設定もします。 オーディオ入力デバイスにも使用オーディオインターフェースを設定 こんな感じです あとはオーディオ・インターフェイス側でマイクの入力ボリュームを調整してOKです。 ちなみにBabyfaceの場合、マイクをLかRのINPUTに差し込むので、差し込んだ側(今回はL)のボリュームをダイヤルを回して調整できます。 また写真がぼけてますが…。BabyfaceのLに入力 以上で、基本設定は完了です。 コントローラーにエフェクトをアサイン 入出力の設定も終わったら、上で書いたように、好みにエフェクトをコントローラーにアサイン(割り当て)していきます。 APC40 MK2の向かって右の側にあるツマミ類はエフェクトをトラック全体にかかる形に設定しようと思います。DJプレイの様にイコライザーや、ディレイ辺りをアサインしてみましょう。 まず、Ableton LiveのマスタートラックにエフェクトをINし、画面右上の『MIDI』ボタンをクリックします。 MIDIボタンをクリック 画面上でアサインできる箇所が紫色になります 次に、Live側のアサインしたい箇所……今回はEQ Threeのツマミ、とりあえずGainLowをクリックして…… EQ ThreeのGainLowをクリックしたところ 次にAPC40 MK2でアサインするつまみを少し動かす。ここにアサインしますよーとAbleton Liveに伝える感じかな? APC40 MK2のツマミを操作したところ アサインされた箇所は右上に数字が出ます。同じ手順でMidとHighもアサインしていきます。 GainLow、GainMidにアサインしたところ アサインがおわったら、Ableton Live画面右上のMIDIをもう一度クリック。以上でアサインが反映されます。 アサインは一度に全部しなくても良いので、少しづつ設定や挙動を確認しながら、他のつまみにもアサインしていけばOKですね。 APC40 MK2では、PAN、SENDS、USERと専用のボタンが配置されていますので、これで切替ができそうです。 PAN、SENDS、USERの各ボタンが、あるのが嬉しい! 私はUSERをクリックしたら、各音色の上のつまみでエフェクトを変る……といった設定にしてみました。 ライブ・プレイの時の操作をテスト 一通りアサインが終わったら、音を順番にならして曲っぽく演奏する練習をしてみました。 APC40 MK2で、トラック8よりさらに右側を表示したい場合はBANK SELECTボタンの矢印で『→』を押す事で移動してくれます。 BANK SELECTボタン 前の手順でエフェクトをアサインしたコントローラー上部のツマミもトラックと一緒に切り替わってくれるのが嬉しいですね。 音をならしながら、アサインしたエフェクトをリアルタイムでさわって変化をつけていく事でライブ感も出せそうです。 曲の組み立ては SCENE LAUNCH ボタンを押していけば変わっていきます。 SCENE LAUNCH ボタン マイクでトラックにリアルタイム録音をしたい マイクでリアルタイム録音も出来そうなので、設定してみました。 まずAbelton Liveでオーディオトラックを作ります。そのトラックのAudioFormをオーディオインターフェースのLに接続しているマイク(1)にします。 ※ライブ当日2に合わせてしまって、リハーサルであせりました。。 Lからだけ入力されているので 『1』を選択 後はAPC40 MK2側のトラックの録音ボタンをおせば録音待機状態になるので、 クリップ・ラウンチ・ボタン を押し、点滅したら歌の録音開始。 トラックの録音ボタン もう一度ボタンを押せば録音終了となり、その後は録音した歌がループでながれるようになります。 トラックにあらかじめディレイを設定しておいて、録音した歌声にディレイをかけて変化をつけたり、他のトラックでも同じように録音できるように設定しておけば、多重録音でハモったりもできます。 実際のライブでは、ただ「あ~♪」とだけ歌って、それを音程を変えて重ねました。 ライブでリアルタイムで多重録音したり、エフェクトをかけたりする事で、ひとりでもライブ感を出す事ができます。 曲と曲を繋ぐ為の操作 Ableton LiveではトラックのAとBに違う曲を割り当て、曲を繋ぐ事ができます。 トラックのA/B 切り替えボタン 一度押すとA。二度押すとB。 AMC40 MK2の横フェーダー 横フェーダーは見たままですが、左がAの音、真ん中は両方の音がでて、右がBの音が出ます。 ベース音のトラックをAにして、右か真ん中にある時だけベースが鳴って、左にすると消える。みたい事もできるわけです。 あと、ベース音を『ブーーーーン』と長く入れておいて、途中でフェーダーを左右に交互に早くスイッチして、音が『ブッブッブッ』と変化させる事もできます。ライブパフォーマンスの幅が広がりますね! まとめと使ってみた感想 以上、APC40 MK2でAbleton Liveを操作してのライブパフォーマンスの準備内容をご紹介してみました。 ライブ当日はここで書いたような設定で、エフェクト、ボーカルの多重録音・再生、横フェーダーの機能を使っての変化づけなどしてみた所、かなり演奏している感が出たように思えます。 Ableton Liveユーザーなら、AKAI『APC40 MK2』は使ってみて損はないように思います。もちろんライブパフォーマンスだけじゃなくて、トラックメイクの時にも効率が上がりそうです。 『PUSH』も欲しいけどちょっと予算的に……という私でしたが、設定も簡単で長い間Ableton Liveユーザーに使われてきたAKAIのMIDIコントローラーは流石!と思いました。